虚淵玄

登録日:2009/05/26 Tue 19:44:23
更新日:2025/01/11 Sat 08:11:02
所要時間:約 7 分で読めます





虚淵(うろぶち) (げん)とは、ニトロプラス所属のシナリオライター。
東京都出身。自称「愛の戦士」。

来歴

小説家志望を経て、一度は就職するも後にニトロプラスが創設される時に参加。
Phantom -PHANTOM OF INFERNO-』でデビューし、大抵のニトロ作に監修・原案で参加している。

『Phantom』の執筆が上手くいかなければライターの道をあきらめる事も考えていたが、結局味をしめて続行を決意。

当時刺激を受けていた『To Heart』のような作品を自分も作ろうと志すが、
挫折に挫折を重ねた末に生まれた『吸血殲鬼ヴェドゴニア』は仮面ライダー風味の吸血鬼バトル物になってしまった。
というのもスケジュール的にかなり厳しくなってしまったため、間に合わせるために完全に趣味に走って強引に乗り切ったからだとか。
どのヒロインにもなびく主人公のキャラクターも書いていて苦痛だったなど色々重なり、『ヴェドゴニア』には色々と無念だった模様。
この件で普通のエロゲは書くのは無理だと悟り、以後は自分に出来る範囲の作品を書くようにしたらしい。

ちなみに『ヴェドゴニア』にて王道的幼なじみで処女のヒロインがいるが、
後に虚淵のイメージが固まってからは「虚淵がエロゲみたいなヒロインを出すなんて…しっかりしろ!!」とファンから突っ込まれたとか。
ん、あれ、ニトロプラスって何のゲーム作るメーカーだったっけ。

翌年には、完全に趣味に走り日本ではマイナーな部類である武侠作品をテーマにした『鬼哭街』を発表。
本人の予想とは裏腹に人気が出てしまい、世にその名を知らしめる結果となった。

更にその翌年、『沙耶の唄』を書いた後諸々の事情から、一時期はライターを引退しようとまで考えていたが、たまたまTYPE-MOONからの誘いを受け、
Fate/stay night』の十年前を描いた小説『Fate/Zero』を執筆した事で色々吹っ切れたのか続けていく事にした。

その後発表した『続・殺戮のジャンゴ~地獄の賞金首』はマカロニ・ウェスタンへのオマージュというのもあって、
徹頭徹尾明るい破天荒な雰囲気で終わっている(バイオレンスは多いが)。

近年は『魔法少女まどか☆マギカ』のヒットから、アニメ・ライトノベルなどへと活躍の場を広げている。
まどカフェにも出現。五分でキュゥべえランチを平らげ、釣ってあったシャルロッテに昇竜拳を叩き込んだ。

そしてついに平成仮面ライダー第15作『仮面ライダー鎧武』で仮面ライダーのメイン脚本を担当することとなった。
起用されたきっかけは、東映の武部直美プロデューサーが劇場版まどか前/後編を見て、
共通の知人である杉田智和を介して虚淵本人に連絡が届いたと明らかにされている。

2016年には初の台湾の人形劇「布袋劇」とのコラボ企画『Thunderbolt Fantasy』の総監修、脚本を手掛けた。

さらに2017年には、怪獣映画ゴジラシリーズ初のアニメ作品となる『GODZILLA』シリーズ三部作を手掛けることが決定。

なお現在でもニトロプラスの社員であるため、彼が関わる作品は彼以外にも同社社員(及び元社員)が関わるケースがしばしばある。

インタビューや対談などでは一見無難な人柄と見せかけて、
古くは自作品での後書きや最近ではtwitterでのスマプリに関するコメントなど結構物議を醸す発言をする人物でもある。

実は祖父が作家・両親が俳優という家系で、父の和田周*1は『シルバー仮面』1話のチグリス星人役をしたり、東映特撮では『キカイダー01』、『秘密戦隊ゴレンジャー』や『バトルフィーバーJ』などに怪人の声で参加していたりした。
ちなみに和田氏は生前自身の演劇活動のため多数戯曲を執筆しており、祖父から三代続いた物書きの家系とも言える。


作風について

デビュー当時のエロゲ界隈としては珍しかった銃器・戦闘シーン等の「重い・暴力的な描写」に力を入れていたライターだったため、
一部のコアなファンにはとてもたまらないものだった。
だがその一方でエロゲとしては重いストーリーで、彼の手がけた作品は高確率で鬱になるという評判があった。
本人も「『バッドエンド症候群』に罹っている」と語ってこれに悩んで作家を辞めようとしたという発言をしていたが、
実際のところハッピーエンドな作品も普通にある上に(少なくともキャラは満足するのが多数)、
作家を辞めようとしていたという時期の直前に書いた『沙耶の歌』について語るインタビューなどからこの一件は少々怪しまれている。
パンツを脱がない主人公ことタオロー兄さんの存在などもあって「エロい展開はスルー」、『沙耶の歌』などの影響で「エログロ」と言われることもあったが、
実際の所どちらも的確とは言えない。
最近では作風そのものも明るい作品が増えてきている。

余談だが、ファンからはまどかの作風と設定が特撮の『仮面ライダー龍騎』、ストーリーとキャラが『ウルトラマンネクサス』に似ていると言われている。
この事に関して虚淵玄はTwitterにて、「龍騎はバトルロワイヤル物として秀逸な出来であり、どうしても相似はしてしまう。」と述べている他にも、
まどか作中に登場する佐倉杏子は龍騎の登場人物の浅倉威を元に創造(あさくら→さくら)した事をライダー関連書籍のインタビューで述べている。
ネクサスについてのコメントは今のところなし。
他の自身の作品にも他作品の影響を受けた物が非常に多い。
この辺については自分で「独創性は無い」「やっていることは好きな作品の二次創作」「好きっぷりが自分の中におさまらなくてこんな稼業はじめた」
と言っているように、基本的に彼の作品は洋画だったり武侠作品だったりヒーロー物だったりの影響を受けまくっていると認めている。
ジャンゴに至ってはインタビューで「好きな映画のプロットを無理矢理つなぎ直して1本のゲームするという、無茶苦茶やっていますので」と言っている。
もっともジャンゴは元ネタのマカロニ・ウェスタン自体が邦画のパクリというかオマージュをしている点があるので、その辺意識してのパロディ的なノリのようだが。


交友関係

奈須きのこ武内崇とは友人関係にある。
また、某人間台風が主役を張るスペースプラネットガンアクション漫画とその作者には非常に感銘を受けており、
映画化の際に暑苦しい応援コメントを二人で残している(武内崇は絵を)。

数少ない公式ビッチ萌えの作者であるため、同じくビッチ萌えである原作者広江礼威とは小説版ブラック・ラグーン巻末の対談で、熱く語り合っていた。


作品リスト

ゲーム


アニメ


特撮


人形劇


小説


漫画

  • HAGAKURE ROYAL
  • ハイスクール・バトルヒーター





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最終更新:2025年01月11日 08:11

*1 1938年~2020年。新型コロナウィルス感染で急逝する少し前まで現役俳優として舞台を中心に活動していた。