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肉じゃが

登録日:2012/02/16(木) 20:13:59
更新日:2026/06/25 Thu 23:32:55
所要時間:約 5 分で読めます





肉じゃがとは日本料理の一つ。
肉類とジャガイモ、その他野菜類を酒、醤油、砂糖、みりん等で煮込んだ料理である。


■起源

諸説あるがそのルーツは海軍料理にあるとされている。
イギリスのポーツマス市に留学していた海軍提督・東郷平八郎が現地で食べたビーフシチューを大変気に入り、帰国後にコックに作らせようとした。

東郷「留学中に食べたビーフシチューが忘れられない、また食べたいから作って(人>ω•*)オネガイ」
コック「ええ!?そんな料理、見たことも聞いた事も……どんな料理か分からんのに作れへんわ( ´д`)」

東郷「食べたい食べた~い!たしか茶色ソースに、牛肉とにんじんとじゃがいも使ってる煮込み料理だったかな~。とにかくo(><;)(;><)o食べた~いの~( ○●_ω_)○バタバタ」

コック「それだけじゃ分かりませんわ。提督……無茶言わんで下……」





\いいからビーフシチューだ/



だが、ブラウンソースの作り方など知らなかったコックは砂糖醤油で代用*1、現在の肉じゃがの原型である「ジャガイモの甘煮」となった。
駄々をこねた(かは知らないが)東郷も、これはビーフシチューじゃないけど、これはこれで美味いからか納得したらしい。
もっとも、ビーフシチュー自体はすでに日本にあったほか、大和煮などですでに近い調理方法もあったため、
実際にどうだったかは舞鶴市vs呉市という闘いもあって不明。提督がかわいいからこれでいいよね!

+ 起源についてもう少し詳しく
とはいえちょっと真面目な話をすると、この「肉じゃが東郷平八郎発祥説」、本当のところ作り話である可能性が高い。
というのも、1995年に舞鶴市が肉じゃがによる町おこしを企画した際、その発案者が『東郷元帥が肉じゃがを舞鶴で初めて作ったというストーリーを作り上げた』という旨のことを、後年になって自ら語っているからである。
当然、舞鶴より後にそれをパクって肉じゃが発祥の地を名乗った呉市のほうも、この「東郷説」が下敷きになっているため自動的に発祥の地の資格を失う。

さらに付記するなら、これより先に「海軍発祥説」というものがテレビ番組によって広まっていたらしい。
だがこの「海軍説」、そもそも肉じゃがは海軍発祥だということにしてくれという番組側の完全な結論ありきで、協力者の自衛官に調査依頼がなされたものであるとのこと。
この調査において、昭和13年度版の『海軍厨業管理教科書』に「甘煮」という名前で肉じゃがのレシピが載っていたが、戦前の料理書数冊を調べたところ同様のレシピは載っていなかったため、『海軍厨業管理教科書』以前には肉じゃがおよびそれと同様のレシピは存在しなかった=肉じゃがは海軍で生まれた、と番組は結論付けてしまったらしい。んな無茶な。
しかも調査中に、大正11年の書籍に「牛肉雑煮」という名前で肉じゃがそのもののレシピがあったが、それも番組側には握りつぶされてしまったとのこと。
どうやら先ほどの「東郷説」も「海軍説」から影響を受けて生まれたようだが、どちらにしろ事実というよりは伝説の類だと思っておいたほうが無難である。

……となると、肉じゃがは誰が生んだの?という話になるが、これが難しい。
というのも日本料理は伝統的に、砂糖と醤油を使って肉(初期は魚介類)と野菜を煮るという手法が、それこそ江戸時代から存在しているからである。
特に明治以降は江戸のみならず全国にこの砂糖と醤油で甘辛く煮る手法が広まり、そこに新しく急速に普及してきた獣肉やじゃがいもを組み合わせた料理が、民間で伝播あるいは同時多発的に発明されたのであろう、という感じで捉えておくのが適切か。
手法も具材もありふれた、しかも民間で成立・発達してきた料理のため、たとえば「それに触れた最古の資料」などは発見されるにしろ、どこでどう生まれたかをはっきりするのはよほどの僥倖に恵まれない限り難しいと思われる。
もっとも、「あの東郷元帥が関わる面白エピソード」というありがたみは薄れたかもしれないが、当時における「伝統の技法と流行の具材を掛け合わせた民衆の智慧」と捉えれば、これはこれで乙なものではないだろうか。

ちなみに以上の説に則ると、肉じゃがの発祥にビーフシチューも無関係。
当時のシチューレシピに甘露煮系の味付けは非常に少なく、また逆に全国であきらかに洋食の影響下にないであろう家庭でまで肉じゃがが作られていたという調査もあることを考えると、伝統的な日本料理からのスピンオフである可能性が高いとのこと。

(この説の参考文献:近代食文化研究会著『新しいカレーの歴史 下』)

ただ肉じゃがが広まるきっかけになったのは、海軍だけでなく陸軍も含めて軍影響があった可能性は高いらしい。
当時、牛肉もジャガイモも一般家庭ではメジャーな食材でなかったので、これが家庭料理として広まるのは戦後間もなくとなる。

現在でこそ「おふくろの味」たる肉じゃがだが、最初に教えたのは家庭に帰ってきた海軍の軍人だったのだろう。
元祖は「息子の味」「夫の味」だった訳だ。


■簡単な作り方

海軍のレシピによると、

1.油入れ送気
2.三分後生牛肉入れ
3.七分後砂糖入れ
4.十分後醤油入れ
5.十四分後こんにゃく、馬鈴薯入れ
6.三十一分後玉葱入れ
7.三十四分後終了

とある。
まあ早い話が「牛肉を炒めて砂糖、醤油で味付けし、こんにゃく、ジャガイモ玉葱を入れ煮込めば完成」である。
シンプルでありながら調味料の「さしすせそ」も押さえた、完成度の高いレシピである。

このやり方だと牛肉の旨味がしっかりと出た肉じゃがになる。

家庭で作る際にはダシ汁やバター、ワインなどを加えたりなど、各家庭により工夫を凝らしたレシピが存在する。

そして、「煮込み料理」の醍醐味と言えば余ったものを翌日に食べる事である。

調理の原則は、
「温めると染みだし、冷めると染み込む」
である。

一晩経つとジャガイモにオツユがたっぷりと染み込み、更にいい感じに荷崩れてくる。

最後に鍋の底に溜まったドロドロのオツユをズズーっとすする。
お行儀悪いけど幸せを感じる瞬間。

衛生面には注意な!

みんなもやってみよう!


■具材

◆肉
関東では、関西では牛が一般的。鶏肉や挽き肉もうまい。

ジャガイモ
ほくほくした男爵か、しっとりしたメークインかは貴方次第。

タマネギ
独特の甘味が良い。

ニンジン
彩りの意味でも是非入れたい。

◆バター
意外だがじゃがいもに合うのもあり、コクも出て美味。

◆しらたき
入ってると何だか嬉しい。

◆さやいんげん/さやえんどう/グリーンピース
彩り要員その2。



「肉じゃがは全てのものの基本だからな! あの追記、修正だって言ってみれば肉じゃがだ!」

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最終更新:2026年06月25日 23:32

*1 現代ではどこでも売られている、バターやワインも当時では入手が出来なかった。