鯱鉾(バキシリーズ)

登録日:2020/10/15 (木) 00:57:55
更新日:2024/07/12 Fri 07:50:39
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アンタが好きなだけ打つ番だッッ



鯱鉾(しゃちほこ)とは、バキシリーズ第五部『バキ道』から登場するキャラクター。

●目次


概要

貴乃花金竜山の挑発による挑戦を受けた大日本相撲協会が送り込んだ力士の一人。
『バキ道』では花山薫のライバルキャラとしても位置付けられており、かつての花山のライバルであるスペックのように連打攻撃を得意としている。

人物

190cm・151kgという巨体。十分な巨体なのだが、花山には体重の面でやや重量は劣る。
巨鯨と同様に肌がやや黒めだが、彼と同様に日本人力士なのかは不明。
番付は前頭筆頭。地下闘技場に挑む力士の面子の中では最下位の実力と言うことになる。

他の力士と同様に頻繁に喋るタイプではないが、全体的に態度や姿勢は軽い。
口調も「~っス」という語尾を付けることが多く、試合中の内心描写でも焦りや意地を感じている場面が見られた。
番付的にも良くも悪くもまだまだ未熟なのだろうか…?

実力

180度の開脚が可能な角界随一と言われている四股が可能であり、両腕の長いリーチを生かしたつっぱりが得意なことから「両国のつっぱり野郎」という異名を持つ。
「角界一 廻しの遠い男」という別の異名も持ち、身体的には最強クラスの巨鯨よりも廻しが遠いらしい。
力士でありながらも試合が始まる前に軽快に飛び跳ねる様子を見せたりと、身体に関しても体重に反して軽い事がうかがえる。

しかし、番付は前頭筆頭であるために選抜力士の中では一番格が低く、つまりは他の力士よりは実力は劣る。
「角界の打撃系」と呼ばれた得意のつっぱりの連打もノーガードの花山に大きなダメージは入っておらず、スペックの無呼吸連打よりも劣る程度の威力だと考えられる。
正直、作中の描写的にも明らかに巨鯨や猛剣よりも格下として描かれていたことは否定できない。
一応嵐川理事長からは「鯱鉾は前頭とはいえ完成した力士」と高評価を下されている*1

相撲ルールでは敗北となるダウンに追い込まれても戦闘を続行するなど、巨鯨や猛剣よりは力士としてのプライドによる戦闘スタイルが薄い点も見られる。
まあ巨鯨はともかく猛剣などは相撲に拘らなければ結果が違った可能性もあるので、地下闘技場の試合ルールにちゃんと順応しているとも言える。

作中の活躍

VSアーロン村瀬

地下闘技場に挑む為に幕内力士全員が出場を希望する中で、相撲協会から選定された6人の力士の一人として登場。
徳川によって、嵐川理事長や他の力士と共に地下闘技場に案内される。
そして、徳川から送り込まれたレスリング出身の総合格闘家であるヘヴィ級・アーロン村瀬(181cm・122kg)を送り込まれて激突することに。

レスリング出身ながら圧倒的なパンチカを持ち、試合全てパンチで勝利を収めてきたアーロン村瀬に諸手突きで先制攻撃を続けると、パンチで反撃を仕掛けられるがなおも張り手で抵抗。
最終的には圧倒的な打撃力の格差を見せつけ、トドメの連打攻撃によって圧勝するのだった。


VS花山薫

そして組まれた地下戦士VS大日本相撲協会力士代表の試合では、3試合目に花山との対戦が決定する。
試合開始前は高いテンションを見せていた鯱鉾だが、花山の顔の疵跡に驚いた(ということでいきなりインタビュー描写が開始される)。
花山の傷を見て殺し合いを強いられることを認識した鯱鉾ではあるが、あくまでも相手は素人ということで舐めた内心だった。

しかし、花山の独特な戦闘体制を見た直後に顔面に一撃を浴び、視界が真っ暗になるほどの大ダメージを受ける。
この光景に観客席の金竜山は試合の決着と考えて徳川に質問をするが、徳川は頭の僅かなく挙動から鯱鉾の試合継続の意思を読み取っていた。
花山も敵が起き上がることを待ち続ける中、鯱鉾は激痛と鼻血の大量出血に苦しみながらも冷静さを取り戻す。

大量出血をしてもなお闘志を頂点に迎えて態勢を立て直した鯱鉾は突進を行い、花山の右拳を避けて左張り手によるカウンターを顎にヒットさせる。
その勢いから怒りの形相を浮かべた押し出しによって花山を一気に柵に追い込む超パワーを見せ、得意のつっぱりと張り手の連打を展開する。


これって…………
これって何なん…?
これって…
これって一体 何なん!!?


防御をしない花山に攻撃を当て続ける鯱鉾だったが、内心では全く倒れない相手を見た上での焦りや疑問を感じていた。
攻撃を当て続けていた鯱鉾はいきなり動きを止めると、今度は花山が好きなだけ打つ番としてターン制バトルのような耐久勝負を訴える。
それに静かに応じた花山は、忖度なしの全力パンチを鯱鉾の顔面に容赦なく叩きこんだ。
大ダメージに視界が揺れながらも、自身の言い放った発言から倒れることは死んでも無理だと決めた鯱鉾は咆哮と共に耐え切った…
かと思いきや、その直後に容赦なく追撃のアッパーカットを顎に叩き込まれてしまった。

ダウンしていた鯱鉾はしばらく時間が経過して気絶から回復するが、花山は何と、髪を整え、眼鏡を着用し、タバコを出しかけていた。
完全に余裕の態度で待っていた花山は鯱鉾に試合続行の意思を確認するが、長時間のダウンから流石に敗北を認めることとなった。
鯱鉾試合こそ継続したが、試合開始時点でのダウンを「死」として本来ならばそこで終了していたはずだと振り返った。
一応、花山の予想よりは鯱鉾のダウンからの回復は早かったらしいが…。


次 会う時ゃ チャンコで一杯だ


次に再会した時にはちゃんこ鍋で酒を飲み合う約束を伝えて闘技場から退場し、花山もそれに応じるような様子を見せた。
何か綺麗に話を締めているけど、現役の大相撲の力士が一応マジもんの反社会勢力であるヤクザと食事会って大丈夫なんですかね…?

余談

  • 鯱鉾のモデルとなった力士は、阿炎政虎ではないかと噂されている。身体に関しては188cm・150kgと近く、四股の評判の高さから異名が付けられているのも共通している。
    名前に関しては逆鉾昭廣が元ネタではないかと言われている(阿炎の所属している錣山部屋の親方である寺尾は逆鉾の実弟である)。

  • 巨鯨や猛剣と比べると明らかに地下格闘場戦士と対等に戦えていないという点もあって、力士勢の中では不遇だとする意見もある。
    一方で、いきなり現れた怪物スペックの巨鯨などと比べると良くも悪くも異質感の薄い力士でもあり、今まで出てきた力士の中では一番歴代シリーズとのパワーバランスの描写的にはある意味整っているキャラではないかとする評価も見られる。

  • 実はスペック戦の印象や作中の強者の扱いに反して割と敗北が多い花山にとっては、鯱鉾戦は久々の勝利となった。




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最終更新:2024年07月12日 07:50

*1 ただし、力士の才能があるとしてプロからも注目されていた花山を「磨かれていない原石」と例えた上での比較ではあるが。