クレオパトラ(Fate)

登録日:2016/10/25 (火) 00:57:14
更新日:2021/09/08 Wed 12:27:40
所要時間:約 16 分で読めます





「ふ、絨毯にくるまっているとでも思ったかしら!」

「……ええ、少しだけ考えましたが召喚の挨拶なので遠慮しておきました」

「妾は最後のファラオ、クレオパトラ七世フィロパトル」

「そして控えなさいマスター、太陽より頭が高くてよ?」


Fate/Grand Order』に登場するサーヴァント。
クラスはアサシン


イラスト:小松崎類
CV.釘宮理恵

身長:171cm
体重:58kg
出典:史実
地域:エジプト
属性:秩序・中庸

◆ステータス
筋力 耐久 敏捷 魔力 幸運 宝具
B C A D D A


【スキル】

○クラス別スキル
気配遮断:B
サーヴァントとしての気配を絶つ。隠密行動に適している。
完全に気配を絶てば、発見は極めて困難。
ただし、自らが攻撃態勢に移ると気配遮断のランクは大きく落ちる。

○保有スキル
神性:D
プトレマイオス朝のファラオはオジマンディアスのような伝説のファラオに比べると神々との繋がりが薄く、神性スキルを有さない。
しかし、クレオパトラはその美貌から例外的に「女神イシスの化身」と見做され、神性スキルを得ている。

皇帝特権:A
本来持ち得ないスキルも、本人が主張する事で短時間だけ獲得できる。
クレオパトラはこのスキルを駆使する事で、アサシンでありながら真正面から近接戦闘を行う。
ただし、本来は不得手な戦闘をこのスキルで補っているため、皇帝特権スキルが本来有する圧倒的な性能は発揮できない。

黄金律(富&体):B
第一に、人生において金銭がどれほどついて回るかの宿命を指す。
富豪として十分にやっていける金ぴかぶり。数多の王やローマの有力者たちから絶えず援助を求められた程の豊かな王朝を運営した事実が、彼女にこのスキルを与えている。
第二に、生まれながらに有する女神の如き完璧な肉体を示す。
二種の黄金律が複合した特殊スキルである。

女神の加護:C
女神イシスの加護を示すスキル。


◆宝具

暁の時を終える蛇よ、此処に(ウラエウス・アストラペ)
ランク:A 種別:対軍宝具


其はエジプトの落陽、終焉を示す時の蛇。最後のファラオとして命じます

暁の時を終える蛇よ、此処に(ウラエウス・アストラペ)』! 

……ですが、私のせいではありませんっ!


巨大な怪物、黄金と青の縞模様の蛇を召喚する。蛇は全身に炎を纏っている。
騎乗スキルを有してはいないため、クレオパトラが操ることは出来ない。
故に、蛇はただただ周囲を破壊し尽くすのみ。神性スキルを有していれば、ランクの高低に比例してダメージが減衰する。
この蛇をクレオパトラは神獣と称するが、厳密には幻想種としての神獣ではなく、古代エジプトの終焉の概念が凝縮されたもの。
自ら命を断つことで数千年に渡るエジプトの歴史を閉ざす事を選ぶしかなかった生前の彼女の無念と苦悩が、
ファラオの神性を象徴する(ウラエウス)と結びつくことで宝具と化した。
象徴の蛇がコブラであり、クレオパトラが自殺の手段に選んだのもコブラであったのは、偶然か、意図か、それとも定められた運命によるものか。


【真名】

楊貴妃、ヘレネと並び、「三大美女」に数えられる女性、クレオパトラ七世。
プトレマイオス王朝エジプト最後の女王にして、実質的な古代エジプト最後のファラオ。

プトレマイオス12世の娘として生まれ、紀元前51年、クレオパトラが18歳の頃に父が病死した事で弟のプトレマイオス13世と共同で王位に就く事になった。
クレオパトラ7世は強大なローマとの同盟が唯一エジプトの存続の道であると考えたが、弟との共同統治は弟の側近の介入により齟齬をきたした。

紀元前49年、ガイウス・ユリウス・カエサル派とグナエウス・ポンペイウスら元老院派との間でローマ内戦が勃発。
クレオパトラは父王時代からのつながりで元老院派を支援したが、
紀元前48年、ローマからの独立を標榜するプトレマイオス13世派が親ローマ派であったクレオパトラにアレクサンドリア住民が反乱を起こした隙にクーデターを決行。
クレオパトラを東部国境へと追いやった。
そしてプトレマイオス13世派はポンペイウスを殺害し、ローマ内戦は終結した。

ポンペイウス追討のためにエジプトに入っていたカエサルは共同統治者との和解を望み、アレクサンドリアに2人を招集した。
しかしクレオパトラは東部に追いやられていたため、アレクサンドリアに入るのは容易ではなかった。
そこでクレオパトラは自分を絨毯に包み、贈り物としてカエサルに届けさせることで彼に接触したのである。
冒頭の台詞はこの逸話からきている。

その覚悟と美貌に心奪われたカエサルとクレオパトラは恋に落ち、共にイスカンダル王の成し遂げた「ローマ・エジプト帝国」の再臨を夢見た。
その後、カエサルに攻撃を仕掛けたプトレマイオス13世派を制圧し、プトレマイオス13世は溺死した。

そしてクレオパトラはもう一人の弟であるプトレマイオス14世と共同統治を再開。
カエサルの後ろ盾を得て実質的な単独統治を行い、彼との間にカエサリオンという息子を産んだ。
カエサルは「必ずやお前を正式に妻に迎え、カエサリオンを正式な息子として世界に告げてみせる」と約束していたが、紀元前44年、地中海統一を目前にして暗殺された。

そうして涙に暮れるクレオパトラの前に訪れた人物があった。
クレオパトラとプトレマイオス朝エジプトを守ると告げた男、ローマの将軍アントニウスである。
クレオパトラは彼との間に3人の子を設けたが、アントニウスがエジプトに強く入れ込んだ事でローマ市民は政敵であるオクタウィアヌス*1を強く支持する様になり、
オクタウィアヌスがアントニウスへと宣戦布告した時、その戦いは「ローマ対エジプト」の構図にされてしまった。

そうして開戦した「アクティウムの海戦」にて、アントニウスはオクタウィアヌスに敗れ、クレオパトラの死去の誤報を聞いて自殺。
カエサリオンを国外に逃がしたクレオパトラも後を追うようにコブラに自分を噛ませて自殺した。
その後、カエサリオンもオクタウィアヌスの手で処刑されたとされる。

こうしてプトレマイオス朝は滅び、クレオパトラは最後のファラオとなったのである。


なお、同時代の記録や肖像画などから、実際には容姿は「普通」であり「絶世の美女」というのは後世の創作と言われている。
もっとも多くの男性を魅了したのは事実であり、行動力と知性を備えた魅力的な女性であったのは間違いないだろう。
「美貌で多くの男を虜にした」というイメージとは裏腹に、実際には男たちに振り回されっぱなしの生涯であったのはなんとも物悲しいが……。

ついでに言えば彼女はギリシア系*2なので、実際には褐色肌で黒髪といういわゆる「エジプト人」的な容姿では無かったとされる*3
それがなんでそんな感じのクレオパトラ像も広まっているかというと、だいたいこいつのせい。


【性能】

イベントに際して追加された期間限定のサーヴァント。レアリティは星5。

性能面では自己完結型の耐久寄りアタッカー。
Buster2枚、Quick2枚のランサー寄りのカード配分となっており、スター排出も悪くない。
何より凄まじいのがNP回転率であり、HP&NPリジェネにNP効率上昇が加わるスキル「黄金律(富・体)」を上手く使えば宝具連発も可能。
ファラオ御用達の第1スキル「皇帝特権」はATK・DEF・HPの三種バフだが、前2つは確率型で少々ギャンブル性が強い。
最後に開放される「女神の加護」は無敵付与・弱体解除と、「直感」と同系統の瞬間的なスター発生効果を併せ持つスキル。
これら3つのスキルによりしぶとく生き残る事ができる。

宝具は【自身のBusterカード性能をアップ(1T)〈オーバーチャージで効果アップ〉+敵全体に強力な攻撃+自身のHPを1000減らす】。
アサシンクラスでは貴重な全体宝具で、しかも待望のBuster属性。
またBuster強化はそのターン中続くため、そのまま自身のBusterカードで追撃できれば大ダメージが見込める。
HP減少のデメリットはあるが、回復スキルを2つ持っているためよほど体力がないのでない限りは気にならない。(とはいえ、戦闘不能にはなるので注意)
2018年10月17日に新しい幕間と共に宝具強化が実装され、宝具威力の倍率上昇に加え強化無効付与が追加された。
これによりボトルネックだった宝具威力の低さが改善された上、前述の特筆したNP効率が加わって敵全体に大ダメージと共に強化無効を撒き続ける恐ろしい性能となった。

相性としては「皇帝特権」を確実にできるオジマンディアスがベストパートナー。
また、体力回復手段を持ちBuster性能を上げることの出来るナイチンゲールとも相性がいい。
勿論旦那のカエサルともスター獲得や「カリスマ」などで補助ができるのでグッドな組み合わせである。


【劇中の活躍】


2人の男に寄り添い、彼女は死んだ。
恋だった。想いの果てだった。打算の産物などであるものか。
しかし、後世どころか当時でさえ、「魔性の女がローマの将軍たちを誘惑した」と口々に囁かれ、
結果として、サーヴァントとして現界した彼女は「魔性の美貌を有する誘惑の女」としての存在を得ている。
そのため、「傾国の美女」という単語はNG。言われると本気で怒る&落ち込む。
国を守るために努力したのに、傾国などと言われてはそりゃ嫌にもなるってもんである。

その服装もエジプト風の衣装ではなく、モデルチックな現代衣装を着ている。エリちゃん曰く「パリコレかぶれ」。
これは「そう簡単に本当の自分は見せない」という乙女力の表れらしい。
「流行り物に弱いのではなく、今回はレザーでポップなパンツが気に入っただけなのです」とは本人の弁*4

属性を一言で言うなら高飛車ドS親切。
性格故に高飛車な振る舞いをするが、根が親切なので何やかんやでお人好しという感じ。
ぶっちゃけ言っていい人。すごくいい人。
自分に「子供がハロウィンを楽しみにしてたのですが…」と口答えした部下に


不埒者! 妾に口答えなど処刑ものです!

ですが子供に免じて有給一日で許してあげましょう!

…と、処罰だとか言いつつ有給休暇を与えて子供の待つ家に帰してあげたりとすごくホワイト上司。
為政者としての統治の良さはエリちゃんも素直に認めたほどである。
女王としての振る舞いと根底の人間性が混ざり合っているとも言えるか。

「妾の国では妾こそ絶対の基準、醜いものは誰であれ奴隷と変わりはない。
フッ、覚悟する事ね下等あるいは低質のブ男たち! ここで思う存分くつろいでいきなさい!
と、罵倒しながら健康を気遣うというダブルパンチの後に他国の使節団を最上級のもてなしで労っていたため、罵られる為に謁見を求める使節団が後を絶たなかったとかなんとか。

戦闘ではポージングやムーンウォークなどで発するKAGAYAKIが相手にダメージを与えるが、
これはファラオ闘法なる「偉そうにすればするほど敵に衝撃を与える」魔技によるものだという。
ファラオ闘法においては「口」「鼻」「頭」の位があり、その部位が高いものほど強力な王なのだとか。
ああ、「クレオパトラの鼻がもう少し低かったら歴史が変わっていた」ってそういう…。

結果的にファラオの治世を自分の代で終わらせてしまった事に責任を感じており、先達のファラオ達には恐縮しまくっている。
特にプトレマイオス朝エジプトの祖であり、カエサルと夢見たローマ・エジプト帝国の王であるイスカンダルに至っては惚れそうになっている*5
イスカンダル恒例「王の飲み会」に誘われた時には、感激と委縮のあまり気絶してしまったらしい。

聖杯にかける願いは「カエサルとの再会」
しかし、国を滅ぼした自分がファラオとしてではなく、人としての願いを持つ資格など無いと、サーヴァントとして聖杯戦争に参加する事を拒絶している。

だが、そこで動いたのが我らが太陽王・オジマンディアス
彼はクレオパトラに機会を与えるため、チェイテ城にピラミッドを落下させ、
「これよりハロウィンが終わるまでの間、滞りなく女王クレオパトラとして執政せよ。さすれば聖杯で望みを叶える事を許す」と告げた。
そして唐突に城を奪われたエリちゃんを追い出し、逆さピラミッドにて統治を始めたのだった。

そしてハロウィン禁止令を発し、豚野郎2号トリスタンヒトヅマンスロットマイルームの寝床に勝手に入り込んでくるトリオ、エリちゃんに色んな意味で怒り心頭のEXヴラド等を配下に真面目に執政を行っていたが、
最終的にエリちゃんがピラミッドまで到達し、最終決戦を行う事になる。

エリちゃんに対しては執政をすっぽかしてアイドルをやっている姿が、
ファラオとしての自分を優先させ人間としての自分を封じ込めているクレオパトラ的に逆鱗に触れるらしく、
ハロウィンを禁止させたのもその為。
怒り心頭だったが、最終的に惜敗。
そして自分の願いを諦めそうになったが、当のエリちゃんから自分よりもよっぽど2つを両立できると諭され、
先達のファラオから許しを得た事でサーヴァントとなって願いを求める事を決める。
恐らくオジマンディアスはこうなる事が分かっていてチェイテ城を選んだのであろう。流石の名采配と言える。

そしてその声に応じ、カエサルはカルデアからレイシフトを決行。そして遂に…



「私は来た!」


「……! このお声は……!」


「私は見た!」


「カエサル様……!? そんな、もう再会だなんて!」
「か、鏡。誰か鏡を持ってきてくださらない!?」
「戦いの後で化粧とか流れてないかしら! 大丈夫、大丈夫よね!?」


「ならば次は、姿を現すだけの事!」


「カエサ―――――」


「私だ!」

「え゛」

なんということでしょう。カエサルはDEBUになっていたのです…!(ナレーション:加藤みどり(嘘))

というか、カエサルがクレオパトラと出会ったのは晩年の頃であり、どうもその時は痩せていたらしい。
曰く、「ほっそりとしていながら力強い腕。眉目秀麗、痩けた頬骨すら優美。誠実さの塊のような方。………うん、ちょっと待って誰だこれ。
それが英霊になって肉体的な全盛期で召喚されたらDEBUに戻っていたという悲劇的ビフォーアフターが起こっていたのである…!

そして現実を受け入れきれなかったクレオパトラは気絶。再会は色々とアレな事になってしまった。
これには流石のエリちゃんも同情を隠せなかったのか、可哀想だからしばらくはお城に居ていいと和解したのであった…。
…因みに先輩ファラオ2人は悪いと思いながらも笑わずにはいられず、腹を抱えて悶絶していたそうな。
あとクレオパトラにはピラミッドを動かすような逸話はないため、ピラミッドは一年間チェイテ城に突き刺さったまま放置され、翌年また大事件を起こすことになる。

カエサルに関しては、ショックは抱えつつも中身は変わっていないため、
「どんなにふくよかでも素敵に見えるとか何なのよアレぇ!? ああんあり得ないぃぃ!!」と悶えている。

その後、カエサルをダイエットさせることにしたらしく、得意の財テクを使って夢のブートアイランド「クレオパトラフィットネス島」を作ろうとしているらしい。

……基本的に全盛期の姿で呼ばれるため、サーヴァントは成長しない点については触れないであげよう。

翌年のハロウィンイベにも登場。
カーミラ不夜城のアサシンとトリプル女帝ストリームなるものを繰り出そうとしてくるが、確実に失敗する
その後、なんだかんだでぐだの味方になった他の2人と違いピラミッドに取り残され拗ねた。
そんな拗ねたクレオパトラさんと戦うことになるのだが、使ってくる特殊スキルの名前が「2016年の栄光」「かつての主役の美」。
現実は非情である。
ちなみにカエサルのダイエット対策として不夜城のアサシンは拷問器具を貸し出そうとしていた模様。カエサルが可哀想と思えないのが不思議である。

【余談】


いわゆるホワイト上司的な面が目立ったクレオパトラだが、実際、古代エジプトには名君が多かったとされ、所謂暴君の類はほとんどいなかったそうである。

ピラミッド建設も現在では休耕期の働き口を絶やさないための国営事業であったという説が定説となっており、
昔あった奴隷を使って牛馬の如く働かせていたという説は今は否定されている。
勿論奴隷制度はあったが、比較的自由に行動できたとの事。
一般人との結婚も許され、その際には奴隷からも解放され、子供をもうけることも許されたなど、
後年のヨーロッパとかの奴隷制度よりはずっと人権が認められていた。

作業員も仕事の内容は勿論それなりにきつかったようが、月ごとの給料はちゃんと貰え、仕事終わりにはパンとビールがタダで支給される、
風邪などを引いた時には申し出をすれば休めるなど、割りと気楽に働いていたようである。マジです。
実際、ピラミッド内部に「早く帰ってビール飲みたい」と書かれた落書きが見つかったり(マジです)、
作業員の住居跡から「親戚が亡くなったので今日は休みます」「昨日二日酔いしたので…」などとサボr…休暇申請を書かれたパピルスが発見されたそうな。
くどいようだがマジです。

…あれ? 現代日本よりずっとホワイトじゃね?



追記・修正はKAGAYAKIの中でお願いします。

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最終更新:2021年09月08日 12:27

*1 のちの初代ローマ皇帝アウグストゥス。史実ではカエサル暗殺後に開封された遺言書において、第一相続人(事実上の後継者)に指名されると共にカエサルの養子とすることを明記されていた。

*2 彼女のご先祖様・プトレマイオス一世は征服王の元部下で、マケドニア生まれのギリシャ人である。

*3 ただし現代の調査で彼女の妹の骨を分析したところ、血族結婚を繰り返したという伝承に反し、アフリカ系、恐らくエジプト人の血も混じっていたことは判明している

*4 再臨を重ねると、主人公の言っていたことを気にしてエジプト風の衣装を身にまとってくれる。やっぱいい人だ。

*5 厳密には、プトレマイオス朝の開祖はイスカンダルの臣下であるプトレマイオス1世なのだが、イスカンダルの東征なくしてプトレマイオス朝の開闢はあり得ないので、全くの間違いでもない。