仮面の男(ポケットモンスターSPECIAL)

登録日:2012/07/04(水) 14:21:24
更新日:2019/10/16 Wed 17:39:37
所要時間:約 7 分で読めます






すぐにヤツの後をおわせてやる



ポケットモンスターSPECIAL第3章・金銀水晶編の黒幕。通称「マスク・オブ・アイス」。

■概要

不気味な仮面と白い長髪の鬘、そして黒いマントで身を隠す謎の人物。
行き場を無くしたロケット団残党をまとめ上げ、その新首領としてジョウト地方で暗躍している。
性格は冷徹で、目的の為なら手段を選ばず他者を「道具」と称し、刃向かう者には一切容赦しない。

(3章から)9年前にブルーシルバーを誘拐した本人。
ある目的のために優秀な手駒を育てるべく、各地からトレーナー素養の高い子供たちを誘拐し、
その中でも特に目をかけた6人を「仮面の子供たち(マスクド・チルドレン)」として修行を強要していた。
そのためブルーとシルバーにとっては師匠にあたるものの、彼らにとって「心に巣くう忌まわしい過去」そのものである。

ポケスぺならではのオリジナル展開に合わせたオリジナルキャラだが、正体はジムリーダーのひとり(以下後述)。

■主な行動

・第3章

初登場はウバメの森。
たまたま森を通りかかっていたゴールドに「この森から出て行け」と襲い掛かる。
この時はウバメの森の祠に用があっただけで、ゴールドの妨害で目的が果たせず去って行った。

ゴールドでも全く手が出せない程の実力者である事と、
更に炭を取りに森に来ていた炭職人の青年とカモネギをゴースで操ってゴールドに襲わせた事から、傷害事件としてウツギ博士が調べるようになる。

この時の戦いでゴールドのエーたろうが仮面の男のマントに掴みかかった際、マントの下で尻尾が何かに触れて金属粉がついたため調べてもらっていたが、
その成分がジムリーダーのジムバッジ(一般に配布するものではなく身分証明用の純正バッジ)の成分と一致し、正体がジムリーダーのひとりである事が判明した。



■実力

かなりの実力者である事は最初から示唆されてはいたが、話が進むに連れて化け物クラスのトレーナーである事が判明していく。

いかりの湖でのゴールドとの戦いでは、かつての弟子シルバーが捕まえた赤いギャラドスと無理矢理進化させられた野生のギャラドスたちに追い詰められる。
しかしデリバードでギャラドスごと湖を一瞬で凍り付かせ、ゴールドとシルバーを湖に沈めた(二人はその直後にエンテイに助けられた)。

その三週間後に、首領不在で活動しているロケット団残党の事を調べに来た元ロケット団幹部のマチスと対峙。
同じジムリーダーでありながら、デルビルだけでマチスを追い詰め、彼が命の危険を感じる程の殺気を放つ。
しかも、後のマチスとゴールドとの会話で専門は「こおり」であり、マチスとの戦いでは全く本気を出していなかったという事が判明する。


「…本気を出していなかったのか!?あの威力で!? まさか!!」


そして、セキエイリーグではホウオウルギアを連れて襲撃し、スイクンライコウエンテイに選ばれたカスミ、マチス、カツラと対峙する。
単独で各地のジムリーダーを倒す程の実力を持つスイクンたちの登場に、仮面の男もいよいよ劣勢になるかと思われたが……



「あなたは9年前も伝説のポケモンホウオウをその手に捕らえていた!
そしてホウオウが見定めた各町の『トレーナー能力の高い子供たち』を連れ去った!」

「でもそんなあなたの計画を、ホウオウを使って悪事を働く計画を許せないと思うポケモンたちがいた!
それがこのスイクン、ライコウ、エンテイだった。」

「その戦いによってスイクンたちはみごとホウオウをあなたの手から解放させることに成功した!
「…でもそのかわりあなたに封印されてしまった!
焼けた塔の片すみに!!」


「フハハハハ!そこまで知っているのなら今回の結果もわかるだろう?」


「かつて私にかなわなかったものたちだ!! 同じことよ!!」



何とそれぞれが各ジムリーダーを超える実力を持つスイクンたち三匹がかりでも、仮面の男には敵わなかったという衝撃の事実が明らかになる。

ジムリーダーを上回る伝説のポケモンすらものともせず、本来ならトレーナーに付くポケモンではないホウオウとルギアを、
特別な道具に頼らずに純粋に実力だけで捕獲し自力で支配していること*1などから、いかに飛び抜けた実力を持つ敵であるか伝わって来る。
本作では殆どバグったような実力を誇るワタルですらトレーナーバッジの支配力を利用してもなお、ルギアを完璧に制御するには至らなかったことを考慮すれば分かり易い。




以下、ネタバレ









■正体と素顔

その正体は、ジョウト地方チョウジジムリーダー・ヤナギ
  • 仮面の男はこおりタイプが専門である。
  • 9年前の時点でホウオウを捕獲し、誘拐した2~17歳の子供たちに英才教育を施していた
    =かなり年配の人物である。
  • 15巻の裏表紙で仮面を持っている
などから、大体正体はこの人に絞られる。
そもそもヤナギ自身も
  • 「(自分のところにはスイクンたちが)来ない理由(わけ)がある」と思わせぶりな独り言を言う。
  • 他のジムリーダーよりも飛び抜けた実力を、マツバに「得体が知れない」と評される。
  • ジムリーダーで唯一、リニア列車に乗っている描写がない。
など、ずっと怪しさを見せてはいた。

ジムリーダーとしてのヤナギは表向きは謙虚で優しげな老人だが、仮面の男としての顔が本性。
若い頃はオーキド、キクコ、育て屋夫婦、ガンテツとは仲の良い親友同士であった。

目的は「時の支配」。
かつて自らの不注意で、可愛がっていた二匹のラプラス「ラ・プルス」「ラ・プリス」を氷原で失ったのがすべての始まり。
そのことをずっと悔やみ続け親友たちとも疎遠になった。
そして二匹の遺児である「ヒョウガ」を両親に会わせたいと思うようになり、時を超える方法を模索するようになる。
そうして行き着いたのがセレビィと、時のはざまに入り込む事のできる「にじいろのはね」と「ぎんいろのはね」だった。

彼にとってポケモンとは愛すべき大切な存在であり、それを貫く為の方法全てが「道具」なのである。
無論自らのラプラスを非常に大切に思っており、クリスにたったそれだけの為にこれほどの悪事をしたのかと咎められた際には、
お前たちにとってはそれだけの事であっても!!私にとっては生きていく全てだったよ!!」と激昂していた。


■手持ち

主力はウリムーデリバードが双璧をなす。
「ウリムーwwwwとwwwデリバードwwwwwwしょっぼwwwww」と侮るなかれ。この漫画はポケスペだ。

  • ウリムー
ウリムーは普段のジム戦も主力にしている他、ヤナギ自らが「仮面の男」として出撃するときも常にそばにおいている。

特筆すべきは創り出した氷像を自在に操る特殊能力。
原理としては空気中の水分の凝固と分解を超高速で繰り返して氷の塊を自由自在かつ素早く動かせるというもの。公式サイトでも超絶能力と紹介されている極めて特殊な氷である。
更にこの氷は動くだけでなく、大気中に水分さえあれば自己再生を繰り返し、ヤナギ不在でも勝手に戦い続ける
砕けても炎で溶かしても平然と再生し、伝説のポケモン・エンテイ等の「特別な炎」でしか無力化できないという壊れっぷり。

このウリムーにあるまじき常識離れの能力によって、人型の氷像(氷人形)を生み出し、これに車椅子ごと乗り込み仮面とマントを装着することで「仮面の男」の外見になる。
氷の体積を変えることで体型をごまかせることから正体のカモフラージュの役割も担っており、作中では登場するたびに以前と微妙な体型の変化が確認できる。
また上記の性質を利用して氷の体を用いた戦闘もこなせるので、一種のパワードスーツとしての側面も見える。

氷人形そのものの強さも申し分なく、レッド達の主力ポケモンを白兵戦だけで圧倒できる程。
しかも上述のとおり、ヤナギがその場にいなくても自動で戦うことができる。
また、この氷人形は複数体同時に精製できるため、数的不利も容易くひっくり返せる。

ざっくりまとめれば、物凄く強いゾンビ軍団の無限精製能力を持つポケモンがヤナギのウリムーである。お前ホントにウリムーか

応用的な技として、氷の盾で攻撃*2を受け止める、という化け物じみた防御力も持ち合わせていたり、
その氷の盾をそのまま氷人形に変えてカウンターに転じるなど、攻守ともに訳の分からない高性能。
ウリムー自身、(相手の攻撃を利用したとはいえ)疑似的な"ぜったいれいど"を"こなゆき"を起点に作り出す、などと普通に技を放っても一級品の強さであることがわかる。

この通り、一般ポケモンかつ進化前でありながら、作中の実績や規模は伝説のポケモンに匹敵するレベル。
実際にスイクン・エンテイ・ライコウは過去、氷壁でぺったんこにされて時のはざまに封印されていた。

※注:伝説のポケモンではありません。ウリムーです。


  • デリバード
仮面の男としての主力。
相性最悪のホウオウを単騎で捕獲したり、ギャラドスの大群と一緒に、いかりの湖を丸ごと氷結させたりと、こちらも圧倒的戦闘力を誇る。

しかもホウオウを捕獲した時は、トレーナー自身はその場に不在。
モニターの映像越しに戦況を見て、デリバードへの指示はモールス信号、という遠隔ポケモンバトルで戦っていた*3
その脅威を身を持って知っていたゴールドは対策を考えており、デリバードはニョたろうの「ほろびのうた」で強引に倒していた。

…いくらなんでも強すぎる。
現実では埋葬ポケの代表格なだけにウリムー同様「デリバードの皮を被った何か」だのと言われる。
おかげでただでさえ作中の行動でネタにされていたフリーザーは完全にこいつと比べられることになった*4

※注:デリバードも伝説のポケモンではありません


また、エキスパートの氷以外のポケモンも強く、マチスも専門外のポケモンの強さに驚嘆していた。
他のポケモンは
  • デルビル(あく・ほのお)
  • ゴース(ゴースト・どく)
  • アリアドス(どく・むし)
デリバード(こおり・ひこう)も含めると、全て目的のポケモンであるセレビィ(くさ・エスパー)の弱点を突いた構成。
特にデルビル、ゴースはジムリーダーに即座に逃げの一手を打たせたり、ジムリーダー三人がかりの状況を逆転させたりと要所要所で活躍している。

明言こそされていないものの、エンジュシティを壊滅させた巨大イノムーもおそらく手持ちの一匹と思われる。

小細工せずに自分のポケモンだけで伝説系や図鑑所有者たちを相手に優勢でいられる程の圧倒的な実力者のため、
連載中の現在でもポケスぺ最強のトレーナーと最高評価をつける読者は多い。
その割に相手の策に乗せられやすいものの、その全てを戦闘前の下準備や単純な力押しで破っている力量の持ち主。
特に一対多数の戦いでは、人数不利をものともせず圧倒的な攻撃力をもって何度も粉砕している。


■顛末と後の章での扱い

上記の通り多数の障害を圧倒的実力で排除し、その目的の実現に近づいていった。
最終的にはセレビィを手に入れ時のはざまに入るも、
ゴールドのピチュが放った電撃「(スーパー)ライジングサンダー」とレッド達図鑑所有者とスイクン・エンテイ・ライコウの援護射撃で、セレビィの入ったボールを破壊される。
しかし、ヤナギの思いを汲んだセレビィによって、ヒョウガは亡き両親と再会。

そして当時は悲しみのあまり心に届かなかったものの、
かつてラプラスを失った自分の為にオーキド達がヤナギをイメージして作った歌である「ラプラスに乗った少年」に感銘を受け、
気を失ったゴールドに「ポケモンと過ごす時間を大切にな」と言い残し、時のはざまへと消えていった。歌が心に届いた彼の表情はとても穏やかだった。
以来消息不明で、ジムの状態も明かされていない。


第5章では、かつてブルーとシルバーが脱走した際の回想で登場。
シルバーの事は「サカキの息子」と知っていた上でホウオウに誘拐させていた事が判明する。

また、目的の為に全てを「道具」として割り切って利用してきたヤナギだが、
ブルーとシルバーの脱走を聞いた際に、本人も今まで気付かなかった子供たちへの愛情があったと自覚した。
自身と誘拐した子供たちが仲良く集合している氷の像を作成しており、家族に憧れを持っていたと思われる一面を見せている。



+...
(第9章にて)
長らく生死不明だったが、42巻にて1章の黒幕サカキ、2章の黒幕ワタルと共にまさかの再登場を果たす。
いきなりの登場(雑誌連載時この展開ではなかったので、まさにサプライズであった)に、全ポケスぺ読者が驚愕したのは言うまでもない。

ちなみに車椅子&膝上ウリムーなのは変わらないが服装はリメイク版仕様に。
現実の世界に戻ったときはリメイク前そのままだったが、直後に出会ったサカキとの戦いで大きく破れたため着替えたのだろう。

5年前の決戦の後、時を捕らえるボールを失ったものの、セレビィの意志によって「時のはざま」の中で生かされていた。
そしてセレビィがとある人間に着いて行くのを見届けた後、「時のはざま」の中で様々な時代の出来事を見てきたという。
その中でジョウトとシンオウが消滅する未来を見たことで、その破滅の未来を防ぐために行動していた。

そしてヤナギは時を支配しようとしていたので、アルセウスに創造されたシンオウの伝説3匹のうちのディアルガと戦う事になる。
なおディアルガの「ときのほうこう」を喰らっても余裕綽々と、実力は全く衰えていないどころか更に増したと言える。
さすがにディアルガも強かったものの、上述した要素から一部読者からは「あのウリムーに対抗できるディアルガがすごい」なんて言われることも。
……何かがおかしいが気にしてはいけない。

シント遺跡での戦いの後はチョウジジムへ戻ると言い、立ち去る前にシルバーからアイスバッジを返されていた。
どうやら一連の戦いを通じてシルバーとも和解できたようである。

…ロケット団首領としてまた地下に潜ったであろうサカキはともかく、ヤナギについてはワタル共々これだけの大事件を引き起こしたことが露見しているのに、
公の場に姿を現して警察に逮捕されないのだろうかとツッコミを入れた人も多いだろう。
まあ、2人ともどうやって逮捕すればいいのかというレベルの実力者なのは事実だが。


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