デイ・オブ・ザ・ロブスター(ニンジャスレイヤー)

登録日:2017/07/22 Sat 14:39:55
更新日:2022/03/11 Fri 20:28:17
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序文
ロブスター三部作は数奇な運命を辿る作品だ。
「デイ・オブ・ザ・ロブスター」の執筆時期は不明(90年代のどこか、とされる)。
公開当時、他のエピソード群とは一線を画するあまりにぞんざいで刺激的な内容に、ニンジャヘッズの間ではゴーストライター説(モーゼスの家族の誰かが5ドルで書いた、原作者二人の共通の友人であるジョーが書いた、原稿が間に合わず編集者が書いた、など諸説あり)さえも囁かれた。
原作者ボンド&モーゼスは沈黙を守り、どちらがこれを書いたのか、現在でもなお公表していない。

(驚くべきことに、その後、続編が発表されて三部作になった。)




『デイ・オブ・ザ・ロブスター・トリロジー』は、サイバーパンクニンジャ小説『ニンジャスレイヤー』のエピソードの一つ。
「1」と「2」が知られていたが、トリロジーとあるように、現在は三部作を以て完結する。

……時系列的には、第一部「ネオサイタマ炎上編」組み込まれるべきエピソードなのだが、元々が短編集での掲載という外伝的な位置付けと言い訳できる形態だったことや、それを踏まえなくても当該エピソードは前述のように『ニンジャスレイヤー』の歴史の中でも特に曰く付きの一品であり、現在でもその扱いについての研究家やヘッズによる議論は絶えない。

この、余りにも質が低く(見える)、……しかし、過激で前衛的な物語を『ニンジャスレイヤー』の正史に組み込んでいいものかどうか?
本国で発表されてより、約20年を経て、2011年10月に@NJSLYRの1万ツイート記念に翻訳公開された日本でもソーマトリコールの如く、全く同じ議論が巻き起こり、我々日本のニンジャヘッズもまた、全く同じ悩みを抱えることになった。
本作を「ネオサイタマ炎上編」の1エピソードとして認めるのは当然だとする積極的な意見がある一方、こんなものを『忍殺』と認めない、名乗らせられない、黒歴史とすべきだ、ケジメせよ!という消極的な意見もある。
……どちらにせよ、90年代にリアルタイムで『ニンジャスレイヤー』を追っていたであろう、本国のニンジャヘッズと同じジレンマを我々も抱えることになったのである。
※それ故にか、かつて行われたアンケートではエピソード、キャラクター、共に得点が無効票扱いされてしまった。……愚かなことだ。

真作か贋作かについては、我らのピンクメンポ=サン“原作者二人の内のどちらかによる執筆と見て間違いない”とする見解を出している。

とはいえこのままいつもの与太話で終わる……かとおもいきや、2013年の年末から翌年前半あたりにかけて行われた「ニンジャスレイヤー Wasshoi! 完全タノシイ祭り!!」にて応募者特典として「デイ・オブ・ザ・ロブスター2」が公開。
しかも前回とは違って原作者による書き下ろしと明言された。
おまけにコミカライズを担当したヨゴ=サンやサオトメアゲハ=サンによるロブスターイラストまで付いてくるという念の入れようである。
それを知り、そしてロブスター2を読んだヘッズは初めてロブスターに触れた時と同様に、再度ニューロンを焼かれることとなる。
しかしこのときは、書籍を購入して期間限定のイベントに応募した熱心なヘッズのみがロブスターしんじつに触れることが出来たため、影響は限定的ともいえた。

だが……“ロブスター”は長い沈黙を破りヘッズの頭上に再々降臨することになる。
まさかの『シヨン』12話でのエピソード採用。
それもダーク♂ケツベッピン……もといダークニンジャ=サンの復活という、第一部の超重要エピソードをサンドイッチしてまで「1」と「2」を同時にシヨン化するという暴挙に、ただでさえSRS*1を与えていた『シヨン』で、RRS*2をも視聴者に与えることになった。
因みに『シヨン』全般に言えることだが、純真無垢なニュービーよりも「俺は詳しいんだ!」と自負する重篤なヘッズの方が多大なイタデを受けていたことは言うまでもない。

ロブスターだ……ロブスターあるのみ。

2015年7月24日。
公式Twitterにて、これまで秘匿されていた完結編「デイ・オブ・ザ・ロブスター3」の存在が明かされる。
前述のような経緯からか、本エピソードは物理書籍版からも除外されていたのだが、上記の『シヨン』版が収録された『ニンジャスレイヤー フロムアニメイシヨン』第2巻【承】特典として三部作を纏めて冊子化。

これに伴い、ボンド&モーゼスから「ロブスターをのけものにしてはいけない。彼もまた大切なピースのひとつだ。いずれわかるだろう。時系列は些細な問題に過ぎず、気にすべきではない」とするメッセージ*3が届いている。
……未だ、二人の内のどちらの執筆なのか、矢張り執筆者は別に居るのではないか?とする謎を残すものの、これによって本エピソードを正史より除外することが難しくなったことは間違いないと言える。
この、二人からのメッセージを受けての翻訳チームの見解はこうである。
ひとつ言えるのは、彼らは割とロブスターが好きなのではないか、という事だけだ。”……貴方は、どう捉えるだろうか?
こうした、曰く付きの作品に相応しく『ロブスター』特典小冊子は、それまでに刊行された物理書籍版や、その雰囲気を引き継いで扉絵が描かれた他の特典小冊子に比べて、紙質は同じものの、簡素なウキヨエで飾られた本国の昔のパルプ雑誌風の装丁になっていてワザマエ。
……こうした部分にも、原作者二人の意図することを受けた翻訳チームの思惑が見え隠れするというのは深読みし過ぎだろうか……?

【エピソード解説】


■デイ・オブ・ザ・ロブスター

マグロ倉庫に偽装されたアジトを根城とするヘルジュッテクランというわるいヤクザクランがありました。
ヘルジュッテクランは裏切り者が入り込んでいてボスのアザワ=サンはカンカンです。
裏切り者のヤルキ=サンが熱いお湯に浸けられて苦しんでいます。
いよいよヤルキ=サンが黒幕の名前を吐こうとすると両手がロブスターめいたハサミになったニンジャのロブスター=サンが証拠隠滅に来て取っ捕まってた荒縄で緊縛されたナンシー=サンは「ンアーッ!」と悶えます。
「Wasshoi!」
でも、そこに読者サービスを考えないニンジャスレイヤー=サンが現れてロブスター=サンはスレイされてしまいました。
アザワ=サンは最後にクソ意地を見せてアジトを爆破しました。
助けられたナンシー=サンが振り返った時には赤黒いニンジャはもういなかったのでした。


■デイ・オブ・ザ・ロブスター2

ヨロシサン製薬の高等バイオ研究員のナカタ=サンは、炎上したマグロ倉庫跡で自分の作り上げたロブスター=サンがニンジャスレイヤーに敗れた事実を知る。
しかし、爆発四散したロブスター=サンの唯一残された右ハサミにのこされた意思を感じとったナカタ=サンはニンジャスレイヤーへの復讐を激しく降りしきる重金属酸性雨の中で誓う。
それから二週間後……ナンシー=サンを鎖で緊縛して捕らえニンジャスレイヤーをおびき寄せた者の名は……ロブスター=サン!?

「Wasshoi!」
「ンアーッ!」と悶えるナンシー=サンを救うべく現れたニンジャスレイヤー=サンはロブスター=サンの仕掛けた罠を潜り抜けてロブスター=サンを追いつめる。
そこにいたのは……全てを失い、自らが復讐鬼と化したナカタ研究員だった。
ナカタを殺し、ロブスターの怨念を振り払うかのように脛に食い込んだハサミを引き剥がしたニンジャスレイヤーは、それを熱湯プールに投げ捨てナンシー=サンを救い出す。
「これは、ひとつのコトワザかもしれない。復讐に駈られた男の狂気は、しばしば……ニンジャより恐ろしい」ナンシーの言葉に答えたニンジャスレイヤーだったが、彼女が振り返ったときにはすでに彼の姿はなかったのだった。
……悪夢は、これで終焉した。

そう、思われていたのだが……。



■デイ・オブ・ザ・ロブスター3

「ンアーッ!」「ムワハハハハハハ!ヤバイ級ハッカーもこうなってはカタ無しだな!」スパーン!スパーン!スパーン!卓球台に拘束されたナンシーの臀部へと赤い卓球ラケットによる情け容赦ないスパンキングが加えられる。

「ンアーッ!」気丈なナンシーの瞳からも光が失われ、マグロめいて虚ろになってゆく。
常人はこの状況下において一時間ももたず発狂すると言われる。危険な状況だ。「アジトの位置を吐くがいい!」ニンジャはナンシーの直結LANケーブルを彼女の前髪めいて無造作に引っぱり、嘲笑った。
「それともこのまま自我を破壊されたいか?」

「Wasshoi!」
……復活したロブスターに拐われ、拘束されて「ンアーッ!」と悶えるナンシーを救おうとするべく現れたニンジャスレイヤーはこれをスレイする。
ロブスターへの混乱と怒りの中、振り返ったナンシーの視線の先からはすでにニンジャスレイヤーの姿は消えていた。

「ンアーッ!」「ムワハハハハハハ!ヤバイ級ハッカーもこうなってはカタ無しだな!」スパーン!スパーン!スパーン!卓球台に拘束されたナンシーの臀部へと赤い卓球ラケットによる情け容赦ないスパンキングが加えられる。

「ンアーッ!」気丈なナンシーの瞳からも光が失われ、マグロめいて虚ろになってゆく。
常人はこの状況下において一時間ももたず発狂すると言われる。危険な状況だ。「アジトの位置を吐くがいい!」ニンジャはナンシーの直結LANケーブルを彼女の前髪めいて無造作に引っぱり、嘲笑った。
「それともこのまま自我を破壊されたいか?」

「Wasshoi!」
……復活したロブスターに拐われ、拘束されて「ンアーッ!」と悶えるナンシーを救おうとするべく現れたニンジャスレイヤーはこれをスレイする。
ロブスターへの混乱と怒りの中、振り返ったナンシーの視線の先のニンジャスレイヤーは疑問を口にした。


「ンアーッ!」「ムワハハハハハハ!ヤバイ級ハッカーもこうなってはカタ無しだな!」スパーン!スパーン!スパーン!卓球台に拘束されたナンシーの臀部へと赤い卓球ラケットによる情け容赦ないスパンキングが加えられる。

「ンアーッ!」気丈なナンシーの瞳からも光が失われ、マグロめいて虚ろになってゆく。
常人はこの状況下において一時間ももたず発狂すると言われる。危険な状況だ。「アジトの位置を吐くがいい!」ニンジャはナンシーの直結LANケーブルを彼女の前髪めいて無造作に引っぱり、嘲笑った。
「それともこのまま自我を破壊されたいか?」

「Wasshoi!」
……復活したロブスターに拐われ、拘束されて「ンアーッ!」と悶えるナンシーを救おうとするべく現れたニンジャスレイヤーはこれをスレイする。
ロブスターへの混乱と怒りの中、振り返ったナンシーの視線の先のニンジャスレイヤーは恐るべき疑問を口にしていた。
……何かがおかしい。


ロブスターは復活を繰り返し、デジャヴめいて同じシチュエーションをリコールする中で疑念に捉われたニンジャスレイヤーとナンシーを、倒す度に新たなロブスターがカラテ精度を増して出現して、混乱と疲労の中にいる二人を襲う!

……窮地の中でナンシーの提案でアジトに逃げ込んだ二人は、最後の手段としてUNIXの同時並列によるオーバークロックによるタイムリープ……恐らくはロブスターと同じく時を遡ることを決意する。

しかし、限界を越えたUNIXの働きはニンジャスレイヤーを過去ではなく西暦四六四三年の未来に送ってしまい……。

【登場人物】


ニンジャスレイヤー
赤黒い人。

ナンシー・リー
ジャーナリスト兼、ヤバイ級ハッカーで、ニンジャスレイヤーとは互いに協力し合う仲。
トリロジーではあらすじのように基本的に縛られ悶えている。
アニメイシヨンでも無駄に作画が動いており、彼女のみはシヨンではなくションでありマーケティング的にも正解である。
千和=サンの「ンアーッ!」は実際最高です。

■ロブスター
「ヨロシサン製薬」の高等バイオ研究員ナカタにより創造されたバイオニンジャ。
本文ではハサミ以外は人型とも取れる描写なのだが、イラストではロブスターの被り物した人間というかロブスターから足が生えた姿だったり、シヨンなんかではデカいロブスターその物の姿だったりとシュール極まりない。
自慢のハサミはスリケンが通じない他、自分でもスリケンを投げれるためにそこそこに強力なニンジャではあるようである。
シヨンでの声優は津田健次郎=サン。

■ナカタ
「ヨロシサン製薬」の元高等バイオ研究員でロブスターの創造者。
自らが生み出したロブスターに格別の愛情を持つが、それをニンジャスレイヤーに殺されるとともに地位までも失ってしまい、自らにロブスターのハサミと、常人の三倍の脚力を生み出すバイオ筋肉を移植して、自らがロブスターとしてニンジャスレイヤーへの復讐を果たそうとした。
シヨンでの声優は三木眞一郎=サン。

【その他】

『ニンジャスレイヤー(キルズ)では「ゴー・ストレイト・ワン・ウェイ・ドライブ」としてウキヨエ化。ちょっとやめないか。




「おのれニンジャスレイヤー=サン!私はこのハサミに誓うぞ!このハサミによる項目の追記修正を!」

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最終更新:2022年03月11日 20:28

*1 シヨン・リアリティ・ショック

*2 ロブスター・リアリティ・ショック。……LRSじゃないかって?そんなこと言う奴は自我を破壊されたいか?

*3 これは軽い表現であり、実際の冊子では“玉虫色でミステリアスな声明”と表記。