登録日:2016/06/05 Sun 23:34:31
更新日:2024/11/22 Fri 11:33:49
所要時間:約 7 分で読めます
『心が叫びたがってるんだ。』とは、2015年に公開されたA-1 Pictures製作のアニメ映画。
監督は長井龍雪、脚本は
岡田麿里が担当し、2011年に放送されたTVアニメ『
あの日見た花の名前を僕達はまだ知らない。』のスタッフが再結集した。
作品の舞台も、『あの花』と同じ埼玉県秩父市であり、原作クレジットも「超平和バスターズ」となっている。
地方高校を舞台に、言葉に
トラウマを持つ少女がミュージカル劇に向き合い、淡く苦い初恋の経験と共に成長していく物語。
『あの花』同様、高校生たちの赤裸々な恋愛模様や善意悪意の入り混じった複雑な心境がリアルに描かれている。
ミュージカル映画を銘打っているものの、フルでミュージカルシーンが流れるわけではなく、あくまで掻い摘む程度である。
2017年7月に実写版が公開。
スタッフ
原作:超平和バスターズ
監督:長井龍雪
脚本:
岡田麿里
キャラクターデザイン:田中将賀
音楽:ミト、横山克
主題歌:乃木坂46「今、話したい誰かがいる」
物語
昔々、とてもお喋りで、とても夢見がちな女の子がおりました。
女の子の名前は成瀬順。小山の上に立つ
お城に憧れ、いつか王子様と一緒に舞踏会に行くことを夢見る小学生。
ある日彼女は、大好きなパパが知らないお姫様を連れて颯爽とお城から出て行く場面を見てしまいます。
早速そのことをママ―――魔女に話す順。ですが魔女は言います。
「順、もう喋っちゃ駄目」
数日後、パパは何も言わずに順の家から出て行ってしまいました。パパは順に言いました。
「
順、お前は本当にお喋りだな。全部、お前のせいじゃないか」
…ショックを受けた順の前に、一つの「玉子」が現れます。
「君のお喋りは人を傷つける。お喋りを封印するんだ」
玉子に呪いをかけられた彼女は、それ以来、喋ろうとしたらお腹が痛くなる体質になってしまいました…。
数年後、高校2年生になった順は、誰とも喋らず、母親とも仲が悪くなり、目立たない高校生活を送っていた。
そんな中、地域ふれあい交流会の、クラスの出し物を決めることになったのだが、順はその実行委員に選ばれてしまう。
同じく実行委員に選ばれたのは、チアリーダーでクラスの人気者の仁藤菜月、野球部のエースだが怪我で甲子園に出られなかった田崎大樹、
そして常に穏やかだが本心の見えない男子・坂上拓実。
性格のてんでバラバラな四人の意見は合わず、特に人と喋れない順が実行委員となるのは至難の業だった。
しかし、順に興味を示した拓実は彼女とコミュニケーションをとろうと試み、順もまた、最初はメールでの会話だったが、
徐々に拓実とのやりとりを重ねるうちに、生の声で気持ちを伝えたいと思うようになる。
そして、担任の趣味や順の勧めで、演目はミュージカルに決定。
準備を進めるうちに、「言葉」に乗せて気持ちがぶつかり合い、衝突を重ねるクラスメイトたちだが、
逆に思いやりの「言葉」もかけて心を繋げていく。
拓実への想いを募らせ、ミュージカルの脚本を書き綴る順。
野球への未練を周囲に当たり散らしていたものの、自身の有り様を見つめ直し打ち解けていく大樹。
みんなをまとめ、笑顔を振りまいていくものの、秘めた想いを燻らせる菜月。
そして、気付かないうちに蓋をしていた自分の気持ちに気付く拓実…。
それぞれの想いを抱く4人の心が交錯する中、ついに迎える講演の日。しかし、その日大事件が起きてしまう…。
登場人物
CV:
水瀬いのり 実写版:芳根京子
本作の主人公(実写版では拓実が主人公)。とっても無口で目立たない女の子。
小学生の頃はお喋りだったが、両親の離婚が
トラウマとなり、「玉子の呪い」で「お喋り恐怖症」となる。
そのせいで、会話は常にメールや筆談を用いており、母との会話もほぼなし。
気弱
というわけではなく、心無い言葉に厳しく非難するなど結構図太く気性の荒さも見せる。
実行委員を当初は辞退しようと思っていたが、拓実とのコミュニケーションや音楽にのせて会話することの楽しさを知り、
トラウマ克服のためにもミュージカル製作に尽力することになる。
ミュージカルは脚本も担当し、自身の心境をもとに製作。
拓実に想いを寄せるようになるが、講演前日に彼の「ある言葉」を聞いてしまい…。
CV:
内山昂輝 実写版:中島健人(Sexy Zone)
平凡で人当たりはいいが目立たない男子。
常にエアーな態度で愛想よく他人に振る舞っており、ある意味一番本心の見えない人物。
だが、限界が来ると堪忍袋の緒が切れるので、無感情
というわけではない。
音楽家の父を持つが、仕事で忙しいので実質祖父母と三人暮らし。
幼い頃に両親が離婚しており、それが原因で他人に心を塞ぎこむようになった。
ピアノが上手く、作曲・編曲の才能もある。
他人と喋れない順に純粋に興味を抱き、彼女とメールや音楽のやりとりで親しくなり、ミュージカル製作で共に打ち込んでいく。
同時に、元同級生の菜月とも表面上は変わらず接するが…。
CV:
雨宮天
真面目でクラスの人気者の優等生。チアリーディング部のエースでもある。
人当たりがいいためクラスのまとめ役として活躍しており、チア部仲間といった友人も多い。
拓実とは中学時代の同級生で、一時期付き合っていたが、自分の照れ隠しと彼の有耶無耶な態度が原因で仲が冷え込み、破局。
しかし、未だにその想いを諦めきれずにいる。
順に対しては面倒見の良さを発揮し、彼女のサポートをしていくが、同時に拓実との仲で彼女にかすかな嫉妬心を抱く。
CV:
細谷佳正
野球部のエースピッチャー。前髪の凄い少年兵リーダーではない。
弱小だった揚羽高校野球部を甲子園出場までこぎつけるほど実力をつけさせるが、直前に肘を骨折し、大会に出場できずチームは敗退。
そのせいでエースを辞退し、学生生活では常にイラつき周囲に当たり散らしている。そのことで後輩から影でポンコツ呼ばわりされている。
実行委員も当初は不満たらたらでやる気はなく、順に対しても使えない奴と言い切り馬鹿にするほどだったが、拓実や山路との衝突や、野球部への順の啖呵といった出来事を経て、
自分の行いを反省し、ミュージカルの準備に乗り気になる。
菜月とは帰り道が一緒で、気晴らし程度にからかう仲。
準備の段階で、順への想いが変わっていく…?
CV:
藤原啓治
2年2組の担任教師。
フランクで自由奔放な性格だが、順を馬鹿にした大樹を叱ったり、喧嘩になった拓実と三嶋を止めようとするなど根はいい加減ではない人物。
音楽準備室に机を構えており、ミュージカルにも詳しく、出し物の手助けをした。
生徒たちの甘酸っぱい人間模様には心優しく見守っている。
CV:古川慎
CV:大山縞則
DTM(
パソコン製作音楽)研究部員で、拓実と仲がいい。小柄。
両方とも筋金入りの
オタク。
CV:
村田太志
野球部の主将で、大樹の親友。
イラつき孤立を深める大樹の苦悩を理解しており、彼が非難されると我を忘れて本気で怒る。
チア部の宇野と付き合っている。
CV:河西健吾
野球部1年生。大樹の怪我による休養後のエースピッチャー。
休養中も部活に顔を出し、練習で駄目出しするばかりの大樹に内心不満を抱いていた。
一時それが原因で口論となるが、順の啖呵とその後の大樹の謝罪で和解する。
別世界では田崎に忠実な
少年兵になっていた。
CV:吉田羊
順の母。生命保険会社のセールスレディ。
順のお喋りで夫の浮気を知り、離婚後順を引き取りシングルマザーとなる。
しかし、
トラウマで喋れなくなった娘が近所の噂になってしまい、世間体や思い通りにいかない苦しみで娘と面と向かい合うことが出来なくなってしまった。
ミュージカルに出演すると聞いた時も、「恥をかくだけだ」と否定していたが、彼女の真剣な取り組みと、態度の変化に希望を抱き、ミュージカルを見に行くが…。
CV:野島裕史
この物語の元凶。
若い女と真昼間から
小山の上のお城でイチャつき、それを娘に見られ妻と離婚。
そしてその罪を反省せず全て娘に押し付け去っていき、一生ものの
トラウマを残した。
アニメでは名前は明かされなかったが、実写版では「泰史(やすし)」と名前が設定されている。
CV:
内山昂輝
自分のお喋りが原因で両親が離婚し、嘆く順の前に現れた存在。
お喋り好きな順を詰り、彼女のお喋り癖は人生を破滅させると宣言。
「喋るとお腹が痛くなる」呪いをかけて、以来彼女の心に棲みつく。
実写版には登場しない。
劇中劇『青春の向う脛』
揚羽高校2年2組が地域ふれあい交流会で講演したミュージカル劇。
ストーリーは成瀬順が担当。彼女が日頃温めていた物語を基にしている。
使用曲は既存の楽曲で、歌詞は劇の内容に沿ったオリジナルである。
【物語】
お城の舞踏会に憧れる貧しい少女。しかし、舞踏会は罪人を罰する処刑場だった。
罪を裁かれたい彼女は街に火を放つが、誰も自分のことを認めてくれない。
そこへ、玉子が少女を唆し、言葉で人を傷つける大罪を犯させる。
悪口を撒き散らした少女はあっという間に国中の嫌われ者に。
失意の中、少女は自分の気持ちを気付く王子と出会う。
【登場人物】
主人公。お城の舞踏会に憧れるがあまり、自身を断罪するために言葉で人を傷つけてしまう。
少女を唆し、彼女に悪口で他人を傷つけさせる。
声の出ない少女が本当の気持ちを言えないと察し、彼女を本当に理解しようとする。
玉子に捧げよう
Beautiful wiki 追記・修正を捧げよう
- 割と最初から「こうじゃないかな?」って真相を察することはできるけどそれでも楽しい作品 -- 名無しさん (2016-06-05 23:46:16)
- 心が酒浸りなんだ -- 名無しさん (2016-06-05 23:52:59)
- これから毎日家を焼こうぜ? -- 名無しさん (2016-06-06 00:11:41)
- 青春アニメかなって見に行った結果、これじゃない感はなんとも・・・ -- 名無しさん (2016-06-06 00:24:28)
- ↑2チャー研やめぃwww -- 名無しさん (2016-06-06 01:51:20)
- 亜種として、「俺の熱いハートが戦えと叫んでる」(DASH隊長談)というのもあるよねww -- 名無しさん (2016-06-06 16:38:51)
- クライマックスが愛の告白ではなく男への恨み節と他の女への嫉妬なのがマリーらしいというか何というか -- 名無しさん (2016-06-06 17:58:06)
- どっちかというと劇場では女性が泣いてたな -- 名無しさん (2016-06-06 22:58:01)
- ボーイミーツガールでくっついちゃわないところが好きだなー優しさの理由が惚れてるからではなかったのが -- 名無しさん (2016-06-07 03:03:02)
- 幼子が徒歩で歩ける範囲の場所で浮気して離婚になったのに お前のせいって オヤジクズいな -- 名無しさん (2016-06-07 09:34:19)
- ↑まあ間違いなく元凶だよな -- 名無しさん (2016-06-07 10:11:10)
- ミュージカルの内容と実際の体験(丘の上のお城=ラブホテル、舞踏会の真実、それでも憧れる少女)を照らし合わせると、順ちゃんってムッツリスケベ? -- 名無しさん (2016-06-07 14:26:22)
- ↑まあ最後の罵声から考えるに純情な子ではないし結構俗っぽいと思う -- 名無しさん (2016-06-07 14:34:12)
- ちょっとタグ荒ぶってんよ〜 -- 名無しさん (2016-06-07 14:57:49)
- ↑×3声が出ないだけで根はおとなしいってわけなじゃなくむしろ活発な子だし、仲良くなったら結構普通に下ネタトークとか乗ってきそう -- 名無しさん (2016-06-07 15:51:07)
- 子宮が○みたがってるんだ。 -- 名無しさん (2016-06-08 12:34:27)
- 個人的には序盤の成長物語としての部分が普通に面白くて、最後に恋愛が絡んできたところでちょっと違和感感じちゃったな -- 名無しさん (2016-06-08 23:47:33)
- 野島さんはどんな気持ちでアフレコしてたんだろ -- 名無しさん (2016-09-12 14:14:29)
- 玉子と坂上、内山さんなのか。???「心の叫びを聞けぇ!」 -- 名無しさん (2017-07-29 09:07:59)
- 某ウルトラマンに出てきた某隊長も、心が叫びたがってましたねw -- 名無しさん (2017-11-17 11:22:14)
- タグにアランが… -- 名無しさん (2018-12-01 09:39:02)
- 違反コメントを削除しました。 -- 名無しさん (2021-07-01 09:43:36)
- 順ちゃんのメール文面で中の人の声出れば見やすかった -- 名無しさん (2024-08-09 23:25:55)
- コミカライズ版が何気に名作。心理描写が丹念だから原作叩かれ部分もそんな気にならなくなってる(おまけ漫画の日常補完がキャラ好感度も上げ)。逆にミュージカルシーンは欠点になりそうな漫画の濃度が、むしろ良いのではとも思えたし。さすが後に「青のオーケストラ」描いてる人だけあって絵も綺麗。 -- 名無しさん (2024-11-22 11:33:49)
最終更新:2024年11月22日 11:33