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更新日:2025/09/30 Tue 12:57:59NEW!
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ディリータ・ハイラルとはイヴァリースの将軍にして政治家。
獅子戦争での活躍とその後王になったことから「英雄王」の名で知られている。
経歴
生まれ
素性ははっきりとは分かっていないが平民出身と言われている。
当時の北天騎士団天騎士「バルバネス・ベオルブ」に見出され士官学校に通ったと言われており、当時としては異例の選出だったと言えるだろう。
とはいえ身分制度の厳しい時代であり、かなり苦労したことは想像に難くない。
創作でよくライバル扱いになる「ラムザ・ベオルブ」とはこの頃からの付き合いであり、意外にも不仲であることを示唆する資料はない。
ベオルブ家の本拠地であるイグーロス城にも出入りしていたようである。
北天騎士団時代
この頃から各種公式記録に正式に名前が出るようになる。
ラムザ共に北天騎士団で小隊を率いていたが、平民出身の彼が隊長とは考えにくいため、実際はラムザの副官扱いだったと思われる。
メスドラーマ・エルムドア救出や骸旅団討滅戦にて戦果を出したことが報告されており、戦術クラスとはいえ当時から非凡な才能だったことがうかがえる。
何故か骸旅団壊滅後はしばらく公式記録から登場しなくなる。
少なくとも、北天騎士団を辞めたことは間違いない話であり、「身分差によるイジメに耐えられなくなり脱走」、「討滅戦の際に何らかの失敗をして辞任(ラムザの代わりに責任を負ったという説も)」、「スパイの任を受けた」などあるが、どれも決め手にかけている。
黒羊騎士団時代
ディリータが歴史の表舞台に再び登場するのは翌年からとなる。
民衆による一揆とその首謀団体「亮目団」の鎮圧に当たっていた「黒羊騎士団」の副官として団長であるグリムス男爵の補佐をしていた⋯らしい。
というのも当時のゼルテニアに黒羊騎士団が存在していたのは事実であるが、それらの記録にディリータの名前がさっぱり出てこないため。
北天騎士団から黒羊騎士団に移籍した経緯も不明。
現在では戦後の混乱のための資料焼失とされているが、捏造説も囁かれている。
ともあれ、密命を受けライオネルにて誘拐されそうになった王女オヴェリアを保護したディリータは同時期に黒羊騎士団が全滅したため急ぎ帰参する。
王女誘拐を目論んだグワンヌ大臣を告発し、その功績により新たに黒羊騎士団団長となる。
また、同時のゼルテニアの領主ダクスマルダ・ゴルターナは上記の事件もあり上洛を決意。獅子戦争の発端となった。(ただし、情勢を考えるとディリータがいなくとも遅かれ早かれ獅子戦争は勃発した可能性が高い。)
この頃から後の伴侶オヴェリアとの関係性ができており、仲は良かったと言われている。
南天騎士団時代
その後は華々しい戦果を上げ続け、ゴルターナの信頼を得たディリータは謀反の容疑により解任されたシドルファス・オルランドゥの跡をつぎ南天騎士団団長の聖騎士になる。
ベスラ要塞攻防戦の後にオルランドゥによりゴルターナが暗殺されたことで、ゴルターナの意思を継ぎ黒獅子陣営を取り仕切ることとなった。
一方北天騎士団側は領主のベストラルダ・ラーグの戦死やベオルブ家がお家騒動で滅ぶなど混乱が多々あり、彼らの擁していたオリナス王子もロマンダに亡命したことで獅子戦争は終結。
戦後、オヴェリアと結婚し王となり、イヴァリースを治めていくこととなった。
しかし、オヴェリアはその後早逝し、孤独に治世を行っていたと伝えられている。
創作におけるディリータ
上記のように意外とはっきりしない点も多く、怪しい面もある人物なのだが、「平民出身が」、「貴族達を打ち倒し」、「戦を終わらせ」、「王になった」という民衆の好みどストライクの経緯は誰に言われずとも民草のヒーローとして語りつがれることとなった。
現在でも様々な創作があり、一番好きな歴史偉人ランキングの上位常連である。
子供の頃に「ディリータ立志伝」のマンガや小説を読んだ人も多いだろう。ただ、それらは
- 天騎士バルバネスともに50年戦争末期を駆ける
- 猪武者かつ血統主義の権化のラムザを窘める(ラムザが平民は家畜とまで言い放つパターンも)
- 北天騎士団の血統主義を欺瞞に思い、脱走し世直しの旅へ
- オヴェリアと共に差別のない世界を作ることを誓う
- 悪魔に憑依されていたゴルターナをオルランドゥともに打ち倒す。
といった史実から見ると荒唐無稽な脚色をされていることも多い。
「鉄巨人退治」や「テンプルナイトとホーリードラゴン」などディリータ王が登場するお話も多いが、当然ながら創作と見られている。
ディリータ人気にあやかり、寓話・民話の登場人物をディリータに置き換えたと考えられている。
近年アラズムズ・J・D著作の『ブレイブストーリー』にて、従来のディリータ像と異なるディリータを描き一大センセーションを起こしたことは記憶に新しい。
しかし、作者本人も注意しているようにブレイブストーリーはあくまで「デュライ白書」を元にした創作であるという点は留意したい。
追記・編集は、平民から王に成り上がってからお願いします。
- 俺の会社の上司が尊敬する人ディリータ王って言ってたな。王様になりあがるぞって! -- 名無しさん (2025-10-01 01:55:37)
- うちの地元にもあったわディリータ王伝説。火山の頂上に剣を隠したって話。なんでそんなところでそんなことを… -- 名無しさん (2025-10-02 07:50:30)
- ↑お前ベルベニア出身だろ -- 名無し (2025-10-04 02:03:54)
- 友人も妻も裏切り続けたクズ -- 名無しさん (2025-10-05 07:58:22)
- またブレイブストーリーが史実と思い込んだバカが出てきたよ。あれは創作だって何回言えば理解するんだ。 -- 名無しさん (2025-10-06 11:15:50)
- まぁでもこいつ相当胡散臭いよね。史実でも教会と何度も接触してたみたいだし、教会のスパイが土壇場で裏切った説は割と納得する。 -- 名無しさん (2025-10-07 18:55:48)
- 教会と頻繁に接触してたのは当時の有権者はみんなそうだから。ダイスターグ・ベオルブも接触してたっていうし。こいつの怪しいのは政敵になりそうなのがタイミングよくみんな死んでること。 -- 名無しさん (2025-10-09 19:10:21)
- ぶっちゃけ、オヴェリアだってこいつが殺したんだろ?政治基盤がしっかりしてきたらオヴェリアなんて邪魔なだけだし。 -- 名無しさん (2025-10-12 05:00:30)
- お前らそれ以上ディリータを侮辱したらコメント欄撤去してもらうからな -- 名無しさん (2025-10-15 09:05:27)
皆…ひとつの大きな流れの中にいることに気付いていない…
概要
主人公
ラムザ・ベオルブの親友。
作中の世界「イヴァリース」の歴史ではおおむね上記のように名が残った偉人であるが、ゲーム中では等身大の人間として描かれる。
主人公であるラムザはどちらかと言えば、邪悪に振り回される…悪い言い方受動的に動くことが多いのだが、彼とは対照的に物語を積極的に動かしていく狂言回し的立場。
作中では多くの者を利用し策謀をほぼ成功させたピカレスクなキャラであるが、非情になろうとするもなり切れない人間臭さから賛否の激しいキャラである。
人物像
濃い目の茶髪にオールバックが特徴。
序盤では心優しい青年という印象が強いが、唯一の家族である妹ティータのことになるとやや視野が狭くなる。
ラムザとは気が置けない友人であったが、chapter1後半の境遇や妹の死を機に自分が「持たざる者、利用される者」であることを強く自覚するようになる。
以降のディリータは人が変わり、全てを己のために利用し、有権者に取り入り出世していくようになる。
そのために多くの人間を死に追いやり、親友ラムザに対しても言葉が刺々しく「必要があればお前を殺す」とまで言っている。
…とはいうが、実のところ完全に甘さを捨てきれてはいない人物。
ラムザに対してはある程度腹の内を明かしたようなことを言っていたり、生かしておいてもそこまで得のない人間を情愛から殺さないなど情を捨てきれていない。
特に周囲に利用されるオヴェリアに対しては自分だけでなく妹の姿も重ねていた節があり、次第に彼女のための国を作ることを本気で考えるようになっていく。
また、ラムザを利用していることにも罪悪感はあったようで、そのことを指摘された際には珍しく激昂している。
他にも上記の「お前を殺す」発言の後にラムザに同行を頼まれた際には申し訳なさそうに断っている。
ただし、行動に打算がないこともほとんどないため、その心情は極めて複雑。
能力的には有能である描写は割と多い。
プレイヤーに説明するためというメタな事情はあるが、イヴァリースの情勢を詳しく説明することも多い。
明らかに予想外のことにもすぐさま対応しており、ラムザが動くがわかったらそのこともすぐに計算に入れるなど機転も効くタイプ。
上記の人情的な態度も相手を信用させるためにそうしていた節があり、そういった点でも恐ろしい男である。
しかし、最終的には全てを己のために利用する行動から、偽らざる愛にすべてをかけていたはずのオヴェリアの信頼を失っていき……
ゲーム的な性能
chapter1ではゲストキャラとして参入。
ジョブはラムザと同じ特別な「見習い戦士」であり、アビリティも「ガッツ」。
おまじないに助けられたラムザも多いだろう。
ちなみに公式チートデータ「チョコボの不思議なデータディスク」の全ジョブマスターデータでは彼も全てのジョブをマスターしている。
chapter2以降ではホーリーナイト。
ゲスト時には不動無明剣や無双稲妻突きでガンガン敵を蹴散らしてくれる。
場合によっては
ザルモゥを一瞬でやっつけてしまったりする。
この時点でもおまじないは覚えていたりする。
chapter4のランベリー城攻略以降(ディリータが聖騎士になって以降)は内部的にはアークナイトになっている。
しかし、設定はされているが戦闘の機会がないので実質
没データ。しかも、アビリティはなぜかディバインナイトと同じ「剛剣」。
作中での活躍
プロローグにて王女を誘拐しているディリータを見たラムザが過去を回想することから物語は始まる。
chapter1「持たざる者」
ラムザの親友として登場。
バルバネスの推薦で士官学校への入学が決まった際には校長に目を丸くされたらしいが、士官学校内でイジメられた…というのは意外にも描写がなかったりする。
妹のティータはかなり苦労していたそうなので彼にも同じことがあったと思うのは自然ではあるが、だとするとラムザが全く気付いていなかった事になってしまうので…。
普通に有り得そうとか言っちゃダメだぞ
まぁ、「農夫をやっとります」と言い出す汎用キャラが士官学校にいる場合もあるので、ガリオンヌの士官学校は案外実力主義なのかもしれない。
ラムザとはどちらが偉いということもなく、失敗はお互いに庇い合うツーカーの仲。
とはいえ、自分がラムザとは違うとは昔から感じていたようで、平民であったが故に国家に捨てられた骸旅団の実情を知ったことや剣士
アルガスの横暴から次第にその思いがどんどん強くなっていく。
ダイスターグから「ティータが人質にいる以上は攻撃はしない」と明言されていたにもかかわらず、ジークデン砦の決戦にて人質にされたティータがザルバックの命令でアルガスにあっけなく殺されたことから、感情が爆発しアルガスたちを襲ってしまう。
その戦闘ではアルガス以外狙われないという徹底ぶり。
アルガス撃破後にティータの亡骸と共に砦の爆発に巻き込まれ行方不明になる。
chapter2「利用する者される者」
その後、経緯は不明だが、ディリータは教会のエージェントになっていた。
教会からすれば、北天騎士団の内情を知りある程度教育を受け何時でも切り捨てられるディリータは工作員としてうってつけだったのだろう。
黒羊騎士団副官というのも経歴に箔をつけるための教会による捏造。
爆発で生き残ったことは「ティータが守ってくれた」とのことだが、こちらも詳細不明。
教会を命を受けて王女オヴェリアを誘拐するディリータだったが、実のところこれは彼女の命を守るため。
ゼイレキレの滝にて北天騎士団にもラムザにも追いつかれてしまい、ラムザたちに一旦王女を返す。(ラムザたちが自分とつながりのあるドラクロワ枢機卿を頼るしかないとわかっていたため。)
この時点ではラムザを利用する意図はあまりなく、とにかく関わらないよう忠告している。
貿易都市ウォージリスでも同様のことを言っている。
その後、ディリータはドラクロワ枢機卿の下で「オヴェリア本人ではなく、その影武者」という真実を告げられたオヴェリアを連れ、ゼルテニアに向かう。
そこでディリータがゴルターナ公を甘言で惑わし上洛を進言したことで獅子戦争が勃発することとなった。
chapter3「偽らざる者」
ここではディリータは大きな動きは見せていない。
おそらく戦争が勃発したことや本人も黒羊騎士団の団長となったため、戦争に参加しつつエージェントとしての仕事をこなしていたと思われる。
しかし、中盤で自身の境遇を嘆くオヴェリアに
オレを利用してきたヤツらにそれ相応の償いをさせてやる!
おまえに相応しい王国を用意してやる!オレがつくってやる!
おまえの人生が光輝くものになるようオレが導いてやろう!
と自らの心情を語りつつ、彼女の信頼を得るよう語りかけている。
この時点ではどのくらい本心からの発言だったのかは不明だが、「信じてもいいの?」というオヴェリアの言葉に「死んだ妹、ティータに誓おう」と言っているのでオヴェリアを利用するためだけに言ったわけではないと思われる。
chapter4「愛にすべてを」
ぜルテニアに現れたラムザを迎え、彼に教会の目的を語りつつ、ラムザを利用することで
オルランドゥを歴史の表舞台から追放することを計画する。(本来はラムザはオルランドゥに教会の悪事を立証するよう頼みに行く予定だった。)
他にも上記のラムザへの歪んだ信頼やオヴェリアへの偽りのない愛を語る印象深いイベント。
その後、教皇の手紙を使うことでオルランドゥに謀反の意があることをでっち上げ、ゴルターナから南天騎士団の聖騎士を任命され、ラムザがベスラ要塞の水門を壊し全軍が混乱した隙を付き、ゴルターナ公をオルランドゥの仕業に見せかけ暗殺。
名実ともに黒獅子陣営の頂点となる。
更にはオルランドゥの息子オーランを引き入れ、教会の監視役バルマウフラも手なづけることで盤石の基盤を作り出し、教会からの離反を明確にした。
⋯だが、オーラン説得の際に
平民出の騎士見習いが騎士団を動かすようになり乱世を平定する…。
わかりやすいじゃないか…。民が求めてる“英雄”なんて所詮、そんなものだ。
と露悪的な態度をとってしまい、それをオヴェリアにも聞かれてしまう。
オーランは後に自分やバルマウフラへの対応からディリータの本質は善人かもしれないとは思ってはいたようだ。
エンディング以降
終戦後、イヴァリースはオヴェリアの下に統一され、ディリータはオヴェリアと結婚し新王となった。(肩書きも畏国王ディリータになっている。)
ある日のぜルテニア教会跡にてディリータはオヴェリアに歩み寄る。
その時、オヴェリアは隠し持っていた短剣でディリータを刺した。
…そうやって、みんなを利用して!…ラムザのように、いつか私も見殺しにするのね……!
オヴェリアにとって親友ラムザすら利用し見捨てたディリータはヴォルマルフやゴルターナ公と同様自分を利用した者たちと何一つ変わらなかったのだ。
ディリータはオヴェリアの短剣を奪い、彼女を刺す。
倒れたオヴェリアを前に空を見上げた彼はひとり呟いた。
一見全てを手に入れた男は本当に守りたいものは全て失い、空虚な権力の座だけ残ったあまりに虚しいラストシーン。
一見全てを失ったが自らの信念を通し、守りたいものをきちんと守ったラムザとは対照的なエンディングであった。
エンディング後どうなったかは不明であり、オヴェリア共々死亡説も囁かれていたが、FFT生みの親の一人の松野氏により「エンディング時点ではオヴェリアもディリータも生きていたが、オヴェリアはその後早逝しディリータは孤独になった」ことが明かされている。
また、『LOV』にてラムザたちがゲスト出演した際にはオヴェリア死後にゼラモニア紛争解決のため出兵を計画していたらしい。
余談
fateシリーズのギルガメッシュの元ネタ説がある。
オールバックや鎧、英雄王など似ている部分は多い。
各種チャプターの題名はディリータの心情を指しているというのは有名な考察。
ゲーム企画段階では本当に主人公の予定だった。
歴史の表舞台で戦うディリータと裏で奔走するラムザのどちらかの視点をプレイヤーに選択させる予定だったのだが、諸事情でラムザ編メインでディリータ編はイベントのみで描かれることになったらしい。
恐らくアークナイトディリータやバルマウフラのジョブなどの内部データはその名残。
追記・修正させていいの?
あいつが項目を追記・修正するのも計算のうちだ。
親友ですら利用するのね、あなたは。
うるさいッ!!
…おまえに何がわかるッ!!
- 登録日が明日になってるな… -- 名無しさん (2025-09-30 11:33:13)
- 結局生き残ってたんだな、まあそのほうが欲したもの以外すべてが手に入ったという図にはなるか -- 名無しさん (2025-09-30 11:51:31)
- 自分の中のFF三大苦労人はFF9のブラネとFF10シーモアとFFTのディリータです!異論は認めます… -- 名無しさん (2025-09-30 12:10:07)
- タクティクスオウガのヴァイスをL・C両面を統合させて作り直したという印象がする -- 名無しさん (2025-09-30 12:22:35)
最終更新:2025年09月30日 12:57