SCP-4560

登録日:2019/04/30 Tue 19:25:00
更新日:2023/10/29 Sun 03:45:18
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SCP-4560 はシェアード・ワールド SCP Foundation に登場するオブジェクトオブジェクトクラスは Keter。タイトルは『万事順調(Everything is Fine)』。

タイトルに反して、非常に後味の悪いオブジェクトである。


概要

SCP-4560 は、15〜45 歳の男性を対象としたミーム感染である。感染の症状は「人生のネガティブな側面を表明することが徐々にできなくなっていく」というもの。これだけ聞くと大したことのないような気がするが、症状が進行するにつれて Keter クラスに相応しい恐ろしい様相を帯びていく。

感染の初期症状は「嫌な事からやたらと目をそらすようになる」程度のかわいいものだ。しかし、症状が進行すると、ネガティブな出来事をあたかも認知できなくなったかのように振る舞うようになり、その結果「ネガティブな感情」は全て「ポジティブな行動」に置き換えられてしまう。末期になると「他人に起っているネガティブな出来事」まで認知できないかのように振る舞うようになり、周りから見ると異様に楽観的になってしまう。つまり、TPO を全くわきまえず、とにかく明るく振る舞うようになってしまうのだ。

そして、SCP-4560 の末期段階まで症状が進行すると、SCP-4560 の感染源を自ら生成できるようになってしまう。末期患者が残したメモ・E メール・ボイスメッセージが感染の媒体となってしまうのだ。SCP-4560 の感染媒体を目にした者は新たな感染者となり、同じように症状が進行していく。なにも知らずに放っておくと、感染者がネズミ算式に増えていってしまうことになる。

収容状況

SCP-4560 の感染者に対する治療の試みは全て失敗し、現状、記憶処理によって症状の進行を遅らせる程度のことしかできない。しかし、感染者を放っておけば新しい感染媒体をどんどん生み出してしまう。それゆえ、SCP-4560 の特別収容プロトコルでは「感染者は全て終了されるべき」となっている。

また、上記のように、SCP-4560 はじわじわと進行していくタイプのミーム感染であり、感染の初期段階では感染しているかどうかの判断がつかない。つまり、世界中でどれだけの SCP-4560 感染者が未収容であるかが全くわからないのである。しかも感染者はネズミ算式に増えていく。

このまま全人類が感染者となってしまったら世界はどうなってしまうだろうか? 全人類の異常なポジティブ化、つまり SCP-4560 に支配された世界の誕生、一種の K-クラスシナリオの発生である。Keter クラス分類が相応しいオブジェクトと言えるだろう。

感染者第一号となった男性の最後

SCP-4560 の真に恐ろしいのは、ネガティブな出来事を「認知できなくなる」わけではなく、「表現できなくなる」だけであるということだ。つまり、末期患者は依然としてネガティブな感情を持ち合わせてはいるが、その表現が一切できないのである。

例として、ドキュメントには感染者第一号と思われる男性についてのレポートが添えられている。彼は学業に失敗し、さらに生活費の工面も難しくなってしまい、2005 年 1 月に大学院を中退した。そして同 6 月にアパートで首吊り死体となって発見された。現場には彼の遺書が残されており、財団はこの遺書を SCP-4560 の感染媒体であると判断したのだが、果たしてどのような遺書だったのだろうか? ぜひあなたの目で確かめてみてほしい。



追記・修正順調(Everything is Fine)



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最終更新:2023年10月29日 03:45