イルぶる(メイドインアビス)

登録日:2019/04/02 (火) 00:50:06
更新日:2024/11/08 Fri 22:37:57
所要時間:約 28 分で読めるそす







※この記事には『メイドインアビス』単行本10巻(アニメ版2期)までのネタバレを含みます!





イルぶるとは、漫画『メイドインアビス』に登場する村の名前である。
深界六層『還らずの都』に存在し、同階層での冒険の主な舞台となる。



概要


前線基地(イドフロント)』にて黎明卿の魔の手から逃れ、絶界の祭壇から無事?『絶界行(ラストダイブ)』を果たしたリコ・レグ・ナナチ(&メイニャ)。しかし六層に降り立った矢先、何者かにリコの大切なプルシュカを奪われてしまう事件が発生。残された足跡を追いかけた彼等の前に現れたのは、知性を持った成れ果て達が住まう謎めいた村だった…。


村の外観は巨大な塔のような建物のようにも、生き物の死骸のようにも見える。
入り口はもやのような膜で覆われており、内部にはなんと力場が存在しない。そのため六層の強い上昇負荷に関わらず、生身でも自由に動き回ることができる。
中は意外と広く入り組んでいて、食料や道具が手に入る市場や食堂、宿屋等の施設が揃う。
村の随所にはさかさまにした人型のようなマークが見られるが、これが何を意味するのかは不明。
また、村の端っこには深い穴の奥底に『目の奥』(ドグープ)と呼ばれる場所がある。村の秘密が眠っているというが、成れ果てたちはそこに近付くと本能的に参ってしまうため、誰も近寄らない無人の領域となっている。
『イルぶる(イルブル)』というのは現地の言葉で『村』という意味だが、他にも様々な意味合いが込められているという。

1900年前に飛行船による調査でアビスの存在が世界中に知られたのよりも遥か昔、「星の羅針盤」を頼りにして厳しい航海の末にアビスへと辿り着いた決死隊「ガンジャ」によって築かれた。
アビスの深層では時間の流れる速さが大きく異なるため、地上では2000年以上経過しているにもかかわらず村自体は成立から150年程度と意外と新しい。


イルぶるの住人

この村には異形化した人間である成れ果てが多く住むが、彼らは深界六層の上昇負荷で人間性を喪失した成れ果てと異なり、ナナチと同様に確かな知性を持つ。
ただしナナチがアビスの祝福を受け獣人となったのと異なり、彼らは『村に命を差し出し成れ果てた』結果こうなったという。そのため住人は基本的に村の内部でしか生存できず*1、またナナチに比べるとヒトの姿を保っていない者が多い。更にミーティとも違い不死身でないが、その不死性には惹かれるものがあるらしい。

最初期の住人はガンジャのメンバー十数名のみだったが、現在の総数はおよそ200名以上。
永い時が経つ間にアビスに潜った数多くの者が村に留まり成れ果てているとはいえ、絶界行を果たした人々にしては人数が妙に多いが、これには理由があり…。


文化

村の中では独特の概念『価値』があり、住人同士が価値をやりとりすることで成り立っている。
この価値というのは即物的なものだけでなく、その者が大切にしているものや、好きなこと、得意なことまで含まれており、行動や取引の対価として価値を得ているらしい(ボタン状の貨幣も使われている)。
イルぶるは人の魂の信号を見ていて、その人が何に価値を置いているか、どのくらいの価値を持っているかを知っているという。
そして成れ果てとなった村人にその者の欲に応じた身体と守りを与えるらしく、それ故成れ果て達は多かれ少なかれ欲に応じた姿をしているらしい。
他者の価値を奪うのは一番重い罪らしく、もし村の中で自分の持つ価値を上回る、他者の価値を傷付けた場合、どこからともなく黒い触手が現れ、『精算』と称してその者の持つ宝物を、足りなければ身体の一部を奪い去られてしまう。
この『精算』は傷つけるなどして喪失させた分の価値が集まるまで止まることはなく、集まった価値は被害者に払い戻される。

因みにイルぶるではヒトの子供の価値は(一部分だけでも)特段に高い。あまりにも高いので丸ごと買えるような者も価値を傷つけるような者もほぼいないため、その点ある意味安心ではある。
尤もヒトの子供に対する欲求は成れ果てにとっては本能的なものであるらしく、中には精算されると分かっていながら手を出すような輩もいるが。


……とまあシビアな部分もあるが、基本的にはアビスの中でも有数の、平和で住みよい集落だといえよう。
アビス内、特に六層ともなると安全な場所は殆ど無く、一度潜れば戻る事は困難。そんな過酷な世界で新しい姿を得て安全に生活できるというのは、進退窮まった者達にとってはまさしく希望なのだろう。
しかし、それは同時に奈落の先への憧れと探求を諦め、永遠の安寧の中に囚われる、すなわち探窟家としての死を意味しているとも言える。
最後の楽園のように思えるこの村もまた、大穴に存在する無数の罠の1つに過ぎないのかもしれない…。


『呼び込み』

イルぶるでは村人は基本的に村から出られないため生活にあまり変化はないが、そんな村にも定期的にイベントが発生する。
『呼び込み』と呼ばれるこのお祭りでは外部から生き物を呼び込んで狩りをし、村の価値の総量を増やして豊かにすることが目的である(獲物はヒトからかけ離れて大きいものが良い)。
といっても相手は六層のタフでワイルドな原生生物、武器を持っていてもいいようにやられてしまう。しかし村人が食われれば食われるほど、価値を傷付けたとして『精算』で体力を削れる上に、倒せれば結果的に価値の総量は増えるので、このような消耗戦が基本となるのだとか。
リコさん隊が村にやって来たのは丁度呼び込みの時期だったが、やって来たのは『オオガスミ』(命名byリコ)という過去に一度取り逃して成長した凶暴な捕食者だったため、村に甚大な被害を与えてしまった(が、久しぶりのお祭りに村人は満足したらしい)。


村の住人一覧


かつてアビスの底に挑んだものの行き場所をなくし、村に命を差し出して成れ果てとなることを選んだ者たち。成れ果てとなると村から出られなくなる代わり、イルぶるによる守りと『欲』に応じた身体を手に入れる。そのため住民は皆人ならざる異形の姿をしているが、基本的には親切で気のいい奴が多い。なんか全体的に性器モチーフが多い気がするのは気のせいだ、きっと。

一般住人

先述の通り村には200名以上の住人がいるが、ここでは名前が明らかになっている住人のみ紹介する。

  • マジカジャ
ハディまぇ(おやまぁ) 君たちも探窟家…なんだね」

CV:後藤ヒロキ
リコさん隊が出会った第一村人。5本足の竜を模したロボット、とでもいうような度し難い見た目をしているが、これはあくまで入れ物であり本体は匂い(気体)で出来ているらしい。
村でも珍しく共用語を含めた様々な言葉を知っている。怪しげな見た目に反して親切な性格で、イルぶるに迷い込んだリコ達を案内し村のシステムについて説明した。
普段の身体とは別に様々な入れ物を持っている。人形職人のジェズンという成れ果てが作っているそう。
オオガスミ襲来時には、リコのおさげを対価に山羊のような姿のスピードフォルム「速身体」を披露。討伐作戦に一役買った。*2
更にファプタ襲来時にはリコ達を守るため、兎のような長い耳と亀の甲羅のような収納を備えた巨大なディフェンスフォルム「強身体」に換装した。

  • マアアさん
「まああああー」

CV:市ノ瀬加那
成れ果ての一人。ゆるキャラみたいな顔とふわふわの身体に反し、どう見てもアレ♂にしか見えない右腕と何よりもクッソ汚い尻という相反する要素が脳を混乱させる外見をしている。基本的に「まあああ」としか喋らず、何と言っているかは他の成れ果てにも解らないため、便宜上鳴き声からリコに名付けられた。可愛いものが大好き。
初登場時は市場でリコ達と出会うものの、力加減が解らずメイニャを傷つけてしまった結果、大事な宝物と体の一部を『精算』されてしまった。
そこでフェードアウトしたかに思えたが、後にリコとメイニャが悪質な成れ果ての連中に絡まれている所にまさかの再登場。豪快な右フックと左アッパーで撃退し窮地を救う。
その後はリコ達と意気投合し同行。リコの頭に尻を乗っけたり、原生生物から庇ったり、膝枕をしてもらったりと八面六臂の活躍を見せる。

  • ムーギィ
「『睾丸焼き』っさぁ ワチのトコでしか出してねんぜ」

CV:斉藤貴美子
イルぶる内の食堂のおかみさん。足と髪が触手になった、直立歩行の両生類のような姿の成れ果て。
他と比べるとまだ人間の面影を残している。食堂で様々な客を相手にするため沢山の言葉を知っていて、共用語も(すこし訛っているが)流暢に話せる。面倒見のいい性格でリコに簡単なイルぶる語を教え、呼び込みの際は市場を守るために仲間を引き連れてリコ達と協力した。

単行本9巻には成れ果てる前の姿が、恰幅の良い中年女性として描かれている。成れ果てる前から料理人だったらしく、現在の姿や人物像に共通する所が多い。「ずいぶん前にここに流れ着いた」と語っていることから、おそらくガンジャの隊員ではない。
料理を作るお手伝いさんやたまにスープを飲むお手伝いさん、雑巾として使われるお手伝いさん等がいる。 お手伝いとは(哲学)

  • メポポホン
CV:石原夏織
ハニースク(宿屋)のご主人。ぬいぐるみのような成れ果てでいつも眠たげな顔をしている。メポポホンは「居眠りさん」という意味のあだ名で、本名は不明。
宿屋には、にょろっとしたお化けみたいな姿の恋人と、文字通りトイレのような姿の従業員(ウォシュレットつき)がいる。…きっと恐ろしく業の深い欲の持ち主だったんだろう。

  • 宝石のポリヨーン
村の工房に住まう楽器職人。蟹めいた姿で下半身は村と一体化しており、移動する事ができない。リコから(勝手に)預かったプルシュカ(ユアワース)を、本当の形である白笛に加工した。筋金入りの職人で、『とても官能的な彫り心地だった』『化粧できて絶頂した』などと言ってるあたり相当である。
オオガスミ襲来時はリコに白笛を託して逃がした後巨大化して立ち向かうも、敵わず捕食されてしまった。

  • エンベリーツ
CV:村井雄治
四角く平べったい体の下に無数の蝕手のような手を持った、クラゲのような姿の成れ果て。小さなものに体を這わせることが価値であり、ヤドネなどの小動物を飼育している。実は凄く渋いいい声らしい。
ファプタ襲来時にはパッコヤンに襲いかかったファプタをシュレカカと協力して弾き飛ばしたが、逆に体内に侵入され、ファプタを狙って棒で殴りかかってきたアジャポカに潰されてしまった。
元はガンジャの隊員。

  • シュレカカ
小さくて翼のある小動物のような姿の成れ果て。たくさん存在しいつも群れているが、実はボンドルドのように群体で一個人。見かけによらずとても強くて怖いとか。
元はガンジャの隊員。

  • サバッサ
CV:武田太一
ひょうたんから管が伸びたような奇妙な姿の成れ果て。見た目通り自分の身体に管を通すことを価値にしている。
元はガンジャの隊員。

  • ミスケソー
CV:中村源太
トゲだらけの甲殻類みたいな成れ果て。他者の身体を切り裂くことを価値にしている。切り裂いてほしがる人がいるのだろうか…。

  • モイチェモ
CV:広瀬さや
食堂で睾丸焼きを食べていた成れ果て。ファプタに(中から)腹パンされた後のレグが助けたのもこの人。
「成れ果て村人アクリルキャラスタンド」の195体セット(税込20万9千円)という度し難いグッズを竹書房STOREで購入した場合に特典として付属するアクリルスタンド196体目の成れ果てでもある。
腹にドラえもんみたいな見た目のポケットがある。

  • ピギムゥ
ベラフの家に住んでいる成れ果ての1人。頭頂が巾着状で、目は乳首のような形をしている。
仲間たちと共に村の外に出しても消えない外由来の遺物でヘルメットを作ってナナチに託した。
作者のツイートや9巻カバー下でヘルメットを設計していた様子などからすると、どうやら匂いでナナチの記憶を見てナナチが旅立つ時のためのヘルメットを作っておいたらしい。
単行本9巻には成れ果てる前の人間女性の姿が描かれており、かつては垂れ目で口元のほくろがチャーミングなお姉さんだったことが判明。どうしてこうなった

  • ガウメ
CV:丹羽正人
身体に大量のヘルメットを付けている成れ果て。市場でライザの封書の一部を売っていた。
元はガンジャの隊員。アニメでは成れ果てる前の姿が描写されており、長身・黒髪・三白眼の男性。原作的には装置で亡骸の海を降りるシーンにいる背が高い人。

  • アジャポカ
CV:田島章寛
呼び込まれたオオガスミ襲来時、市場を守るため集まった村人たちに「ファッツェンぶれェ(いくぜ皆のもの!!)!!」と号令をかけていた成れ果て。頭の横に角が生えている。
原作では名前が不明だったが、アニメにて元ガンジャの隊員であることが判明。成れ果てる前は、頭に布を巻いて髭を生やした大柄な男性だった。
ファプタ襲来時はエンベリーツの中に入ったファプタに棒で殴りかかるも、エンベリーツだけを潰してしまい精算されてしまった。

  • パッコヤン
CV:美坂朱音
青髪の単眼娘の成れ果て。首から下はナナチほどもふもふではないが獣人めいた姿をしており、顔立ちも普通に可愛い。
呼び込みによるオオガスミ討伐時に初登場し、その後もちょくちょく姿を見せるが、名前が明らかになったのはイルぶる編終盤になってからだった。
単行本9巻には成れ果てる前の姿が描かれている。当然ながら単眼ではなく、素朴な雰囲気の少女。
元は決死隊・ガンジャの隊員であり、アニメ2期1話で「ヴエコ!来て下さい!」、2話で「黄金卿は本当にあったんだぁ……!」と言っていた青髪の女の子はこの人である。
ヴエコの補佐役のような立場だったのかヴエコを呼びに来るシーンがたびたび描かれている。あとヴエコとレズセックスするシーンも描かれている。
最期は、村の境界外になってアビスの力場が入り込んでいる場所で六層の呪いを受けたヴエコを我が身を省みず境界内に引き戻し、上昇負荷による成れ果て化を意識が残る程度に食い止めることに成功。自身は村の境界外に出たため消滅した。

三賢

イルぶるのトップに立つ3人の成れ果てで、かつて村を作ったとても偉いボス。といっても特に支配者らしい事はしておらず、それぞれ気ままに暮らしている。
村の成り立ちについて知っている筈だが、それについて幾ら尋ねられても「知らね」で通したり、何故か新しい言葉であるはずの共用語を話せるなど謎が多い。

  • ワズキャン
「グ~~~~~~~~ッド 何よりだね」

CV:平田広明
2本の角が特徴的な、巨体の三賢。イルぶるの実質的なリーダーを務める。
顔はドクロと太極図を組み合わせたような見た目をしている。が、これは外殻(縦に割れる)であり、その中に本当の顔を隠している。
「いいね!」「イエーイ」が口癖で、性格は非常にフレンドリー、かつ軽い。
意外と博識で襲来したオオガスミの生態について熟知していた(が、本人が呼び込みに遅刻した為あまり役に立たなかった)。
ベラフに買われてしまったナナチを取り戻したいリコに、『価値の化身』ファプタの一部を手に入れ交換することを提案する。

  • ベラフ
「ヒトの子… うつくしい…」

CV:斎賀みつき
巨大な人面の龍のような、美しくも悍ましい姿の三賢。
一見目のように思われる切れ込みは実は2つの口である。つまりリコを見て涙を流したように見えたのは…。
小さくて可愛い生き物が好きらしい。たとえそれが成れ果てでも…。
かつて黎明卿が村を訪ねた際には連れていた不死のミーティを欲しがったが譲ってもらえなかったため、742本の手足全て・体長の5割・感覚器の一部を対価として還元し、イルぶるからミーティの完全な複製を生成する。
綺麗に壺に飾って喫ミーティなどして楽しんでいたが、それを見るに見かねたナナチが自身の身体と交換を申し出たため、喫ミーティは出来なくなったものの実質的に2人とも手に入れる。ナナチを取り戻しに来たリコに対し、リコの両目・両足・臓腑の半分のどれかを交換条件として提示するが…。

  • ジュロイモー
「ボロロロロロォ!」
三賢の1人。触手に覆われた異形の巨人。
意味のある言葉は発することがなく、知性は感じられない。激しい営みを価値としており、外敵が侵入すると勝手に出てきて戦いだす。その際体の穴から業物を取り出すのだが、どう見てもあの棒♂あの穴♀から引き抜いてるようにしか見えない。おまけに両頬にはあの玉のような袋がぶら下がっている始末…。
オオガスミとは互角の戦いを演じたが、周囲が狭くて混んでいた為か業物の持つ古の力を発揮できず、最後は押し負けて動かなくなってしまった。
どうやら三賢の中では新参者のようで、村の成り立ちには関わっていないらしい。

謎の人物

  • ヴエロエルコ
「じぶんは…『ヴエロエルコ』 長いから『ヴエコ』って呼ばれてる…」
「時に憧れは本能をも制する だよねリコ」

CV:寺崎裕香
『目の奥』に全裸で監禁されていた謎の女性。愛称はヴエコ。
捻じ曲がったような長髪の美人でスタイルも良いが、引っ込み思案でいつも自信なさげにオドオドしている…と、この作品では珍しいタイプの人物。しかし確固な自分を持ち、アビスへの憧れにも理解を示す。レグを見て久しぶりの少年の柔肌に興奮する原作者と同じ性癖の持ち主。
本人曰くイルぶるの誕生に一枚噛んでいて、かなりの大昔(少なくともまだ白笛や六層という概念が無かった時代)に奈落へ降り立ったものの、最早どうにもならない状況でも最後まで村を作る事に反対したため暗がりに封じられたという。永い間『信号』を通して村を覗きながら清算の触手に名前を付けたりして過ごしていたが、ナナチを探すリコに解放して貰い、行動を共にする。
村の成り立ちについては「呪われているといっていい」「地獄の中で何もかも麻痺して、じぶんたちが地獄を作り出す側になってた」というが、同時に長い年月を経た現在では結構悪くないトコロになっている、とも評している。


関連人物

  • ファプタ
「そす… めあてが でてきた」
「おまえ…『ヒトのこ』とおなじじかん あゆむつもりか?」

CV:久野美咲
『成れ果ての姫』『価値の化身』とも呼ばれる、成れ果ての少女。
↓の干渉器から「ファウ(尊い娘)+アプタ(不滅のもの、永遠)」を組み合わせて「果てぬ姫君」ファプタと命名された。
黒い肌にもふもふの白い毛、4本の腕を持つ獣人の姿が特徴。目の大きな可愛らしい顔だが、怒ったりすると黒目が極端に小さくなりかなり怖い。その上ノーブラ(一応ゴーグルで胸を隠しているがよくポロリする)にデベソと、相変わらずニッチな層を突いてくるデザインである。
レグを押さえつけ傷をつけられる強い力を持ち、上昇負荷を受けずに飛ぶように移動する事も可能。村の成れ果てと違い村の外で自由に行動しできるが、どうやら逆に村の中へは入れないらしい。
リコとナナチの毛を抜き、プルシュカを盗んだ張本人。記憶を失う前のレグとは親しい仲だったらしく、この行動も本当にレグかどうか確かめる為にしたという。
村から出てきたレグを拉致し、「レグは自分の所有物であった」「リコが名付ける前からレグはレグと名乗っていた」と主張。話が噛み合わず立ち去るレグに、本当に人間と同じ時間を歩むつもりなのかと問う。

  • ガブールン
「出来る限り早く去られり われにファプタは止められぬ あの村も止められぬ」

CV:竹内良太
ファプタが乗り物代わりにしている巨大なロボット。自我を持ち、古風な口調で喋る。
『ショウロウ層』(またの名を深界六層)を調査するために何者かが設置した『干渉器』の一体。
自らの創り主の情報は知らず、他の各層に置かれた干渉器との通信も絶えて久しいという。ボ卿みたいな連中に攫われたか…。
大きさは違えど伸びる腕や全体的な意匠がレグと非常に似通っているが、レグのような干渉器の情報はないため自身と同一の創造者によるものかは疑問視しており、それ故に層を跨ぎ奈落に潜れるレグが謎を解明してくれる事を願っている。あとレグと違って方向音痴じゃない。
実はファプタの名付け親であり、その褒美としてファプタから「女王の守護者」を意味するガブールンという名を与えられた。

ご存知我らがクソ外道。
五層と六層を移動できる彼は過去に幾度か村を訪れた事があり、何度目かの訪問の際にはミーティを連れて見せびらかしていたらしい。
尚彼のカートリッジはこの時点では不完全であり、六層の上昇負荷に完全には耐えられないため、恐らく祈手達はリレー形式で情報を持ち帰ったと推察される。


  わたしの かわいい 踏みにじられた かわいそうな
  • イルミューイ

食べ物


彼等もまたヒトの子、当然食事も摂る。
価値に食が絡んでいる成れ果てが多いらしく、食堂はいつも大忙しだとか。

  • クベキャサス
宿屋にて出された、メポポホンさんが作ったごはん。クベク(焼いた材料)+ヤッサス(すする)という意味。
炒った穀物のような香りで味も結構イケる…のだが、大量に羽虫が集っているあたりどうも腐ってるようである。
リコは貧乏根性で平らげた結果見事に腹を下し、しばらくの間(連載期間にして1年間)トイレの住人となってしまった。 

  • 睾丸焼き
リコが食堂で頼んだ料理。
バレーボール大のタマを匙でつついて破裂させ、中の燻製をいただく。アチアチの激辛だが幾らでも食べられるうまさ。
…実は睾丸というのは比喩でもなんでもなく、お得意様から提供された睾丸を使っているらしい。沢山ある上に辛い何かが詰まってる睾丸とは一体…。ジュロイモーが提供しているのだろうか

  • マアアさんが食べてたやつ
プディングのような見た目の何か。表面は堅いが中はふわふわ。↑に比べると普通に美味しそう。

  • ミーティ
ベラフのお気に入り。いくら吸っても無くならない魅惑の一品。
かわいらしく壺に飾って見た目もグッド。


言語


イルぶる内ではオースなどで使われる共用語(公用語)とは違った独自の言語・文字が使われている。この言語は一つの言葉が複数の意味を持つことがあるのが特徴で、文法も公用語と異なる。
オースでは『 奈落文字(ネザーグリフ)』という、絵文字に公用語の音を当てた文字が使われているが、この絵文字はアビスの遺跡内で見つかる、それ自体が意味を持つ表意文字『悠遠の文字(ビヨンドグリフ)』から一部の簡単なものを抜き出して使用しているらしい(仮名文字と漢字の関係に近いだろうか?)。イルぶるではおそらくこのビヨンドグリフを基にした言語が使われているのだと思われる。
結構複雑そうだが、食堂のおかみさん曰く「幾つか覚えればあとは慣れ」だとか。

旅先で使えるイルぶる語(一部)
単語・文章 意味 備考
ハディまえ 「ああ」「おっと」や感嘆符を表す 「ハディま」「ハディ」とも
ジャコぷふ 「たのむ」が4割、「特別」が3割、「刺激」が3割
イェンメェ 「ありがとう」が8割
コンぼす 了解の意
ラホッス 「してほしい」「おねがい」
マェン 甘めの肯定
ンガム 甘めの否定
リェゾーチ 「ごめんなさい」
ファモ 「またね」
~そす 「です」「ます」等の丁寧語 ファプタが多用する
シュカエイギィツ ゴッシュソス 「私を買うと破産します」
ラホッチュソス ジンシーツファッフ 「ロボおよびふわふわを求めています」 「ジンシー」がロボ、「ファッフ」がふわふわか?
ファッツェンぶれェ 「いくぜ皆のもの」
ハニースク 宿屋 メポポホンさんの所以外にあるのかは不明
メディボー 楽器。命の意思を伝える音を出すもの
イル 貨幣 ボタンのような形のものが流通している
イルぶる 「村」が5割、「ゆりかご」が4割、「母」が1割 「イルブル」とも
シイ 最初の価値、ささやかな願い 一本の線で表される
クウ 価値の重なり、積み重なる願い 二本加えた平行線
グツ 価値の結晶、願いの凝結 三本の集中線
メイ 途方もない価値、願いの解放 グツに二本付け加えた形
ハク 最も高い価値、願いの顕現、魂の形 メイに円を足した、さかさまの人型





村は閉じた揺り籠だ



囚われれば価値は移ろい 憧れは果たされり



永遠の安寧の中で 旅は終わる




「アニヲタは追記・修正が価値の成れ果てだよ」

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最終更新:2024年11月08日 22:37

*1 これは住人のみならず、村の内部で生み出されたものも同様であり、村の入り口の膜を越えると消滅してしまう。

*2 速身体を動かすには価値が高い特殊な食べ物が必要でボディ自体も価値が高い一点物なので、精算を受けずに速身体による助力を得るには相応に高い価値の支払いが必要。