ボンドルド(メイドインアビス)

登録日:2017/08/03 Thu 23:40:00
更新日:2024/05/04 Sat 18:03:17NEW!
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(|) Bondrewd KY R15+卿 TVからメイドインアビスを追放した男 The_Rumble_of_Scientific_Triumph ×ボンボルド○ボンドルド ×外道◯邪道 ※ラスボスではありません 「人を実験台にするな!自分で試せよ!」→(|)「もうやりました」 おじさん おやおや おやおやの実の全身ろくでなし人間 お子さんこぼれてますよ さては祈手だなオメー ちょくちょく名前を間違えられる男 つくしあきひと とんでもないやつ なりきり仮面 ぶれない人 まごころのあるキュゥべえ みんなのトラウマ もう全部あいつ一人でいいんじゃないかな やべーやつ よく名前を間違えられる人 アビスRTA勢 アビス「人外ですよね」 アビスから垢BANされた男 エアプで有名な男 カートリッジ カートリッジつくってワクワク カートリッジにしまっちゃうおじさん キレないフリーザ ギャングウェイ クソ外道 クレイジーサイコパパ ゲス外道 コメント欄ログ化項目 サイコパス スパラグモス スーパーに行く感覚でラストダイブする男 ゾアホリック ゾアホリ増殖バグ ダフトパンク卿 テーマソング持ちボス トラウマ製造機 トロッコ問題の擬人化 ドリカムおじさん ド外道 ネタが多すぎてタグに困る項目 ハートフルボッコの元凶 パパ棒 ファッキングパパ ファーカレス ボルボックス卿 ボンちゃんパパ ボンオドリ卿 ボンカレー卿 ボンクラ仮面 ボンドボンド卿 ボンドルド ボンドル殿 ボンバイエ卿 ボンボヤージュ卿 ボ卿 ポジティブマジキチマッドサイエンティスト マッドサイエンティスト マッドサイエンティストの鑑 ミノタウロスの皿 メイドインアビス メリーバッドエンド製造機 ラスボスの風格を持つ中ボス ロマンしか理解しない男 ワクワクさんオルタ 一人称がWeの男 不死身 世界一邪悪な善人 中ボス 五層のやべーやつ 人格破綻者 人権すり抜けバグ 人畜有害 人間やめますか?それとも人間やめますか? 人間をやめた男 人間を超えてしまった男 今まで食べたパンの数を覚えている男 会話選択肢にデストラップが入ってる男 何度もラストダイブした男 作者 作者の擬人化 倫理観ゆるキャラ 六層がスーパー感覚 劇場版ボンドルド 博愛主義者 名悪役 呪い針 善意で騙す男 圧倒的存在感 地底暮らしの宇宙人 地獄への道は善意で舗装されている 地雷原でタップダンスをする男 外道を超えた何か 外道聖人 大人気 天才 天然ボケ疑惑あり 天然鬼畜外道 奈落の怪物 好奇心の化け物 子供が病院の先生に抱く偏見を凝縮したような奴 子供達と未来を切り開く男 子供達の愛を背に戦う男 完璧狂人 実質ワンオペ 尻尾 巻末で震えてる人 幸せになりたいと言ったらヘロインを渡してくる男 度し難い 度し難きボンドルド 得体の知れない何かが仮面被ってヒトの真似事をしている 必要悪 悪のカリスマ 悪役 悪意なき災厄 悪質な朴念仁 愛ですよナナチ 愛と勇気だけが友達さ 愛と勇気と希望の外道 愛のある項目 愛の物理化に成功した男 愛を与えて命を奪う男 慈善家 憧れは止められないけどお前は止まれ 成れ果て 所要時間30分以上の項目 手取り足取り(物理) 敬語キャラ 新しきボンドルド 暗黒すしざんまい 最悪の相思相愛 本編はおろか主人公より先に立った項目 森川智之 森川智之の本気 歩くダークソウル 殺すために愛すやつ 汚れ役の鑑 深き魂の黎明 深淵から目を逸らされた男 漆黒の意思 演者の怪演 濃すぎるキャラクター性 父親? 狂人 発想100点道徳0点 白笛 祈手 科学者 筋金入りのろくでなし 純粋悪 素晴らしい 素晴らしきボンドルド 素晴らしき項目 群体 脳内アビス畑 自分が悪だと気づいていない最もドス黒い悪 良き伝統も、探窟家の誇りや矜持も、丸ごと踏みにじって夜明けをもたらす 著者近影 行動食4号 複垢荒らし 複眼 褒めて殺すタイプ 親子丼を最初に親子丼と呼びそうな男 逆アンパンマン 量産型 集合精神 頭ボンドルド 黎明卿 黒塗りのおじさん




おや 反応が消えていますね


おめでとうナナチ…ついに成し遂げたんですね

あなたには沢山のお礼が言いたい

是非とも また会いたいですね


メイドインアビス」の登場人物であり、作中世界における生ける伝説の探窟家「白笛」の一人。
二つ名は『黎明卿』『新しきボンドルド』
初登場は3巻第20話から。





◆概要

深界(アビス)』五層「なきがらの海」にある拠点前線基地(イドフロント)に居を構える科学者にして探窟家。
いつも前面に紫色の光が灯った細い縦スリットが一本入った黒い金属製のフルフェイスの仮面を被っており、素顔は不明。
首から下も無骨な黒いパワードスーツを着こんでおり、体格以外その身体的特徴を窺い知ることは出来ない。
ちなみに映画の等身大パネルを参考にすると身長は180cm台後半くらい。

ビジュアルだけ見れば人間というよりロボットの類である。ダフトパンクにちょっと似てる。
ちなみに子供持ち

そして『メイドインアビス』を読む読者に強烈な陰鬱さと度し難いインパクトを植えつけた元凶の1人。


◆人物

上記の通り非常に非常に怪しい出で立ちだが、基本的には物腰が穏やかで腰の低い紳士的な人物。
一人称は「私」で、「~です」「~ます」口調。
他者への情や愛も深く、分け隔てなく他者に愛を注ぐ慈善家としての顔も持つ。
性格も非常にポジティブで、落ち込んだり声を荒らげたりする姿は一切見せない。
口癖として驚いたり感心すると「おや」という感動詞を漏らし、場合によっては「おやおや」「おやおやおやおや」と重ねたりもする。

また、賞賛すべきことがあれば、それが子供であろうと見下したりすることはなく、素直に「素晴らしい」と褒め称える。


探窟家としての彼は10年ほどで

  • それまで不可侵だったルートの開拓
  • アビス深層での活動拠点の確保
  • アビスから襲い来る甚大な数の羽虫の殲滅
  • アビス各層の上昇負荷の正確な症状の検証及び基準の制定・確立

など、前代未聞の偉業をいくつも成し遂げ、人類のアビス攻略を一気に推し進めた正真正銘の偉人でもある。
作中におけるアビスに関わる人類の進歩と発展の最大の功労者と言っても過言ではない。こんなろくでもない奴が人類達の役に立っている事を考えるとある意味、皮肉でしかない。特にナナチからすれば。

ちなみに、リコが劇中で食べていたカロリーメイトのような栄養食「行動食4号」を発明したのもこの人である。


精神の歪み


愛を尊ぶ博愛主義者的な性格は紛れもなく本物であるが、その本性は端的に言ってしまえば狂科学者(マッドサイエンティスト)
「アビスの全てを解明し人類の新たな夜明けを見る」と、掲げる目的や行動指針“だけ”を見ればものすごーくポジティブで夢や希望に溢れた人物。

ただアビスの研究に励んでいるだけならいいのだが、ボンドルドの場合、
アビスの謎の解明に役立つならばどんなことでも躊躇いなく実行する。どれほど残虐な、非人道的な所業であろうと、実行する。
作中で確認できるだけで
  • 国家機密漏洩(推測)
  • 環境破壊
  • 違法薬物実験
  • 死体損壊(というか被験者を生きたまま解体しているのでバラバラ殺人に近い)
  • 人間の洗脳&奴隷化
  • 誘拐及び軟禁
  • 詐欺
と、捕まればそれこそ極刑待ったなしクラスの犯罪行為を働いており、実際外国から指名手配され追われている身でもある。
しかし彼を追った賞金稼ぎが軒並み行方不明になっている事、白笛という肩書き、そして何より滞在している場所が場所なので、事実上放置されている状況にある。

直接描写されたものだと、
等、枚挙にいとまがない。
また、実験の過程で被験者が苦痛を味わって死ぬことを逃げられない状況になってから明言するなどサイコパス的な感性も持ち、倫理観は完全に破綻している。
なお、その被験者のひとり=ナナチはこのことがきっかけで深いトラウマを負っているのだが、当のボンドルドはナナチに「かわいいですね」「是非また私のところに来てください」と言って手厚く可愛がるなど、どこか矛盾した言動も散見される。
また、この命をあまりにも軽く扱う姿勢は他人のみならず自身の命も対象内。
自分の命すらまるで消費物であるかのように扱うその姿勢は常人には理解することすらおこがましい。
そもそも場の空気を読めてないような描写があり、ボンドルドに激怒したレグが発した「何者だ」という発言を額面通り受け取り「私はボンドルド……」と自己紹介を始める、レグを傷つけてナナチの逆鱗に触れた際には謝るどころか「元には戻せませんが可愛く繕ってあげます」とズレた内容の代案を出す、など、どこか頓珍漢なやりとりも散見される。


そもそも彼の二つ名「黎明卿」そのなりふり構わぬスタンスで古き良き伝統や探窟家の夢、浪漫、誇りを丸ごと踏みにじりつつ人類の発展と夜明けを齎してきたことに由来するので、彼に配慮なんぞを求めるのがどだい無理な話ではある。



そして何より厄介なのが、ボンドルドは先に挙げたような行為をほぼ善意で行っているということ。上で挙げられていた物騒な行為、全てがである。
知的好奇心を満たすという欲望こそあるが、基本的に
  • 人類を滅ぼす
  • 世界を征服する
  • 絶大な権力や富を得たい
等、そういった腹黒い野望や俗な野心はない。それどころか、彼個人はむしろ自身の研究で誰かが幸せになることを望んでいる節すらある。いや、ホントかよ・・・。
ボンドルドに怯えるナナチを研究所に呼び戻そうとした時の誘い文句が脅迫でも懇願でもなく「“もっと”楽しいことが待っていますよ」だったり、人体実験を行って殺した相手に、謝罪ではなく“自身に協力してくれた”ことへの感謝を述べていたりするシーンがその象徴だろう。
そもそも劇中描写だけを取り上げてもボンドルドは何だかんだ結果そのものは出しており、彼のおかげで何とかなっていたりする場面は少なくない。
特にリコに関しては後述の白笛の仕組みと祭壇の「白笛がなければ先に進めない」という点から、ボンドルドが生贄を用意していなければ人殺しに走っていたか冒険をあきらめていたおぞましい可能性を考えなければならない立場である。


ページ冒頭の台詞は、ナナチが、死にたくても死ねない「成れ果て」となった親友ミーティを断腸の思いでレグに殺してもらうことを決断し、親友との別れの哀しみに慟哭しているシーンの直後に言い放った台詞にである。*1
「親友を楽にしてあげたい」という願いだけを見て、それまでの過程を一切顧みないボンドルドの歪みを表す象徴的な発言。
あたかもナナチの理解者であるかのように振舞うが、ナナチとミーティがこのような目に遭ったそもそもの原因は、ボンドルドが二人を騙して人体実験を行ったからである。

誰に対してもこのような態度なので、作中人物からの評価は

  • 筋金入りのろくでなし
  • ゲス外道
  • イカれ外道
  • 奈落に怪物がいるとするなら恐らくああいうのを言うんだ

と散々である。当の本人は気にしていないが。
読者からの評価はだいたいこの記事のタグの通り。


家族とは血の繋がりのみを言うのでしょうか?

私はそうは考えていません。

慈しみ合う心がヒトを家族たらしめるのです。血はその助けに過ぎません。

愛です、愛ですよナナチ。それに家族とは他人同士が出会い築き上げるものなのですよ。


と語るようにたびたび「愛」を口にし、愛情表現を欠かさないのも彼の特徴。
とくに義理の娘であるプルシュカに対しては、血の繋がりなど知ったことかとばかりに深い愛情を注いでいる…が、5巻、6巻の展開を見る限り、彼のいう「愛」がまっとうな形をしていたかはかなり怪しい。
作中で彼を評する言葉の中に「得体の知れない何かが仮面被ってヒトの真似事をしている」というものがあるが、彼の本質はそれに寸分違わない。


思想や性格、掲げる目標などは非常に善良でありながら、実際の所業や行為は誰が見ても悪と呼ぶしかない外道という、2つの側面が異常に乖離していながら本人は全く気に留めていない狂人、それがボンドルドという人物である。


◆人間関係

祈手(アンブラハンズ)

ボンドルドが率いる探窟隊。隊自体を指して「祈手」と呼ぶこともあれば、そこの隊員を指して「祈手」と呼ぶこともある。

全員がボンドルドのものとは異なるデザインの仮面とスーツに身を包んでいるのが特徴で、基本的に見た目からは素顔や性別は判別困難。
ボンドルドの研究に従事する研究員、およびその研究の実験台としての側面も持ち、遺物の移植等によって人外じみた見た目になっている者もいる。
如何にも不気味な印象を受けるが性格自体ははっきりしており、ボンドルドに軽口を叩く者もいる(ボンドルド側からも特にお咎めはない)事から、彼の操り人形のような存在ではない模様。
また、休暇を取って地上に帰還することもあるなど彼らなりのプライベートも存在する。63話の描写からすると、仮面を被るのは業務時間の間だけである様子。

親切にアビスについての情報を教える者もいれば、ボンドルドの狂気じみた人体実験を嬉々として行う者もいる等いろいろ居るが、全員性格の根幹は非常にシビア。目的達成のためなら躊躇なく他の探窟家を犠牲にして任務を遂行しようとする。
とはいえ他の探窟隊のメンバーが一堂に会する「合同大探窟」へも参加するなど、完全に孤立したり忌避されたりしている訳ではない。
ちなみに、白衣を着ている個体は「死装束(シュラウド)」という戦闘に秀でたメンバー。



リコ


同じく白笛の探窟家・ライザの娘。この作品の主人公。
恐ろしいことにリコもボンドルドと同類の狂人であることが示唆されており、ボンドルドも自身の意図を見抜いた彼女を「君はこちら側の存在かもしれませんね」と評している。
ボンドルドと違って人間性はまっとうだが、実際、彼女も意識のないレグに焼けた石炭を食わせたり高圧電流を流したり、さらにはナイフで腕を切ろうとしたりと、やっていること自体はボンドルドと大差なかったりする。
念のためもう一度言っておくが、この作品の主人公である。


レグ


他の相手と同様、腰の低い態度で接するが、レグを傷つけられて激怒するナナチに「君のお人形だったんですね」と言うあたり明らかに「ヒト」として見てはおらず、「弄りがい(物理)のあるオモチャ」「解体して研究してみたいサンプル」ぐらいにしか見ていないことが窺える。


ナナチ


ボンドルドがアビスに連れてきた子供のうちの一人。
他の子供と同じように過酷な実験に利用されたが、その中で奇跡的に「祝福」なるものを獲得し生き残った貴重なサンプル。また、彼の人体実験手術の助手でもある。
ボンドルド自身はナナチのことを「貴重な協力者」と称して非常に大事にしており、彼女(?)のことを丁重に扱うだけでなく、その身を案じてもいる。
……が、ナナチからは自分達を酷い目に遭わせた狂人として激しく嫌われており、その関係性は若干すれ違っている。


プルシュカ


リコ!あたし一緒に冒険に行きたいんだ!


「前線基地」に住むボンドルドの娘。ボンドルドを「パパ」と呼んで慕っている。
帽子の中に飼っている不思議な動物「メイナストイリム」こと「メイニャ」(CV:原奈津子)と共に暮らしている。
銀髪で目は赤く、5層の呪いの後遺症で前髪が渦を巻いたようになっているのが特徴。

性格はあのボンドルドに育てられたとは思えないほど非常に活発で明るく無邪気。
アビスで生まれ育ったために地上に出たことはなく、人付き合いもボンドルドと「祈手」だけであったため人見知りを拗らせていたのか、
最初は無愛想だったものの、リコたちと打ち解けてからは本来の性格である無邪気さをあらわにする。
冒険に対し非常に希望を抱き、尊敬する父と一緒に冒険をしたいと考える一方でボンドルドの残酷な所業や経歴については一切知らされていない。

なおペットのメイニャだが、本来の名前は『変化の子』という意味。
メイニャを父から渡される前に「イリム」という少女がボンドルドに呼び出されており、そのことを踏まえるとメイニャの正体は動物へと改造された人間という説が存在する(なお、イリムの担当声優はメイニャと同じ原奈津子氏である)。



◆戦闘力


どこにも行ったりなんかしません。あなたの愛があれば、私は不滅です


探窟家の頂点である白笛だけあり戦闘力は一級品。
全身のパワードスーツに無数に搭載した遺物の力とそれらを的確に運用できる冷静で優れた頭脳、豊富な経験から来る対応力はずば抜けて高い。
一方で、ボンドルドが死ぬとその度に「祈手」が新たなボンドルドを名乗り、あたかも不死身ともとれる態度を取る。

そのカラクリは特級遺物『精神隷属器(ゾアホリック)』によるもの。
そもそもオリジナルのボンドルドの肉体は既に死亡しており、現在『ボンドルド』を名乗って活動しているのは、配下の「祈手」達。
彼らは皆『精神隷属機』の力によってオリジナルの意識を植え付けられた「ボンドルドの複製品」へと改造されており、全員が『ボンドルド』の分身でありバックアップとしての役目を担っている。
祈手達はいわゆるP2Pシステムのように『ボンドルド』の意識を"同期"しているため、
仮にあの縦線仮面を被った個体が死んでも『ボンドルド』が消えることはなく、別の「祈手」の肉体を借りることで容易に復活できる。*5

すなわち、探掘隊「祈手」それ自体がボンドルドという一つの群れであり、またボンドルドとは祈手間で共有される概念そのものとでも言うべき存在になる。
この性質のため、「祈手」が一人残らず死亡し切らない限り、『ボンドルド』という存在を完全に滅ぼすことは不可能
この仮面は祈手とリーダーたる『ボンドルド』を区別するシンボルであると同時に、娘であるプルシュカに自身が父親であると刷り込ませる目印にもなっている。

祈手は基本的に個々の意思を持って動いているが、ボンドルドの意思で遠隔操縦(生コメンタリー上映会の解説では「オートボンドルド」や「並列ボンドルド」と呼称)することもできる。が、この時は操られる側の祈手の上からボンドルドの意識を被せて全知覚情報を同期する為、同期ラグで祈手の動作や思考が緩慢になるというデメリットがあるが、ボンドルドはこの状態の祈手の知覚をリアルタイムで全て取得できるメリットもある。
ナナチが劇中で言っていた「すっとろい祈手」とはこの状態のこと。

原理は異なるがナナチの視覚にもボンドルドに届く仕掛けが施されており、ナナチは知らず知らずのうちにリコ、レグそしてナナチ自身の監視役として、ボンドルドに情報を送り続けていた。
「まさかナナチの排泄まで拝むことになろうとは……興味深い」

ちなみにボンドルドは前述の通り指名手配をされ追われる身であり、その首(懸賞金)を狙う者は多く「いた」。
何故過去形なのかというと、彼を捕らえようと追いかけていった者は次々と行方不明になってしまい、その結果ボンドルドに近づこうとする者がいなくなってしまったから。
祈手の正体が気になるところだが、つくし卿曰く、(前述の賞金稼ぎ含め)自ら祈手入りを志願する者は結構多いらしい。
精神隷属器の使用も強制されるのではなく本人たちの志願である。

また作者によれば精神が狂っているため精神攻撃は無効化される模様。

使用装備

  • 暁に至る天蓋
探窟・戦闘向けの祈手のためにしつらえた特注の戦闘鎧。
遺物と生物由来の繊維を複雑に組んで作られ、内部に様々な武装を内蔵する。
『ボンドルド』の意識共有を助ける仕組みも施されているが、この装備を以てしてもアビスの上昇負荷の前では無防備に等しく、別途に上昇負荷対策を講じる必要がある。
下記のカートリッジはそんな上昇負荷対策の1つである。
戦闘以外にも祈手達の役割によって様々な機能のカスタマイズや調整が施されており性能や価値はバラバラ。
中でもカートリッジを搭載したタイプは桁外れの武装を搭載した、ここ一番の勝負服ともいうべきモノである(もしかしたら肉体も含めての「勝負服」なのかもしれない)。


  • カートリッジ
ボンドルドが背中に背負うアイテム。
カートリッジ自体は大きさは子供が抱えられる程度のサイズで、装備時には暁に至る天蓋の背中に装着したボンベ状の装置に装填する形をとる。
自分が受ける上昇負荷を肩代わりさせて力場が齎す『呪い』の悪影響だけをカットし、残った上澄み部分を『祝福』として装着者に還元するアイテム。
ある種のろ過装置でありこれにより深層6層の負荷すら克服できる。

  • 白笛
白笛たちがそれぞれ所持する笛型のアイテム。
名前の通り「白い笛」であることは共通だが、そのデザインは持ち主によって異なる。ちなみに、ボンドルドのものは組んだ手のようなデザイン。
吹くことで特定の遺物や仕掛けを作動させる効果を持つが、実はこの笛、人間の遺体からしか産出されない。しかも笛を構成する素材である「命を響く石」の性質上、「材料にされた人間が死ぬ間際に強く親愛し信頼していた人物」にしか使えないという厄介すぎる性質を持つ。
このため、ちゃんと使える状態のものを入手するには親密な誰かに同意を得て死んでもらうしかない。
この笛の存在が、カートリッジ制作の着想の元になっている。

  • 複眼
正式名称不明の遺物。
壊れた仮面の隙間から覗いた異形の眼球。
能力などは不明だが、のぞき穴のない仮面をつけていたところを見るに透視に近いことができるのかもしれない。
ちなみに作者インタビューによって遺物であることが判明した。

  • 尻尾
正式名称不明の遺物。
レグを容易く押さえつけ、一撃で昏倒させてしまうほどのパワーを持つ。
ボンドルドの肉体と連結しており、血も流れている。
そのため祝福を得た際にはこれにも毛が生えた。
複眼と同じく作者インタビューによって遺物であることが判明した。

正式には装備ではないが一応記載。
祝福により獣化したボンドルドの手足に生成された。
レグの肉体を容易く貫く鋭利さを持つ。

精神隷属機(ゾアホリック)

自身の不死性の根幹を支える遺物。
自分の意識を他人へと植え付けることで自身を“増やす”ことができる遺物で、意識を植え付けられた者同士で互いに意識の共有が可能となる。
例えるならば「精神のクラウドネットワーク化」に近く、この性質により『ボンドルド』はある種の群体と化しており、この遺物ある限りボンドルドが滅びることはない。
ただし人間がこの遺物による精神の増殖や融合に耐えることは出来ず、使えば精神に様々な異常をきたし、やがて意識が霧散して廃人と化す。
発症する症状は精神の混乱、複製体の裏切り、自他境界の喪失、肉体の制御不能、自意識の崩壊など。

ボンドルドの手に渡るまで何人もの所有者を転々とし、悉く発狂させ破滅に追いやってきた曰く付きの逸品。
こんな危険極まりない遺物を平然と使い、探究心と自我を保っているボンドルドの異常さが見て取れる。
が、ボンドルド自身も精神の複製を繰り返した結果半ばとはいえ破綻してしまっており、その精神性は最早「ヒトではないナニカ」になり果てている*6
ボンドルド自身はそんな状況になってもまったく気にしている風には見えないが。*7


サイズ自体が巨大であるため持ち運びは不可能。現在は「前線基地」の奥に収納されている。
なおこの遺物は触れただけで使用法が触れた者の脳に植え付けられるため、人間はもちろん使用者が動物でも問題なく使用できる。

生コメンタリー付き上映会によるとゾアホリックには生物を引き寄せる性質もありメイニャも引き寄せられていた。
もしリコがメイニャを抱きしめていなかったら、リコにメイニャの精神が植え付けられていたかもしれない所だったという。


◆物語での活躍

20話の初登場の時点で凄惨極まりない人体実験を重ねてきたことが明らかになり、その過程でナナチの親友ミーティを生きた肉塊のようなバケモノに変えてしまったことが明かされる。

4巻で本格的に登場。
娘のプルシュカと共に三人を歓待し、「前線基地」内の宿泊用の部屋を貸し出すが、三人が寝た隙にレグを誘拐。
好奇心から部下の「祈手」に指示して彼に拷問じみた実験を行い、おまけに右腕を切り落としてしまう。
再会直後から胡散臭いとは思われていたが、この件でナナチに完全に愛想を尽かされ両者は決別。
リコ、レグ、ナナチは「前線基地」を離脱しボンドルド打倒に乗り出す。

出て行った三人を数人の「祈手」達と共に探しに行くが、そこでリコ達のけしかけた凶暴な原生生物「カッショウガシラ」と遭遇。
連れてきていた「祈手」は全員殺され、生き残ったボンドルド自身も所持していた遺物で抵抗するが、
事前に対策を考えていた3人の連係プレーに反撃できずに追い込まれていく。
そんな中、当のボンドルドはというと狼狽えるどころか連係攻撃で自身を着実に追い詰めてくる3人に震えるほど感激しており、
ボコボコにされながらもその相手を大喜びで称賛するという奇妙な行動に出ていた。

死の間際までも狂ったように「素晴らしい」連呼しながら息絶えた…と思われたが、
持前の不死性を利用して復活すると、娘のプルシュカの目の前で自身が健在であるとアピール。


探窟隊『祈手(アンブラハンズ)』は全て私(・・・)ですよ


と宣言し必死の奮闘で疲労困憊したレグを驚愕させると、プルシュカを眠らせテリトリーである前線基地へと撤退。
3人のいなくなった「前線基地」では、プルシュカの体中の部位にマーキングするボンドルドの姿があった。


ええ 紅を付けたものは全て破棄してください
破棄 破棄

パパ…パパ…あたし…夜明けが…見たい…

ええ 共に夜明けを見ましょう

一緒がいい…一緒に…冒険に…

ええ いつまでも一緒ですとも


決着 『夜明け』の終わり

そして続く第5巻。
リコ等3人がボンドルドの不死性の正体に気が付き、ボンドルド打倒を真に決意し3人が乗り込んできたのを待ち受ける。
ナナチに手引きされカートリッジの存在を知ったリコと遭遇すると、娘のプルシュカをカートリッジに加工しようとしている真意を見破られ、リコから説得を受けるボンドルド。
「きちんと解放しますよ」と告げ、白笛の真実や自身の不死性の真相を悟ったリコを真摯に賞賛するも、その直後暴走し乱入したレグと交戦。


君は奇妙ですね。予備の電源まで吸い尽くして(・・・・・・)しまうなんて
電気というより『力』を概念的に取り込んでいるのでしょうか

奈落の至宝(オーバード)の実力…是非見たい


レグの圧倒的戦闘力にボンドルドは虎の子の装備「暁に至る天蓋」及びカートリッジフル装備で対抗するも、激闘の末に仮面がひび割れ素顔が僅かに露出することになる。
ひび割れから見えるその目は、横真一文字に開閉し、その内部に3つの瞳孔のような穴がギョロギョロと蠢く人ならざる奇怪極まりない目玉だった。


ああ なんと素晴らしい
片腕をもいでしまったことをとても悔やんでいます

その身体…是非欲しい


隠し持っていた遺物装備を全開放して自身に追い縋るレグと渡り合うもナナチの尽力もありレグは正気を取り戻し戦闘を再開。
意趣返しとばかりにレグを深層6層に引きずりこんで再開した戦いの中で、
ナナチが考案したボンドルドの突破口「カートリッジを全て使い果たさせ使用不能にする」という案を実行したレグに次第に追い詰められていき、5層目に復帰した瞬間全てのカートリッジを使い果たしてしまう。
カートリッジにより祝福を得て肉体が異形化していく中、カートリッジの原料となった子供の名を呟き続けるボンドルドだが


ああ…これが『祝福』なのですね…

ターキリ トーレイテア ノベロ…

ああ…本当に素晴らしい冒険でしたね

プルシュカ…


そもそもレグ等と再戦した時点で、既にボンドルドはプルシュカをカートリッジに加工し己に装備していた。
たしかに、きちんと『解放』はされたのだから彼の言葉に嘘はないのだが……でもやっぱり五体不満足で吐き出されるってあんまりだと思うんですよ、卿。
己の利己的な欲望で愛娘をカートリッジに加工した所業を目の当たりにし哀しみと怒りから激昂するレグに対し、ボンドルドはこれまでと同じように、平常運転のごとく「未来」しか顧みない。


…おや
おやおやおやおや 私を仕留めたいと願う君が妙なことを

さあ 次の二千年へ踏み入る準備は整いました 共に夜明けを見届けましょう


何が…夜明けだ…!

愛娘の想いを…あんな形にしていい理由など!!

あってたまるか!!!



ボンドルドとレグの死闘が激化する中、最終的にボンドルドに止めを刺したのは、自身が最初に好奇心で切断したレグの腕を構えたリコによる火葬砲の一撃。
レグに対する非道な行いの因果が回ってきたボンドルドに火葬砲が直撃し、下半身を消し飛ばされたことで遂にボンドルドは敗北した。

両陣営満身創痍の中、戦闘特化の祈手もいないこともありボンドルド側の被害は壊滅的。もはや戦闘続行は不可能。
自身の『憧れ』はここで終わりだとナナチから酷薄に告げられたボンドルドだが、それでもボンドルドは勝者であるナナチやレグ、リコを讃え賞賛。
「君たちの祈りが 自ら道を選び進もうという切なる願いが 私のそれに勝ったのです」と満足げに語り、
前途ある有望な若者が自分を踏み越え先に進み続けることが新たな自身の『憧れ』になったと感謝するほどであった。
自身と刺し違えてでも倒さんとしていたナナチの決意を聞くと、ナナチの可能性と未来が潰えなかったことに対して「実現しなくてよかった」と安堵の言葉を漏らすと、

ナナチ…さあ顔を上げて…

どうか君たちの旅路に…溢れんばかりの…呪いと祝福を…

「…うるせえよ」


偉大な探窟家の先人としてナナチに声援を送り、ボンドルドはそのまま死亡した。
この遺言じみたエールを託されたナナチは、敗北してもなおブレない姿勢のボンドルドに半ば呆れとも諦めともつかない表情を浮かべていた。*8
一応ボンドルドの切り札とも言える祈手を潰せたこともあってナナチの中のボンドルドとの因縁は一区切り付いた模様。「前線基地」を離れる際のナナチはすっきりした表情を浮かべている。

全ての決着がついた中、6層へ進まんとする3人が見たのは、「前線基地」で3人を見送る「祈手」達と、罅割れた仮面を被った新たな『ボンドルド』であった。


闇すらも及ばぬ深淵にその身を捧げ挑む者たちに アビスは全てを与えるといいます

生きて死ぬ

呪いと祝福のその全てを
旅路の果てに何を選び取り終わるのか

それを決められるのは 挑むものだけです


そう語って彼らを見送るボンドルドの姿は、残虐非道の狂科学者でも悪党でもなく、
危険なアビスの先へと進まんとする有望な後輩達に心からのエールを送る偉大な先輩の姿であった。



娘との関わり

上述の通りアレな人間性のボンドルドだが、引き取った際には呪いに苛まれ自我は愚か人としての見た目をかろうじて留めていた程度のプルシュカを、今のようなかわいらしい少女にまで育て上げたのもまた、ボンドルドである。

当初、部下のグェイラすら匙を投げ彼女の殺処分を提案する中、

喜びしか知らぬ者からは祈りは生まれません
生を呪う苦しみの子…君にしかできないことが必ずあります
君の名はプルシュカ。夜明けの花を意味する言葉です


そう語って彼を窘めて彼女を拾い上げ、甲斐甲斐しく衣食住を世話して育て続けるその姿は紛れもなく父親のそれ。
プルシュカのペットであるメイニャを与えたのもボンドルドである。
そして父の愛情を一心に受けたプルシュカがカートリッジと化しても尚想ったのは、「父と一緒に冒険に行きたい」
もはや人間とは呼べない肉の塊に加工されてもなお、プルシュカから父への信頼と愛は失われていなかった。
寧ろプルシュカにとって偉大な父の足手まといにならず、父の役に立てて、父の痛みを分かち合え、そして一緒に行動し戦える「カートリッジ」という姿に喜びを見出していた節さえ見受けられた。


ただし強い祝福の力を得るためには「祝福を得る側への深い愛情」が必要になることを考えると、
プルシュカを愛情を与えて育ててた理由は単に「カートリッジの性能を強化するため」という可能性もある。
加えて彼女が常日頃「父と冒険に行きたい」と話していたから、自身と一緒に冒険するためカートリッジにしたのかもしれない。
またその前提で考えると、ボンドルド自身カートリッジの材料となった子供達の名前・性格・個性を全て暗記し、誰がどのカートリッジに入っているのかはっきり識別して大切に扱っていたことも含め、
カートリッジにされた子供たちは皆ボンドルドからプルシュカ並の愛情を与えられて世話され、子供達もプルシュカと同じようにボンドルドを慕っていた可能性も懸念される。


しかし、真に恐ろしいのは我が子を親のように愛しながら殺すことのできる異常性、最初から使い潰す気なのに「必要だから」という理由で心の底からの本物の愛情を注げるところであり、ここにボンドルドの破綻ぶりが如実に現れている。

悲惨な最期を迎えたプルシュカであったが、彼女が最後の最後まで夢見たことは、
父がレグ達と仲直りし、自身と尊敬する父がレグ等3人と一緒に仲良くアビスを探索することだった。
決して叶うことのない夢であったが夢自体は貴いものであり、最後にレグ等を見送っていたボンドルドの姿を見る限り、絶対に不可能とは決して言えなかったかもしれない。

なお単行本5巻の表紙イラストはそんなプルシュカの願いを叶えたIFの光景が描かれている。表紙詐欺?知らんな


ただしこれらは全て推測の域を出ず、真相やボンドルドの真意は不明。
子供に真の愛情を注いでいたとしても、あるいはただのモルモットとしか見ていなかったとしても、ボンドルドの度し難さも狂人という評価も揺るがないことだけは事実である。


◆その後

彼(ら)自身は「前線基地(イドフロント)」にとどまったため以降は登場しない……かと思いきや、ちゃっかりリコに色々アビスのことを話していたらしく、その後も行く先々でリコの回想中にアドバイザーとして登場するという嫌な形で出番を貰っている。
また、6層の成れ果て村にもミーティを連れて訪れ交流していた事があり、それが後に一悶着起こすことになる。何だお前。



◆余談

祝福についての考察

アビス深層では、意識そのものが大気中に「力場の流れ」として発散する性質がある。たとえば、上に意識を向ければ真上に向かう流れができる、といった具合に。
タマウガチやナナチのような深層の生物がこの力場を通して他人の思考を読み取ることができるのは劇中で実践していた通りであり、実際にナナチもそのことについて言及している。
意識がアビスの力場に作用するのならば、その力場によってもたらされる上昇負荷もまた人の意識や願いといったものに影響を受けると考えてもおかしくはないだろう。
また、より深層の住人も「成れ果ては多かれ少なかれ『欲』に応じた姿をしている」「(ナナチは)とても強い『欲』で守られたのだろう」と、上昇負荷の本質を示唆するような発言をしている。

この仮定をもとに劇中の「祝福」について考えてみると、法則性が見えてくる。


ナナチ「やっと見つけた宝物(ミーティ)を奪わないで」
→ミーティが不死性を獲得した成れ果てになる

ミーティ「死んだらナナチのところに魂が還るように」
→ナナチが生き残り、なおかつ人間性を保持(ナナチが意識を残して生存しなければ、還る場所がなくなってしまうから。また、これが正しいとすると、死したミーティがナナチの付近に何らかの形で存在していると考えられる)

レグ「そんなに実験が大好きなら自分の身体で味わいつくしてみろ」
→その時戦闘していたボンドルドは成れ果て化せずに死亡(レグがボンドルドへ強い殺意を抱いていたから)

プルシュカ「パパとリコたちが仲直りしてほしい、みんなで一緒にまた冒険をしたい」
→リコの白笛としての機能を獲得(白笛が無ければリコは先に進めない=冒険ができないから)&ボンドルドが(冒険を出来る程度に)意識を保持したまま成れ果て化


すなわち深層の上昇負荷には「浴びた存在が本当に欲しがっていたものを与える」という作用がある、と考えられるのだ。

作中で上昇負荷を克服したのはボンドルドとナナチの2名のみ。
二人とも成れ果て化自体は防げておらず獣人化していることを考えると、上昇負荷は深い愛情で「克服できる」ものではなく、「健在であることを願われる」ことで結果的に人間性の喪失を防げるものと思われる。つまり、呪いと祝福は同一のものであり、そのベクトルがどう作用するかによって呪いにも祝福にもなるのである。
もしそうだとすると、カートリッジの素体となった子供たちに深い愛情が必要とされたのは、“パパ”であるボンドルドに対するポジティブな願いを持たせる事により、子供たちを介して間接的に上昇負荷のベクトルを制御するためだったのだろう。

また、さらに下層の深界6層では「産まれながらの成れ果て」と呼ぶべき存在である「獣相」が明かされた。
この獣相が「探窟家の恥部」と呼ばれ「見つけ次第殺され存在を秘匿される」という描写とカートリッジの仕様とを併せて考えると、
カートリッジを使わずとも奈落から帰還できる可能性が浮上する。
その方法はずばり「妊娠」であり、妊娠している探窟家がその状態で層をまたぐ移動をすると、「死か人間性の喪失」の上昇負荷が胎児に押し付けられ異形の「獣相」となって生まれる代わりに、母親である探窟家は6層の上昇負荷を回避できるというもの。
もしそうなのだとすると、ボンドルドはかつての探窟家たちが深層に隠してきた秘密に間接的にたどり着いたとも言えるか。


ボンドルドの白笛

つくし卿のTwitterでの解説によると、最初のボンドルドは、精神隷属機の使用によって増えて壊れた自分自身に願いを託して『命を響く石(ユアワース)(白笛の原材料)』に姿を変えたとのこと。
つまりボンドルドは精神隷属機を使いまくって重篤な副作用を受けても自暴自棄にならず、寧ろ自我が崩壊しかけても尚アビスへの希望と夢を維持したまま、「自分のフリをしたナニモノか」に夢を託して自殺していったことを意味している。マジで何なんだお前。
娘のプルシュカもカートリッジに加工されても尚、父親であるボンドルドや親友のリコを想いながら死に白笛になったと考えるとある意味「この親にしてこの子あり」だったと言える。

劇中では使用シーンがないが、ボンドルドの白笛の『持ち主』となるのは『既に精神性がヒトではない自分自身』
祈手たちは『ボンドルドだったもの』の精神が目覚めている時限定で白笛を使うことができるのだという。

後に明かされる事となるが、白笛となった人物はこの世から消滅するわけではなく白笛に宿る思念体として現世に留まり、その持ち主と五感を共有する形で外界を知覚するという。
そうなると、笛になったボンドルド本人も祈手の身体を通じてリコ達のことを見守っていた事になる。オリジナルである彼は三人を見てなにを思ったのであろうか……?

また、彼の白笛だが、一見すると手を組んで祈るようなデザインに見える……が、よーく見ると組まれているのは「左手と左手」。つまり、正確には祈りの手ではなく恋人繋ぎ……もとい、別の誰かと繋いだ手を模したデザイン。
なお、この笛は両手で擦ることでギロのように音がなる仕組みとなっている為、使用時に仮面を外す必要はないらしい。
それを踏まえると、レグが白笛を使わせようとしたシーン(ボンドルドの身体を潰し一息分だけ生かした状態)では例え彼が協力的でも、あのボディではもう鳴らせない気がするのだが……



その他

名前が微妙に覚えづらい上に編集にボン「ボ」ルドと誤植されたため、付いたあだ名は「ボ」或いは「ボ卿」
その他「ダフトパンク卿」「ボンカレー卿」「ボンオドリ卿」「ボンバイエ卿」「ボルボックス卿」「ボンドボンド卿」など好き勝手なあだ名が命名される中、いよいよ本編でも54話においてナナチに「ボン」と略称で呼ばれてしまった。

アニメ版ではTV第一期やその総集編劇場版でナナチの回想シーンなどに登場し、続く第五層を舞台とする劇場版『深き魂の黎明』で遂にメインキャラクターとして本格登場を果たした。
しかし当初は総集編後編と同じ「PG12指定」だったレーティングが公開の少し前になって「R15+指定」の年齢制限付き区分に引き上げられた。
どう考えても上述した凄惨な所業をしっかり映像化したためである。*9
結果「R15+卿」なんて呼び名も追加されることに*10


さあ笑って

追記・修正の成功を祝いましょう。


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最終更新:2024年05月04日 18:03

*1 作中屈指の涙腺崩壊シーンなのだが、ページをめくった瞬間この台詞で涙が引っ込んだ読者も多いだろう。

*2 トコシエソウという草に擬態し、油断して近付いてきた獲物(人間含む)に襲い掛かって幼虫を寄生させ、その脳を蝕んで生かしたまま幼虫の餌とする危険な生物。

*3 実際、クオンガタリの生態を考えれば未帰還の探窟家は既に襲われ、行動不能になっている可能性が高く、救出に向かえば同じ末路を辿りかねないことから、「これ以上犠牲者を増やさない」という意味では、冷徹だが正しい判断と言えるだろう。

*4 スラージョが六層に渡れるように殿を務めた少年。あえなく捕縛されて研究素材にされかかったが、スラージョ及び『巫女』の捜索任務をリメイヨが請け負った際にスラージョの方からネヨーゼルを感知してもらうために解放された

*5 劇場版でボンドルドが拍手をするシーンをよーく見てみると、リコ一行を前線基地で出迎えた時とリコ達を探しにカッショウガシラのテリトリーに出てきた時では拍手をする手の位置が逆になっている。この事から、この二人は別の祈手=リコ達を探しに出るまでに“身体の交換”を行っているという説がある

*6 一応、付け替え可能な仮面でボンドルドかそうでないかを区別しているようではあるが

*7 作者のつくし卿曰く、無数の祈手へと分散した現在の彼は「ボンドルドだったもの」であり、人であった頃のボンドルドをなんとか真似しようとして出来上がったのが今の彼なのだそう。

*8 ちなみに、この時のナナチはボンドルドが怨敵であると同時に自分の恩人でもあることに気づいていた。元々ストリートチルドレン出身で生ゴミを食べて飢えを凌いでいたナナチにとって、アビスで冒険をすることは諦めかけていた夢だったが、他ならぬボンドルドに連れ出されたために、結果的に夢が叶ったのである。

*9 関係者筋によると、具体的にはレグのへそをぐりぐりするシーンがアウトだったらしい。やっばりボンドルドのせいじゃないか!

*10 作者のつくし卿まで「おのれボ卿!」と責任を押し付けている有様