ブラックエンド

登録日:2017/10/28(土) 21:00:15
更新日:2020/05/02 Sat 07:02:05
所要時間:約 8 分で読めます




ブラックエンドとは、『ウルトラマンレオ』に登場する最後の円盤生物である。


概要

種別:円盤生物
身長:55m
体重:2万9千t
出身地:ブラックスター
武器:高熱火炎「デスマグマ」、角、尻尾攻撃


『ウルトラマンレオ』第51話「さようならレオ!太陽への旅立ち」に登場する怪獣。
恐怖の円盤生物シリーズにおける最終兵器であり、本作のラスボスである。

円盤生物の多くは平べったい形状をしていたが、ブラックエンドはまんまるい形をしている。
サメやドラゴンを思わせる乱杭歯が並ぶ顔には赤く爛々と輝く瞳が光り、愛らしい形状にも拘らず恐ろしさを秘めている。
両腕は無いが、代わりに長大な角が肩と思しき部分から生えており、地上では二本の脚でノシノシと歩く。
この角は打撃や熱などのエネルギーを吸収できるらしい。らしいというのは、作中で吸収する描写が無いからである。
その他にも尻からも角を生やすことができ、普段は収納している。更に脚を収納すると、マッハ6.5で飛ぶことができる。
体の直径を上回るほど扁平で長い尻尾を生やしており、先端にはハサミのような突起(レーダー替わりの器官)がある。

全円盤生物で最強の戦闘力を有しており、口からデスマグマを吐き周囲を焼き尽くす。
円盤生物の多くはプカプカ浮いており、地に足を付けた途端にウルトラマンレオにボコボコにされるような貧弱な連中が多かったが、
こいつは一切そんなことを考えておらず、常にベタ脚で相手に立ち向かう。
ブラックエンドは地中を時速80㎞で掘り進む力を持ち、大地を引き裂き、強大な地震を起こすこともできる。
地中から尻尾だけ出して建造物を薙ぎ払うなどといった戦法をとることもある。
たしかに格闘戦と破壊力においては、他の円盤生物なんぞ比ではあるまい。

…しかしそれは、円盤生物という存在に対する矛盾を抱えていた。



活躍

番組冒頭で、ブラックスターから出撃したブラックエンドは、密かに地球にもぐりこむ。
地の底に隠れたブラックエンドは、東京各地で大地震を起こし、ビル群や石油コンビナートを破壊し尽し、怨嗟骨髄に染みるレオを呼び出そうとする。
レオに変身するおおとりゲン(宇宙パトロール隊 MACが全滅してしまったため今やスポーツクラブの1コーチになっていた)は、
円盤生物シルバーブルーメに家族を殺されたトオル少年と共にドライブに行こうとしていたが、
その最中に大地を引き裂いてブラックエンドが現れ、すぐさまゲンはトオルを逃がし変身しようとする。
しかしトオルは諦めたかのように「あの怪獣はレオを呼んでるんだ。レオが変身して倒してくれるんだ」とぼやいた。
それを見ていたゲンの目に、シルバーブルーメを倒し家族の敵を討つと叫んでいた数か月前のトオルの姿が去来する。

(このままオレがあの怪獣を倒しても…トオルのためにならない)

そう確信したゲンは変身を拒み、いつまで経ってもレオが現れないことに業を煮やしたブラック指令は一計を案じブラックエンドを撤退させた。
その夜、仲間たちと談笑するうち、レオが地球に居続けることは怪獣を呼び込むことにつながるのではないか、と憂い始める。
宵闇の中、ゲンは夢を見た。
夢枕に立ったウルトラセブンは、ブラックエンドこそが最後の円盤生物であること、
そして、今こそがレオが地球に留まることが出来るのかどうかの天王山となることを教えた。
地球に永久に留まるということは、自分がウルトラマンであることを明かすことと表裏一体であることを告げ、セブンは去って行った…。
目を覚ましたゲンは、覚悟を決める日が来たことを確信した。

朝練の最中、弱音を吐くトオルに、ゲンは「一人で海まで行く」ことを勧めた。
東京生まれのトオルは故郷が無いことを嘆き、昨日のドライブも海に行きたがっていたのだ。
まだ食事もとっていないとぶーたれるトオルに、ゲンは辛いことを乗り越えてこそ強くなれることを、ツルク星人に殺された父が常々語っていたことを教える。
それを聞いて奮起したトオルにゲンは旅費を渡そうとするが、突如として大地震が発生する。

犯人は勿論ブラックエンド。破壊と殺戮以外考えることのない生物兵器は、執拗にゲンとトオルを狙い、デスマグマを吐き続ける。
地は裂け、川は焼け、天は煙に包まれる。幾度とない地獄が繰り広げられてきた東京の地に、「黒き終焉」が訪れようとしていた。
助けを得ずして立ち上がる強さを見せたトオルに、意を決してゲンは正体を証し、眼前で変身してみせた。

「レオーーーーッ!!」

最後の咆哮と共に、獅子の瞳が輝いた。誰かがやらねばならぬ時、赤い炎をくぐってレオは現れる。
やおら地上に降り立ったレオは即座にブラックエンドの尻尾にまたがり、トオルに毒牙を向けんとするブラックエンドの進行を食い止める。
怒ったブラックエンドはケツから角を生やし、尻尾と挟み撃ちにしてレオの背中を突き刺し、更に尻尾で放り投げる。
体勢を崩したレオにブラックエンドはヘルマグマを浴びせるも、躱されざまにまたも背後を取られ、ケツの角をぶっこ抜かれてしまう。
レオにとって、というか昭和ウルトラマンにとって部位破壊はそれだけにとどまるものではなく、案の定レオは角をブン投げてブラックエンドに突き刺す。
邪魔なヘルマグマを防いだレオは闘牛に挑むかのように角を抑え、がっぷりと力比べが始まった。

…もうお分かりであろう。
円盤生物にとって「格闘技や正面からの戦闘が強い」ということは、なんの利にもならないのである。むしろ、蛇足と言っても良い程である。
奴らは常に空中に浮いていたがためにレオの格闘技を回避・防御しやすかったのであり、更に遠距離からの攻撃なり精神攻撃なりでレオにダメージを与えてきたが、真正面から立ち向かえばそのパワーを全面で受けることになる。
従って、初期の怪獣や宇宙人に事あるごとにボロボロにされ、毎週のようにダンにスパルタ特訓を受けていた頃ならさておき、
二刀流ブーメラン槍術空手心眼チェーンデスマッチといったあらゆる格闘を乗り越えてきた今のレオにとって、
正面戦闘に弱い円盤生物との真っ向勝負などこちらのペースに持ち込んでしまえば大した困難ではなかったのだ。
初戦のブラックガロンやブニョのように、格闘戦を拒否するような戦法をとるならまだしも
ブリザードやノーバやハングラーのような浮かない円盤生物達は地に足を付いた格闘を許したが最後、ほぼフルボッコに近い形であった。
そんなヘナチョコな連中相手に1位になった所で、所詮はお山の大将にすぎなかった、というわけである。

「ブラックエンドめ、何をしておるのだァ!?」

ほれ見たことか、ブラック指令までこんなことを言い出した。
一向に好転しない状況を見て、卑劣なブラック指令はトオル少年を攫い、剣を突きつけてレオを一喝した。
隙を見せたレオをブラックエンドはここぞとばかりに尻尾でシバきまくり、運命の2分40秒が近づいた。
苦しさの中、レオの脳裏には今までの苛烈な戦いが目に浮かんだ。
夢枕に浮かぶセブンの声も、疲れ果てたレオには届かず、カラータイマーは赤く明滅する。

勝利を確信したブラック指令は高笑いするが、抱えていたトオルに右腕に噛みつかれ、そこに大勢の子供たちが現れた!
声を消し、一気呵成に襲いかかる子供たちに剣を叩き落された挙句袋叩きにされ、ブラック指令は水晶玉を奪われてしまう。
それこそが円盤生物を操る鍵だと見抜いたトオルはすかさず水晶玉を奪い、レオの元に投げた! …凄い強肩だ。スポーツジムに行ってたからあそこまで投げられただろうか?
いつのまにか1m位のサイズまで膨れ上がった水晶玉を掴み取り、レオは最後の力を振り絞る。
そうはさせじと突撃をかますブラックエンドだったが、マヌケにもすっ転んで角をへし折ってしまい、レオはひらりと躱し水晶玉にエネルギーを注ぎ込む。
レオの手から放たれた深紅に燃え滾る水晶玉はブラックエンドを直撃し、大爆発!
同時にブラック指令も苦悶の声をあげ、ゾンビのように腐り落ちて消滅してしまった。

主を失ったブラックスターは地球めがけ落下していく。故郷を二度も失わせてなるものか。
レオは全ての力を腕に込め、シューティングビームを炸裂させた。
普段は牽制程度に使われることの多かった技だが、円盤生物への怒りが込められた今回の一撃は一味違う。
着弾と同時に悪魔の星は大爆発し、破片は全て宇宙へと散って行った。地球には、一つとして被害は出なかったのだ…。


この一件でレオは、トオルやその友達たちがどんな困難にも負けない勇気があることを確信した。
もう、導く役目は終わったのだ。

「やっと今、この星は僕の故郷になったんです」

お世話になった美山家の人々にそう言い残し、ゲンは王子の証を外した。
ヨットで旅に出たゲンを追いすがり、トオルはゲンと約束した通り一人で海まで辿り着いた。
彼方へと去る船に、トオルはいつまでも手を振り続けるのだった…。
1980年4月、『ウルトラマン80』1話でクレッセント出現まで5年間、怪獣が現れなかったとナレーションされており、これは75年3月にブラックエンドがレオに倒されてからの年数である。




以上がブラックエンドの活躍である。
はっきり言おう。ブラックエンドはそこまで強くはない。いや、他のエピソードと一般怪獣とそんなに変わらんだろう。
現在でも「サメクジラ同様のとほほなラスボス」とか「名前負けの権化」みたいに言われているが、少し待ってほしい。
『ウルトラマンレオ』は未熟な若き戦士が、偉大なる勇者・ウルトラセブンによって大器となるまでを描いた話である。
円盤生物は確かに邪道に次ぐ邪道であるが、物語のラストとして、レオは真っ向勝負で巨悪に立ち向かわねばならなかったのだ。
故にブラックエンドは馬鹿正直に地を脚に付け、ザ・怪獣と言わんばかりの暴れ振りを見せた。
それに対し弱いだのなんだのと言うのは筋違いである。
むしろ、レオが最強円盤生物をも圧倒できるほど強くなったことを称えるべきであろう。
きっとその姿はセブンも感銘を受けているだろうし、いつか生まれる「大切な人」に対しても、レオはこの一戦の事を誇れるはずである。

…まあ、その「大切な人」も、後にセブンやレオ以上のスパルタ野郎になるんだけどね!



余談

  • 映画『太陽を盗んだ男』で主人公が見ていたテレビに映るシーンがあり、これは本タイトルが「さよならレオ!太陽の旅立ち」とかけたものである。



  • ゲーム『ロストヒーローズ2』では最初は「デビル・キューブ」にて、ブラックガロンやブニョと共にブラック指令の呼び出す雑魚敵召喚獣として登場。
    ブラック指令撃破後は水晶玉がクライシス帝国のボスガンに奪われたため、彼の配下となって中ボスとして再登場する。
    クライシスの幹部・最強怪人達との連戦に1体だけ円盤生物が混ざっているのはちょっとシュール。
    こちらでも最強の円盤生物とは言われ、シナリオ上ではヒーローの仲間達を苦しめているものの、即死技持ち状態異常の鬼達のように搦め手が多い他の円盤生物と違い、ほぼただの力押しなので、雑魚に毛が生えたレベル。
    一応、スタン技を持ってはいるが、低確率で単体対象なので脅威ではない。
    ラストダンジョンの「デストロイ・キューブ」でも再び雑魚として登場。

  • ブラックスターとの戦いを終え、トオル達と別れるシーンでおおとりゲンの前歯の一部が欠けている。
    このシーンを撮影する前日に差し入れの草加せんべいを齧っていたら前歯が欠けてしまったとの事。



追記・修正は一人で海まで走ってから行ってください。

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