登録日:2016/02/18 Thu 12:39:03
更新日:2024/09/23 Mon 19:41:26
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ネクロマンティックとは、1987年に公開されたドイツのホラー映画。
【概要】
ドイツが生んだ鬼才、
ユルグ・ブットゲライト。
「ネクロマンティック」シリーズはその代表作で、世界各国で騒然たる論議を巻き起こした問題作である。
1991年には2作目である『
ネクロマンティック2』も公開された。
ネクロフィリア(死体愛好)をテーマとしており、欲望を満たすために死体清掃会社で働き、持ち帰った死体をコレクションする男とガールフレンドの行く末が描かれる。
その過激な内容が話題となり、本作を制作したドイツでは1992年に上映禁止となったばかりかフィルムの廃棄処分を命じられ、
監督のユルグ・ブットゲライトは要注意人物としてドイツの本国から監視されて新作が作れない状況であるとの事。
しかし、1995年には本作を
日本で公開するために極秘で正続2本を一つにまとめて編集された『ネクロマンティック特別編』がビデオ発売され、
のちに正続2本がDVD化。
そして、2015年1~2月にヒューマントラストシネマ渋谷で開催の「未体験ゾーンの映画たち 2015」にて、HDリマスター版が上映された。
同年の4月にはとうとうBlu-ray化が実現した。
※注意!!※
以降の記事には、映画の核心部分のネタバレの他、ショッキングかつ猟奇的な内容を含みますので耐性の無い方は閲覧に御注意下さい。
【あらすじ】
死体清掃会社で働くロベルト(演:ダクタリ・ロレンツ)。
誰もが嫌がるその仕事だが、彼にとっては趣味と実益を兼ねたものだった。
そう、彼はネクロフィリアで、仕事を通して手に入れた死体の一部を保存・鑑賞する事を、最大の至福としていた。
そして同嗜好の趣味を持つガールフレンドのベティ(演:ベアトリス・M)と共に、そのコレクションを楽しんでいたのだった。
そんなある日、彼は仕事で、事故死でありながら、全身が綺麗に揃った死体に出会う。そして、密かにその死体を自宅に持ち帰ってしまう。
その見事なまでの死体を目にし、興奮しながら喜ぶベティは、スチールパイプを死体の股間部分に突き立て、そのままベッドでロベルトも交えて、禁断の行為に耽るのだった…。
【登場人物】
主人公。
死体清掃会社で働くネクロフィリアの青年。
同じ趣味を持つベティとはラブラブの関係で全身が揃った死体が手に入った際には彼女と3Pを楽しんで幸せな日々を過ごしていた。お前ら末永く爆発しろ!
だがある日、些細なトラブルが原因で仕事をクビにされ、その事に激怒したベティから別れ話を切り出された末に出て行かれてしまう。
その後、ヤケになって街を彷徨い、次々と殺人を犯してゆく。そして、遂に彼は究極の行為に出る…。
「僕も死体になりゃいいじゃん」とばかりに……
ロベルトのガールフレンド。
本作のエロ要員。
彼女もネクロフィリアであり、ロベルトが丸ごと1体の死体を持ち帰った時には大満足で喜んでいた。
劇中でロベルトと3人でベッドインしたシーンでは
男性器に見立てたスチールパイプを死体に突き刺し、更にコンドームを被せてディルドのごとく挿入してセックスを楽しんでおり、ロベルトが仕事に行っている間に至っては
ベッドで一緒に寝ている死体に本を読み聞かせ、己の陰部に死体の頭部を擦りつけてオナニーする等、色々な意味でブッ飛んだ美女である。
衛生観念? 感染症?
こまけぇことはいいんだよ
中盤でロベルトが仕事を失った後は、死体を手に入れる手段を失った彼を激しく罵った挙句に死体と駆け落ちして家を出て行ってしまった。
「金の切れ目が縁の切れ目」ならぬ、「死体の切れ目が縁の切れ目」とはまさにこの事である。
ロベルトが現場でくすねた死体。厳密には登場人物ではないが、便宜的にこちらに記載。
発見された時には既に腐乱して全身が灰色に変色、一部が白骨化している上に表面がネバネバで糸を引いてる有様であり、完全に腐りかけで腐敗臭がキツそうな状態。
ラブドールとしてロベルトとベティに愛されながら部屋に飾られていたのだが、2人の関係がギクシャクした際にはベティと共に姿を消した。
死体清掃会社の先輩。
新人のロベルトを何かと毛嫌いしており、彼をクビにするよう社長に催促していた。
中盤では、ロベルトが汚れた作業着をロッカーに放置したという理由でとうとう彼にブチキレ、怒り心頭で社長に直訴した。
その結果、ロベルトはあっさり仕事をクビにされてしまった。
尻がエロい娼婦。
全てを失ってヤケになったロベルトの客となって墓地でHをしていた。
だが、肝心のロベルトは筋金入りのネクロフィリアであるせいで普通の
セックスではどうしても勃起できず、
その有様を思わず嘲笑してしまい、直後に腹を立てた彼に絞殺された挙句に
屍姦されてしまう。
早朝に墓地を訪れた際に娼婦の遺体と一緒に寝ていたロベルトをたまたま目撃してしまい、それに驚いた彼にスコップで顔面を真っ二つにされて惨殺された。
冒頭で女がドライブ中に尿意を催して車の外で立ちションしていた。
女が野ションを済ませた後、夫らしき男が車を運転していたのだが、途中でよそ見をしたために交通事故に遭って2人共即死した。
運転していた男は眼球が片方飛び出しており、女の方は上半身のみの状態で車外に投げ出されていた。
その後、遺体はロベルト達の手で回収された。
本作のエンディングで登場した女性であり、次回作の主人公。
【余談】
ロベルトとベティの中の人は作中の描写とは裏腹に現場では終始仲が悪く、ベッドシーンの撮影ではいきなり喧嘩を始める有様であり、監督を困らせていた。ちなみにその時の様子はそのまま撮影され、本編のシーン(ベティが別れ話を切り出す場面)に流用された。
本編で男がウサギを殺して解体するシーンでは、本物のウサギが使われており、撮影が終わった後はスタッフが料理して食べたとの事。
2012年にカナダで公開された『
Thanatomorphose』はネクロマンティックの影響を受けたエログロ映画であり、監督のエリック・ファラードーはネクロマンティックのファンである。
追記・修正は、事件現場で拾った死体と3Pしてからお願いします。
- え……(絶句)なんですかこの映画は…… -- 名無しさん (2016-02-18 18:53:26)
- ブットゲライトはまさに「死の映画監督」。人間の死をテーマにえぐい作品をいくつも監督してきた。ドイツではこの人の監督作品は見られんらしい…。 -- 名無しさん (2016-02-18 19:05:40)
- なんつー映画だ……。こんな映画を作らねばならない様な事情があったのだろうか? -- 名無しさん (2016-02-18 19:47:26)
- 江戸川乱歩の『蟲』を思い出したよ。あれもひどいが、こっちはもっとひでえ。 -- 名無しさん (2016-02-18 19:54:13)
- 家にレンタル落ちで買ったビデオがあるわw まだ見てなかったし今度見てみるかなぁ -- 名無しさん (2016-02-18 20:53:14)
- こんな映画でも普通に流通してる日本って、規制が緩いんだか厳しいんだか分からなくなってくる。 -- 名無しさん (2016-02-29 19:43:33)
- タモリ倶楽部でこの映画を日本で流通させた時のエピソードが語られてた。譲り渡した人はこんな映画を欲しがるのかとかなり驚いたんだそうな -- 名無しさん (2016-12-12 22:09:29)
- 死体と駆け落ちとかいうパワーワード -- 名無しさん (2018-08-17 09:51:47)
- 特別編観たなぁ。ロベルトが〇〇しながら××するラストシーン、□□が途中から血で染まって真っ赤になるのに驚いた覚えがある -- 名無しさん (2022-03-05 22:45:25)
- ↑すまん、特別編ではラストシーンじゃなくて折り返しだ。この『1』 -- 名無しさん (2022-03-05 22:48:36)
- ↑重ね重ねすまん…この『1』におけるラストシーンて意味な -- 名無しさん (2022-03-05 22:49:46)
最終更新:2024年09月23日 19:41