登録日:2010/12/01 Wed 23:04:09
更新日:2025/01/16 Thu 20:04:09
所要時間:約 10 分で読めます
埋葬ポケ
とは
ポケットモンスターシリーズにおいて、不遇を通り越えて
対戦で活躍させることが困難を極めるポケモン達の総称。
主に特性が実質的に無意味であったり、能力値が異常に低い等の理由がある。
「長所こそあるが、環境クラスの強さには及ばない」という理由で採用率が伸び悩む
マイナーポケモンとは似て非なる存在。
間違っても
ハカドッグのことではない。
概要
ポケットモンスターシリーズには1000種類以上の個性的なポケモンがいるが、対戦での強さはまちまちであり、とてつもなく強いものからどうしようもなく弱いものまでいる。
その中でも埋葬ポケと呼ばれるポケモンたちの戦闘力は「他のポケモンの劣化」だとか「マイナー」だとかそんな生易しいレベルではない。
もはや「決定的な何かが全く足りておらず、よっぽどの深い愛が無い限り採用する理由が存在しない」と言うレベル。
「不遇ポケモン」の中でも最も酷いレベルと言える。
ちなみに
唯一王や
フライゴン等、よく不遇だの不憫だの言われるポケモンも多いが、あいつらは
十分戦える性能なのでここに載る事はまずありえない。
ここに記載されるのは、そこいらの弱ポケを軽く圧倒する(
悪い意味で)異常な戦闘力を持っているポケモンなのだ……。
なお、当然の事ではあるが「埋葬ポケだから楽勝楽勝wwwwww」とタイプの相性や場の状況をろくに考えずに戦ったり、
アホみたいな行動を取ったりするとどえらいことなるので注意。
「雨降ってる最中に降臨したジュエル持ち
ラブカス相手に
耐久無振り
ヒヒダルマを交代出ししたら
呆気なく落とされたでござる」
なんて失敗がないように。そもそもヒヒダルマは素のラブカスのドロポンすら乱1だけどね!
また、埋葬ポケをあえて使う対戦相手に敬意を払う為にも、容赦なく正攻法で闘おう。
何?こいつらにタスキ&かげぶんしん&まもる&どくどくの運ゲで全抜きされたって?
君の生まれの不幸を呪…う前に対策ぐらい覚えておけ。
彼らと彼らを愛するポケモントレーナーたちは、今も次回作で救済される淡い期待を抱いている…。
実際、かつて不遇だったポケモンが厨ポケと呼ばれるくらいの地位に大出世したという報告もあるのだから。
なお、忘れてはいけないのが「対戦での強さ」はポケモンを評価するうえでの指標の1つに過ぎないことである。ポケモンはそもそもビデオゲームのキャラクターであり、対人戦で使うことだけがポケモンの楽しみだけではない。(もちろんそれが多くを占めるのもまた事実であるが)
デリバードやアンノーンはシンボルやマスコット、あるいはネタ枠のような存在であり、元々バトル用として作られていないと思われる。
また、そもそもポケモンシリーズは1人用
RPGでもある。作中で敵キャラとして登場することを前提としたポケモンについては対戦で活躍しやすいような性能を与えにくいという側面がある。
タイプごとの格差についても明らかに不遇なものが存在しているが、キャラクターとしての個性づけという側面を無視できないため、これもある程度仕方のないことではある。
ポケモンを単にキャラクターとして好む人は「あのポケモンは埋葬ポケだ」というレッテル貼りを嫌うこともあるので、ほどほどにするのが無難だろう。
埋葬ポケ一覧
BWでは
じめん技の「ドリルライナー」を修得し差別化自体はできたものの、耐久無振り
ジバコイルに撃って
ようやく低乱数1発という始末。
しかもあいつは大概が耐久振りで『
がんじょう』持ちだし、そもそも火力自体がないので武器を手に入れても使いこなせない。
第7世代では
ドードリオが教え技で「じだんだ」を修得し、「とんぼがえり」以外での差別化が厳しくなった(その「とんぼがえり」も他の鳥ポケモンの多くが修得するため事実上差別化は不可能に近い)。
カモネギと立場逆転。
第8世代以降、リメイク以外で全く音沙汰がなく将来は暗い。
該当世代:第2世代~
こおりと
ひこうタイプを持つポケモン最底辺なサンタ。
相手に勝利をプレゼントするサンタ。
おまけに
BWにて与えられた
隠れ特性の『ふみん』は
通常特性の『やるき』と
まったく同じ効果
である。
もうひとつの
特性の『
はりきり』でA特化した場合、種族値107程度の火力を得るが素早さは75と
ニドクインや
ヒードランと大差ない。それでいて耐久は
サメハダー未満と問題だらけの
種族値である。
タマゴ技や教え技で「ブレイブバード」や「トリプルアクセル」など高性能なタイプ一致技を習得でき、
サブウェポンもそれなりに揃ってはいるのだが、
『はりきり』では命中不安が付きまとうし、かといって『はりきり』以外では
種族値が足りず技の性能を活かすことができない。
襷カウンターから「こおりのつぶて」や「みちづれ」など一対一交換を強要する戦法も取れるが、
どちらの戦法も相手の攻撃が前提であり、読まれると不発に終わるばかりか起点にされてしまう危険もある。
特にこの戦法は
剣盾の
ダイマックス環境とは相性が悪く、前者は低HP故に
ダイマックス中の相手はH252振りでも倒せないことがほとんどで、
後者はそもそも
ダイマックスで
無効化されるという始末だった。
「ねこだまし」や「こごえるかぜ」といった味方を補助できる技はある程度覚えられるため、
ダブルでは使えなくもない…かも。
SVではそっくりさんの
テツノツツミが
フトゥー博士からプレゼント。なんと
準伝説並みの種族値である。その実、デリバードと酷似した見た目でランクバトル環境を蹂躙する紛れもない強ポケなのだが、
当のデリバードは全く関係がなく、恩恵を何一つ受けられていない。
なお技マシン化したアンコールは覚えなかった。(テツノツツミは覚える)
余談になるがこの反動か、ポケダンでは相手に即死級ダメージをプレゼントする
テロリストと化し本編の鬱憤を晴らしまくった。
更に
漫画「
ポケットモンスターSPECIAL」では、ロクな指示をもらわずとも
ホウオウとタイマンを張れる程の作中最強候補ですらある。
該当世代:第4世代~
序盤虫最底辺なうえにまさかの多重劣化。
ちなみに隠れ特性は『とうそうしん』と
むしタイプでは唯一。
ただし最早これがなければ完全劣化は免れられない。
『
LEGENDSアルセウス』では
ライバルがいないことと習得技のテコ入れにより少しはマシに。通信対戦がないのが悔やまれる。
一方、あんまり酷すぎて一時期一部のネタ層では逆に大人気に。その人気は最早一つの
宗教と呼べるレベルであった。
なおアニメではレギュラー入りする等、真っ当に優遇されてはいる。
こいつもまた、第8世代以降リメイク関連以外で音沙汰がない。
該当世代:第3世代~
みずタイプ文句なし最底辺。
ハートのウロコが本体で
ラブカス自体はオマケ扱いされる事もしばしば。ポケモン界の
ビックリマンチョコ。
(ウロコを)乱獲される分、余計酷いかもしれない。
SM以降乱獲されることは減ったが、これはこれで
ラブカスの立つ瀬がない。
一応、特性『すいすい』を「なかまづくり」できるのは今でも
ラブカスしかいないが、他のポケモンで素直に「おいかぜ」した方が手っ取り早いのでほぼ無意味。
一方、ポケモン不思議のダンジョンでは意外とバカにできない強さを持つ等それなりに優遇されている。
SVではタマゴ技消失により「なかまづくり」すら失ったため、いよいよ対戦での運用が不可能レベルに。「碧の仮面」で一通り返してもらったのだが、それで戦えるのかははっきり言って未知数……。
一応数値上は最速のメロメロ使い(メス限定)と言ういいのか悪いのかよくわからない立場ではある。
該当世代:第3世代~
ノーマルタイプ最底辺におり、何らかの最弱を決める際は大体
ラブカスと一緒に名前が挙がる可哀想なポケモン。
まず種族値が全てにおいて壊滅的に低く、第6世代まではHP・素早さの
70が最高とまさかのデリバード未満。第7世代で素早さが20上昇したがそれでも並以下であり、上昇後でも合計種族値はたったの400と全く救済が足りていない。
第4世代からは
専用特性の「ノーマルスキン」を貰ったが、これまた欠陥だらけの仕様のせいで形だけの個性を成立させた
非常に残念な特性になってしまっている。
他の特性は「メロメロボディ」、「ミラクルスキン」(隠れ特性)と
エネコロロ本体の性能と全く噛み合っておらず、最早どういう型で育成すればいいのかすら分からない、八方塞がりの状況に陥りやすい。
一番の絶望はこの性能でありながら
進化に「つきのいし」を必要とすることだろう。
そのため旅パでも採用を憚れてしまう、とことん可哀想なポケモンである。
また石進化のポケモンに追加
進化が与えられた前例はなく、追加進化での強化の望みも薄い。
こいつも第8世代以降(ry
該当世代:第4世代~
俗に言う序盤虫ポケモンなのであまり強くないのは仕方ないのだが、その中でも最低クラスの能力しか持たないポケモン。
390しかない合計種族値の
半分が特防と素早さに振られ、残りは雑にバランスよく振られると言う困った性能。
そのため火力と物理耐久は最底辺。特防だけは高いもののHPが低いのでトータルの特殊耐久は平均よりちょっとマシ程度。
それならせめて有用な特性でカバーしたいところだが、肝心の特性は火力アップ特性の「てつのこぶし」と「むしのしらせ」、
眠り状態を防ぐ「はやおき」の3つ。
火力アップ特性については素の火力が低すぎてほぼ無意味。適用できる技も少ない「てつのこぶし」などもはや
ギャグの領域
である。「はやおき」も無いよりはマシというレベル。
攻撃面は壊滅的だが、一方でサポート技は充実しており、恐らく公式は
レディアンを平均的な素早さから味方をサポートさせる起点役と想定しているのだろう。
実際ポケモンの種類が少なく、全体的に能力の低いポケモンが多く特性のシステムがなかった第2世代のころは
レディアンも壁を張れる
バトン役としてそこそこの活躍をしていた。
しかしそれ以降は優秀なポケモンが多数登場したことで
レディアンがサポート役として出てきても何かする前に即倒されてしまうようになり、さらに
レディアンの上位互換に近い優秀なサポートポケモンも増えたことで
レディアンを採用する必然性は皆無となった。その後、「
カウンター」を習得し奇襲性は増したものの、今度は
ストライクが立ち塞がる。
総じて、低すぎるステータスが足を引っ張り、技自体は悪くないものの活躍できる場面がほぼないという結論である。
ポケウッドでの大活躍はどこに行ったのやら。
こいつも第8(ry
該当世代:第4世代~
チチチチチポォーウ!
第4世代における序盤虫の一匹。
他の序盤虫の埋葬ポケと同様、
種族値がかなり低い。その上配分も微妙で、かなりの鈍足低耐久。
辛うじて物理攻撃力だけは平均よりやや低め程度にはあるのだが攻撃技の通りの悪い単虫タイプであることが足を引っ張り、実質的な火力は数値以上に低い。
しかも
種族値的には物理アタッカータイプなのに有用な物理攻撃技をあまり覚えられず、上手く活用できない高性能な特殊技をたくさん覚えられたりと
種族値配分と覚えられる技にシナジーが薄い。物理攻撃力と特殊攻撃力の
種族値が逆ならよかったが……
特性の「むしのしらせ」と「テクニシャン」も
種族値配分や覚える技とシナジーがあまりなく、有効活用は難しい。
そもそもターン制コマンドバトル方式のポケモンでは鈍足低耐久というのは大きなハンデとなる。素早さが低いと自分が行動する前に相手に攻撃される上に耐久が低いと即座にやられてしまうので行動できる回数が極端に減ってしまうためである。
なので鈍足低耐久のポケモンはよほど強力な強みがなければ対戦では使いものにはならないのだが
コロトックにそうした強みはない。
一応「ねばねばネットをまいてからのほろびのうたで相手に交代を強制する」、「テクニシャンとれんぞくぎりの組合せで大ダメージを狙う」、「テクニシャンととどめばりで火力アップを狙う」などの
コロトックくらいにしかできない独自の戦法はあるのだがどれもそこまで強い戦法ではない上に鈍足低耐久のせいで成功させるのも難しい。
アタッカーとしてもサポート要員としてもこれといってできることがほとんどない上に速攻で叩きのめされてしまうという何とも使いどころのないポケモンなのである。
ちなみに
ダイヤモンド・パールのリメイク版であるブリリアントダイヤモンド・シャイニングパールでは初撃威力40になった「れんぞくぎり」をひたすら振り回す兵器に。
さすがに終盤までは保たないが、「うたう」「みねうち」を両立できるので捕獲要員にはなれる。
SVでは「ねばねばネット」の習得者が一気に減ったのは一応追い風……だったのだが、「碧の仮面」で習得者が4種も増える始末。
一応「がむしゃら」を覚えるので襷と合わせて…と言いたいところが、教え技から外れ習得できなくなってしまった。
いずれもなかなかの強さのむしばかりでコロトックの将来は暗い。アリアドスは別だが
グレーゾーン
攻撃以外の能力値が、特性、タイプともに同じである
チリーンの劣化。
というか「イカサマ」「パワーシェア」等を考えると攻撃の高さもむしろデメリット。
さらに覚える技は「
めざめるパワー」のみ…
ただしイベント面で優遇。
というか完全にイベント専用に作られている節があり、存在そのものがアイデンティティなので埋葬ポケに分類するかはグレーゾーン。
あと並べれば文通もできる便利っぷりも光る。
特にミツハニーは
わざマシンや遺伝でわざを覚えられないと悲惨。
特性も『はりきり』は悪くないが、特化でも71相当にしかならず、覚える物理技も通りが最悪の
むしタイプのみ。
一応教え技で「おいかぜ」→「がむしゃら」が出来たため他の埋葬ポケとギリギリ肩を並べるくらいの性能ではあったが、
剣盾で
どちらも喪失。続くSVでも「おいかぜ」の技マシンが復活したのに
ビークイン共々習得不可という憂き目に。
『みつあつめ』はバトルでは役に立たず、それ以外でもあまり役に立たないが、
XY・
ORAS環境ではミツハニー♂が
群れバトル要員としての需要が高まった。
群れを狩って育てたいポケモンに
努力値を降るときにお呼びが掛かる。
学習装置の仕様変更に伴い手持ち全員に
経験値が割り振られるため、
どれだけ
経験値を貰っても誤って進化する心配がないミツハニー♂は非常に心強い。
更にレベルが上がれば特性『みつあつめ』の発動率が上がるためなお美味しい。
…が、
SMでフィールド技自体が没収され、『あまいミツ』もショップで買えるようになり、再び不遇という浮き沈みの激しさを見せている。
そればかりか続く
剣盾では450円の換金アイテムと化し、
SVではそこから更に半額に下方修正。
ヤトウモリもミツハニーと同じく♀のみが
エンニュートに進化する。
ビークインの悪夢再来。
マシン技や
タマゴ技は普通に覚えるためミツハニー程悲惨ではないが、
エンニュートの覚える「アンコール」は欲しかったところ。
ちなみにどちらも♂♀の割合は
御三家や
イーブイと同じ7:1。実際のミツバチの♂♀の割合は逆。
しかしながらこの2匹は図鑑説明を補強するためのフレーバーテキスト的な存在であり、意図的に進化前相応の性能にされた可能性が高くグレーゾーン。
能力値は上記と比べるとかなりマシだが、
オニゴーリと全く変わらない程度の能力。
なにより
マナフィの
完全劣化という残念な子。マナフィの卵から孵るのに
なぜかマナフィに進化することが出来ず、そのせいで輝石も使うことが出来ない。
なのに
禁止級のいる環境にしか出られない。正に禁止級界の埋葬ポケモン。
オマケにマナフィの映画では
言及されないどころか存在すらしない。
いわゆる「
幻のポケモン」の中では主役作品及び関連作を持たない数少ないポケモンになっている。
ただ、そもそもマナフィの廉価版的存在として生み出さざるを得なかった可能性が高く、アンノーン同様存在自体がアイデンティティなのでグレーゾーン。
どういう訳なのかは本人(?)の項目に委ねる。
追記・修正は埋葬ポケの活躍を願いながらお願いします。
最終更新:2025年01月16日 20:04