壮烈!!涙の一撃(ジャンボーグA)

登録日:2020/06/03 (水曜日) 12:55:13
更新日:2020/07/01 Wed 22:40:56
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わしは地球人の子どもが憎い!

子どもが何と叫んでも、気を取られるな!脅かしてやれ!


ジャンボーグA』の第11話。
グロース星人に両親を殺され、今また友達だった子犬を怪獣にされてしまった少年。
少年のため、ナオキはある行動に出る……


【ストーリー】

ある日、ナオキがジャンに乗って飛行していると、後ろから声が聞こえた。
後ろを見ると小さな頭が見えたので、冗談めかして「宙返りで振り落とすぞ」と言うと、子犬を連れた少年が現れた。
健太と名乗った少年は、ジャンを見ているうちに、つい乗ってしまったのだという。

出典:ジャンボーグA/円谷プロ/第11話「壮烈!!涙の一撃-ドクロスキング登場-」/1973年3月28日放送

健太はピスと名付けた子犬と一緒に養護施設に戻る。健太は、親のいないみなしごだった。
しかし、養護施設の先生からはを飼えるほど余裕がないからと、ピスを捨てるように言われていたのだった。

出典:同上

仕方なくピスを捨てに行く健太だったが、ピスは健太の後を追って来てしまう。
困った健太は、ナオキを訪ねてピスを預かってくれるように頼む。
和也が預かる事を了承したので、安心する健太だったがそこに先生が訪ねて来たので和也と一緒に逃げてしまう。

先生の話で、ナオキは健太がみなしごだという事を知る。健太は引け目を感じるのが嫌で、ナオキには両親がいると嘘をついていた。
先生によると健太はピスを弟のようにかわいがっており、唯一の心の支えになっているという。
先生はその犬を捨てろというのは残酷かも知れないが、自分は保母として健太の将来のために違った心の支えを、もっと大きな目標を持たせてあげようと考えていると話す。
たが、ナオキはそれを否定する。

甘いな!

甘いよ。心の支えとか、目標とかは与えてやれるもんじゃないよ

先生、男はね、自分の体で、自分の手で心の支えなり目標を掴み取るんだよ

先生に自分の意見をはっきり伝えるナオキ。
すると、グロース星人が出現したためナオキはすぐに現場に向かう。

ピスと一緒に遊んでいた健太と和也の前に、グロース星人の宇宙船が出現。
宇宙船から降り立ったアンチゴーネが怪獣化光線をピスに浴びせ、ピスを怪獣「ドクロスキング」に変貌させてしまう。
健太は叫びながらドクロスキングに走って行くが、ドクロスキングとなったピスに健太の声は届かなかった。

出典:同上

襲われそうになった所にナオキが駆けつけ、何とか避難するとアンチゴーネの指示でドクロスキングは地面に潜って姿を消してしまい、ナオキも腕にケガをしてしまう。
健太は、悔しさから思わず叫ぶ。

怪獣の奴、どうして僕のものばかり取ってしまうんだよ……!

怪獣のバカヤロー!

パパやママを殺したうえ、ピスまで怪獣にしやがって……!

実は、健太の両親はグロース星人の最初の襲来の時、怪獣キングジャイラスによって命を落としていたのだ。
そして、唯一の友達であるピスまでも怪獣にされてしまった。
岸隊長によると、ピスはサイボーグ怪獣にされてしまったために取り戻す事はできないという。

健太は、「自分があの時飛び出して行ってピスを助ければよかった」と、勇気のない自分を嘆く。
ナオキは「自分を責めるな」と声をかけるが、再びドクロスキングが出現。
すると、何かを考えたナオキは健太の手を取って走りだし、何と一緒にジャンに乗せて飛び立った。

暴れるドクロスキングに近づいていくナオキと健太。
その姿を見た健太は思わず名前を呼ぶ。
ナオキはそれを否定し、健太を連れてきた理由を話す。

ピス…!

あれはピスじゃない!

お前のピスは、もう死んでしまったんだ…!

あの怪獣はお前が殺すんだ!

いやだ!ピスを殺すなんて……そんな恐ろしい事できないよ!

一瞬、黙ってドクロスキングを見つめた健太だったが、やはりピスを殺す事はできないと拒否。
しかし、ナオキはさらに続ける。

あの怪獣がお前のパパとママを殺した奴でもか!?

あいつを殺す勇気がなければ、お前は男になれない!

ナオキの言葉に、健太は改めて前を向く。
その時、ナオキの腕時計が緑色に光り……、

ジャン・ファイト!

何と、健太を乗せたままジャンボーグAとなり、ドクロスキングとの戦いに挑んだのだ。

出典:同上

健太に声をかけながら激闘を展開していると、そこにアンチゴーネの宇宙船が現れ、地上に巨大な処刑台を設置。
ドクロスキングにジャンボーグAを処刑台に追い込むように命令する。
何とか追い込まれないように戦いうジャンボーグAだったが、ドクロスキングのパワーと処刑台からの光線に囚われ、はりつけにされてしまう。

ドクロスキングの突進に苦しめられるジャンボーグAだったが、ナオキは健太に代わりにボタンを押すように頼む。
近づいてくるドクロスキングに一度は目を背ける健太だったが、

恐れるな!勇気を出して怪獣を見るんだ!

お前のパパとママを殺した怪獣を、お前が殺すんだ!

出典:同上

ナオキの言葉で勇気を出した健太がボタンを押すと、ジャンボーグAがエネルギーを解放して処刑台は爆発。
そして、続けて放たれた「ジャンレザー」で遂にドクロスキングも倒された。
そして……、

ナオキは、少年の目に涙を見た

それが、愛犬を失った悲しみの涙か、それとも、両親を奪った憎むべき敵を打ち倒した感激の涙かはわからない

だが、少年はひとつの厳しい試練をジャンボーグAと共に自らの力で乗り越えた

ナオキは、笑顔と共に健太に声をかける。

ジャンボーグAに乗った事は二人だけの秘密だぞ?

出典:同上

健太を前に座らせると、二人を乗せたジャンは夕日に向かって飛んでいくのだった。


【登場怪獣】

◆ドクロ怪獣ドクロスキング


出典:同上

身長:30m
体重:2万7000t
出身地:東京近郊

グロース星人に両親を殺された健太少年の心の支えであり、唯一の友達であった愛犬のピスがアンチゴーネの怪獣化光線によって怪獣にされてしまった姿。
ピスの時は健太によくなつき、捨てられても後を追って来るなど仲が良かったがドクロスキングに変貌するとその意識は完全に消え失せ、無情に健太に襲いかかった。

その名の通り、ドクロのような外皮に覆われた姿をしている。
武器は、まず両手の先の巨大な爪と頭の二本の巨大角。
爪を使った突きや、角を使った強力な突進攻撃が得意。
口からは高熱火炎と白いガスを吐き、設定上ではあるが角からは破壊光線を発射する。
秘密兵器として、体内に「ドクロスミサイル」を搭載しているが照準はドクロスキング任せなために命中率は低く、かなりの近距離だったにも関わらず外れてしまい、アンチゴーネから叱責された。

怪獣化してから少し破壊活動を行うと、アンチゴーネの指示で地面に潜って姿を消す。
その後、宇宙防衛基地の核兵器庫を破壊するために出現する。
登場したジャンボーグAには、最初は攻められるもアンチゴーネの処刑台作戦で逆転し、ジャンボーグAを追い込むが健太の手でエネルギーを解放したジャンボーグAに脱出され、「ジャンレザー」を受けて倒れ、爆発した。

第21話で、霊媒怪獣ウータンの呼び出した幽霊怪獣として再登場した。

丸いボディに直接手足や頭がついたタッコングタイプの怪獣。
両手の爪を前に向けて角に見立ててみると、後に『ウルトラマンレオ』に登場する「ブラックエンド」に似ている気もする。


【その他】

本作品の見る所は、両親と友達を奪われた少年に勇気を持たせ、立ち直らせようというナオキの行動である。
健太のためにナオキが取った行動は、「憎むべき敵に立ち向かわせ、自らの手で勝利を掴ませる」という事で、ドクロスキングにピスの面影を見る健太への言葉から「過去との決別」も含まれているのかも知れない。

ナオキは健太を奮い立たせるために「あいつを殺す勇気がなければ、お前は男になれない」といった強い言葉を使うなど、放送当時と現代では様々に変化している部分も多い故に、今では中々に賛否があるかも知れない作品である。

養護施設の先生を演じているのは、「未来少年コナン」のヒロイン・ラナや「無敵鋼人ダイターン3」のコロスなどで知られる信澤三惠子氏。

健太少年はこの後第21話で再登場し、再びジャンボーグAに搭乗している。

たった一言の台詞のみだが、この世界では東京に核兵器庫が存在しているという事が明かされている。
グロース星人という脅威に襲われているので、現実とは違うわけではあるがなかなか強烈な事実である。

追記・修正お願いします。

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