杉内順次(龍が如く)

登録日:2012/02/14(火) 20:35:30
更新日:2024/01/06 Sat 08:16:08
所要時間:約 4 分で読めます






「お前ら全員捜査一課でまとめて面倒みてやる!」







『杉内 順次(スギウチ ジュンジ)』とは、『龍が如く』の登場人物。
龍が如く名物、有名人顔あり、顔のモデルと声は俳優の遠藤憲一が演じる。


【人物】
警視庁神室署捜査一課の敏腕刑事であり、階級は警部補。

『ONLINE』での掘り下げによると、物心ついた頃には父親に暴力を振るわれる日々だったという。同イベントでの谷村曰く「人としてはクソだけど、刑事としては一流の杉内さんから刑事を取り上げたらただのクソ」。




【活躍】
極道やヤクザを相手に商売している人間を嫌っており、金村興行に金を融資している秋山駿には厳しい態度をとる。

また、刑事として不適切な行動を繰り返す谷村正義にも目を付けており、事あるごとに説教している。

しかしそれは谷村の育ての親である谷村大義が不審死を遂げたことで、谷村がその二の舞にならないようにしているからである。
劇中で上野誠和会に追い詰められた正義を助けるなど、なんだかんだいって先輩刑事として谷村の面倒を見ているようだ。










以下、ネタバレ












「てめぇらごときがな、俺の正体知ったとこで…結局何もできやしねぇんだよ!」



その正体は、上野誠和会の極道。
二十五年前、『上野吉春襲撃事件』の裏を仕組んだ人物の一人だった。

警察内部に刑事として潜り込んだ杉内は、警察の暴徒鎮圧用ゴム弾を東城会柴田組を通じて真島に流す。
そして事件の顛末を葛城の都合に合わせて書き換え、兄弟分の葛城を若頭にするという筋書きだった。



しかし、事件の絡繰りを当時刑事部長だった宗像征四郎に見抜かれる。
シナリオ変更の影響をもろに受けて素人目に見ても計画が穴だらけだったのは黙っててあげよう。
野心を持っていた宗像は杉内の筋書き通りに事を運ぶ代わりに葛城と杉内を自らの手駒にしてしまう。

こうして杉内は極道と刑事として二つの顔を持ったまま三十年近く苦悩し続ける事となった。





中盤、杉内は谷村の警察内部の裏切り者を探す作戦によって誘き出された。
警官達に包囲される杉内だったが、日本の警官が拳銃を撃てない弱みをいいことにその場からの逃走を図る。


しかし、谷村だけは自らの正義の為に拳銃の引き金を引いた。



「これが俺の警察官としての"正義"だ」


「それじゃあお前の正義ってやつがどこまで本気なのか…味わわせてもらおうか!!」



谷村と杉内はボートチェイスの末、埠頭で対峙する。
その時、杉内の口から谷村にとって衝撃的な真実が語られる。

「教えてやろう。親父さんはな…俺が殺ったんだよ」

そして始まる闘い。
殴り合いの末に、杉内は谷村に敗北。
杉内を追い詰めた谷村は、杉内を問い詰める。

谷村の育ての親大義は、二十五年前杉内と共に上野吉春襲撃事件を調べる担当刑事だった。
しかしその中で宗像による警察内部の不正を知ってしまった大義は、宗像の命令を受けた杉内によって殺害されたのだった。



全てを打ち明けた杉内はどこか穏やかな面持ちで自らの心中を語る。

三十年間、極道と刑事の間で板挟みになりながら、自分の意思も無く利用され続けた葛藤。
極道でありながら、刑事として人に感謝される事への罪悪感。
秋山に漏らしてしまっていた「自分は一体何がしたいのか分からなくなる時がある」というのは、彼の本心そのものだった。

常に葛藤と罪悪感を感じていた杉内は、刑事として力いっぱい突き進む谷村を羨望していたのだった。

杉内は谷村に自分を逮捕するように言うが、谷村は宗像を捕まえるまで自分の事件は終わらないと言う。

谷村の覚悟を聞いた杉内は宗像の目的を話そうとするが、その矢先に宗像の刺客に撃たれてしまう*1

駆け寄る谷村。
命尽きようとするその時、最期に杉内は言った。





これでようやく…楽になれる…ありがとな…




極道だった杉内も、最期は刑事として自分の想いを谷村に託して逝ったのだった。





【戦闘】
互いに手錠を付けての殴り合いから始まり、プレイヤーを驚かせる。

空手ベースの格闘術を使用。
ガード不能の正拳突きなど、直線的で力強い攻撃を繰り出す。
また、こちらの攻撃をスウェイで避けてからの打撃は気絶効果を持ち、ヒットすると一気に畳み掛けられるので注意が必要。

ヒート状態も所有しており、攻撃頻度と回避率が増すだけでなく、谷村による捌き技が一切通用しなくなってしまう。
ヒートアクションは掴みから発動する『サバ折り』や、追撃技の『膝追い討ち』を持つ。
特にサバ折りは谷村の持ち味でもあるヒートゲージがごっそり減る為、結果的に攻撃力が大幅に下がってしまう。

『IF7-R』にも『冷血の鉄拳』として登場。
前述の技に加えてワープを使いこなし、接近と離脱を繰り返す厄介な敵となっている。

【『龍が如くONLINE』において】
『4』とのコラボイベント「はぐれ者たちの捜査線」にて登場&実装。
ある日、神室町にて10億円相当の金塊強盗事件が発生。偶然その場に居合わせ、謂わば第一発見者となった杉内はパトカーで逃走中の犯人グループが乗った幌付きの軽トラックを追跡。
しかし、追い付く直前に突如杉内のパトカーに搭載されていた警察無線が約10分もの間途絶、更に犯人グループの逃走を許してしまう
図ったかのようなタイミングでの長時間かつ不自然な通信途絶に、署長から「無線が途絶した約10分間の空白の間に、杉内は金銭で犯人グループから買収されたのではないか」という嫌疑を掛けられる。
署内の人間で唯一杉内に物怖じしない谷村に杉内への内偵命令が下り、「翌月に行われる予定の亜細亜街へのガサ入れの中止」を交換条件に承諾した谷村を相棒として捜査を進める。

約10分に及ぶ謎の空白の時間が発生する直前、その現場に居合わせていた人物に谷村は辿り着き、その10分の真相を知る。
その人物は杉内が追跡のために乗ったパトカーに元々乗っていた警察官であり、件の軽トラックを追跡している最中に目の前に迫った軽トラック荷台から犯行グループの1人の男が道路へ放り出されていた。
囮として放り出されたのは明らかだったが、全力走行中に道路に叩き付けられ身動ぎ1つしない男を見た杉内は人命救助を優先するために追跡を断念することを無線で伝える。
しかし、「追跡の続行」という現実的ではあるが間違いなく男の命は喪われるだろう非情な返答が無線から伝えられ、それを聞いた杉内は躊躇する事無く無線のコードを引き抜いて通信を途絶させたパトカーを降り、男の救助に走った。
「応急処置に向かった杉内がパトカーに戻り無線を復旧させるまでの10分」が空白の10分間であり、彼は買収されたのではなく警察官として人命を優先した結果、あらぬ疑いを掛けられるという理不尽な真相だった。

その後、回復した男は一度は犯行グループのリーダーに唆されて合流しかけるものの思い直して自首を選択。
情状酌量の余地がある事や男の生真面目さが分かったため、杉内は「お前の性格なら、模範囚として早期の出所が出来るかもしれない」として、彼が罪を償った後に再会する事を約束する。

……結局、それは叶う事はなかったが。



余談だが、杉内を演じた遠藤憲一は、『龍が如く 劇場版』に強盗役として出演しており、また龍が如くスタジオ製作の『バイナリードメイン』にも声優として出演している。









「おいテメェ…俺の話聞いてんのか?」


「聞いてんのかって訊いてんだよ!」


「よし…こい!」


「何だお前…コイツ…何携帯いじってやがんだ!!」


「テメェ…こんな時にアニヲタWikiか!?」

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最終更新:2024年01月06日 08:16

*1 煙草に火をつけるというのは「撃て」という合図であり、煙草に火を着けた直後谷村に視線を向ける寸前に、その刺客がいる方へ視線がほんの一瞬だけ向いている