アテナ(ゲーム)

登録日:2015/04/25 Sat 12:24:40
更新日:2024/09/05 Thu 01:20:20
所要時間:約 5 分で読めます





アテナ(ATHENA)は、1986年に旧SNKより発売されたアーケード向けのアクションゲーム。
ジャンルとしては、アイテム取得による成長要素を含んだアクションRPGに分類される。
主人公・アテナ姫を操作し、ブロックの中に隠された装備やアイテムを探してパワーアップさせつつ、
全8ステージの攻略を目指す。

当時の公式曰く

『ASO』『TANK』『怒』と一連のシューティングものが続き、
ここらでSNKはこんなのも作るんだぞと出来上がったのがこのATHENAなのだ

ということで。

ジャンルの違いもさることながら、漢臭い硬派な世界観とストーリー設定を特徴としていたそれらの作品に対し、
本作は当時でもまだ珍しかった、かわいらしい女の子が主人公のゲームとして注目された。
その上、主人公が露出度の高い(アーマーですらない)ビキニ姿という刺激的なビジュアルは
当時のゲーマー少年・青年に大きな衝撃を与え、80年代のSNKを代表する人気作品となると共に、
ギャルゲーの始祖としても評価されるに至った。



主人公


アテナ姫
ビクトリー王国の王女で、麻宮アテナのご先祖様。
冒険好きで退屈を何よりも嫌う性分の持ち主。
退屈しのぎに異世界・幻想界に君臨する帝王ダンテを叩き潰すべく、
城の地下に隠された開かずの間の隠し扉に飛び込んでしまった。

敵と戦うというのになぜ赤ビキニなどというあられもない格好なのかというと、
隠し扉に飛び込んだ拍子に服が脱げ落ちてしまったからである。

ちなみに、ドレス姿は雑誌で公開された設定資料集と、
ゲーセンで配布されていた攻略冊子掲載の漫画とではデザインが異なる。
オープニングでのドット絵をで見る限りは、設定資料集に載っている
ギリシャ風のデザインのものが公式の模様である。



ゲーム内容

アテナ姫を操作し、8方向レバーとバトルボタンで敵と戦う。
初期状態のアテナ姫は、見た目どおりの丸腰状態で非常に貧弱なため、
攻撃力とジャンプ力を強化するために、破壊可能なブロックを壊して装備品やアイテムを現地調達する必要がある。

武器及び防具はそれぞれの系統毎に3段階まで強化でき、更に強化用のアイテムにより、攻撃力と防御力を強化できる。

防具は耐久回数分の攻撃を受けると壊れてしまうため、装備のランクを上げていても、防御力が弱いとさっさと防具が壊れてしまう。
敵の群がりっぷりと攻撃の激しさが半端ないため、攻撃力以上に防御力を重視する必要がある。

武器は使い勝手や威力が大きく異なり、特定の武器がないとブロックを壊せないため、
1つの武器に決めたら辛抱強くランクを挙げ、攻撃力も併せて強化をしていく必要がある。


こうして装備を整えつつ進み、ステージの最後に待ち受けるボスを倒すことでクリアとなって次のステージへ進んでいく。



絵面とは裏腹に・・・・・・


アテナ姫のかわいらしさとは裏腹に、本作はやや人を選ぶ作品となっている。
何故かと言うと難易度がかなり高く、そのベクトルがやや理不尽な方向に向いている事にある。

アイテム取得によりパワーアップするため、初期状態では弱いというのは当然なのだが、
本作では文字通り、ザコ相手にすら手も足も出ないほどの最弱っぷり
初期状態ではリーチの短い短足キックしか攻撃手段がなく、防御力も0のため、
1,2度、敵にぶつかった程度で直ぐ瀕死状態になってしまう有様である。

また、アテナ姫の素のジャンプ力は非常に貧弱で、アイテムで強化しないと高所への移動はおろか、
敵や敵の攻撃の回避すらもままならない。
ジャンプを強化しても、決まった法則に乗っ取った数段ジャンプしか出せないため
立ち回りの自由度が低く、ジャンプ中や落下中の隙も大きい。

要は、操作性に癖があり、思い通りに操れるようになるためには相当な慣れが要るのである。


その反面、敵はアテナ姫よりも動きが機敏であり、倒しても画面の端からワラワラと際限なく湧きだして向かってくる。
ハシゴ等の地形をジャンプひとつですり抜けて移動してきたり、
飛行タイプの敵は地形を無視して自在に飛び回り画面外から遠距離攻撃を連発してきたり……
と、主人公を上回る機動性能がとにかく嫌らしい。

防御力重視が肝要なのは上述の通り、敵の攻撃がやたら激しいのが理由なのだが、
アイテム集めに専念している端からうっとうしく絡んできたりするのでウザイことこの上なしである。

当時ゲーセンで配布されていた公式攻略冊子掲載の漫画内では、
ビキニ姿のままバッタバッタと敵をなぎ倒していくアテナ姫の勇姿が描かれていただけに、
絵面と中身のギャップにガッカリした人が多かったのも事実だったり……。



なんだかんだで・・・・・・


やや人を選ぶ面も多いが、本作が人気作品となったのは疑いようのないところであり、SNKを代表する作品になると共に、
ヒロインのアテナ姫もまた、SNKを代表するヒロインとなった。

その後、アテナの系譜は翌年にリリースされた続編「サイコソルジャー」の主人公・麻宮アテナに継承され、、
後のKOFシリーズへと連なっていく事になる。
子孫である麻宮アテナの人気の高まりに伴い、彼女の存在はやや影が薄くなってしまった感は否めないが、
今後も何かしらの動きを見せて頑張って欲しいところである。



余談

2011年発売のPSP向けオムニバスソフト「SNKアーケードクラシックス0」にて、AC版の完全移植が実現した。
本作では、ゲーム選択時のカーソル移動や項目決定時の効果音に本作のSEが用いられている。
その他、パッケージイラストにて麻宮アテナと共に堂々とセンターを陣取って(やたら挑発的な表情でドヤ顔って)いたり、
パッケージ裏に書き下ろしと思われるイラストが載せられていたりとキャラクターが重用されている様子からも、
この作品とアテナ姫というキャラクターがSNKにとって、代表作である共に、重要かつ特別なポジションに位置しているであろうことがうかがえる。

現在は2018年に発売された『SNK 40th Anniversary Collection』(Windows/Switch/PS4/XboxOne)にFC(NES)版とAC版が収録されているのでそちらが一番手を出しやすい環境とも言える。

ゲスト参戦としては、カプコンとSNKのクロスオーバー格ゲーである『SNK vs CAPCOM SVC CHAOS』に(特定条件を満たす必要があるが)ラスボスの1人として登場している。


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最終更新:2024年09月05日 01:20