Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀

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Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀 - (2018/12/11 (火) 16:12:26) の編集履歴(バックアップ)


登録日:2016/10/10 (月) 00:17:28
更新日:2023/10/31 Tue 17:04:13
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驚 天 動 地

超 絶 武 侠

雷鳴、閃光、天地揺るがす轟きを鳴り物に物語は幕を開ける。
晴天にあって、霹靂を聞くかのごとき驚天動地の幻想奇譚――。



概要

『Thunderbolt Fantasy 東離劍遊紀(サンダーボルトファンタジー トウリケンユウキ)』とは、2016年7月から9月までテレビで放送されていた日本、台湾共同で製作された人形劇。
放送されていたのはTOKYO MXの金曜23時~23時半の、いわゆる深夜アニメゴールデン枠。

さて、普通人形劇と言えば、NHK教育テレビで放送された『三国志』や『里見八犬伝』など、歴史武侠劇が馴染み深いだろう。
しかし、人形劇ゆえの「作り物」臭さに苦手意識を持つ人も少なくないはずだ。
だが、この作品で携わっている台湾の伝統芸能「布袋劇」は、衣装から小道具に至るまで精巧に作られた人形だけでなく、
アクロバティックなバトルシーン、爆発、光、果てには人体破壊のエフェクトまで手の込んだ作り込みで、アニメと遜色ないほどの迫力を見せている。
このハイクオリティな人形劇を製作したのは、台湾で布袋劇制作会社のトップに立つ霹靂社。かつては台湾のレンタルビデオの10%を占めたほどの大会社である。

そして、今作を企画し、脚本、総監修を担当したのは、ニトロプラス所属で、『吸血殲鬼ヴェドゴニア』等のゲーム、『Fate/Zero』等の小説、『魔法少女まどか☆マギカ』等のアニメ、特撮作品『仮面ライダー鎧武』など、多数の人気作を手掛けた虚淵玄
かつて台湾で布袋劇に出会ったことがきっかけで、日本でも布袋劇を広めたいという思いが強まり、本作の企画をグッドスマイルカンパニーに持ち込んだという。
今作は、虚淵氏の初期の名作『鬼哭街』を彷彿とさせる武侠劇という原点に立ち返り、『まどマギ』で馴染んだ、「バッドエンド作家」虚淵とは別の側面を押し出した。
迫力のバトルシーンだけでなく、一癖も二癖もある強烈なキャラ、会話を中心とした策謀劇など、「虚淵節」が利いた先の読めない展開が多くの視聴者を惹きつける。

キャラクターデザインにはニトロプラスの三杜シノヴ、源覚、Niθ、中央東口が担当。
公式サイトや円盤特典には各作家によるイラストも掲載している。
音楽は『ALDNOAH.ZERO』の澤野弘之が担当。
サンジゲンによるCGエフェクトも加わっている。
主題歌はT.M.Revolutionの『RAIMEI』。これが流れるOPでは本編同様の迫力の人形劇を見せるが、内容は割とOP詐欺だったりする。


2017年12月には外伝小説(殺無生、刑亥の過去を描いた2本の中編収録)を原作とした『殺無生編』と後日談の『殤不患編』を収録した映画『生死一劍』が公開。
さらに、続編となる第2期の放映も決定している。


ストーリー

かつて魔界の軍勢と人間界が争った戦において、人間たちによって鍛造され、無双の力を発揮した数々の武器である「神誨魔械(シンカイマカイ)」。

戦の後、数多の神誨魔械は護印師らによって長く守られてきたが、その中でも護印師の「丹衡(タンコウ)」「丹翡(タンヒ)」兄妹によって守られてきた最強の武器「天刑劍」が、今まさに「蔑天骸(ベツテンガイ)」率いる悪の手に落ちようとしていた。
蔑天骸の追求から逃れる途中、丹翡は偶然にも「凜雪鴉(リンセツア)」「殤不患(ショウフカン)」の両名と出会い、その助力を得ることに。

奇縁により導かれた3人は、新たに加わる個性豊かな仲間たちと共に各々の思いを抱き、蔑天骸の居る七罪塔を目指すこととなるのであった。
(公式サイトより)


…しかし、七罪塔に到着後、物語は急転。様々な思惑を抱え、本性を表し始める「仲間」たち。果たして、最後に笑うのは誰だ?





登場人物

≪主要キャラ≫

  • 凜雪鴉(リンセツア)
「これ、そこな旅の人。まさかその傘を奪うつもりではあるまいな?」
CV:鳥海浩輔
こいつが主人公という時点で正直おかしいが主人公。
気品漂う謎めいた美しい旅人。
博識かつ知略に富んだ策略家であり、旅の一同を纏め上げる。
煙管を携帯し、煙による幻術を得意とする。
偶然知り合った丹翡の使命を察知し、彼女の旅に同行することを志願。
これまた偶然知り合った殤不患を引き入れ、各地の様々な曲者を口八丁で仲間に引き入れ、蔑天骸の本拠地七罪塔の攻略作戦を練る。
旅の仲間には鬼鳥(キチョウ)と名乗るが、そのあまりの胡散臭さで殤不患には不審がられ、刑亥と殺無生には恨みを買われているなどとにかく不審さしかない男。
技:天霜・煙月無痕[てんそう・えんげつむこん]


  • 刃無鋒(ジンムホウ)』 殤不患(ショウフカン)
「わかったよ。あんたは何も恥じなくていい。俺も本気出すからよ」
CV:諏訪部順一
もう一人の主人公というか、凜雪鴉が胡散臭すぎて初見ではこっちが主人公にしか見えない
西の国「西幽」から来たという流浪の剣客。二つ名は終盤にて捲殘雲が命名。
成り行きから出会った丹翡、凜雪鴉に巻き込まれる形で丹翡の使命に嫌々ながら同行する。
何かとぼやきの多い、斜に構えた皮肉屋だが、根はお人好しで人情深い。…おかげで貧乏くじを引きまくるが。
気功術・内勁の達人で、傷を癒やしたり掌底の一撃で鉄の檻を破壊するなどはできるものの、低級の死霊に苦戦するなど剣士としては今ひとつ。
――なのだが、第1話では「本気を出す」と宣言して殘凶を撃破しており、その強さには謎が多い。

西幽と東離は鬼歿之地と呼ばれる危険地帯を越えねば行き来できず、西幽から来たという彼の言は誰も信用していない。
他にも刑亥からは「いてもいなくても同じ、敵に回ってもどうと言うことはない」と言われ、殺無生からは「剣の技は無様」と言われ、狩雲霄からは「内勁はたいした物だ。しかし、それなりの達人ではあるが一流ではない。恐らく掌法か何かを極めた上で、何のつもりか剣士を装っているのだろう。」と言われ散々な評価。
その素性の知れなさで、他の旅の仲間からは小馬鹿にされる一方で不審に思われているが、素直な丹翡には「殤さま」と呼ばれ厚い信頼を寄せられている。

メイン主人公のはずの凜雪鴉の胡散臭さに比べ、キャラクターデザイナー曰く「格好良さよりも、彼と酒を酌み交わして色々話してみたい」という雰囲気。
技:拙劍無式・八方氣至[せっけんむしき・はっぽうきし]
  拙劍無式・鬼神辟易[せっけんむしき・きしんへきえき]


  • 丹翡(タンヒ)
「私は鍛劍祠の護印師、丹翡と申します。どうか皆様、お見知り置きを」
CV:中原麻衣
天刑劍を祀る『鍛劍祠』を代々守護してきた「護印師」の一族の末裔の少女。
使用武器は霊力を帯びた翠晶鉄によって鍛造された丹家伝来の宝刀「翠輝劍」
天刑劍を狙った蔑天骸に追われ、兄を殺され柄を奪われ、凜雪鴉に御膳立てされる形でその敵討ちの旅に出る。
剣の腕は護印師の名に恥じず、丹輝劍訣の技を上達している。
プライドが高く使命を果たすことに誇りを持っているが、素直に他人を信頼し人間の善性を信じる正義感の強い性格。
反面、家の伝統や風習に固執する頑固で融通が利かない欠点も抱える。
ギスギスした仲間達の戦いぶりに、「なんて見事な連携」とズレた感想を述べたことも。
自分の旅に同行してくれる6人の義士(笑)に感謝していたが…。
最後に捲殘雲と結ばれるが、木の枝で捲を叩きまくるSっ気を披露した。
技:丹輝劍訣・烈華誅夜[たんきけんけつ・れっかちゅうや]
  丹輝劍訣‧聖芒辟邪[たんきけんけつ・せいぼうへきじゃ]
  丹輝劍訣・灼彗馭虹[たんきけんけつ・しゃくすいぎょけい]


≪旅の仲間(?)≫

  • 鋭眼穿楊(エイガンセンヨウ)』 狩雲霄(シュウンショウ)
「既に死に場所が決したことを、貴様らは知るまい」
CV:小山力也
右目を眼帯で覆った弓の名手。使用武器は鋼の弓箭「銀牙」
東離で名の知れた英雄であり、歴戦を生き抜いた冷静沈着さで物事を見極める。
凜雪鴉とは古い馴染みで、彼の誘いから旅の仲間に加わる。
一方で、素性の知れない殤不患には人一倍疑い、彼の本性を見抜こうとする。
技:流星歩[りゅうせいほ]
  死門鏡影[しもんきょうえい]


  • 寒赫(カンカク)』 捲殘雲(ケンサンウン)
「東離に轟く無双の丈夫!人呼んで寒赫こと捲殘雲の槍はここにあり!」
CV:鈴村健一
狩雲霄に弟子入りした若き槍使い。使用武器は長槍「騰雷槍」
東離で英雄として名を馳せることを夢見ており、英雄の誇りを掲げた狩雲霄を慕っている。
しかし、CVが鈴村健一なので、いじめられているようにしか見えない…。
お調子者で自信過剰な性格だが正義を貫く理想を高く持つ熱血漢。「刃無鋒(ジンムホウ)=切れない刃」の名付け親。
依頼主である丹翡に一目惚れし、彼女と心を通わせ合い最後まで彼女を守り抜くことを誓う。
最終話で念願かなって丹翡と結婚。しかし現実は甘くなく、尻に敷かれまくっている。
技:疾風迴旋[せんぷうかいせん]
  風雲龍撃[ふううんりゅうげき]←ごく普通の槍攻撃。調子づくと勝手に命名するらしい。
  蛟龍盤雲[こうりゅうばんうん]
  赫雷撼天[かくらいかんてん]


  • 泣宵(キュウショウ)』 刑亥(ケイガイ)
「外道めが!よくもぬけぬけと私の前に姿を現したな!」
CV:大原さやか
今回のオッパイ要員。使用武器は鞭「吊命棘」
子供の生き肝から若返りの薬を作り、生き人形を作るために美男子100人を切り刻んだと噂される、夜魔の森に住む冥界生まれの妖魔の女。
人間嫌いで森の奥に引き籠っていたが、魔脊山攻略のための能力を買われ、因縁の相手である凜雪鴉の呼び出しに応じ、一同の旅に同行。
死人を操る妖術の使い手であり、死体を利用するえげつない戦術も躊躇なく使う根っからの魔性。


  • 鳴鳳決殺(メイホウケッサツ)』 殺無生(セツムショウ)
「貴様の命運はこの殺無生の手の内にある……」
CV:檜山修之
左目を覆った冷酷非情の殺し屋。使用武器は双剣「鳳啼雙聲」
殺し屋の割にはヴィジュアル系な美形。OPでは殤不患のライバルのような扱いだが、特にそんなことはない。
凜雪鴉に激しい憎悪を抱き彼を殺そうと付け狙っていたが、七罪塔攻略後自分の首を差し出すことを条件に出した凜雪鴉と手を組むことに。
天下無双の剣技の持ち主で、自分より強い相手には挑まずにいられない、剣客としての矜持を持つ戦闘狂。
なお殺し屋という設定だが、金で暗殺を請け負うという普通の殺し屋ではなく、趣味の道場破りを繰り返していたところ「うちを襲うなら先にあっちを襲ってくれ」と金で依頼されるようになり、気がつけばそれが稼業になっていたらしい。
脚本家曰く「クラウドファンディング道場破り代行業」
技:殺劫・百鳥朝鳳[さつごう・ひゃくちょうちょうほう]
  殺劫・黑禽夜哭[さつごう・こっきんやこく]



≪玄鬼宗≫

この作品の敵組織。
様々な宝剣魔剣を集めるべく東離を荒らし回る盗賊集団。
本拠地は『七罪塔』。

  • 森羅枯骨(シンラココツ)』 蔑天骸(ベツテンガイ)
「この世において剣こそは力の証。何よりも揺るぎない真理の在り処」
CV:関智一
玄鬼宗の宗主にして、天下の聖剣、魔剣を収集することに執着する蒐集家。
性格は傲慢不遜にして冷酷。
「剣こそは力の証」を信条に掲げて剣技の頂点に立つために強力な剣を持つことを誇りとし、そのためにはいかなる敵をも排除し、各地に悪名を轟かせている。
魔術や死霊、魔物を操る妖術を駆使し、魔界と人間界の狭間にある魔脊山にて難攻不落の要塞「七罪塔」を抱えている。
軍勢や妖術もさることながら、鍛錬の果てに得た彼自身の無双の剣技によるプライドは天井知らずである。
技:役魔陣・萬象盡滅[えきまじん・まんしょうじんめつ]
  役魔陣・暴亂黄泉[えきまじん・ぼうらんこうせん]


  • 凋命(チョウメイ)
「生かして返すな!我ら玄鬼宗を侮った報いを知らしめよ!」
CV:大川透
蔑天骸の側近。
主に忠実を誓う冷静沈着な剣客。
技:枯骨・朽心[ここつ・きゅうしん]


  • 獵魅(リョウミ)
「ホッホッホッ! いいわ。遺影はもっと二枚目にしてあげる」
CV:戸松遥
蔑天骸の部下。使用武器は「鴛鴦鉞」
蔑天骸を慕っており、彼に仇なす者には容赦しない女傑。味方であっても敗死した殘凶を見下すなど傲慢な態度を隠さないが…
技:枯骨・砕腑[ここつ・さいふ]


  • 殘凶(ザンキョウ)
「玄鬼宗に楯突いた愚を思い知れ!」
CV:安元洋貴
蔑天骸の部下。使用武器は長剣「貪狼刀」
逃亡中の丹翡を追っていたが、彼女を助けた殤不患に討たれ自害する。
技:枯骨・血斬[ここつ・けつざん]



≪その他≫

  • 丹衡(タンコウ)
CV:平川大輔
護印師の一族の一人で、丹翡の兄。天刑劍の柄を守護していた。
蔑天骸から追われる最中、妹を逃がすために彼の相手を引き受け、無惨に討ち死にする。
技:丹輝劍訣・飛霞行月[たんきけんけつ・ひかぎょうげつ]
  丹輝劍訣・流陽凌日[たんきけんけつ・りゅうようりょうじつ]


  • 廉耆(レンキ)
CV:山路和弘
凜雪鴉の盟友。
迴靈笛を所持し、旅に同行するはずだったが、偶然殺無生と出くわし、彼に見せしめとして殺されてしまう。しかも迴靈笛の音色は2流とコメントされる。
あの凜雪鴉の盟友なので、こいつも本性はロクなヤツじゃなかったに違いないというのが大方の視聴者の見解。


  • 石仏(セキブツ)
CV:なし
とある荒れ寺に鎮座する仏様。
この石仏から傘を拝借すると、傘を返すまで貧乏くじをひかせ続けるという霊験あらたかな御仏。
しかし第二期が決定した以上、今後も殤不患に貧乏くじ引かせる気満々と思われる。


  • 妖荼黎(ヨウジャレイ)
CV:田中敦子
窮暮之戰で人間界を襲った魔神の一体。天刑劍が討ち滅ぼしたとされていたが、実は封印されていただけだった。
天刑劍がなくなってヒャッハーしていたら、末恐ろしいやつに別の剣持ってこられて完全に封印された。

  • ナレーション声
CV:妖荼黎
12話までは劇中や予告で喋っていたが、最終話のみ喋らない。だって、封印されちゃったんだもん。


魔剣目録

聖劍・蕩塵
嗜・天狼
墨淵玄離
魔劍・墮日斬
喪月・厭寒魄
幽冥・萬世神伏
飲雪
喪月之夜
孤煞瀾月
冥玄幽牙
百代昆吾
妖姬・七殺天凌
須彌天幻・劫荒劍
青燈孤照
凰刀蝶殺
炎殺・雷岳
斬・日月
炎邪黯刃
霹雷鳴劍
靂降風雲
狂鳳玄牙
刀影破
舞羽孤蝶
東風瀾月
離寒破辰
劍皇破佛
畫影空騰
震嶽尚方
龍淵
荒夢赤霄
六道殊月
琉光劍
古龍青雀
日月神息
九天玄冥
六問虛空



用語集


○窮暮之戰[きゅうぼのせん]
古代、魔界の軍勢と人間の間で行われていた最終戦争。


○神誨魔械[しんかいまかい]
魔神に対抗するために仙人から人類に与えられた武器。
実際には魔神を「殺す」ための武器ではなく「抑える」ためのものである。
中でも一際強力なのが天刑劍。


○護印師[ごいんし]
神誨魔械を守る使命を与えられ、聖域から一歩も出ずに監視している守護者。


○西幽[せいゆう]
物語の舞台、東離[とうり]の隣の国。殤不患の出身地でもある。
窮暮之戰で呪いをかけられ、荒野「鬼歿之地」に隔てられており、両国の行き来はできない。








狂荒驟雨催紙傘,図籠人浪跡步不休。

天地滂沱如何渡,追記修正任濁流。

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