空の青さを知る人よ

登録日:2020/04/07 Tue 23:12:38
更新日:2020/04/13 Mon 18:38:32
所要時間:約 8 分で読めます




井の中の蛙、大海を知らず。
されど、空の青さを知る―――。



『空の青さを知る人よ』とは、2019年10月に公開されたCloverWorks制作のアニメーション映画。配給は東宝。
監督は長井龍雪、脚本は岡田麿里、キャラクターデザインは田中将賀の『あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』『心が叫びたがってるんだ。』の超平和バスターズが再集結。
音楽は「ここさけ」や「機動戦士ガンダム 鉄血のオルフェンズ」で長井監督、岡田麿里と組んだ横山克が担当している。
作品の舞台も『あの花』『ここさけ』と同じ埼玉県秩父市(西武線秩父駅周辺)であり、この2作と合わせて「秩父三部作」と銘打って宣伝されている。
(なお三作は舞台が近しいというだけで物語上、特に関連はない)

劇場公開前に額賀澪著による小説版が発売されている。
また公開に合わせて、しんの及び慎之介視点から書かれた、
『空の青さを知る人よ Alternative Melodies』(著:岬鷺宮)が電撃文庫より発売している。
他、 蜷川ヤエコによるコミカライズも刊行されている。


スタッフ

原作:超平和バスターズ
監督:長井龍雪
脚本:岡田麿里
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:横山克
主題歌:あいみょん「空の青さを知る人よ」
EDテーマ:あいみょん「葵」

あらすじ

秩父市の山に囲まれた町に住む、17歳の高校二年生・相生あおい。将来の進路を決める大事な時期なのに、受験勉強もせず、暇さえあれば大好きなベースを弾いて音楽漬けの毎日。
そんなあおいが心配でしょうがない姉・あかね。二人は、13年前に事故で両親を失った。当時高校三年生だったあかねは恋人との上京を断念して、地元で就職。それ以来、あおいの親代わりになり、二人きりで暮らしてきたのだ。
あおいは自分を育てるために、恋愛もせず色んなことをあきらめて生きてきた姉に、負い目を感じていた。姉の人生から自由を奪ってしまったと…。
そんなある日。町で開催される音楽祭のゲストに、大物歌手・新渡戸団吉が決定。そのバックミュージシャンとして、ある男の名前が発表された。
金室慎之介。あかねのかつての恋人であり、あおいに音楽の楽しさを教えてくれた憧れの人。高校卒業後、東京に出て行ったきり音信不通になっていた慎之介が、ついに帰ってくる…。
それを知ったあおいの前に、突然“彼”が現れた。“彼”は、しんの。高校生時代の姿のままで、過去から時間を超えてやって来た18歳の金室慎之介。
思わぬ再会から、しんのへの憧れが恋へと変わっていくあおい。一方で、13年ぶりに再会を果たす、あかねと慎之介。せつなくてふしぎな四角関係…過去と現在をつなぐ、「二度目の初恋」が始まる。
(映画公式サイトより引用)


登場人物


  • 相生(あいおい)あおい
CV:若山詩音
主人公。ボブカットに太い眉、いつも不機嫌そうな仏頂面の高校2年生。
左目の白目にほくろがある、目玉スター二号。
幼い頃にしんのたちのバンドに影響を受けてベースをやっている。
進路相談では「東京でバンドを組んで天下取ります」と言っていたが、
軽音部(男子のみ)の勧誘には「自分より下手なやつとは組まない」と断っている。
あかねとの姉妹中は良好だが、両親を失った後、ひとりで自分を育ててくれたあかねに対しては自分が姉を縛り付けていると負い目を感じている。
また軽度の中二病でもあるらしく、その手を発言をする度にあかねやツグにツッコまれている。
“生霊”のような形で現れた13年前のしんのに心を惹かれていくが、あかねへの想いと板挟みになっていき……
おにぎりの具は昆布派。

  • 相生あかね
CV:吉岡里帆
あおいの姉。慎之介の高校時代の元恋人で、本作のメインヒロイン。
あおいから「あか姉」と呼ばれている(スマホの連絡先も同じ)。
市の市民生活課に勤めており、自家用車のジムニーであおいの通学の送り迎えをしている。
高校卒業後は慎之介と上京する予定だったが、両親の死亡事故を受けて断念。以来、あおいの親代わりとして彼女を育ててきた。
慎之介とは卒業以来連絡を取っていなかったが、かなり引きずっているようであり、
劇中は名前が出ただけで動揺したり、演歌のバックバンドにいた慎之介にも真っ先に気づいて驚いていた。
またずっと独り身でいたとあおいには思われているが本人曰く「それなりに」は色々あったらしい。
冒頭にもある「井の中の蛙、大海を知らず。されど空の青さを知る」とは彼女が好きな言葉であり、
高校の卒業アルバムの寄せ書きにも書いていた。

  • しんの
CV:吉沢亮
あおいがベースの練習をしているお堂に現れた13年前の金室慎之介。目玉スター一号。
しんのとは高校時代のあだ名であり、作中「しんの」と言うと彼のことを指すことが多い。
自身のバンドではギターを担当していた。
慎之介が戻ってくる当日、何故かお堂に出現。最初、あおいからは幽霊だと思われていた。お堂から一歩も外に出ることができない。
意識と感覚は13年前のあかねにフラれた直後のままであり、度々ギャップに驚いていた。
いわゆる「バカっぽい」が、音楽祭に参加するあおいを気遣ったり、
何故自分がここにいるのかを考えたりと、根はマジメで誠実であることが分かる。
体脂肪率は7%で、出べそ。おにぎりはツナマヨ派。

  • 金室(かなむろ)慎之介
CV:吉沢亮
13年ぶりに地元へと帰ってきた31歳のしんの。
高校卒業後に上京し、一度はソロデビューするも思うように売れず、現在は新渡戸団のバックバンドとして活動をしている。
同い年のあかねや正道と比べても別人のようにやつれており、夢破れて苦労したことが窺える。
プロとしての意識は高く、あかねと正道がピンチヒッターとして参加する際には難色を示したり、
練習中で他のメンバーが気を遣う仲、あかねと正道の問題点をキッチリと指摘したりもしていた。
再び戻ってきた地元や、あかねとの再会を通して、徐々に今の自分を見つめなおしていくが……
また主題歌である「空の青さを知る人よ」は劇中で、彼がソロデビューした際の曲という設定である。

  • 新渡戸団吉
CV:松平健
音楽祭にビッグゲストとして呼ばれた大物演歌歌手。
紅白の出場経験もあり、ご当地ソングの大家しても有名。
今回の音楽祭に関して書き下ろしのご当地ソングを提供することになっており、
それに際し「地元の心を知る」ことを名目に、市の経費で秩父周辺を物見遊山していた。
ベースとドラマーが食当たりになった際は「歌は生き物」と称しカラオケをバックに歌うことを拒否。
あかねが提案した代役案にノリノリで乗っかり、自ら市に交渉してあかねと正道を採用した。
いつも着けている胸元のペンダントは地元の心を溜めておく元気玉らしい。

  • 中村正道
CV:落合福嗣
あかね、慎之介と同級生。高校時代のバンド仲間でドラムを担当していた。
あだ名は「みちんこ」。劇中、本名のほうで呼ばれることはほぼない。
現在はあかねと同じ市役所に勤めており、観光課所属。今回の音楽祭は彼が主導している。
妻に浮気をされて逃げられたことがあり、本人曰く「清く正しいバツイチ」。
劇中でもっとも大人の強かさを感じさせるキャラでもあり、ある意味で今回の物語の元凶とも言える人物でもある。

  • 中村正嗣
CV:大地葉
正道のひとり息子。あだ名は「ツグ」。親のみちんこからもそう呼ばれている。
小学5年生だが大人びたところがあるおませさんだが、あおいに恋しており、
しんのがお堂に現れてからは心穏やかではない様子。
若い頃のみちんこにそっくりである。


  • 大滝千佳
CV:種崎敦美
あおいの同級生。バンドマンの彼氏を作るのが目標(公式サイトより)。
男好きのようであり、年上もOKだが13歳も上の慎之介も守備範囲も結構な肉食系。
描写こそ少ないものの、あおいに近づいた際や、後半のセリフから、
あおいとはベクトルが違うものの、地元から出ていくのを夢見ていることが窺える。


  • 番場、阿保
CV:上村祐翔(番場)、吉野裕行(阿保)
しんの、みちんこの高校時代のバンド「Pride・Bridge」のメンバー。
番場がボーカル、阿保がベース。阿保は後半に意外な形で登場する。
なおサントラに収録されている「ガンダーラ」は番場が歌っている。


  • 新渡戸バンド
新渡戸団吉のバックバンドたち。
慎之介を除いて新渡戸団吉シャツを着ていることが多い。
マネージャーを含めてバンド内の仲はいいようで、
団吉の物見遊山に付き合ってご当地観光をエンジョイしていた。
その内のベース(CV:木島隆一)とドラマー(CV:小林親弘)が、
鹿肉を生焼けのまま食べて食当たりを起こしたことが原因で、
あおいと正道はバックバンドのピンチヒッターとして参加することになる。
なお、彼等ふたりは秩父にやってきた当日のホルモン屋でも、
生焼けの肉を食べようとしてキーボード(CV:土田大)に呆れられている描写がある。


余談

作中の時間はタイトル前のプロローグを除き、
2019年10月25日(金)~11月3日(日)で、音楽祭は11月4日(月・祝)であることが分かる。

主人公(兼ヒロイン)のあおいは、その立場的にもキービジュアルに描かれたり、
他の秩父作品のヒロインであるめんま成瀬順と共に特典やコラボカフェに
登場することが多かったが、劇場公開以前のビジュアルでは不愛想な表情が多かった。
(他のふたりが笑顔の中、真ん中でしかめっ面をしているものさえある)
劇場公開後には表情が軟化しており、劇中の時間軸と公開時期が重なっているのもあり、
実際に作品を通して彼女の心境が変化したメディア演出になっている。

また、あおいのCVである若山詩音は軽音サークルに所属しており、実際にベースが弾ける。




追記・修正は、空の青さに気づけた人がお願いします。

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