調(音楽)

登録日:2021/04/10 (土) 23:10:45
更新日:2021/04/22 Thu 01:26:13
所要時間:約 5 分で読めます




一般的に、音楽にはオクターブ違いを1つの音とすると12種類の音がある。

12種類の音は、
ドレミファソラシド表記では「ド/ド♯・レ♭/レ/レ♯・ミ♭/ミ/ファ/ファ♯・ソ♭/ソ/ソ♯・ラ♭/ラ/ラ♯・シ♭/シ」、
英語表記では「C/C♯・D♭/D/D♯・E♭/E/F/F♯・G♭/G/G♯・A♭/A/A♯・B♭/B」、
日本式表記では「ハ/嬰ハ・変ニ/ニ/嬰ニ・変ホ/ホ/ヘ/嬰ヘ・変ト/ト/嬰ト・変イ/イ/嬰イ・変ロ/ロ」となる。(ピアノでは、このうち7つが白鍵、5つが黒鍵となる。)

一般的な長調・短調は、この12種類の音のうち7音を主な音として構成されている。
7音の間隔には決まりがあり、
長調では「第1音-(全音)-第2音-(全音)-第3音-(半音)-第4音-(全音)-第5音-(全音)-第6音-(全音)-第7音-(半音)-第1音の1オクターブ上」
短調では「第1音-(全音)-第2音-(半音)-第3音-(全音)-第4音-(全音)-第5音-(半音)-第6音-(全音)-第7音-(全音)-第1音の1オクターブ上」(自然短音階の場合)
となる。
なお、第1音は主音と呼ばれ、調の元になる音となる。
ただし、短調では第7音を半音上げた和声短音階、上昇時のみ第6音・第7音を半音上げた旋律短音階も存在する。

ちなみに、オクターブ違いの音とは、周波数で2倍の差がある音のことであり、半音は、12音を均等分割する平均律では、周波数で2^(1/12)≒1.059463倍の差がある音である。
(ただし、平均律では12音の間隔が対数的に均等になる代わりに、周波数比が無理数となるので、12音を均等分割せず、主な音の周波数比が簡単な有理数になるようにした別の音律も存在する。)
周波数の具体的な値は、ピアノの中央ハ音(C4とも呼ばれる)のすぐ上のイ音の周波数が440Hzに定められていることが多い。

長調ではハから始まるハ長調、短調(自然短音階とする)ではイから始まるイ長調が、7音すべてに♯や♭がつかず、ピアノでいうと白鍵のみである。
その他の音を主音(第1音)とする調は、7つの構成音のいずれかに♯や♭のついた音(ピアノで言うと黒鍵)が含まれる。

7つの音それぞれに♯・♭を付けた調を考えると、♯・♭なしの調も含め、長調・短調ともに15種類の調があるように錯覚するが、そのうち実際は表現が違うだけで同じ音が主音になることを表す調(嬰へ長調と変ト長調など)もあるので、平均律では実際の調は長調・短調ともに12種類である。

楽譜上では、調の構成音にその都度♯や♭をつけるのは見にくくなるため、左端の音部記号のすぐ横に♯や♭をまとめ書きする。これを調号という。そのため、調号を見れば、どの調であるかが判断できる。

以下の調の説明では、構成音を英語表記で説明する。


長調の一覧


調名 構成音 調号 備考
ハ長調(Cメジャー) C/D/E/F/G/A/B なし
ト長調(Gメジャー) G/A/B/C/D/E/F♯ ♯1つ
ニ長調(Dメジャー) D/E/F♯/G/A/B/C♯ ♯2つ
イ長調(Aメジャー) A/B/C♯/D/E/F♯/G♯ ♯3つ
ホ長調(Eメジャー) E/F♯/G♯/A/B/C♯/D♯ ♯4つ
ロ長調(Bメジャー) B/C♯/D♯/E/F♯/G♯/A♯ ♯5つ 変ハ長調と同じだが調号の少ないこちらが主に使われる
嬰へ長調(F♯メジャー) F♯/G♯/A♯/B/C♯/D♯/E♯ ♯6つ 変ト長調と同じ
嬰ハ長調(C♯メジャー) C♯/D♯/E♯/F♯/G♯/A♯/B♯ ♯7つ 変ニ長調と同じだが調号の多いこちらはあまり使われない
へ長調(Fメジャー) F/G/A/B♭/C/D/E ♭1つ
変ロ長調(B♭メジャー) B♭/C/D/E♭/F/G/A ♭2つ
変ホ長調(E♭メジャー) E♭/F/G/A♭/B♭/C/D ♭3つ
変イ長調(A♭メジャー) A♭/B♭/C/D♭/E♭/F/G ♭4つ
変ニ長調(D♭メジャー) D♭/E♭/F/G♭/A♭/B♭/C ♭5つ 嬰ハ長調と同じだが調号の少ないこちらが主に使われる
変ト長調(G♭メジャー) G♭/A♭/B♭/C♭/D♭/E♭/F ♭6つ 嬰ヘ長調と同じ
変ハ長調(C♭メジャー) C♭/D♭/E♭/F♭/G♭/A♭/B♭ ♭7つ ロ長調と同じだが調号の多いこちらはあまり使われない


短調の一覧


調名 構成音 調号 備考
イ短調(Aマイナー) A/B/C/D/E/F/G なし
ホ短調(Eマイナー) E/F♯/G/A/B/C/D ♯1つ
ロ短調(Bマイナー) B/C♯/D/E/F♯/G/A ♯2つ
嬰ヘ短調(F♯マイナー) F♯/G♯/A/B/C♯/D/E ♯3つ
嬰ハ短調(C♯マイナー) C♯/D♯/E/F♯/G♯/A/B ♯4つ
嬰ト短調(G♯マイナー) G♯/A♯/B/C♯/D♯/E/F♯ ♯5つ 変イ短調と同じだが調号の少ないこちらが主に使われる
嬰ニ短調(D♯マイナー) D♯/E♯/F♯/G♯/A♯/B/C♯ ♯6つ 変ホ短調と同じ
嬰イ短調(A♯マイナー) A♯/B♯/C♯/D♯/E♯/F♯/G♯ ♯7つ 変ロ短調と同じだが調号の多いこちらはあまり使われない
ニ短調(Dマイナー) D/E /F/G/A/B♭/C ♭1つ
ト短調(Gマイナー) G/A /B♭/C/D/E♭/F ♭2つ
ハ短調(Cマイナー) C/D /E♭/F/G/A♭/B♭ ♭3つ
ヘ短調(Fマイナー) F/G /A♭/B♭/C/D♭/E♭ ♭4つ
変ロ短調(B♭マイナー) B♭/C/ D♭/E♭/F/G♭/A♭ ♭5つ 嬰イ短調と同じだが調号の少ないこちらが主に使われる
変ホ短調(E♭マイナー) E♭/F /G♭/A♭/B♭/C♭/D♭ ♭6つ 嬰ニ短調と同じ
変イ短調(A♭マイナー) A♭/B♭/C♭/D♭/E♭/F♭/G♭ ♭7つ 嬰ト短調と同じだが調号の多いこちらはあまり使われない


追記・修正はすべての調を演奏してからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • 音楽
  • 音楽理論
  • 調
  • 長調
  • 短調

このサイトはreCAPTCHAによって保護されており、Googleの プライバシーポリシー利用規約 が適用されます。

最終更新:2021年04月22日 01:26