スニークアタック(MtG)

登録日:2011/04/27(水) 14:13:06
更新日:2023/02/28 Tue 10:08:03
所要時間:約 6 分で読めます




MTGにおいてという色はとにかく派手で攻撃的だ。ドラゴンストームなどがその代表だろう。


スニークアタックとはその名の通り


騙し討ち/Sneak Attack (3)(赤)
エンチャント
(赤):あなたは、あなたの手札にあるクリーチャー・カードを1枚戦場に出してもよい。そのクリーチャーは速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。

をキーカードとしたデッキ。

色や重さを無視してクリーチャーを出すことができ、さらに速攻で出したクリーチャーが攻撃出来るこのカードだが、
1回しか攻撃ができず、クリーチャーが回避能力を持っていないとブロックされて終わりという悲しみを背負う。


そのため、騙し討ちから展開するクリーチャーには

1:回避能力が高い
2:強力なcip・pig能力持ち
3:1回殴れば終了できるほどのサイズを持つクリーチャー

が採用される。

このカードが登場したウルザ・ブロックでは、

Academy Rector / アカデミーの学長 (3)(白)
クリーチャー ― 人間(Human) クレリック(Cleric)
アカデミーの学長が死亡したとき、あなたはアカデミーの学長を追放してもよい。そうした場合、あなたのライブラリーからエンチャント・カードを1枚探し、そのカードを戦場に出す。その後あなたのライブラリーを切り直す。
1/2

Serra Avatar / セラのアバター (4)(白)(白)(白)
クリーチャー ― アバター(Avatar)
セラのアバターのパワーとタフネスは、それぞれあなたのライフの総量に等しい。
セラのアバターがいずれかの領域から墓地に置かれたとき、それをオーナーのライブラリーに加えたうえで切り直す。
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と言ったクリーチャーを用いることが多い。

そのため、ウルザブロック構築や当時のスタンダードでは赤白で組まれることが多かった。

「色やコストを無視したド派手なクリーチャーで戦う豪腕デッキ」、というとリアニメイトが連想される。
事実、デッキの動きは似通っており、両者を共に愛用するプレイヤーも多い。
上記の採用クリーチャー条件もリアニメイトと共通するものだ。


しかし、リアニメイトとは決定的に違う点がある。
「クリーチャーは必ず手札から出てくる」「出したクリーチャーはターン終わりに勝手に墓地に行く」というのがそれだ。
特に後者は一見するとデメリットでしかない。
しかしこれはスニークアタックの幅広い戦略を支える大事な能力である。

例えばこんなクリーチャー。


まやかしの預言者/False Prophet (2)(白)(白)
クリーチャー 人間・クレリック
まやかしの預言者が死亡したとき、すべてのクリーチャーを追放する。
2/2


いわゆる「死ねば強力だが死ななきゃ無意味」というクリーチャーである。
リアニメイトでも1ターン限り戦場に出るというカードはあるが、死ぬと墓地に行かず追放される場合が殆どで、能動的に墓地に落とすには他のカードと組み合わせる必要がある。
しかし騙し討ち経由なら勝手に死んでくれるため他のカードと組む必要がない。
前者に関してもセラのアバターのような「そもそも墓地に留まってくれないからリアニメイトが難しい」というクリーチャーを採用できるようになるという利点になる。


火口の乱暴者/Crater Hellion (4)(赤)(赤)
クリーチャー ヘリオン・ビースト
エコー(4)(赤)(赤)(あなたのアップキープの開始時に、これが直前のあなたのアップキープの開始時よりも後にあなたのコントロール下に入っていた場合、エコー・コストを支払わない限りこれを生け贄に捧げる。)
火口の乱暴者が戦場に出たとき、それは他の各クリーチャーにそれぞれ4点のダメージを与える。
6/6


ドラゴンの暴君/Dragon Tyrant (8)(赤)(赤)
クリーチャー ドラゴン
飛行、トランプル、二段攻撃
あなたのアップキープの開始時に、あなたが(赤)(赤)(赤)(赤)を支払わない限り、ドラゴンの暴君を生け贄に捧げる。
(赤):ドラゴンの暴君は、ターン終了時まで+1/+0の修整を受ける。
6/6

出たクリーチャーに速攻が付与されるという点も、このような「素早く出しても維持コストが払えない」クリーチャーにとりあえず殴らせるという用途で使えて便利である。


もちろんリアニメイトに適したクリーチャーもチョイス出来る。
まさにスニークアタックの戦法の選択肢は(強さを考慮しなければ)無限大なのだ。
「何が出てくるか分からない」というワクワク感を相手にもたらす、マジック界のエンターテイナーであると言えるだろう。



そしてこのスニークアタックはクリーチャーインフレが進んだことでより強力な相棒を手にし、現在のレガシーでも猛威をふるっている。

Emrakul, the Aeons Torn / 引き裂かれし永劫、エムラクール (15)
伝説のクリーチャー ― エルドラージ(Eldrazi)
引き裂かれし永劫、エムラクールは打ち消されない。
あなたが引き裂かれし永劫、エムラクールを唱えたとき、このターンに続いて追加の1ターンを行う。
飛行、プロテクション(有色の呪文)、滅殺6
引き裂かれし永劫、エムラクールがいずれかの領域からいずれかの墓地におかれたとき、オーナーは自分の墓地を自分のライブラリーに加えて切り直す。
15/15

Griselbrand / グリセルブランド (4)(黒)(黒)(黒)(黒)
伝説のクリーチャー — デーモン(Demon)
飛行、絆魂
7点のライフを支払う:カードを7枚引く。
7/7

Through the Breach / 裂け目の突破 (4)(赤)
インスタント — 秘儀(Arcane)
あなたは、あなたの手札からクリーチャー・カードを1枚戦場に出してもよい。そのクリーチャーは、速攻を得る。次の終了ステップの開始時に、そのクリーチャーを生け贄に捧げる。
連繋(秘儀(Arcane))(2)(赤)(赤)(あなたが秘儀呪文を唱えるに際し、あなたはこのカードを手札から公開して連繋コストを支払ってもよい。そうした場合、このカードの効果をその呪文に追加する。)

最悪のエルドラージエムラクール様と、黒最後の希望ことグリセルブランドである。
更には実質的な騙し討ちの水増しになるインスタントである《裂け目の突破/Through the Breach》というものもある。

レガシーでの動きはごく単純。
《水蓮の花びら/Lotus Petal》・《煮えたぎる歌/Seenthing Song》などのマナ加速から騙し討ち(ないし裂け目の突破)をプレイしてこいつらを叩きつけるだけである。

エムラで殴れば相手の場が壊滅し、グリセルで殴れば大量ドローが可能であり、いずれにしても莫大なアドバンテージを得られる。

その気になれば1ターンで
《古えの墳墓/Ancient Tomb》プレイ→《水蓮の花びら/Lotus Petal》プレイ→3マナだして《煮えたぎる歌/Seenthing Song》プレイ→《騙し討ち/Sneak Attack》プレイ→騙し討ちでエムラ登場→殴る

ということも可能である。

主に赤単もしくは青赤で組まれ、コンボ以外のパーツはカウンターや拘束アーティファクトなどの妨害札やドロー・サーチで固められている。
さらに青赤タイプならもう一つギミックがある。

Show and Tell / 実物提示教育 (2)(青)
ソーサリー
各プレイヤーは、自分の手札にあるアーティファクト・カードかクリーチャー・カードかエンチャント・カードか土地カードを1枚、戦場に出してもよい。

これにより1ターン目にエムラクールが登場なされることもあり、動きは単純でありながら強力なコンボデッキとしてレガシーに生息している。
裂け目の突破はモダンリーガルなため安定性は落ちるがモダンにも類似デッキが生息している。


なお、騙し討ちや実物提示教育でエムラクールを戦場に出した場合は追加ターンは得られない。追加ターンを得るためには手札から唱えなければならないためである。
まあ飛行+速攻+プロテクション+滅殺で十分すぎるからあまり関係ないが。
このカードがスタンダード現役だった時代には、以下のような(攻撃が通れば)2ターンキルデッキも存在した。


1ターン:鋭き砂岩(カウンターを2つ乗せてタップ状態で場に出る。T:赤赤を生み出す。カウンターが0になった場合生け贄に捧げる)
2ターン:沼→暗黒の儀式→鋭き砂岩タップ→赤黒黒黒から騙し討ち→赤から騙し討ち起動→セラのアバター20/20で攻撃

いわゆる「アバター・シュート」である。




(赤):あなたは、あなたの知識の中にあるこの項目の追記修正を何行でも書き加えてもよい。その追記修正は速攻で反映される。

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最終更新:2023年02月28日 10:08