十二大戦対十二大戦

登録日:2017/12/20 Wed 00:41:09
更新日:2025/03/05 Wed 23:11:43
所要時間:約 27 分で読めます






十二支の戦士VS十二星座の戦犯


『十二大戦対十二大戦』は西尾維新の小説作品。2017年に集英社より発売された。
挿絵は前作と同じく中村光が担当。


◼︎概要

十二大戦』の続編となっており、前作とは異なる十二大戦の様子が描かれる。
第十二回十二大戦は前回で終わったのでは?と思うかもしれないが、これは別のルートにおける十二大戦であり、前作とはまた異なる内容となっている。
前作においては寝住の勝利という結末が事前に分かっていたが、今回は誰が生き残るのか、誰が勝利するのかは未知数。

前作では通常の十二大戦、つまり十二戦士による殺し合いが行われたが、今回の戦いは十二支の戦士と十二星座の戦犯に分かれて行われる。
勝利条件は「十二戦犯を全員捕える事(生死問わず)」であり、それが達成されれば生き残った十二戦士全員の願いを叶えるという破格ぶり。

『十二大戦』と同じく十二章構成であり、各章の最初に十二戦犯の来歴が書かれているが、前作と違ってその順番に死んでいったりはしない。



◼︎あらすじ


十二年に一度行われる、十二支の名を冠した戦士達の戦い。その名は『十二大戦』。
だが、その第十二回大会は十二星座の戦犯に狙われていた。
戦士と戦犯の、苛烈にして壮絶な殺し合いが幕を開ける――!!



◼︎登場人物


以下、深刻なネタバレ箇所については折り畳みにしております故、ネタバレ注意にてお願いいたします。



十二支の戦士

前作でおなじみの面々。
突然のルール変更、しかも戦士同士が殺し合うのではなく手を組むという内容に困惑ぎみ。
戦闘能力は全体的に戦犯よりも高いが、各々の事情からくる参加姿勢の差異や、一人を複数人で殺しにかかってくるチームワークを受けて劣勢となる。


  • 寝住
『子』の戦士。
百通りの確率世界を同時に体験する干渉力「ねずみさん(ハンドレッド・クリック)」の使い手。
前作ではこの能力によって自分が勝利するたった1つの世界を確定させ、第十二回十二大戦の優勝者となった。
今回の十二大戦は、死んでも参加したくなかった寝住が能力をフルに使いまくった挙句に生まれた百一番目のようなものらしい。
バグやエラーに近いとの事だが、戦士全員での協力という状況は非常に魅力的なため追求したいと考えている。

『寅』や『午』の単独行動にやきもきしたり、『卯』の思わぬ協力的な態度に驚いたりしながらも、何とか無事チームを結成できないかと気を揉み続ける。
また、無数の世界軸を同時体験しながら殺し合いをしてきたせいで、少年ながらも精神性がすっかり擦り減ってしまっている模様。


  • 失井
『丑』の戦士。
通称「皆殺しの天才」。何の変哲もないサーベル「牛蒡剣」による凄まじい戦闘力を持つ。
戦士サイドの主力の1人と言えるが、今回の特別ルールに対しては懐疑的。
当日会場でいきなりのルール変更、しかも報酬が全員の願い達成というあまりの破格ぶりから、今回の大戦そのものが信用に値しないとすら考えている。

『子』によれば「情報戦や腹の探り合いに強いとは言えない戦士だが、すげー直感の持ち主」とのこと。
また「鋼のようなマイペース」とも評価しており、前作での「正しい事をする方法」のくだりからもその気質は窺える。
とはいえ、事態が事態だけに皆で協力すること自体に関しては吝かでもない。


  • 妬良
『寅』の戦士。
自分を弱く見せるのが得意な、酔拳使いの女戦士。血でも酔えるらしい。
今回はコンビニもスーパーも放置自動車も存在しない島が舞台のためアルコールが手に入らず、素面のままで調子が出ずにいる。
元々前作でも、最初の集合時点ではアルコールを飲んでおらず常に現地調達していた。
血でも酔えるとはいえ戦闘スタイルからすれば必携のはずだが、その辺はあまり深く考えてないらしい。頭が弱いとか言うな。

彼女の目的は『丑』と戦うことだったため、十二戦士の共闘という状況には不満たらたら。
「付き合ってられねえ。あたいは好きにやらせてもらう」と早々に単独行動をとる。何という[[死亡フラグ]]。
案の定、海から突然現れた『魚』の戦犯ドクター・フィニッシュと遭遇。
素面だったのもあり雑談で時間を稼がれ、『牡牛』の戦犯ルック・ミーという増援までもが到着してしまう。


  • 憂城
『卯』の戦士。
能力は殺した相手を「お友達」にする「死体作り(ネクロマンチスト)」。
しかし彼自身は生きている人間とお友達になりたかったらしく、今回の共闘へは意外にも乗り気。
もっとも、それが本心なのかどうかは誰にも分からないが。

余りにも怪しい風体と白々しい雰囲気から、他の戦士たちも真に受けず一触即発の空気にすらなってしまう。
そこで「死体作り」という能力を自ら明かし、彼と組む大きなメリットを提示した。
殺した相手を自陣に引き入れられることの有用性は明白で、相手がチェスならこちらは将棋をやれるようなもの。
『酉』が考えなしに(本当はあるのかもしれないが)賛同したのもあって、場の空気は一変する。


  • 断罪兄弟
『辰』の戦士である兄と、『巳』の戦士である弟の双子戦士。
かつては弾劾裁判にかけられ、戦犯になりかけた事もある「限りなく戦犯に近い戦士」。
実は自分達を無罪にした張本人である『天秤』の戦犯バロン・スーから戦犯側への勧誘を受けており、どちらに付くべきか思案中。
他の戦士たちよりも戦犯の情報全般に通じており、『双子』の戦犯ダブル・マインドのことが嫌い。
自分達が『辰』と『巳』の戦士なのに対し、ダブル・マインドが『双子』の戦犯として一括りで扱われているのが気に入らないらしい。

いい所のなかった前作に比べ、目まぐるしく変化する状況を冷静に見つめる思慮深さが描かれている。
単独行動に走った『寅』たちが無事ではないだろうと予想しつつも、潜入に長けた戦犯がいるため団体行動も危険とみて戦士たちからは距離を取る。
生き残るのであれば戦犯側に付くのも得策そうではあるが、戦犯側の今大戦におけるメリット*1が見えないため踏ん切りもつかない。


  • 迂々真
『午』の戦士。
驚異的な防御術「鐙(あぶみ)」を備えている巨漢。
元々無口な男だが、今回はマジでほぼ喋らない。

『寅』と同じく、早々に戦士たちの下から離れて単独行動を始める。無言で。
モノローグすら全く無いので、どういう考えがあったのかも分からない。


  • 必爺
『未』の戦士。
手榴弾を始めとした爆発物を扱い、十二大戦の優勝経験もあるお爺ちゃん。
相変わらず、機を見るに聡い老獪さを持つ。

彼もまた単独行動を宣言するが、それは「平和主義者の『申』なら引き留めるだろうからそこで有利な条件を引き出そう」と考えてのこと。
しかし引き留めてもらえなかったため本当に単独行動を取る羽目になる本末転倒ぶりを披露。
それでも状況によっては共闘に戻ろうと、図太く考えていた。


  • 砂粒
『申』の戦士。
十二戦士の中でも突出した力を持ちながら、自らそれを封じている平和主義者の女性。
今回のルールは正におあつらえ向きかと思いきや、まるで自分が考えたような甘いルールだとして逆に戸惑っている。
何せ全員の願いが叶うなら戦士同士で殺し合う必要はなく、戦犯の生死を問わないなら生け捕りでも構わないのだから。

それ故に考えあぐねて後手に回り、戦犯サイドの先手必勝を許すという失態をさらす。
前日譚によると、今回の十二大戦がこのような事態になりうるという情報は入手済みだったようだが、流石に戸惑いすぎなので別の世界線の話らしい。
『亥』の叱咤激励で気を取り直してからは持ち前のリーダーシップを発揮、十二戦士たちをまとめて反撃の糸口を探る。
卓越した能力で逆境を覆していく様子は、まさに今作の主人公。ツンデレヒロインと化した『亥』も居るし。


  • 庭取
『酉』の戦士。
あらゆる鳥類と意思疎通できる能力「鵜の目鷹の目」を持つ。
強くはなくとも強かな彼女は、仲間意識こそ薄いものの共闘自体には意欲的。
そのマイペースさが良い方向で役立つ場面も少なくない。戦士の死体を平気で「鳥葬」したりするけど。

相変わらずバカっぽい言動で周囲を度々困惑させるが、彼女の能力は『申』率いる戦士サイドに大きく貢献した。
単なる監視や情報収集に留まらず、無数の鳥で空飛ぶ絨毯を作ったり、竜巻のごとき目くらましで複数人を脱出させたり、有毒性の鳥を攻撃手段としたり。
これには『魚』の戦犯ドクター・フィニッシュも、まるで魔法少女だと舌を巻いた。


  • 怒突
『戌』の戦士。
強力な噛みつき「狂犬鋲」を持つが、それを隠れ蓑にした「毒殺師」が本質。
素質ある子供を適切な組織へ売り飛ばす事を生業としているが、それは一般社会だと生きていけない子供を見殺しにするのが嫌だったから。
法に触れないよう気を付けてはいるが犯罪行為であり、断罪兄弟と同様「限りなく戦犯に近い戦士」と言える。
だが彼に言わせれば「戦犯と戦士の違いって何だ」といった所らしい。
『亥』を「レディ」、『申』を「ねーちゃん」、『酉』を「がきんちょ」と呼ぶ。これに対する各々の反応が可愛い。

今回の大戦では、意気揚々と臨んでいた前作からは想像も出来ないほど消極的になっている。
理由は『山羊』の戦犯ゴー・トゥ・ヘヴンと、『魚』の戦犯ドクター・フィニッシュ。彼女たちは己の手で出荷した商品であり、かつての教え子だった。
向こうが覚えているかは分からないし、覚えていたとしても恨まれている可能性のほうが高いが、とにかく色々と割り切れない。
そんなモチベーションの低さが、本来なら相性の良くない戦士たちとのスムーズな協調という形で表れることになったのは皮肉である。


  • 異能肉
『亥』の戦士。
銃火器の扱いに長け、機関銃をいつまでも撃てる能力「湯水のごとく(ノンリロード)」を使う淑女。
『申』とは因縁があり、いつか殺すと誓っているが向こうからは親友扱いされている。
実は『亥』のほうも『申』のことが大好きで、戦場でよく会うのも『申』が居そうな戦場に彼女の方から足を運んでいるから。
妹を殺してまで十二大戦の参加資格を得たのも同じ理由。前日譚では普通にカフェでいちゃついてるし。
「あなたを殺すのはこのわたくしですわ」なんていう台詞を言ったこともあるらしい。莫迦な…『亥』があざと可愛いだと…!?

作中では凄まじいツンデレヒロインと化して、『申』との名コンビっぷりを見せつける。
うなだれていれば頬を張って叱咤激励するし、倒れていれば我を忘れて駆けつけるし、その心中にはいつも『申』の姿があった。
十二戦士でも屈指の攻撃性能を持つ「湯水のごとく」によって、攻撃の要とも言えるポジションで立ち回る。



十二星座の戦犯

今作から登場する新顔たち。
卓越したチームワークで常に多対一の状況を十二戦士たちへと強いており、全編を通して大戦を優位に進めていた。
反面、チーム行動を基本とする故に反撃されれば複数人がまとめて倒されてしまう場面も多く、また元来「生」への執着が薄い傾向にあるため脱落する時は一気に脱落する。

  • フレンド・シープ
『牡羊』の戦犯。本名「メーランド・シェリー」
願いは「お洋服が欲しい」。肩書きは「数えて殺す」。
世界に冠たる服飾ブランドの会長である父と、一流モデルの母を持ち、自身も読者モデルの経験がある少女。
(ただし余りに恥ずかしかったため、自費で雑誌をすべて回収している)

「恵まれた生まれを世界に還元しなければならない」という強烈な使命感に駆られ、十代前半から戦場ボランティアに参加。
森林限界よりも遥か高地の戦場で、国のために戦う兵士に暖かいセーターを提供するという活動を行っていた。
しかし材料となるウールが尽きた時、敵国の捕虜を殺して毛髪や皮膚、筋肉や内臓をフルに使った防寒着を作成。
それを兵士たちどころか、生き残った捕虜にも底なしの善意で無料配布したため「捕虜虐待」の罪で戦犯となった。
そんなぁ、みんな羅生門を読んだことがないの? とは本人の談。


  • ルック・ミー
『牡牛』の戦犯。本名「ルーク・ミッシェル」
願いは「赤ちゃんが欲しい」。肩書きは「誓って殺す」。
常にウェディングドレスに身を包み、「ここに誓います」が口癖の女性。
対戦相手と自分の遺伝子を混ぜ合わせて全く新しい戦士を瞬時に生み出す「想像認信(イマジナリー・チャイルド)」の使い手。
しかし新生児の寿命は約5分であり、どろどろに溶けた我が子をいつも偲んでいる。

戦地生まれの嬰児を自分の子供と思い込んで誘拐を繰り返し、「未成年略取」の罪で戦犯となった。
ただ、赤ちゃんでなくなれば親元に返している。意外なほど探偵能力があり、死んでさえいなければ必ず両親を突き止めるんだとか。
ネーミングセンスが壊滅的なため、勝手につけた名前は例外なく不評らしい。


  • ダブル・マインド
『双子』の戦犯。その星座の通り、双子の姉弟。本名は「W-2222」「M-2222」
願いは「選択肢が欲しい」。肩書きは「選択の余地なく殺す」。
とある軍事組織のイリーガルな人体実験によって生み出された双子の姉弟だが、一人の卓越した戦士を生み出す実験だったため双子のダブル・マインドは失敗作とされた。
存在を隠蔽され別々の場所に幽閉されたものの、双子ゆえにお互いの存在を感じ取っており、それを支えに過酷な監禁生活を生き抜く。
やがて軍事組織が崩壊して別々に救出されたのち、戦場で再会を果たした。
ちなみに『辰』と『巳』が一卵性の双子なのに対して、ダブル・マインドは二卵性。互いが互いを補うような外見をしている。

罪名は「窃盗罪」。
しょぼいと思うなかれ、盗んだものは空母と原子力潜水艦。世紀の大犯罪である。
双子の精神感応を利用したオートパイロットで自在に操れるため、戦犯の中でも攻撃規模は最大。


  • サー・カンサー
『蟹』の戦犯。本名「シーザー・カエサル」
願いは「名誉が欲しい」。肩書きは「紳士的に殺す」。
『申』の前に平和の使者と呼ばれていた男であり、地球上から戦争を一掃できる存在として崇め奉られていた。
終戦にとどまらない「完全なる和解」を交渉のゴールとしており、終戦後もしつこく交渉を続けていた結果二重スパイの嫌疑をかけられ「内通罪」で戦犯となる。
実際、手段を選ばず法律ぎりぎり*2の交渉も手掛けていたため、釈明の余地はなかったという。

実は第八回十二大戦の優勝者でもあり、当時十二歳の少年だったサー・カンサーはわずか十二分で優勝してみせた。
しかし「それを記録に残さないこと」を願ったため、その事は誰も憶えていない。


  • ダンディ・ライオン
『獅子』の戦犯。本名は同じ。
願いは「星が欲しい」。肩書きは「統べて殺す」。
元々は巨大国家の空軍落下傘部隊所属のソルジャーだったが、圧倒的なカリスマで人心を掌握し、国民から絶大な支持を得た上で政府を転覆させた。
しかしその後、賊軍及び反対派への苛烈な処刑が国際社会で物議をかもして政治的に敗北、「国家騒乱罪及び反逆罪」で戦犯となり亡命する。
なお、彼が去った後の国は周辺国からの侵略を受けて分割統治の後に消滅。
侵略の指揮を取っていたのは亡命後の彼だったとも言われるが、真偽は不明。

ちなみに「十二星座の戦犯」を最初に名乗ったのは彼。
しかし生来の誕生日が獅子座ではなかったため、暦を改変したとか。


  • アイアン・メイ
『乙女』の戦犯。本名「アンディ・マルアル」
願いは「ご主人様が欲しい」。肩書きは「仕えて殺す」。
常にメイド服を着ておりパッと見では可愛い女の子で、魔法少女を名乗ってもいるが性別は男
表紙や扉絵イラストをよく見ると、胸元から(ムキムキに鍛えられた)立派な胸(筋)が見える。
厳格な男尊女卑と荘厳なレディーファースト、厳正な男女平等が鼎立する謎めいた新興国に生まれ、徴兵を避けるために両親から女として育てられた。
体制側に発覚したためペナルティとして過酷な戦場に送られるが、上官や敵軍の長へと巧みに取り入り戦闘を避け続け『籠絡の女神』と呼ばれるようになる。
その後も敵味方入り乱れて逃亡グループ「乙女座銀河団」を率いる事になり、「敵前逃亡罪、猥褻物陳列罪、その他軽犯罪多数」で戦犯となった。

魔法少女を名乗るだけあって、箒で空を飛べる。
魔術に通じていた祖母から受け継いだらしいが、竹箒と見せかけてスチール製。


  • バロン・スー
『天秤』の戦犯。本名「アーロン・スミス」
願いは「罰が欲しい」。肩書きは「間を取って殺す」。
主に戦争裁判を担当する裁判官だったが、どんな裁判でもほぼ無罪判決しか出さず、罪を許すためならどんな手段でも使う。
当然そんな無茶が続くはずもなく、最高裁判官に就任して五年目で自身が訴えられる結果となり「法廷侮辱罪」で戦犯となった。
無罪にして貰っていた加害者たちも、その極端な姿勢は庇いようがなかったという。

装いからは男性に見えるが、実は男装の麗人*3
己の象徴として天秤を持ち歩き、巨大な分銅を武器としているが失敗だったと思っている。重いし。


  • スカル・ピョン
『蠍』の戦犯。本名不明。
願いは「名前が欲しい」。肩書きは「嫌々殺す」。
詳細不明の戦犯にして、実在すら疑われる伝説の暗殺者。性別すら不明。
罪名も不明だが、十二大戦の願いでも免罪どころか減刑ですら不可能かもしれないと言われている。


  • ウンスン・サジタリ
『射手』の戦犯。本名「臼杵指足(うすき・さしたり)」
願いは「住所が欲しい」。肩書きは「狙い澄まして殺す」。
和装と典型的なござる口調に対して、実は和食全般が苦手だったりする。
特におにぎり。素手で握ったものを食べるとか正気でござるか?

元は軍事産業コンツェルンの社員だったが、横行する不正への義憤から業界内の秘匿データを世界に向けて公開。
不正は撲滅したものの軍事兵器の設計情報や取扱説明書も拡散してしまい、数百万~一千万人もの犠牲を出した結果「機密漏洩罪」で戦犯となった。
その反省から近代兵器ではなく弓矢を使用し、並々ならぬ修練で「不射の射」を体得する。


  • ゴー・トゥ・ヘヴン
『山羊』の戦犯。本名「梧桐ヴァルキリー」
願いは「健康が欲しい」。肩書きは「病的に殺す」。
妊娠中の母親が対人地雷によって爆死し自身もバラバラになったが、イリーガルでアンモラルな医療技術を駆使して繋ぎ合わされるという壮絶な出生を持つ少女。
この「胎教」によって地面を直接歩くことに恐怖を覚え、車椅子での生活を余儀なくされた。
母親が死に、父親は元からいなかったため、あちこちの国で売られたり買われたり攫われたりを繰り返しながら世界中を転々とする。

罪名は「違法兵器所有罪」。
世界のどこに行っても懲りずに行われている戦争行為への嫌悪感により「世界からすべての地雷を撤去する」という目標を立て、超強力な地雷を作成した為。


  • マペット・ボトル
『水瓶』の戦犯。本名「トーマス・B・トールズ」
願いは「水が欲しい」。肩書きは「ウェットに殺す」。
十二戦士に憧れる少年時代を過ごし、自分もいつか命がけで戦いたいと思っていたが、故郷は政治的空白に基づく非戦闘地帯であり機会は訪れなかった。
訓練だけを続ける日々に業を煮やした結果、敵襲に見せかけた放火行為をして自分でそれを消すというマッチポンプに手を染める。
次第により大きな火災を求めるようになっていき消化しそこねて自分の故郷を焼失させ、その失敗を隠蔽するためにダムを決壊させて一帯を水に沈めた。
しかし終戦後、勝利国の検証によって過去の悪事が根こそぎ暴かれ「放火罪」で戦犯となる。

着用しているレインコートは防火性。
炎へと飛び込み続け、人々から賞賛され、もっとも輝いていた日々の思い出の品なのだ。


  • ドクター・フィニッシュ
『魚』の戦犯。本名「ノクターン不二」
願いは「モルモットが欲しい」。肩書きは「生かして殺す」。
年端もいかない子供でありながら収容所で医療行為を行い、それを見世物にされていた。
収容所の所長と結婚し、釈放されるも新郎と一族を毒殺して逃走。戦場各地の野戦病院に素性を偽って務め、世界中に名を轟かせることになるが当然違法。
裏で行っていた人体実験も露見したため、数々の「医師法違反」の罪で戦犯となった。

大人びた女医さんに見えるが、それはメイクの賜物。
年齢で軽んじられるのを嫌っており、アンチエイジンングならぬエイジング化粧品を開発している。
















追記・修正はすべての戦犯を捕えてから行ってください。
エブリバディ・クラップ・ユア・ハンズ!


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最終更新:2025年03月05日 23:11

*1 本来の十二大戦における「願いの成就」のような特典

*2 ぎりぎりアウトの意

*3 作中では推測に留まっているが、『ジャンプ+』における対談で西尾維新は「男装の麗人設定」「スカル・ピョンを除いて男女比が1:1となるように戦犯のキャラを作成した」と述べている

*4 少なくとも『申』自身は避けることが出来なかった

*5 『酉』が逃げない、『戌』が迷いを振り切る、『亥』が真空注射でなく毒薬を使われて無効化に成功する、など

*6 そうするのが戦犯サイドの作戦ではあったが、死んだ二人は元々死にたがっていたうえ自殺を指示したのもサー・カンサーである