エンキドゥ

登録日:2012/02/12(日) 17:25:30
更新日:2024/03/03 Sun 22:20:15
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エンキドゥあるいはエンキドとは、『ギルガメシュ叙事詩』に登場する人物である。ちなみに名前の意味は「野人」。


●その生涯
ギルガメシュの圧政に苦しんだ人々の嘆願から、神々によって粘土より創造されたとされるが、地上に下りたころは知性もなく獣そのもので、野山を駆けまわっていた。

しかし水飲み場に現れた神殿の巫女にして娼婦、シャムハトに誘われ、六晩と七日交わりあうことに。

それにより過剰な精力を出し切った結果、気が付くと以前のように獣に匹敵する身体能力を失ったが、それと引き換えに知性を手に入れていた。


そしてシャムハトに連れられ、ギルガメシュのいる町へと向かい、両雄激しい殴り合いを繰り広げるが、


ギル「やるじゃねーの」

エンキドゥ「テメーのほうこそ」


とシンパシーを感じ厚い友情を結ぶ。


それからは共に名誉を求め様々な冒険に出た。

神々のレバノン杉*1を求めた冒険では、火を吹き洪水を呼ぶ怪物フンババ(フワワ)を撃退。命乞いするフンババに対し、ギルガメシュに殺すよう進言した。

2014年に発掘・解読された粘土板で新発見されたギルガメシュ叙事詩のエピソードによれば、フンババはエンキドゥの古い知り合いであったという。エンキドゥはフンババを殺した事、レバノンスギを得たのはいいがそのために森を荒らしてしまった事を後悔した。3000年前の物語が、立場のせいで生き方が根本から変わってしまったキャラとその旧知のギャップという手塚イズム溢れるテーマ、森(自然)破壊という内容まで満たしていたとは、驚くしかない。

凱旋後、ギルガメシュの雄姿に一目惚れしたが熱烈なプロポーズを拒否された女神イシュタルの刺客、聖牛グガランナを協力して斃す。

だがその夜、エンキドゥは神々が聖牛と精霊フンババを殺した罪をどうするか話し合う場の夢を見てしまい、
結果として、フンババ殺しを提言したエンキドゥが神の呪いを受けて死ぬこととなった。


その後衰弱するエンキドゥは、友であるギルガメシュが選ばれなかったことを喜んだものの、この結末の発端となったシャムハトを恨んだ。


しかしそんな彼に神は、

「お前はシャムハトと交わり、知性を得たことでギルガメシュという無二の親友を得たのだろう?」

と諭し(?)、その言葉で諦めがついたのか十二日の後、穏やかに息を引き取った。


一方で友を失ったギルガメシュは死を恐れるようになり、不死の妙法を探す旅に出ることとなる。


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最終更新:2024年03月03日 22:20

*1 メソポタミアにおいて、木材は重要な貴重品。