凶羅(うしおととら)

登録日:2012/01/31(火) 17:34:30
更新日:2025/03/23 Sun 06:07:17
所要時間:約 4 分で読めます




いつも、オレは…
バカどものしりぬぐいだぜ。


凶羅(きょうら)とは『うしおととら』の登場人物。

●概要

光覇明宗大僧正・和羅の兄で、光覇明宗最大の法力を持つと言われていたが、本来の仏門を忘れ、妖怪を滅ぼすことにだけ興味を示すようになったため、破門された破戒僧。
破門の身だが和羅の兄という立場とその強さにより、破門後も妖怪退治を依頼されることもある。


●人物

暴力的な性格で、女子供に対しても全く容赦がなく、一般人が妖怪との戦闘に巻き込まれても意にも介さないが、育ての親である二代目お役目日崎御門には頭が上がらない。
そして何故か負けることを異常に恐れており、うしおと対戦した時も

「負けたらおしめぇなんだ! 負けた奴ァ死ぬしかねぇんだ!!」

と異様に動揺した表情で言っていたことから、過去に何か大きな挫折を味わっている可能性が高い。
うしおの父・紫暮が法力僧最強の実力を持ちながらも獣の槍に認められなかったことで荒んでいた時期もあった事から、凶羅も似たような経験をしていたのかもしれない。

山魚編でうしおを見捨てた少年の(嘲笑いながら)人間性に好感を示したかと思えば、弱者、とりわけ何もせずただ助けを待つだけの者には強く嫌悪している節がある。

●能力

上記の法力に加え並みの妖怪を上回る怪力を誇る。
武器として数珠や独鈷、千宝輪を使っていたが後に、強力な武法具『穿心角』を手に入れる。

穿心角(せんしんかく)

獣の槍を参考に作られた、西洋剣と独鈷と西洋のスピアーを合わせたような形の巨大武法具。
凶羅の身の丈に匹敵するほどのサイズを有する。

強力だが持つ者の法力を極限まで奪い取り、鍛錬不足なものだと精神に異常をきたす恐れがあるという、とんでもないじゃじゃ馬。
恐らく凶羅以外では紫暮か流ぐらいしか使いこなせなかっただろう。
凶羅もじゃじゃ馬なこの法具を気に入ったようで、最終決戦まで愛用し続けた。

  • 降魔捨法(こうましゃほう) 威颶離(いぐり)
離れた妖怪に穿心角を弾丸のごとく打ち込む技。発動には、法力僧二人と多数の人間が必要となる。
最初の法力僧が念を発し、それを多数の人間の体を通して増幅することで、穿心角に強大な念を溜め込み発動する。
作中では寝台列車の乗客たちを通して発射したが、鍛えていない人間の身体に念を通すのは危険なため、本来は、法力僧のみで行われると思われる。


●主な活躍

初登場は第八章「法力外道」
光覇明宗の依頼で、川の埋め立てを邪魔する河童と戦い、腕をもぎ取り圧倒、命乞いをする河童に容赦なくとどめを刺した。

その後、うしおが獣の槍を持つことに疑問を持っていた和羅により、槍の奪還と、とらの退治を依頼される。
うしお達の情報を持つ相手に暴行を加え、無理やり聞き出した後、野宿しようとしていた潮達を強襲。
うしおに法力で大ダメージを負わせ、槍を封印、とらを拘束しなぶり殺しにしようとする。
そのやり方に怒った潮に槍が応え封印を突破、変化を許してしまい、怪力も法力も効かず圧倒され、とらに止めを刺されかけるも、潮により見逃される。
このことに、死ぬほどの屈辱を受け、二人を、自らの手で殺すことを決意する。

次に第二十五章「時限鉄道」に登場。
潮達を倒すため、光覇明宗の札幌寺院から穿心角を奪い取り、潮達が乗る寝台列車に乗り込む。
青函トンネル内で一般人を人質に取り、潮に対決を強要する。
寝台列車を妖怪山魚が襲ったため、うしおとの決着は付かなかったが、成り行き上潮達と共闘する事になり山魚を降魔捨法 威颶離で葬った。

おめえはまだまだ強くなる。
人間も、(バケモノ)もかなわぬほどにな…
そして、その時こそおめえを「とら」ごと踏み砕いてくれる。
忘れるな!それはこの凶羅の役だ。

その後、このツンデレ丸出しの再戦宣言をしながらその場を去っていった。

第二十七章「四人目のキリオ」にも登場し、光覇明宗本山にも強力な武法具を求め訪れるも、日崎御門に説法を受けるが反発する。
その後、白面の者の分身くらぎが本山の結界を破って襲ってきたため交戦する。
光覇明宗が月輪の陣で動きを封じる中、穿心角で攻撃を加えるが、反射能力を持つくらぎには通用せず、その能力に気付くも反射された月輪の陣に囚われてしまう。
その間にくらぎと御門が対峙、御門が命をかけて倒そうとしていることを察し、拘束された足を引きちぎってでも助けようとしたが間に合わなかった。
御門の死後は悪態をついて本山を去った。


その後は、白面との最終決戦まで登場しなかったが、最終決戦では、人知れず参戦し白面を封ずる結界壁のもっとも弱い所をたった1人で防衛。
毒霧の中で黒炎の屍の山を築くも、右腕を吹き飛ばされた(もしくは喰い千切られた)上に無数の千年牙で胸を貫かれており、御門や和羅との思い出やうしおととらとの戦いを振り返りつつ、白面と戦う潮ととらを眺めながら長き戦いの生涯に幕を下ろした。


なァ。うしおよォ、とらよォ。


面白かったよなァ…

恐らくは生まれて初めて「自分の為」でなく「誰かの為」に闘ったであろう彼の顔には、不器用ながらも自分の人生を全うした満足げな表情が浮かんでいた…




●余談

本名はキョウジ。(ちなみに弟の和羅の本名はカズオ)
和羅の顔の火傷は子供の頃好奇心から法力比べをした際に、事故で彼が弟に火傷させてしまったもの。
妖怪の力などを得ていない純粋な人間で、槍による変化を発生させたのは凶羅だけである。



追記・修正は妖怪の力を借りずに潮を変化させてからお願いします。

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最終更新:2025年03月23日 06:07