ダイブ・モッシュ

登録日:2011/10/15(土) 23:47:05
更新日:2024/03/10 Sun 01:55:25
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〇概要

ダイブ・モッシュとは主にパンクロック・ハードコア・パンク・ヘヴィメタルバンドのライブにて行われる行為のことである(ライブハウスなど基本オールスタンディングの会場のみ)。
ポップスやクラブミュージックなどでも見られることがある。

名前だけ聞くと想像できない人も多いが体力を恐ろしく消費するうえに怪我をする恐れや貴重品の紛失及び故障もあり得るかなり危険な行為である
過去に死者が出た例もある

危険な行為なのは間違いないため一部のライブハウスやロックフェスでは最初から禁止されていることも多くダイブをしたら退場という処置が取られることがある
もっともダイブ・モッシュ禁止と書いてあるライブハウス・ロックフェスでも、安全保障上の建前(運営・会場の免責)でしかなく、実際には無視(黙認)されている場合も少なくない
一方で、少しでもダイブ・モッシュをしようものならば即座に追い出されるような場合もある。

アーティストやイベンター側もダイブ・モッシュ行為を好む者(ライブ中に指示を出す者や盛り上がっている証とする者)がいる一方で、危険な行為として快く思っていない者も少なくない。
また、やる方にもある程度のマナーを求める発言をするアーティストもいる。




モッシュとは?

可愛らしく言うと押しくらまんじゅう。
激しく言うとタックルを沢山の観客が男女問わずすることである。
大人数が密集することにより体感温度は凄まじいことになるうえに激しい運動量が問われるため余裕と思ってもしばらく間が空くとかなりの体力を消費していることに気づくだろう。

もちろん体力に余裕があるなら続けてもいいが体の保証はしない
気づいたら身体を痛めたり、アザがついていたなんてことも日常茶飯事。

体力に限界を感じたら一旦退室するなり、後列に下がるなりしましょう。

汗臭さが凄かったりもする…。


ダイブとは?

他の観客の頭上に乗っかること。イメージとしては「胴上げ」である。
更に寝転がりながら前に進むことを「クラウド・サーフィング(クラウドサーフ、サーフとも)」と呼ぶ
混同されていることも多いが、厳密には「頭上に上がることがダイブ」で「頭上を移動することがクラウド・サーフィング」と分かれている。
とにかく危険な行為である。

「クラウド・サーフィング」をするには、まず「ダイブ」をする必要がある
まずダイブをするに当たっては手順としては会場の手摺を使って体を上げることによって他の客に頭の上に上げてもらうようアピールするか近くの客(特にガタイのいい兄ちゃん)に頼む
そうするとノッてくれるパターンは多い。

体を上げてもらったら周りの客は「この人ダイブするなぁ…」と気づく。
ダイブが嫌な人はここで退散することもあるがそうでない人は一緒に頭の上まで上げてくれるので、そうしたらダイブする方は体を横にする。
ここでポイントは極力体を上に向けること。

あとは観客が自分の体をひたすら運んでくれて前の警備員にお届けしてくれるぞ。
警備員がいないライブハウスではステージに上れてしまうこともあるが、観客が勝手にステージに上がることを嫌う人は少ないので注意すること。
ステージに上がった場合はもう一度客席に向かってダイブ・クラウドサーフィングして帰るのが基本。

なお、必ずしも成功する保証はない
失敗すると頭から転倒して鼻や頭を強打したり他の客が気づかず踏まれる可能性もある

また、下の客もダイブしている客の下にいる場合は足が顔面に直撃したりヒールやアクセサリーで攻撃されるケースもある。

この辺がダイブが危険とされる一番の理由なのかも知れない。

ちなみに、Hi-STANDARDのギタリスト横山健はROCK IN JAPAN FESTIVALにて禁止されているダイブを観客に要求した結果それ以来同フェスに出演できない。

客ではなく、出演者が行うケースも多い。
同フェスの冬版にあたるCOUNT DOWN JAPAN FESTIVALにてRIZEのベーシストKenKenが客席にダイブした結果ライブ後のtwitterにて「出禁を言われた」と呟いていた。

ダイブをしている側は楽しいかも知れないが必ずしもみんなが賛成しているわけではないのでちゃんとマナーやルールをわきまえてやりましょう。


〇ダイブ・モッシュの対策


●やる側について


  • 装備は極力軽装備で
重装備だと貴重品の紛失や他の人に邪魔となるだけなのでオススメしない。
場合によって貴重品は荷物と一緒にコインロッカーにしまうこと。


  • 眼鏡や帽子も極力しないこと
モッシュ中に吹っ飛ぶことが多く眼鏡に至っては破損の可能性が高い。
視力の悪い人は使い捨てコンタクトなどがオススメ。
耳栓などもしっかり装着していないと外れることがある。


  • チャックのあるジーンズなどに携帯などはしまう
こうすればダイブ中に落ちる→破損の心配は減少する。
チャックのないジーンズなどでダイブをしたら貴重品が落ちてましたってことは多いに考えられる。
ちなみに筆者はダイブをした際にiPhoneを落としてしまい拾ってもらったはいいが画面を破損してしまった女性を見たことがある。
貴重品の管理はしっかりしましょう。


  • 前述したようにダイブ・モッシュをする際にはアクセサリーは外しヒールやブーツを履くのは避ける。
万が一ヒールのかかと部分が人の目に当たったらその人の一生に関わる恐れもある。


  • ダイブをしたらサポートしてもらった人に極力お礼をする


  • 周囲の人への配慮も忘れないこと
モッシュピットではない所でモッシュを行ったり、モッシュの名を借りてただ暴れるのは単なる迷惑行為である。
手足を振り回したりする時も他人への危険が無いように行い、セクハラになるような行為も慎むこと。


・体力が持たない時や体調が悪くなった際は無理しないこと
もし、耐えられないほど体調が悪くなった際は、周囲の客や警備員に伝えると良いだろう。


  • また何があっても自己責任で行うこと
人が密集するため、新型コロナウイルスなどの感染症のリスクは高くなるし、怪我したり貴重品を紛失する可能性もある。
過去には死亡事故や大怪我する事故も起こっている。
そういったリスクを理解した上で行うこと。


ダイブ・モッシュが苦手な人の場合


  • 巻き込まれたくないと思ったら前列には行かず後列に残る
ダイブ・モッシュが起こるのは基本的に中列~前列であり、後列は比較的安全な場所とされている
最前列まで行くとモッシュが起こることは少ないが、大抵モッシュの勢いに巻き込まれることは多い。
パンクロック、ハードコア・パンク、エクストリームメタルのライブでは高確率で起こるため、そうしたジャンルのライブに特に注意が必要。
ダイブ・モッシュをしてて体力が限界だと思った時もこれが最善の対策である。

何もダイブ・モッシュするだけがライブの楽しみじゃない
後ろでまったり演奏を楽しむなり後ろで拳を挙げながら歌うもよし、ライブの楽しみ方は1人1人違います。
初心者はまず自分が楽しめる最善の方法を見つけることが大切です。


〇アニヲタとの関係

さて、ここまでライブにおけるダイブ・モッシュの説明をしたところでここはアニヲタWikiなのでその辺に関係することでも話そう。

アニメソング(タイアップ)の項目にもあるように近年のアニメの主題歌などで、ハードコア・パンクやヘヴィメタルのバンドが主題歌を担当することも多い。
アニメ主題歌を担当したことにより本来とは違うファン層にも名が知れるわけでありアニメを見てからライブを見に行きたいと思う人も出てくる。

あのアニメを主題歌を間近で聴くため前列待機

ライブ開始と共にダイブ・モッシュに巻き込まれ地獄を見た
という人も少なからずいるだろう。

元々そっちにも詳しければ問題ないがそうでないと痛い目を見るので気をつけましょう。
会場の大半のファンはアニメの曲目当てではなくバンドが目当てです。

熱いファンの方々は、
サスケェと言うアニメの歌だろうが、
なん…だと…と言うアニメの歌だろうが。
どこかでざわ…ざわ…なってるアニメの歌だろうが、
デンプシーロールするアニメの歌だろうが、
新世界の神になってしまうアニメの歌だろうが、
学校にホスト部作っちゃうアニメの歌だろうが、
会社から厳しい制作を強いられているアニメの歌だろうが場馴れしたファンは楽しむために容赦なくダイブ・モッシュをします。

それを体感したいならともかく、そのノリが苦手なら前述の対策をしっかりしてライブを楽しもう。


追記・修正はライブの最前列でモッシュしながらお願いします。

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最終更新:2024年03月10日 01:55