SCP-1471

登録日:2020/11/04 (水) 23:43:22
更新日:2025/03/04 Tue 19:26:40
所要時間:約 5 分で読めます





さびしくないよ。
もう、すぐそこにいるってば。



SCP-1471とは、シェアード・ワールド「SCP Foundation」において登録されたオブジェクトの一つ。
オブジェクトクラスは「Euclid」。
項目名は『MalO ver1.0.0』。


説明

SCP-1471は、開発者不明の無料モバイル機器向けアプリである。
このアプリをインストールした直後は、アイコンやショートカットは作成されず、何の変化も起きない。

問題はこの後、インストールした機器に3~6時間置きにイヌ科動物のような頭蓋骨と黒い体毛を併せ持つ巨大な人型実体が写った写真が送信されてくるようになる。これをSCP-1471-Aと呼称する。

24時間後には持ち主がよく行く場所から撮られた写真が送られ、
48時間後になると最近訪れた場所から撮られた写真が送られ、
72時間後に至ってはすぐ近くで撮られた写真が送信される。



勿論、SCP-1471-Aも写っている


そして90時間を越えると、周りの隅や鏡、周辺の脇などからSCP-1471-A実態が見えるようになる。勿論、他の人間には視認出来ず、干渉することも出来ない。

さらに時間がたつと、周囲に常にSCP-1471-Aが見えるようになる。


この状況を防ぐ方法として、90時間を過ぎる前に対象を携帯機器から引き離すことが求められる。この画像から遠ざけることで影響を解くことができる。

よって特別収容プロトコル

すべてのSCP-1471がインストールされたモバイル機器は没収され、他に影響を受けた機器が無いか手がかりを探すために分析されます。その後、影響を受けたモバイル機器はバッテリーを外され、識別番号付けがされた後(例:SCP-1471-#)、研究施設45の保管ユニット91に保管されます。

すべてのモバイル機器向けオンラインアプリケーションストアは、SCP-1471の不注意による流出を防ぐために監視されます。不審な機器は、エージェントの手で回収されるまでの間、自己アップロード型マルウェアを用いて動作を妨げられることになっています。



前述したとおり、このアプリの開発者は不明ではあるが、何らかの方法でストアの審査を潜り抜けて携帯機器に配布されていた所を財団が発見。プロトコルを確立した。



ではSCP-1471-A一体どんな悪影響を与えるのか。


お答えすると、何もしない
ただ側からコチラを観察してくるだけなのだ。
もっとも、見た目が文句無しにSAN値直葬レベルの異常実態に終始側に居られたら、精神はゴリゴリに削られるわけだが。



で、このオブジェクトがストアにアップされていた時の紹介文が以下である。



保存文書1471-01

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レビュー (0件)

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一つ文句を言うならば、もう少し見た目をどうにか出来なかっただろうか?逆に言うと万一この見た目を気に入ることが出来たなら最高の品ということになるかも知れない。



Tale『カポネ』

本家ページでは、上記の購入しますか?の文をクリックすると、このオブジェクトをインストールした男性、ウィリアム氏が主人公の物語にジャンプできる。


そもそもウィリアムが例のアプリをインストールしたきっかけは、姉のサラが半ば強引にオススメしてきたからだった。

両親が亡くなって以来、自分の面倒を見てくれたサラだったが、携帯に送られてきた写真に写る不気味な実態を『カサンドラ』と名付けて一喜一憂していた。そんな姉から勧められて、やむ無くウィリアムはアプリをインストール、写真に写った実態を『カポネ』と名付けることにした。


しかし時がつれて、姉の様子が可笑しくなっていった。写真の頻度が頻繁になり、遂には身の回りに『カサンドラ』が見えるようになっていき、遂には恐怖に耐えきれず、自ら命を絶ってしまった。

そんな悲しみに暮れるウィリアムの支えとなったのが、皮肉にも姉を死に追いやったモノと同じ姿の実態、『カポネ』であった。
姉の死を責め立てようとしたが、それが意味の無いことだと理解して、仕舞いにウィリアムは生活の中で彼を受け入れることにした。




精神科から家に帰り、医師へのメッセージを書き綴っている最中、鏡から自分を見つめる『カポネ』の顔を見つめて、ウィリアムはただ一つ確信していることを綴った。


とはいえ、僕はどうすればそれを知り得たでしょうか?
僕には誰が、もしくは、どうしてMalOたちを作ったのか分かりません。誰かが実際にアプリを作ったのかどうかさえ分かりません。
多くが自然に創られたようなものなのか、それとも、まったくの偶然からある種の異常を与えられたものなのか。
もし何か物理的なもののせいだとすれば、大いに納得することができたのでしょうが、理に適うと言えるものはありませんでした。
MalOたちにも、僕にも。つまるところ、それは単なる偶然の産物なんです。



もしもあの時、姉の行為を止めることが出来たなら、姉はまだ生きていたかもしれない。
しかしそれを考えても仕方のないことだ。既に終わってしまい、現在進行形で自身の身にも起きていることなのだから。


偶然から起きた異常の中で、ウィリアムは新しい家族と共に、これからも生きていく。









SCP-1471


MalO ver1.0.0





追記・修正はアプリをインストールしてからお願いします。


SCP-1471 - MalO ver1.0.0
by LurkD
http://www.scp-wiki.net/scp-1471
http://ja.scp-wiki.net/scp-1471(翻訳)
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最終更新:2025年03月04日 19:26