雨と君と(漫画)

登録日:2025/09/30 Tue 00:33:00
更新日:2025/09/30 Tue 08:22:56NEW!
所要時間:約 4 分で読めます




出典:『雨と君と』第1話『雨模様』より
2025年7月~9月/レスプリ/©二階堂幸・講談社/雨と君と製作委員会

ある雨の日に1人と1匹は出会いました。

雨と君と』は二階堂幸による漫画作品。
「週刊ヤングマガジン」(講談社)にて2020年より連載されている。
既刊8巻(2025年7月現在)



【概要】

雨の日、主人公の「藤」が帰り道で出会った捨て犬。
いや、これはどうみても「タヌキ」。だが、本人(?)はそれを否定している。
そんな奇妙な出会いをした「藤」と犬の「君」による穏やかな日常を描いている。
「君」がフリップを出して意思疎通を試みるシュールなやり取りや、どこか人間味染みた言動や容姿の可愛さなどが魅力的である。

また、本作の魅力として映りゆく四季を日常描写と交えつつ描いているところも魅力的である。(「君」とすごす夏休みと花火、ジャックドランタン等)
ささやかな季節の恩恵を受けながら過ごす「藤」と「君」のハートフルな日常を楽しむ作品と言えよう。

累計発行部数は50万部(2024年8月時点)

メディアミックスとしては、2025年7月からテレビアニメが放送された。(12話・1クール)

【あらすじ】

ずぶ濡れの帰り道、藤は少し変わった「犬」に出会う。
犬はフリップを使って「拾ってください」とアピールし、
藤に折り畳み傘を差し出す。
でもこの犬、変わっているというよりも……?

なんてことない毎日に現れたちょっとおかしな相棒
一緒に四季を感じながら
食べたり、おでかけしたり、おしゃべり(?)したり…

“あともうちょっと”がほっこり尊い
1人と1匹のたぶん、なかよしなふたり暮らし。
(テレビアニメHPより引用)

【キャラクター】

・藤
CV:早見沙織
本作の主人公。
小説家でどちらかと言えば独りでいることを好む性格。高校時代も大勢に囲まれるというよりは1人で本を読んでいることが多い*1。ストレートな物言いが多い。なお現在はショートカットのヘアスタイルだが、学生時代まではロングヘアだったのが分かる。
ある雨の日、段ボールの中で捨てられていた「君」と出会う。
犬ではない別の動物ではないかと思っているようだが、芸達者な彼のことに興味を持ったのか、一緒に共同生活を始めることになる。フリップを通じての意思疎通もしながら、「君」との穏やかな生活を楽しんでいる。
中の人は演じるにあたって、繊細に描かれている日常をどれだけ丁寧に表現できるかを心がけたという。またコミックスのPVのナレーションも担当していた。

・君
CV:麦穂あんな
梅雨の日にダンボールの中で捨てられていたところを藤と出会う。
端から見たらどうみても「タヌキ」であり、何なら頭の上に葉っぱを乗せていることから「化けタヌキ」を思わせる風貌である。しかし、本人(?)はタヌキであることを否定している。藤からは「犬」と認定されて藤の家に転がり込んだ。
芸達者な動物で、人の言葉を理解することが出来る。意思疎通は主にフリップで字を書いて伝える。
食べることが大好きでよく藤におねだりする*2
あまり鳴かないが藤が留守にしているときは寂しかったのか甲高い頃で鳴くのが特徴。
お散歩する際はリードに繋がらず、藤のカバンに潜り込んでいる。
名前などは不明。
原作でそもそも喋らないキャラクターである事から、原作の雰囲気を壊さないためにアニメ版ではCVを当てない事も検討されたが、
音響監督が動物役を得意とする麦穂あんな氏を月見監督に推薦し、オーディションに入って貰って「CVなしはない」と判断されて決定したという。
なお、月見監督からは「藤も台詞が少ないので、場面を持たせるのに麦穂氏の芝居に助けられており、今思うと入れない選択肢はなかった」とも評されている。

・ミミ
CV:鎌倉有那
藤の高校生時代からの親友。
クールに振る舞っているが面倒見がいい。高校時代、割と1人でいることが多かった藤に話かけることが多かった。何かと藤を旅行なりお出かけなり誘おうとしているが、大抵断られる。*3
「君」とは初対面事にうまくコミュニケーションが取れず、塩対応されることが多かったが特別に食べ物を作ってあげると懐いてくれたこともある。

・レン
CV:佐藤聡美
藤の高校生時代からの親友。
ミミがクールに振る舞うのとは対照的にこちらはおっとりしているのが特徴。とは言え、ストレートな物言いでミミに突っ込むことがある。
お酒が強い。最近一人旅を楽しんでいる。
ミミとは違って「君」とは仲が良いが、ある時お別れの「チュー」をしようとしたが「君」に拒否されたこともある。

・希依
CV:湯本柚子
藤のお隣に住んでいる家庭の1人娘。
父親は日本人・母親はドイツ人のハーフ。インターナショナルスクールに通っており、家庭ではドイツ語で話しているという*4
少々大人びた性格であるが、藤の職業については興味深々で、どんな小説を書いているのか等追及していた。「君」とも仲が良いのだが、彼女の飼っている飼い犬が狂暴で相性が悪い模様*5

・辰雄
CV:上田燿司
藤の父親。
見た目はグラサンを着用している強面な雰囲気を醸し出しているが、いざ接してみると可愛いものが好きな気さくな父親である。
職業は料理人。よく仕事繋がりでもらった材料を藤にも分ける(リンゴなど)
「君」のことも好きなのだが、「君」からは大抵塩対応である*6

・道子
CV:園崎未恵
藤の母親。
父親とは打って変わってクールに振る舞っている。
藤の性格は母親譲りなのではないかと推察される。
父親の健康管理(禁煙・食生活など)を厳しく行っている。

・テル
CV: 戸谷菊之介
藤の弟。藤とは双子なので、容姿が似ている。
「君」との初対面時はまるでドッペルゲンガーみたいに瓜二つの顔が2つあったことから混乱してしまったこともある。

・ワコ
CV:花守ゆみり
テルの奥さん。結婚して、現在妊娠している。

・獣医さん
CV:茶風林
近所の動物病院に勤務している獣医。
その風貌から某ジャンプ作品のキャラに思えてしまう。
気さくな先生で動物に対する愛情は本物だが、「君」からは「好き」だが「二度と来ない」と言われてしまう*7。「君」の正体に気づいている。

【テレビアニメ】

2025年7月~9月までの期間でアニメが放映された。全12話。
アニメーション制作はレスプリ。
藤を演じた早見沙織は本作のインタビューにて、リアルな日常の中で君という不思議な存在がいることで、この物語の世界が完成しており、その絶妙なバランスがとても面白いと述懐している。
特に序盤は少し棘がある「藤」と無邪気で愛らしい「君」の関係性を丁寧に演じたという。*8

OP:「雨と」 鈴木真海子によるオープニング
ED:「filled」 菅原圭によるエンディング。

追記・修正は雨の日に愛くるしい存在に出会えた時にお願いします。

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最終更新:2025年09月30日 08:22
添付ファイル

*1 1人で旅行したり海へ行ったりすることを好んでいるようだ

*2 基本的に「犬」として扱われているので、ドッグフードなど犬用のエサをもらっている

*3 海行こうと誘っても断られ、その後実は1人で行っていたことをラインなどで報告をもらったことがある

*4 父親はがんばってドイツ語を勉強しているとのこと

*5 彼女と一緒にお出かけすると藤から言われた際、あの犬と一緒に行動しなければならないのかと怖がっていたことがある

*6 お揃いのイヌ用のシャツを作ったが「君」には着てもらえなかった

*7 「君」が「犬」でないことを黙ってくれたからというのもある

*8 その中で藤が変わっていく様も印象的だとか