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酒呑童子(Fate)

登録日：2016/06/14 Tue 01:13:32
更新日：2024/12/29 Sun 14:42:02
所要時間：約 18 分で読めます


アサシン、酒呑童子。うふふ。うちを召喚してくれて、おおきに、ありがとう。好きにやるけど、かまへんね




『Fate／Grand Order』に登場するサーヴァント。
クラスはアサシン。


ILLUST：本庄雷太
CV.悠木碧

真名：酒呑童子

玉藻の前、大嶽丸と並び、「日本三大化生」と呼ばれる大江の山の鬼の棟梁。
正確には棟梁は茨木童子であり、酒呑童子はあくまでも食客だったらしいが、茨木童子は酒呑童子を自分より上の存在として敬っていたらしい。
ちなみに玉藻とは友人らしいが、互いを深く知ると同属嫌悪が出てきて殺し合いに発展する危険性があることに両者とも薄々勘付いているとのことで、
そこまで気心の知れた仲というわけではないそうな。

見た目は角を生やした少女。はんなりとした京都弁で喋り、言動がやたらと艶っぽい。
そのほぼ真っ裸に羽織を着ただけの格好と相まってエロいオーラを醸し出している。


出身は日本だが、大陸まで足を伸ばしていらしく、その頃の事は記憶が曖昧でよく覚えていないらしい。
日本に戻った後は気ままにふらふらしていたが、気が付いたら茨木童子に誘われて大江山の御殿で酒を呑んでいたらしい。

それ以降は都に降りて気の向くままに殺して奪い、気の向くままに喰らい、気に入ったものをお山に持ち帰って酒を呑みながら愛でて暮らしていた。

そして多発する失踪を受けて占いを行った阿部晴明によって酒呑童子の所業が暴かれ、音に聞こえし源頼光とその四天王は酒呑童子の退治に乗り出した。
神便鬼毒酒を盛られて眠りこけた酒呑童子は坂田金時によって首を刎ねられ、成敗された。

しかしこれについて彼女自身は特に恨んでいるわけではないらしい。
自儘に振る舞い、殺して喰って、それで首を切り取られるのは当然と受け入れている。


出自について本人は多くを語らない。
分かっている事は龍の血を引いている事くらいであり、伊吹童子という別名も、その力を見抜いた茨木童子が名付けたものに過ぎない。
本当に覚えていないのか、それとも語りたくないだけなのか。

幕間の物語にて、とあるきっかけで「伊吹童子」のスイッチが入りかけた際には、
見た目こそいつもと変わらなかったようだが、口調が尊大になり、まさしく「神」に近い言動と力を見せつけたが、
主人公や茨木童子がなんとか抑え込み、酒呑童子の人格を取り戻させた際には、「伊吹童子」になりかけた時の記憶が無くなっていた。

後にサーヴァントとして現界した伊吹童子は、基本的にノリが良くてお酒好きなお姉さんとして振る舞っているが、
「神」としての側面を強く出した状態では、上述の「伊吹童子」のような言動に変化している。
なお、伊吹童子と酒呑童子は(FGOでは)同じ存在の別側面…つまり、互いに相手がオルタのような存在らしく、
伊吹童子も酒呑童子も、「何か靄のようなもの」としか相手を認識できず、声も聞こえないという。


マスターに対しては「旦那はん」と呼んで艶っぽく迫ってくるが、
鬼である彼女にとって色と食と戦の欲はほぼ同義のものであるため、気が向けば食われかねない危険な関係。
自侭な快楽主義者であるため、興が乗らなければ何をするか分からない。
かといって興が乗りすぎても何をするか分からないという結構な危険人物。いやさ、鬼物。
反英雄だろうが殺人鬼だろうが気にしない主人公が微妙に怖がっているあたり、その危険度はお察しである。
しかし義理人情に篤い面もあり、主人公に協力する気持ちに嘘はない。が、絆レベルが上がる度に段々と鬼の食欲が出てくるようになっており、
気に入ったものは色んな意味で食いたくなる性分な様子。
取り敢えず主人公に嫌われたくないから暫くは大人しくするらしいが、「いつかな、マスター。あんたはんのぜーんぶ、うちが美味しく頂くで……？」とのことである。

好きなものにイケメンと上げるぐらいの美形好きで、主人公は骨が柔らかいのが玉に瑕だが合格なようだ。
何でも魂とかではなく眼力が好きなようで、見つめられると火照ってしまうとか何とか。

強欲な蒐集家でもあり、イケメンや可愛いおなご、珍しい石に極上の反物や器を奪い、愛でていた。
見た目の雅さ、希少さが重要らしく、性能・歴史を重視する英雄王とはそのあたり相容れない。
ちなみに金時の腕に宿る赤龍の尺骨にも興味津々で、酒に付けて呑んでみたいらしい。

金時とは彼が青年の頃からの因縁の相手。
イケメンで美味そうな金髪碧眼の小僧として狙っており、酒の肴に遊んだことは一度や二度ではないらしい。
ただし、酒呑にとっては酒宴に過ぎないが、金時にとっては気を抜けば命を取られかねない魔の宴だったとか。
「酒に酔いながら命を奪う。肌を重ね合いながら騙し合うのも乙やないか？」とは酒呑の弁。

金時は一目惚れしていることや彼女の最期への負い目もあって酒呑童子を苦手としているが、酒呑童子は金時を気に入っているので喜々としてからかう。
そんな彼らのやり取りは、大男と少女という見た目に反して初心な少年と妖艶な遊女といった風情を醸し出す。おねショタとか言うなよ！
その関係性は英霊となって召喚されたカルデアでも変わらず、主人公と金時をからかいながらかつての酒宴の様に興じている様子。
ちなみに玉藻には金時と酒呑の関係はバカップルにしか見えないらしい。

しかしそんな酒呑童子にも悔いはある。
それは自分の首を刎ねた小僧の顔、やりきれないと書いてあるかのような苦渋の面。
生涯に渡りその事を後悔していた彼に、そんなに気にする必要はないと伝えてやりたかった。
それが自らの死にも恨みを残さなかった酒呑童子が唯一残した未練である。
なお、金時の未練もこの酒呑童子の最期にあり、聖杯への願いは「酒呑童子との再会」である。…玉藻の「バカップル」呼ばわりもむべなるかな。

金時の上司にして自称母親、自分をだまし討ちにした張本人の源頼光とは犬猿の仲。
お互いに「乳臭い牛女」「目障りな虫」と嫌悪を隠さず、排除を目論んでいる。女って怖い。

初登場は「鬼哭酔夢魔京 羅生門」。
何故か茨木童子に力を吸収されており、囚われの身となっていた。

これは京に召喚された直後に聖杯になみなみ注がれた酒という怪しすぎるものを飲んだことが原因であり、茨木は最後まで嫌がっていたが、酒呑が無理矢理飲ませた。
その結果、聖杯の特性を付与された酒の効果によって二人の願望がズレた形で叶えられ、
茨木は「酒呑と一緒に大暴れしたい」という願望が「酒呑の力と一緒に暴れたい」という形に歪み、
酒呑は茨木に力を吸われてその力を大幅に減衰させてしまった。
ちなみに茨木は酒呑には一切手を出してはいなかった。曰く、「尊敬する酒呑に手を出すわけがない。っていうか後が怖い！　絶対殺される！」との事。

そして酒呑の願いは言うまでもなく「金時との再会」である。その願いの結果として、金時は京へと召喚された。
しかし、その願いもまた歪み、酒呑は茨木に力を吸われてただの小娘同然にまで弱り果ててしまった。
そんなものは自分ではない。人も食らえず、小僧も襲えず、その猛りを受け止めてもやれない自分など、酒呑童子という鬼ではない。


せやから、このまま飲み干すわけにはいきまへん。酒気に微睡み続けるわけにはいきまへん

瞼を開いて見えるんが、どれだけ恋い焦がれたものであろうとも―――

これは―――ただの、酔夢や

さあ、あんじょう目覚めよな


そうして、酒呑童子は自ら聖杯を破壊し、消滅した。


さて。目覚めて…仕切り直しの、飲み直しやわ

そん時は逃がさへんよ、小僧。必ず―――あの時のお返しをして

それから、うちのイケメンハーレムの一員として、酌をさせたるからなぁ…ふふ…

◇酒呑童子（アサシン）

◆プロフィール（アサシン）

身長：145cm
体重：46kg
出典：御伽草紙など
地域：日本
属性：混沌・悪


◆ステータス（アサシン）

筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
A B B A+ D B


【スキル】
○クラス別スキル
気配遮断：C
サーヴァントとしての気配を絶つ。
本人としては、気配を消す気はあまりない。

○保有スキル
果実の酒気：A
声音や吐息に蕩けるような果実の酒気が香り、視線だけでも対象を泥酔させる。
魔力的防御手段のない存在（一般の人間や動物）であれば、たちまち思考が蕩けてしまう。
本来はカリスマと魅了、両スキルの複合スキル。

鬼種の魔：A
鬼の異能、魔性を現すスキル。
鬼やその混血以外は取得することは出来ない。
天性の魔スキル、怪力スキル、カリスマスキル、魔力放出スキル、等との混合スキルでもある。
魔力放出の形態は「熱」にまつわることが多いとされる。

戦闘続行：A+
戦闘を続行する能力。
決定的な致命傷を受けても戦闘が可能。
首を刎ねられても源頼光に襲いかかった伝承による。

神性：C
神霊適性を持つかどうか。ランクが高いほど、より物質的な神霊との混血とされる。
酒呑童子の出自には諸説ある。
伊吹山の伊吹大明神（=八岐大蛇）と人間の子であると見なす説、戸隠山（=九頭竜）の申し子と見なす説。
いずれにせよ龍神の子であり、坂田金時と共通の背景を持つ。
鬼として零落しているため、ランクは落ちる。


◆宝具（アサシン）

〇『千紫万紅(せんしばんこう)・神便鬼毒(しんぺんきどく)』
ランク：B 種別：対軍宝具 レンジ:1～50 最大補足:100人。


椀飯振舞、よろしゅうな？

死にはったらよろしおす……はあ、骨の髄までうちの物や……

面倒やさかい、纏めて溶ろかしたろか？ 爪先からゆっくり、ゆ～っくり……

『千紫万紅(せんしばんこう)・神便鬼毒(しんぺんきどく)』


本来は源頼光と四天王が酒呑童子に呑ませた毒の酒。
英霊と化した今、この毒酒は酒呑童子の存在と一体の存在へと昇華されている。
彼女の意思一つで「酒」はたちまち周囲を毒で汚染。その濃度を操る事で、あらゆるバッドステータスを付与する事が出来る。
最大濃度ならば、全身を生きながらに腐乱させ、わずかな骨しか残さない。
腋に抱えた瓢箪は剣を咥えさせて武器にもなり、また、酒呑童子に魅了された獲物を閉じ込める檻にもなるという。


〇『百花繚乱・我愛称(ボーンコレクター)』
ランク:B 種別:対人宝具 レンジ:1 最大補足:1人

生まれながらに備わった能力。もしくは超抜級の絶技。
相手を文字通りに「骨抜き」にしてしまう。
血を流さず、骨を抜く。場所さえ間違えなければ、相手はたちまち死亡する。
荒ぶる神たる父のものが遺伝したのか、人喰いの母のものが遺伝したのか、それとも酒呑童子自身が発生させた能力であるのかは不明。
英霊として存在する今は、この能力もしくは技術は対人宝具と化している。
必ずしも相手を殺すモノではないが、その気になれば、極めて高確率の即死宝具として機能する。

◆ゲーム中での性能（アサシン）


所持カードはArts2、Quick2、Buster1というヒロインX、アサシン版式と同じもの。
そのためクリティカルスター量産役としてはジャックに劣るが、Artsが多めなのであちらよりもNPを安定して貯められるので宝具を使いやすく、
またパーティ内でのArtsカードの枚数が増えるため、パーティ全体で見てもアーツチェインの発生を安定して狙えるようになる。

スキルは、享楽的な性格からはイメージしにくいが実はサポート寄り。
「鬼種の魔」は「カリスマ」の上位版で、パーティ全体の攻撃力アップ＋自身の宝具威力アップ。
「果実の酒気」は敵全体の防御力ダウン＋確率で魅了効果（1ターンの行動封じ）。
「戦闘続行」はおなじみガッツ（HPが0になった時一定のHPを回復しつつ蘇生）効果。強化クエストクリアで「鬼の首」となり、NPチャージ効果が追加される。
どれも使い所を選ばない優秀なスキルであり、酒呑の数少ない「宝具の火力がやや低め」という欠点もカバーしてくれる。

宝具は、アサシンとしては異例のArts属性全体攻撃宝具。
アサシンの全体宝具は、☆2のファントム・ジ・オペラや☆3の風魔小太郎も持っているのだが、その性能はレア度の差もあって段違い。
火力の差もさることながら、ダメージ時に「計7種類の弱体効果を一定確率で付与する」という付加効果が凶悪で、
「弱体耐性ダウン」＋「防御力ダウン」＋「攻撃力ダウン」＋「宝具威力ダウン」＋「クリティカル発生率ダウン」＋「スキル封印状態付与」＋「毒状態付与」
という豪華なデバフを一気に敵に押し付けることができる。

「☆5の全体宝具としてはやや火力控えめ」という欠点があったが、2018年9月14日に宝具強化クエストが実装され、待望の火力強化に加えて「毒の効果量がアップする蝕毒状態付与」が追加された。
ちなみに毒状態*1付与は彼女やロビン・フッドくらいしか持っていないレアなものだったが、現在は静謐のハサンや不夜城のアサシン、セミラミスといったサーヴァントも実装されている。

酒呑童子の実装後、アサシン内にも風魔小太郎やクレオパトラ、水着版スカサハなど全体攻撃宝具持ちが続々実装されたため、
現在では「アサシンの数少ない全体攻撃」という利点は薄れつつあるものの、アサシンで全体攻撃バフスキル持ち、宝具には8種の豪華なデバフ、という独自性を持つのは彼女だけである。


総評すると、パーティをさほど選ばないサポーター寄りのアサシン。
回避や無敵などの防御スキルを持たず、ガッツがあるとはいえ意外と打たれ弱いという弱点もあるが、
その辺りはマシュなどと一緒に編成して防御面をフォローすれば良く、安定性は高め。
きちんと育てれば、めんどくさいワイバーンなどの手強いライダークラスの敵をまとめて酒で骨抜きにしてくれることだろう。

◇酒呑童子（キャスター）



◇伊吹童子



余談

酒呑童子を手がけた絵師のRAITA（本庄雷太）氏は1回の10連で酒呑童子が2体ダブるという強運で彼女を引き当てた。
ちなみに感想は「御声が甘すぎて、糖尿病になるうぅぅ～。」とのこと。





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最終更新：2024年12月29日 14:42

*1 ターン毎にダメージを受ける状態異常。同様の効果では、他に呪い状態とやけど状態があり、実装からしばらくの間はこれらの方がメジャーだった。