ダンテ・アリギエーリ(Fate)

登録日:2025/08/01 Fri 23:26:53
更新日:2025/08/27 Wed 22:00:28NEW!
所要時間フフ……約 7 分で読める……





召喚……召喚?
フフ……よくぞ私を召喚してくれた……

我が名はダンテ・アリギエーリ……
言わずとしれた、神曲の作者であり……プリテンダーとして、神曲の主役でもある……

フフ……つまり……今後ともよろしくお願いします……


Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。
クラスはプリテンダー

ILLUST:白浜鴎
CV:千葉翔也


◆プロフィール
身長:175cm
体重:69kg
出典:史実、『神曲』
地域:イタリア
属性:中立・中庸


◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
D B+ C B++ A EX

◆スキル
○クラス別スキル
単独行動:B+

陣地作成:D++


〇保有スキル
三世界放浪:EX
地獄・煉獄・天国の三つの世界を放浪したダンテに与えられたスキル。
人間には許されない世界での活動を可能とする。

百歌の星:A+
ダンテの『神曲』は地獄・煉獄・天国、三十三歌の作品が三編と、常に三が意識された構成となっている。
『神曲』全体の序章を足すことで、合計百歌。
そして三編いずれも、星の描写で締めくくられる。

七罪の刻印:B
煉獄にて天使がダンテの額に刻んだ七つのPを指す。
罪を清める度に、一つずつ消えていく。

「フフ……深海もいけるかな……?」


【宝具】

汝、この門を潜る者、一切の希望を捨てよ(ラシャーテ・オーニ・スペランツァ、ヴォイ・ケントラーテ)

ランク:EX 種別:対界宝具 レンジ:0 最大捕捉:不明


宝具、イメージ悪いんだがね……

苦しい、苦しい、苦しい……我が暗黒よ、今この世に溢れん! さあ、この門を潜るならば希望を捨てよ!

嗚呼、至高天は消え、後には地獄門が残るのみ! 見るな見るなァ! 脳に蟲が湧き、地獄が行進を開始する!

汝、この門を潜る者、一切の希望を捨てよ(ラシャーテ・オーニ・スペランツァ、ヴォイ・ケントラーテ)』!!


『神曲』でもっとも有名なオブジェクト、「地獄の門」の具現化。
門を開くと、中から地獄の魔獣や罪人たちが溢れ出す。
その様子はさながら欧風百鬼夜行といった様相。
門を開く度、ダンテは絶望に耐えなければならない。
絶望に屈したとき、門は開いたままとなって大変なことになる。

「フフ……発音むずかしい……」


七罪の刻印剣(ペッカティ・スパーダ)

ランク:B+ 種別:対人宝具 レンジ:1 最大捕捉:1人

切先を潰した(攻撃ではなく防御主体の)天使の剣。ダンテの額に文字を刻んだ。
罪を刻印することにより、様々な危難をもたらすが、罪を浄化されると逆に相手のパワーアップを許してしまう。
『FGO』では通常武器として使用され、真名解放による能力は喪失している。

「フフ……意外に重い……」


◆真名:ダンテ・アリギエーリ

13〜14世紀イタリアの詩人、哲学者、作家、政治家。
傑作叙事詩『神曲』を世に送り出したことで、中世ヨーロッパ文学に多大な影響を与え、同時にルネッサンスの基礎を築いた男。

政争に巻き込まれてフィレンツェから追放されてしまい、『神曲』はその失意の中で書かれた。

この『神曲』、どういう話なのかざっくり説明すると「あの世に迷い込んだ作者兼主人公のダンテが、古代ローマの詩人・ウェルギリウスに導かれて地獄・煉獄・天国を旅する」というもの。
非常に有名な小説で「この門を潜る者は一切の希望を捨てよ」というフレーズを聞いたことがあるアニヲタ諸兄も多いかもしれない。実はこれ、文学だけでなく芸術・文化的な意味で非常に重要な立ち位置に存在しており、『神曲』の文体がそのまま現代イタリア語の基礎になっているほど。
古典文学を語るうえでは外せない最高傑作とまで評されており、その前衛的な内容はルネサンス時代を切り開いた作品であるという評価も存在する。

あの永井豪の幼少期の愛読書にもなっており、「もしも『神曲』が家になかったら『魔王ダンテ』も『デビルマン』も存在していなかった」と公言している。
その縁もあってか、永井豪は神曲のコミカライズも担当している。

キリスト教を主軸としつつ、ギリシャ神話の英雄や魔物実在偉人などが多数登場しており、序章含めて百の章に分かれているという超大作元祖Fate
しかもキリスト教において重要な数字である「3」を重視した構成となっており、序章1節、地獄編33節、煉獄編33節、天国編33節という組み合わせとなる。
更に加え「3行ごとに一連の纏まりとなっている」、「3行ごとに韻を踏んでいる」と、どこまでも3(=三位一体)を意識した変態文法で書かれているのが最大の特徴。
その上で教皇すらも容赦なく地獄へ叩き落す作風ゆえに物語としても大衆に大受けしたと書けば、どれほど凄い作品か分かるだろう。

また、物語のヒロインとしてベアトリーチェという善良な乙女が登場するのだが、彼女は幼馴染にして初恋の相手がモチーフ(名前はビーチェ)となっている。
なお、接し方を間違えたせいで嫌われた(そして先立たれた)模様
ダンテはあろうことかそんな彼女をダンテを天国へと導く天使だったと解釈した。

つまり『神曲』は世界最大規模の夢小説……


◆人物

2025年ホワイトデーイベント『彼の名はダンテ ~ホテル・デノヴォのコンシェルジュ~』の開催と同時に先行ストーリー召喚限定として実装されたサーヴァント。レアリティは☆5。
直後のメインストーリー奏章Ⅳ『人類裁決法廷 トリニティ・メタトロニオス』においても主要サーヴァントとして登場する。

容姿はやや癖のある赤いメッシュの入った黒髪をした青年。
言葉の前に「フフ……」と含み笑いをするのが特徴で、何を考えているのか分からないミステリアスな人物。






……という第一印象を台無しにするレベルでビビりなコミュ障かつ真性のボケ役
上記の含み笑いも、基本的に何を言うべきか考えるための時間稼ぎだったものが素になったもの。
慎重な言動を取るが、度々意識して本当か?ボケを挟んでくるやや面倒臭い男。

その癖して本人は自分を「ギャグ要素一切なしのシリアス系サーヴァント」だと断言して憚らない

なお、これでも英雄としての矜持は本人なりに持っており、人の営みや努力の成果が人災や自然災害によって失われる事を何よりも嫌っている。

プリテンダーとしては『神曲』における主人公ダンテを羽織っている。
……と言っても『神曲』におけるダンテと実在のダンテにはほとんど違いはなく、物語を実体験として体感したという部分のみに違いが表れている。夢小説だもんね……

プリテンダーではあるが「プリテンダーとして羽織っている方も実は素」という稀有な存在である。

聖杯への願望は「故郷への帰還」と嘯くが、彼が望んだイタリア統一への道は概ね果たされており、実はさして強い願望という訳ではない。
彼はイタリアの平和が続くことを祈るばかりである。

彼の本当の願いは「ベアトリーチェと再会すること」。
その願望は非常に強いもので、特異点を作成するのも躊躇わなかった……のだが……


◆本編での活躍


以下、奏章Ⅳ『人類裁決法廷 トリニティ・メタトロニオス』のネタバレ注意!

















同章の発端かつ(ある意味)最大の被害者。
白紙化地球に召喚された彼は手に入れた聖杯を使用してベアトリーチェと再会するために、『神曲』を模した特異点を作成する。
そして、満を持してベアトリーチェを召喚しようとしたのだが、その時ちょうど発生時期を迎えていたルーラーのオーディール・コールによって、ベアトリーチェの召喚をジャックする形で、大天使メタトロンがジャンヌ・ダルクに憑依した擬似サーヴァント、メタトロン・ジャンヌが召喚されてしまう。

思い人を召喚のリソースにされたダンテは激怒して戦いを挑んだが敵う訳も無く、聖杯を奪われた挙句、新たな霊長に地球を託すために、人々の過ちによって滅んだ汎人類史を裁くという目的を持ったメタトロンに煉獄に追放されてしまった。

かくして、地獄の罪人やサーヴァントが次々に呼び込まれ特異点がどんどん大規模に拡張されていく中、煉獄で不遇の身にあったダンテは、召喚されたサーヴァントの1人である青年期のモリアーティに拾われ、煉獄の罪人達相手に「M&D法律事務所」を共同設立 *1 。新米弁護士として彼らの問題解決のために奔走する事に。

そうこうしている内に特異点を修正するために訪れたが、メタトロンの権限によって追放刑を科された主人公・マシュ・カドックが、彼らが共同生活していた賃貸物件「グラナート」に訪れる。

この特異点の終わりを感じながら、ダンテはモリアーティと共に大罪を背負った3人に依頼されて、ボケ倒しながら煉獄と地獄を駆けずり回る事になったのだった。

その後、癖の強い地獄の管理者達に困惑する、第一階梯の天使に総出で圧倒される、検事になった言峰に振り回される、マシュがルーラー候補者としてメタトロンに攫われるなどのトラブルに見舞われながらも、3人の再審の準備を進めていき、メタトロンと法廷で対決。


敵はいずれも強大だった。カルデアの勝ち目など万に一つ。
その万に一つを、その意志で引き寄せたのです!

彼/彼女らが異聞帯を攻略できたのは──
ただただ、偏に懸命だっただけです! 賢明ではなく懸命だった……!

このダンテ・アリギエーリ、お願い申し上げます。彼/彼女らに、無罪を。


詳細は避けるが汎人類史及びカルデアの裁判が解決した後は、マシュを敵視するリリスによって暴走させられた天使達の相手をモリアーティやアショカ王、ルーラー達と共に担当。
なお、メタトロンをベアトリーチェ扱いし始め、棒読みで「だんてあいしてるー」と言われてヤル気を上げていた。

そして、ボロボロになりながらも最後まで生き残り、自分の仕事にやりがいを感じつつ退去したのだった。


◆余談

  • 声真似
ホワイトデーイベントのログインボイスにて某アラフィフの声マネを披露していたのだが、これがやたらに上手い
ラジオ客演時の千葉氏曰く、アラフィフ役の土師孝也氏との共演経験が役立ったらしい(恐らくラグビー漫画『ALL OUT!!』のアニメ版のことだろう)。

  • キャラ変?そんなものはないよ
諸々の先例から「先行登場時は面白キャラだったが、本編での登場時は危険な男になるのでは……」とマスターから警戒されていたが、奏章Ⅳにおいても結局95%ぐらい面白キャラであり、むしろ相方共々数少ない清涼剤になっていた。先述の「フフ……」関連とか根っからの面白キャラなのでコレは仕方ない話であろう。
一方でベアトリーチェ絡みに関しては「たとえ強大な相手であっても絶対に譲らない」という気骨を見せつける形となった。

  • 朗読劇
10周年フェスで行われた奏章Ⅳの朗読劇『FGO THE DRAMALOGUE -Paladin/Proof-』にステージキャストとして千葉氏も出演したのだが、他のキャスト達 *2 と比較しても服装や髪型がモロに自キャラのダンテを意識したものであり、演技の際の挙動もダンテそのものだったと話題に。

  • 『人類裁決法廷 トリニティ・メタトロニオス』での役回り


追記・修正はベアトリーチェと再会してからお願いします。

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最終更新:2025年08月27日 22:00

*1 裏設定によれば、虹が出来る程に大泣きしていたダンテが、自分に無い分野で役立ちそうと考えたモリアーティにバイトとして雇われ、いつの間にか共同経営者になっていたらしい。

*2 高橋李依(マシュ)、赤羽根健治(カドック)、水島大宙(ホームズ、ガウェイン)、川西健吾(ペペロンチーノ)、石谷春貴(ベリル)、諸星すみれ(リリス)