ファンタジー

登録日:2011/10/15(土) 20:15:30
更新日:2022/06/07 Tue 09:40:20
所要時間:約 4 分で読めます



ファンタジーとは、非現実的な世界観を持つ作品、あるいはそれらを扱ったジャンルのこと。
例えば魔法と妖精、好例としてはディズニーが挙げられる。
他にも非現実的要素としては超能力・錬金術・念能力・死神・死後の世界等がある。

ファンタジーがSFの対局かと言われるとそうでもなく、例えばカードキャプターさくら魔法少女まどか☆マギカなんかは優れたSF作品に送られる星雲賞を受賞している。
むしろSFかどうかは表現形態の問題にすぎず、ファンタジーの中にSFがあると思っておいた方がいい(まあ、この辺はSF界隈のマーケティングの話もあるのであまり鵜呑みにもできないが)。

この定義を適用すると「じゃあドラゴンボールもファンタジー?」とか言われそうだが、
なぜか「ファンタジー=中世の西洋的な世界で、騎士とか魔法使いとかドラゴンが出てくるお話」という強い固定観念がある(あくまで傾向であり、もちろん例外はある)。

特に好まれるのは「西洋ファンタジー(剣と魔法の世界観。FFやDQ)」や「スチームパンク(産業革命期のヨーロッパ)」等。
前者だと指輪物語が有名かもしれない。あれはむしろ原始的だが。

西洋風ファンタジーに比べるとマイナーだが、
東洋(と言っても大抵は中国だが)や日本風の世界を舞台にしたファンタジーももちろんある(有名どころは十二国記や彩雲国物語、勾玉シリーズ、サンダーボルトファンタジー、大神、桃太郎伝説等)。
とりあえず現実とは違うオリエンタルな世界で侍とか忍者とか変な中国人とか陰陽師とか坊さんとか巫女さんが活躍したり、
妖怪が出てくるお話と言えば大体雰囲気は伝わるだろう。


これらの作品は、世界設定にもよるが西洋風ファンタジーでお馴染みの用語(横文字)が使えなかったりと制作者泣かせだが、
独特の雰囲気を確立しておりコアなファンが多い。
特にライト文芸や少女小説では一大ジャンルであり、後宮を舞台にした政治劇・恋愛劇を描いた作品が非常に多い。

さて、ファンタジー最大の魅力は、空想の産物でしかないものを自分のものとして自在に使える点だろうか。
いわば人類の夢の具現化である。

かと言って「魔法使い放題だからピンチになったらとりあえず魔法でいいじゃん」とか「ずっと無敵な主人公」とかやると面白くならない

漫画や小説の醍醐味は、限られた情報や資源、圧倒的不利な状況の中で、いかに智恵を働かせて状況を打開するか、という点が大きい。
それはジャンルとしてのファンタジー作品にも当てはまる。

よって多くのファンタジー作品は、非現実的ながらもある程度練り込まれた世界観を持っている。
魔法の発動制限や誓約、また魔法習得までの血の滲む努力等。
あるいは読者や他ジャンルとのなんらかのつながりのようなものも、ファンタジーで描くことがある。
かなり詳細な世界観を持つファンタジー作品は、有名どころで言うと『鋼の錬金術師』とかだろうか。

世界観もへったくれも無くいきなり魔法発動俺最強フォーなんてやるのは、もはやメアリー・スーである。

ファンタジーは大分して「ハイファンタジー」と「ローファンタジー」の2つがある。


■ハイファンタジー


魔法や妖精といった「非現実的要素が元々存在する世界」をベースにした作品。

  • ヴァルキリープロファイルシリーズ
  • 世界樹の迷宮シリーズ 
  • ドラゴンクエストシリーズ
  • ブレイブリーシリーズ
  • ファイナルファンタジーシリーズ
  • 幻想水滸伝シリーズ
  • ゼルダの伝説シリーズ
  • ポケモンシリーズ
  • ウィッチャーシリーズ
  • ウィザードリィシリーズ
  • ダンジョンズ&ドラゴンズ
  • ロードス島戦記
  • ソード・ワールド
  • 魔術士オーフェン
  • スレイヤーズ
  • ベルセルク
  • 指輪物語
  • ゲド戦記
  • 英雄コナンシリーズ
  • ハウルの動く城シリーズ
  • バーティミアス
  • ダーククリスタル
  • 夢の宮シリーズ
  • 十二国記
  • 精霊の守り人
  • 夜の写本師
  • 氷と炎の歌
  • デルトラクエストシリーズ
  • ダークエルフ物語

■ローファンタジー


現実世界をベースに、何らかの偶発的原因によって登場した非現実的要素をめぐる作品。

  • DEATH NOTE
  • 呪術廻戦
  • とある魔術の禁書目録
  • ナルニア国ものがたり
  • ハリー・ポッターシリーズ
  • 自由の牢獄
  • クトゥルフ神話シリーズ
  • 魔法の国ザンス
  • ダレン・シャン
  • fate
  • 東方Project
  • SCP foundation
  • The Backrooms

■エブリデイマジック


日常に非現実要素が混じる、ローファンタジーの一形態。日本では「ご町内もの」などとも呼ばれる。

  • 奥様は魔女
  • 魔法使いサリー(魔法少女というジャンルの草分け)

■ハイ・ロー両方が混じったファンタジー


ハイファンタジーとローファンタジーは「二分」できるわけではなく、交じり合っている作品も多々ある。

例えばハリー・ポッターシリーズは「現実によく似た異世界」と解釈するならハイ、「現実世界の裏に魔法世界がある」と解釈するならロー。
指輪物語も、物語中の描写は明らかにハイだが、現実と通じる世界という設定があるため、それを適用するならロー。
異世界モノの作品も、「現実世界の人間」が「非現実に行く」ので、どちらとも言い切れないパターンが多くなる。

作中の描写、読み手の解釈、裏設定なども絡み、ハイ・ローの分類は難しいのである。


■ダークファンタジー

「非現実的な世界観を舞台にした闇っぽい話」のこと。
先に書いておくと非常に広いジャンルである。
闇っぽいってなんだよと思われるだろうが、本当にそれくらいしか条件がない。

ウィッチャーのような「中世ヨーロッパ風剣と魔法のファンタジーをベースに、雰囲気が暗いもの」が典型的なダークファンタジーだが、
現代やその他の世界が舞台でも、人が死んだり、闇夜で戦ったりすればダークファンタジーである。

ダークファンタジーと呼ばれたことのある作品


■エロの一部のジャンル


触手モノ、時間停止モノ、ニプルファック、尿道姦、マトリョーシ姦、ふたなり、氏賀Y太作品など
現実の通常のエロではありえないものもファンタジーものと呼ばれることがある。

ファンタジー作品ではしばしば嗜好を満たしたり、あるいはそのような展開を起こすために導入されたと思われる設定が存在する。獣耳や、『「お前ごときが魔王に勝てると思うな」とガチ勢に勇者パーティを追放されたので、王都で気ままに暮らしたい』などの設定がこれにあたる。

■恋愛モノの一部のジャンル


エロ同様、『君は春に目を醒ます』のように設定が嗜好を満たすために使われる場合がある。

『おっさんずラブ』のように同性愛が比較的一般に受容されていたりする世界観は『BLファンタジー』などと呼ばれることがある。その意味では『咲-Saki-』の裏設定だとかオメガバースモノも上述のものと同様広義のファンタジーである。

SF


超自然という点ではファンタジーだが、あまりファンタジーとは呼ばれない。

ファンタジー同様(またはそれ以上に)新規性を求めるジャンルではあるものの劇中の超常現象やその社会の風習といった謎は「理由が分からないのは当たり前」というようなことはなく、広く知られた科学技術や事前に与えられた伏線によって解決される場合が多い。
その意味では『夏への扉』や『ピトル・ポーウォブ課』はSFの中でもファンタジー寄りと言えるし、『異世界の名探偵』や『七つの魔剣が支配する』などはファンタジーの中でもSF寄りと言えるかもしれない。

科学的なアプローチ

MMORPGの世界観を用いた『ソードアート・オンライン』のように、科学技術が裏にあるものに関してもファンタジー扱いされることがある。

また『指輪物語』や『紫苑の書』, 『世界のあいだ』などは架空言語に対するアプローチが人文科学に根ざしている。

■絵本・児童文学


しばしばSFとは対局の存在として置かれる。『ゆうすげ村の小さな旅館』のように、超常現象が起こっても登場人物があまりそれを気にしない場合が多い。

■純文学


『天守物語』や『茨海小学校』、『蜘蛛の糸』のように、純文学には古くからファンタジー的な作品が多く存在する。海外で聖書やシェークスピアに次いで評される「キリスト教三大文学」すなわち『ファウスト』『神曲』『失楽園』はいずれもファンタジー小説である。

前衛短歌や、『鏡の中の鏡-迷宮-』に代表されるいわゆるメルヒェンのように、SFやミステリーのようなストーリーに整合性を求める考えに疑問を持ち、その結果として脈絡がなく超自然的ともとれるファンタジー的な現象を起こすものは純文学的なファンタジーと言えるかもしれない。

■非ファンタジー作品の例


要は「現実世界をテーマにした作品」。
ピンチになっても力が覚醒したりしないので、全て自力で乗り越える必要がある。

  • スポーツ漫画、料理漫画、学園もの、推理もの等
(言うまでも無く世界観は現実世界がベース)

  • ハイテクな世界観
(科学が発達したファンタジーの正反対。要するにジャンルSF、スペースファンタジーやサイエンスファンタジー。BACK TO THE FUTURE、ターミネーター等)

  • ギャグ漫画
(定義上は限りなくファンタジーに近いはずだが、基本的に別物として扱われる)

■ファンタジー小説のレーベル

  • ハヤカワ文庫FT
「ウィッチャー」シリーズなど、海外のファンタジーの翻訳を専門に行なっている。

  • 富士見ファンタジア文庫
スレイヤーズ』などのライトノベルを出版している。ただし、SFなどジャンルファンタジー以外の小説も出している。

■ファンタジーの賞

  • 日本ファンタジーノベル大賞(日本)
  • 国際アンデルセン賞(スイス)
  • 国際幻想文学賞(イギリス)

追記・修正お願いします

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

最終更新:2022年06月07日 09:40