ブッダ

登録日:2011/09/14(水) 00:49:26
更新日:2024/03/03 Sun 23:24:08
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漢字で書くと仏陀。

古代インドの悟った者(聖人)のことを指すが、仏教の成立後は基本的に釈尊のことを指す。
仏、如来も同じような意味合いで、縁覚者=目覚めた者とかとも呼ばれる。

よって、釈尊について記述する。



本名はゴータマ・シッダールタ
音写だとガウタマ・シッダッタなどとも。
ゴータマは「最良の牛」、シッダールタは「目的を達したもの」、という意味。
よく釈迦牟尼、お釈迦様などとも言われるが、釈迦(シャーキ、シャーキャ)は出身民族の名前であり、牟尼は聖人という意味。
また、世にも尊いをつけ釈迦牟尼世尊、いわゆる釈尊と呼ばれる。




釈尊は約2500年前、四月八日にインドの北(今でいうネパール国境あたり)にあるルンビニーの花園にて誕生した。

父親はスッドーダナ(浄飯)王、母親はマーヤー(摩耶)夫人。
また、マーヤー夫人が白い象が胎内に入る夢を見て懐妊し、マーヤー夫人が花園にて無憂華の枝を手折ろうと右腕を伸ばすと、その右脇から誕生したと言われる。
よく無事に誕生できたものである。
普通なら頭蓋が砕けそうなものだが、ツルンッと落ちたらしい。



釈尊は誕生後、直ぐに七歩歩き、右手で天を、左手で地を指し、アッゴー、アハム、アスミ、ローカッサ……(天上天下唯我独尊)
と宣言したあと、甘露の雨が降り注いだという。


この七歩という数字は地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天上という迷いの世界(六道)を越えた、という意味にとられる。

天上天下唯我独尊は、今でこそ「世界中でおれだけが偉い」ととられるが、釈尊の言葉としては「天上においても天下においても我々人間のみが成せる尊いことがある」というのが正確である。
逆に言えば文字だけを見て意味を誤解したのが前者である。

甘露の雨は、釈尊の誕生に全世界が喜んだから、といわれる。
後に、この現象は釈尊が前世に於いて途方も無い永い時間を菩薩として修行し、遂に仏と成るべく地上に降誕した事を祝福されたからだ、と補完された。


ちなみに、釈尊の誕生後七日目にして母親のマーヤー夫人が死去しており、以降妹のマハーパジャーティーによって育てられている。
つまりスッドーダナの再婚相手。

釈尊が成長し、十歳前後の少年になった頃、虫が小鳥に、小鳥が猛禽類に捕食されるのを見て、弱肉強食を知り、閻浮樹(えんぶじゅ)の下で世の儚さを憂い、物思いにふけるようになる(樹下思惟)。

以降、成長しても沈みがちな釈尊に対してスッドーダナ王は冬、夏、雨期のための宮殿と踊り子を与える。
これは釈尊が修行をすると、出家させないためのものであった。
やがて、ヤソーダラーを妃に迎えて息子のラーフラを設ける。
ラーフラとは妨げ、障害という意味で、自分が出家するのを躊躇うほどに愛しい、とつけられた。しかしよい迷惑である(ちなみに後々ラーフラも釈尊の弟子となる)。
因みに、幾ら迷いがあったとはいえ息子にそんな名前を付けるのはちょっとアレだし、そもそも父王や夫人も周囲もラーフラと命名したことに異論を唱えていないことから、実は“釈迦族にとっては別に縁起の悪い名前で無い説”もある。
その場合のラーフラは“龍の頭”といった、王族に相応しい名前が付けられたのだとする予想が立てられている。


何れにしても、王子は悩みに悩んだとはいえ29歳にして国も妻子も捨てて出家する。
この決心に至るまでを語ったのが以下の四門出遊という出来事である。


ある日、釈尊は東の門から外に出た。そこには、城内では見かけることのない、みすぼらしい人物がいた。
「あれは何者だ?」
釈尊の問いに、従者が答える。
「あれは老人です」
釈尊はいつか自分もあのように衰えていくのだと考えると憂鬱な気分になり、城に帰った。

またある日、南の門から外に出ると病人が、西の門から外に出ると死人がいた。これはのちに生きる苦しみを加えた、四苦(生老病死)のもととなっている。

最後に、北の門から外に出ると、出家修行者がいて、修行者との会話によって出家の意志を固めた。


29歳の夜、白馬を従者に用意させ、出家する。
このとき、釈尊は自分の身に付けていたものを全て従者に預け、王子という身分を隠して旅に出た。

まず釈尊は栄えていたラージャガハに向かう。そこでビンビサーラ王に出会い、気に入られる。

王「出家して修行の身とはやるじゃないか。どれ、わしが軍隊と金銭を援助してやろう」
釈尊「いや、いらないです」
王「じゃあ悟ったらわしにも教えてくれよ」


そんなことがあり、まずはある仙人を訪ね、「なにも考えずにいる」を極める。
だが根本的解決にならないと諦め、また違う仙人を訪ね「なにも考えずにいるのではなく、しかしなにかを考えるでもなく」を極めるが、同じく。

やがて釈迦族出身の友人たち五人と苦行を開始する。
断食や、死ぬ寸前まで息を止めるなど、様々な苦行を六年に渡り行う。



やがて釈尊は

「この苦行に意味が感じられない…結局これも駄目だ。新しい修行をしよう」

と、ネーランジャラー河にて体を洗い、スジャータという村娘に乳粥を恵んでもらう。

釈尊「苦行なんてやめて別の修行をしようじゃないか、みんな」

「釈尊は堕落した」「見損なった」「お前に悟りは開けない」「リア充しね」「じゃあ新しく苦行をしようか」


友人たちは去り、釈尊は独り、菩提樹の下で瞑想を始める。
それを妨げるべく悪魔が色気仕掛けや実力行使で邪魔をするのだが、釈尊はそれを退け、悟る(成道)。
35歳の12月8日のことである。


この悪魔の妨害はつまるところ、釈尊の煩悩であり、それを退けたのは悩みや苦しみから解放されたことを示している。


しばらく釈尊はこの悟りを自分だけで楽しんでいた。
王様涙目だが、やがて梵天がやってきて、その悟りを広めるべきだと説得。
釈尊は布教の旅に出る。

まずは世話になった二人の仙人を訪ねようとするが、すでに亡くなっていたため、五人の旧友のところへと向かう。

旧友たちは釈尊が堕落したと思っていたため釈尊を無視しようとするが、釈尊からあふれでるカリスマにより、説得される。
このように布教を続けながら旅をし、やがてビンビサーラ王のもとにつき、説教をする。
果たされた約束の見返りとして王様は釈尊と弟子のために住居(精舎)を建てた。


また、そのときにスダッタという人物が商用できていたのだが、その説教に感動し、故郷に帰り王子のジェーダに園林をわけて欲しいと頼み込むと、

王子「欲しいだけ黄金を敷き詰めろ。そしたらその分を黄金と換えてやんよww」
スダッタ「把握」

と、スダッタがせっせと黄金を敷き詰め始めたため、驚いたジェーダがその理由を聞き、釈尊の説教に感動したということを伝えると、ジェーダもまた感激し、土地を提供した。
ここに建てられたのが、祇園精舎であり、祇陀(ジェーダ)の園という意味である。

釈尊の布教は人によって方法を変えていた。つまり

A「姉のほうがエロいに決まってんだろjk」
B「妹の可愛さがわからないとかありえん」

釈尊「姉が素晴らしいのは二次元だからなんだぜ」
釈尊「妹が素晴らしいのは二次元だからなんだぜ」

A「なるほど!二次元(の姉)は素晴らしい!」
B「なるほど!二次元(の妹)は素晴らしい!」

と、同じ結論に至るにしても言葉と解釈が違うため、釈尊の死後(入滅後)

AB「おれたちは後世に伝えていくよ!」
A「姉萌えを!」
B「妹萌えを!」
AB「は?」

と、教団分裂のきっかけみたいになってしまっている。
というか、釈尊の死後は釈尊が死んだのならこんな教団にいる理由なんてない、と去って行ったものも少なくない。
そこで、弟子たちによって釈尊の教えを教典としてまとめている。


ちなみに釈尊はキノコ料理を食べたあとに腹痛を訴え、死亡したとされる。

入滅後の釈尊については釈迦如来を、弟子達については十大弟子(仏教)を参考。

余談


手塚治虫による同名の漫画作品がある。もちろんこのブッダを題材とした作品だが、硬派な作風のため誤解されることがあるが、オリジナルの人物がいたり別人のエピソードが統合されていたりと伝記漫画ではなくあくまで創作作品である。
ブラック・ジャック(漫画)の逸話にも書かれているが、手塚御大は「漫画はでたらめを書くもの」と認識している節がある。
そもそもは火の鳥(漫画)の一篇として構想された物語であり、火の鳥の世界観とブッダの教えはある意味で水と油の面があるため色々と史実や仏典とは異なる点がある。

映画「リトル・ブッダ」ではキアヌ・リーブスが釈尊を演じた。

2006年から連載されている漫画「聖☆おにいさん」では、なんと主人公の一人として登場。
「天界で一仕事終えたブッダとイエス・キリストがバカンスのため、東京・立川市の安アパートを借りて地上の暮らしを満喫する」というハジけた内容である。
この漫画のヒットのおかげか、今を生きる衆生はこのお二人のことを「立川在住」「立川のお兄さん」というあだ名で呼んでいるそうな。


追記・修正は輪廻から解き放たれてからお願い致します。

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