L 詐欺師フラットランドのおそらくは華麗なる伝説

登録日:2012/01/14(土) 05:43:56
更新日:2022/09/18 Sun 18:05:57
所要時間:約 7 分で読めます





レーベル:富士見ファンタジア文庫
著者:坂照鉄平
イラスト:水城葵(〜2巻)
     水谷悠珠(3巻〜)
全四巻



黄昏色の詠使い』『ヴァーテックテイルズ』『僕たちのパラドクス』と同期である『太陽戦士サンササン』の坂照鉄平初のシリーズ作品

テーマは『火を吹くほどに熱いキス』……比喩ではなく、マジで吹きます
開拓辺境(フロンティア)を舞台に詐欺師とか竜とか巨大企業とかが騒動を巻き起こす。だいたいそんな感じ




【登場人物&勢力紹介】

◆主人公

○バーン・フラットランド
主人公その一。通称“嘘つきバーン(バーン・ザ・ライアー)”
生まれ持った甘いマスクにの才能で『客』にひと時の夢を見せる詐欺師(ライアー)。そこ、ヒモとかジゴロ言わない
基本ヘタレだが奥底に宿す根性は本物。特にアーティアや自分の沽券が関わると顕著

《罪人竜の息吹(ヴァーミリオン)》を取り込んでしまったため、「自分を騙しきれない嘘」と共にを吹く体質。ホラを吹いたら火も吹いた
元の体に戻り開拓辺境でビッグになることを目指し、アーティアと共に旅に出る


○アーティア・アリア・ノルガンディア
主人公その二兼ヒロイン
幼少からノルグの里で育った生粋の竜徒。生真面目だがどこか抜けてる小柄な美少女
母代わりの雪竜ノルガンディアから借り受けた《息吹》を使うが、自身の《息吹》を見出せていない

《罪人竜の息吹》を奪還すべく里を下り、以降バーンと共に行動することに
実はその出生から《罪人竜の息吹》と関係がある


◆アビスパス
イーネルアイグレス州国最大の複合企業。胡蜂(アビスパ)の模様がシンボル
開拓辺境でも最大級の影響力に、機械技術、人体複製技術などを有する

○シム・リム・アビスパ
アビスパス創始者
身一つで鉱山奴隷から這い上がりアビスパスを立ち上げた。ゆえに搾取される弱者の心境を知っており、転落を恐れている


○シム・リム・アビスパ・ジュニア
シムの息子。開拓都市アビスパスを開いた最も成功した先駆者(フロンティアマン)
開拓の障害となる竜徒に対抗すべく、《罪人竜の息吹》を求め《息吹》を抜き出す装置を開発する


○キャロライン・リム・アビスパ
シム・ジュニアの養娘。「キャロりん」と呼びましょう
養父を敬愛し、彼を陥れたバーンたちを付け狙う
十にも満たない幼女だが開拓辺境を生きぬく覚悟を持つ立派なレディ


○『柩(フェレトロ)』シリーズ
ある人物の『遺伝譜式(フォーミュラ)』を元に製造された複製人間たち
作中個体として登場したのはウーノ(1)、トレス(3)、セイス(6)、カトルセ(14)、トレインタ(30)
シムに完璧な忠誠を捧げ、死ぬことをも恐れない不気味な連中


○ナジロ・ティンブリッジ
アビスパスの私兵『働き蜂(オブレラ)』
優男で女を我が物にすることが趣味。そのためなら薬だって使う下種
遺伝譜式で複製蘇生された死刑囚で、全身武器の塊。トレマーズ4かよ


○デイジー・ドリトル
ナジロと行動する『働き蜂』
ナジロと同じ複製人間。美人だが、本気を出すと両腕が膨れ上がり、さらに分裂する。女カイリキー


○チェルシー・カクタス
上二人と共にいる少女。本名チェルシー・アフマンド
養父のルパートに認められたい一心で荒野に飛び出した。後の悲劇も知らずに……


◆竜(ドラゴン)
荒野に生きる最強の生物。全ての生命のルーツ
星の一部として、星を守るために《息吹》を振るう

○雪竜ノルガンディア
白峰ノルグに住まう竜。優しくも厳しいアーティアの母代わり
元は人間の女性で、恋愛で痛い目を見たのかその辺りは男性不信
それが原因か心を閉ざし吹雪を操る力を得たが、娘との触れ合いで変わったらしい
親馬鹿で、バーンに対しては普段以上に硬い喋り方をする


○罪人竜ニグログルフュ
かつて最悪の傭兵と恐れられた男
領主と領民を殺し、劫火の《息吹》に目覚め、竜を四匹喰らいついに竜となった
その肉体と命は滅ぼされたが《息吹》は残り《罪人竜の息吹》と名づけられ封印された
現在の宿主であるバーンの命を奪い復活せんとしている


◆竜徒(ドラグ=ジーン)/星守る茜鱗
星を守り、竜となり、果ては世界の流れと同化するために修行する者たち
《息吹》を操り欲にまみれた人間を襲うため人々からは竜以上に恐れられる
が、それはあくまで手段であり、深い修行を積んだ竜徒はある種の仙人のような雰囲気である

○ウーフィーグリッド・アロガンネッラ
ノルグの里長。筋骨隆々な托鉢の老人
厳格な、手本のような竜徒。嵐の《息吹》を操る
《罪人竜の息吹》を葬るため、ある手段に手を染める


○ミロ・デルッカ
アーティアの弟子の一人
まだ少年期を抜けていないが花の《息吹》を宿す。しかしその花はどれも根を張らない(=地に足ついていない)
アーティアを慕い、彼女を助けるために無断で里を出る


○アギ・チーリィ
小柄な老人の竜徒。里につかず各地を放浪している
雲の《息吹》を操り、その通り雲上を生きるかのようなつかみどころのない性格
ウーフィーグリッドとは旧知の仲だが、彼の計画を止めるためにアーティアたちに味方する


○ブランディン・オーツ
アーティアの元弟子
力を求めノルグに入るもアーティアに叩きのめされ、山奥で修羅の道を歩み雷の《息吹》に目覚めた
自分以外にもアーティアを恨む連中を率いて《罪人竜の息吹》を強奪した全ての元凶


◆抗竜党必死開拓団(グラムフェンサーズ)
州国議会最有力政党【抗竜党】の下部組織
開拓辺境を拓くため、開拓そのものから開拓者の護衛まで行う

○ブロック・キャリバー
開拓団団長の大男
一言で表現するなら愛すべきバカ


○スクィージ・キャンドルブック
ブロックの副官を務める青年
腕っぷしもいいが開拓団では頭の回るほうで、専らアレな隊長のフォローに回っている
周りが大喜利と化す中、一人真面目にやって白い眼で見られるなど不遇の人


◆その他

○カロリア・アルバ
バーンの『職業』を知る友人
開拓都市アビスパスで酒場を開いている美人ダンサー
アビスパスにアーティアを売り、その後行方不明だったが……


○フェイ・スクィント
バーンの元『客』で竜徒の専門家
浮動都市カピロサで研究を行っているが、街マフィアのボスに言い寄られているのが悩みのタネ


○ヴィッテマ・カピロッシ
カピロサを仕切るマフィアの二代目
フロンティアドリームを体現した男の息子同士ということで、シム・ジュニアとも面識はある
部下を使ってフェイに言い寄っては断られている。それくらい自分の脚でしろや


○ルパート・ヘルフェンツ
バーンと顔なじみの遊撃保安官(ノーマッドシェリフ)
“風貫きルパート(ルパート・ザ・ダッジストーム)”の異名を持つ狙撃の名手。厳格そうだが意外と融通の利く性格
親友の娘であるチェルシーを引き取った



以下ネタバレ





















○腐竜ブランディン・オーツ
一巻のラスボス
《息吹》に呑まれ理性を失い崩壊するまで暴走するだけの存在となったブランディン
苦痛に暴れるだけのはずだがアーティアへの恨みからか彼女を苦しめるためにバーンを狙うなど自我は残っている


○魔剣竜ウーノ・フェレトロ
二巻のラスボス
所有者の心によって変化する魔剣『憂鬱卿の手鏡(ザ・サイ)』と融合したウーノ
無数に枝分かれした刃で構成された鈍色の竜もどき


○装甲列車ニグログルフュ
三巻のラスボス
チェルシーに移植された複製《罪人竜の息吹》の欠片と彼女の怒り、装甲列車が融合した怪物
ニグログルフュの意識に呑まれ、ただひたすらに暴走を続ける存在と成り果てた


○罪人竜シム・リム・アビスパ
本作のラスボス
複製《罪人竜の息吹》と融合し、人の姿を失ってなお制御してみせたシムの姿
紅蓮の複眼、無数に分岐した脚、メチャクチャに突き出した翼と翅、山脈ほどあろう巨体という怪物胡蜂
《罪人竜の息吹》由来の劫火を吐き、さらに飲み込んだモノを蜂型の腐竜として生み出す。特に自身の分身である『柩』をベースにしたものは遠隔操作が可能

その目的は、もう奪われて弱者に転落しないため、すべてを飲み込み星そのものとなること



○恋の《息吹》のアーティア
《罪人竜の息吹》を消し去るための『柩』として生み出されたアーティアが、自らを支えるバーンへの想いを灯火とし、生み出した《息吹》
それは果てしなく続く荒野で、これから始まるであろう二人の華麗なる伝説の道行を照らす、茜色の光芒





気ままに気楽に。愉快に陽気に。そんな感じで追記と修正

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最終更新:2022年09月18日 18:05