魔女の泉

登録日:2020/05/24 (日) 22:32:16
更新日:2023/07/25 Tue 09:08:53
所要時間:約 8 分で読めます





太古の昔、神々がいた
神々は雨を降らせ、時には死んだ人に命を与えた
人間は崇拝した。彼らは神をたたえ、畏れを抱いた
しかし、そんな人間の畏敬と羨望は
いつの間にか力への渇望と欲望へと変わっていった

"欲しい"

600年間、畏敬と羨望という名で隠してきた人間の欲望は結局
その力の源とを発見した瞬間、本性を現した

"私たち人間も神になれる!"

人間は自分たちが崇拝した神を魔族と呼び、全てを断じ、その力の源を奪った
新しい国と宗教を作り、以前の神々のように数々の奇跡を見せた
神々の消失以外には何一つ変わりのないようだった

しかし、いつからか魔族と人間の間に生まれた子供の中で時折、完全な魔族が生まれた
彼らは魔女と呼ばれ、生まれてすぐ殺されたり、深い深い森の中に捨てられた
その中で生き残った魔女は
魔女狩りをする勇士たちから自分を守るために強くなるしかなかった。



「魔女の泉(原題:Witch Spring)」とは、韓国の会社・Kiwi Walksから配信されているスマートフォンゲームシリーズである。
バージョンが複数存在するが、本項では1~4を解説する。


概要

Kiwi Walksが配信している育成RPG。
2020年時点では1、2、3、4が発売中で、共通して初回ダウンロードが有料だが購入後は課金要素が一切ない買いきりタイプ。
海外のゲームだが日本語版も発売されており、韓国語に疎くてもプレイ可能である。

スマートフォンゲームにしてはボリュームがやや多めで、本筋のストーリーのほか、モンスターとの戦闘、アイテムの調合、魔法陣のカスタマイズ、ペットの収集など、管理する要素がいろいろある。とはいえ、やりこみは難しくないレベル。
マルチエンディング式であり、ゲーム中の選択(会話など)によって結末が変化する。

2020年12月17日には、スタジオアートディンクによる3のNintendo Switch移植版『魔女の泉3 Re:Fine』が発売。
グラフィックのリファイン、キャラクターボイスの採用、イベントの追加などが行われる。

世界観

舞台は、世界の統治者「神族」と人間とが共存するファンタジーな世界。
この世界で魔法を扱えるのはエルフじみた見た目をした種族「神族」のみであり、彼らはその力を用いて人間たちを導いていた。
しかしある時、人間が魔法を使う手段を手にしたことで立場が逆転。
神族は逆に人間から虐げられ、追われる立場となった。
迫害された彼らは森の中に隠れ住むようになり、人間は彼らを「魔族」「魔女」としてその命を狙うのだった。

主人公は魔女(=神族の少女の生き残り)となり、殺されないように人間から逃げながら、反撃の力を蓄えていく……というのがシリーズ共通してのおおまかなあらすじ。


ゲームシステム

敵との戦闘はシンボルエンカウント方式*1
ゲーム中でも言及されるが、敵と戦力差がある場合は戦闘自体を避けることができるため、全体的な難易度は優しめ。

本シリーズでは基本的に「レベル」の概念が存在せず、主人公自身のステータスを底上げする「修練」(筋トレ)と、武装を錬成・強化していく「調合」によって能力値を直接上げることで成長する。ちなみに、パイベリー達が振るう魔法もまた調合アイテムのため、敵との戦闘で得られるのはほぼアイテムのみである。
このため、一般的なRPGとは異なり戦闘はあまり積極的には行わず、逆に地道な素材集めと筋トレが主軸だったりする。

そのほか、作中に登場するキャラクターの一部は「ペット」(3のみ人形)として仲間ユニットにできる。
この仲間ユニットに戦闘をお任せするのもアリといえばアリではある。


登場人物

魔女の泉(無印)

  • パイベリー(3 Re:Fine版 CV:高橋花林)
魔女の泉1の主人公。神族のロリ少女。黒い肌といかにも魔女っぽい黒装束がトレードマーク。
ちなみに、彼女ら神族は全員彼女と同じように黒い肌と長い耳である。
ゲーム開始時点ではまだ人間から追われる身であり、人間たちの捜索を潜り抜けつつ修練をして強くなるのが目的。
全シリーズで時間の概念があるものの、本作のみ「100日以内」と期間が定められており、強くなろうがなれまいが、100日が経過した時点でゲームは終了となる。
強くなれば魔女としての力を振るい人間を虐殺することも、また殺さずに和解することもできるが、それはプレイヤー次第。

  • ブラックジョー(3 Re:Fine版 CV:根本幸多)
パイベリーの使い魔。丸っこく太った鳥のような姿をしており、性格もガサツ。
たびたびパイベリーを煽っては制裁されるコメディリリーフだが、まだ幼いパイベリーを陰ながら守り育ててきた保護者的存在でもある。
王宮勇士。イケメン。実力者だが魔女をねらうというより、むしろパイベリーに付きまとわれている。
  • アルフレッド
日々魔女を倒すことを志す勇士。ポンコツだが本人は頑なに認めようとしない。
  • 教皇
大陸の実権を握っている存在。何か怪しい企みがあるようだが果たして…?

100日システムの注意点

上記の通り、本作品は100日間(100×24時間)というゲーム内時間が設定されている。簡単に見えるが実際シビアで、ごく一部の行動を除きほぼ全ての行動で時間が経過する。
つまり、素材を採取しても、モノを作っても、敵と戦闘しても果ては1マップ切り替わるだけでも時間が経過する。しかも疲れると能力が落ちるので寝ないといけない。
通常エンドなら適当でも70日くらいでちゃっかりいけるが、高難度のエンディングを見るには一挙手一投足に気を遣わねばならない。ゆえにシリーズ最初の作品にして最高難度のゲームと言っていい。


魔女の泉2

魔女の泉2の主人公。神族のおみ足ムチムチ少女。やはり往年の魔女じみた格好をしているが、「ルナ」の名の通り月をかたどった意匠が目立つ。
少なくともパイベリーよりは年上らしい。
何気に前作よりイラストレーターの画力が向上しており、ころころ変わる表情が楽しめる。可愛い。
性格はパイベリーと似たり寄ったりの能天気屋だが若干ツンデレの気がある。

例によってルート分岐があり、和解したか敵対したかで物語が分岐する。
彼女(今作)のみ、夜になると能力が30%向上する。

世界観は1と同じな上、時間軸も一緒なので1から始めるとニヤッとするシーンが多く存在する。
ただし続けて始めるとあの鬼設定のせいで時間に怯えるハメになる。安心していいぞ、今度は時間切れがない。自由ってすばらしい!


魔女の泉3

  • アイールディ(3 Re:Fine版 CV:高野麻里佳)
魔女の泉3の主人公。神族の少女。彼女のみ雪のような白い肌。
剣技を得意とし、魔力を込めた魔法剣術を扱う。杖は殴るためにある。
また作中では「人形の魔女」と称されており、その名の通り魔導人形を作り使役する技能に長ける。
このためか、前作、前々作にあった「ペットシステム」は3のみ「人形システム」に置き換わっている。
非常に無口なうえ表情、というか感情が希薄なところがあり、会った人を当惑させることも多い。
また、彼女にのみ人間の「おばあちゃん」なる存在がおり*2、その出自には謎が多いが……?


魔女の泉4

魔女の泉4の主人公。神族のメスガキ少女。格闘をメインに、様々な武器を呼び出す。やっぱつれぇわ。アルパ大陸を統治する王で、とある目的から全大陸の征服を目論む。

ゲームシステムとしては一応レベルに近い概念が存在するものの、1あたりステータスが100%加算される特殊な仕組み。
いわゆるLV5であれば全ステ5倍のインフレじみたシステム。とは言え、元手がないと意味がないので修練は重要。ガチでやりこむとディスガイアもビックリの桁数が飛び交う。
お決まりのペットシステムはなかまにした「部下の召喚システム」となっている。派遣も可。

最初は偉そうにしているものの、力を奪われ、裏切られ、挙句あるきっかけから次々現れる追手を倒す度メンタルが削れていく心折設計。

単体でも楽しめるが、これまでの3作に登場する人物が多数出演するので、本格的に楽しむなら事前に過去作をやっておいたほうがいいかもしれない。



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最終更新:2023年07月25日 09:08

*1 ドラクエ等で見られる、マップ上の敵アイコンと接触したら戦闘になるタイプ

*2 本来なら人間に迫害される立場のはずである