ティンダロスの猟犬

登録日:2011/11/13 Sun 01:39:58
更新日:2024/11/17 Sun 22:12:29
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奴らは痩せて、飢えていた…と彼は言った。宇宙の邪悪さが全部あの痩せて飢えた体に集約されているようだった。

――――――ティンダロスの猟犬


『ティンダロスの猟犬』とはフランク・ベルナップ・ロングが著したSF作品のタイトルであり、創作作品群であるクトゥルフ神話に登場する同名の怪物を指す。

ティンダロスと呼ばれるこの生物は、時間という概念すら存在していなかった太古、もしくは異次元に住まう存在である。
目撃者は大抵の場合死ぬため詳しい描写は存在しないが、姿を見てしまった故人によると冒頭の説明通りの恐ろしい姿をしているらしい。
その他、青みかがった特異な有毒の濃汁に覆われている他、鋭い注射針のような舌を有しこの舌を獲物に突き刺し捕食、体液の吸引を行う。
このまさしく化け物な概要からも分かる通り「猟犬」という名は一度目を付けた獲物を極めて執念深く狙い続けるその習性から付けられたもので、別に犬に近い生物という訳ではない。
一方で、4本足で歩行し、「狼めいた姿」などと形容される事もあり、シルエットなど大雑把な外観はイヌ科の生物に似ているようだ。
そのため、挿絵やファンアートなどでは程度の差はあれ、犬を思わせる姿で描かれる事が多い。

普通に時間を過ごしている限りこの猟犬と遭遇するという事態はまず起こり得ない。
しかし、何らかの手段による過去視や、タイムトラベル等を行う際にこの猟犬の姿を目撃してしまう可能性がある。その時、猟犬側からもこちらを捕捉されてしまう事があり、猟犬の存在を知覚してしまった人物にはもれなく死亡フラグが成立する
この存在は絶えず飢えており、一度発見した獲物を食らうべく非常に執念深く追跡し続けるからである。

…と、ここまでなら他作品にもいそうなクリーチャーなのだが、そこは一筋縄ではいかないクトゥルー神話。
この化物はその性質からか時空を超える能力を有しており、対象が外界とは一切の繋がりの無い密室に閉じ籠ろうが、一億年後の時間に逃げようが、まったくお構いなしに追い続け最終的に捕食してしまう。とんだヤンデレである。しかも、この猟犬は不死であり物理的に打倒するのは不可能というおまけ付き。

この猟犬が我々の住む三次元に出現し、実体化するためにはとある存在を通じる必要がある。その存在とは「鋭角」である。出現場所の120度以下の角から前兆として不浄な臭いを伴う煙が発生し、そこからティンダロスの実態が形成される。ただし、その前兆を感知した時点でもう手遅れになっている場合が大半である。

周囲の鋭角を全て取り除けばこの猟犬の襲撃から身を守る事は一応可能である。それ故に被害者は自分の周囲の「角」を取り除く事態に追われる事となる。「人体にも鋭角はあるよね?」とか「そもそも全部の鋭角無くすとか無理じゃね?」とかいってはならない。
但し、例え鋭角のない部屋を作り出して閉じ篭もったとしても、ドール等の他種族の協力を取り付けて地震を起こして罅割れといった形で無理矢理鋭角を作って侵入してきたりする。

もしこんな化物がいようものなら某タヌキロボットは数十回は襲撃されているであろう。最近では某狂気のマッドサイエンティスト某魔法少女も危険かもしれない。ある意味、タイムパトロール的な役割を持っているとも言える。

なお、クトゥルフ神話において時間の秘密を解き明かしたとされ、実際に時間移動を繰り返しているイース人が襲われたという話は聞かない。
彼らはなんらかの方法で猟犬から追跡されない時間跳躍の方法を会得しているのだろう。この辺りは流石「偉大なる種族」である。


追記・修正は部屋の鋭角を無くしてからお願いします。

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最終更新:2024年11月17日 22:12