九能明
登録日:2021/06/10 (木) 01:36:43
更新日:2025/03/08 Sat 15:09:16
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『九能明』とは、週刊少年ジャンプで連載されている『アンデッドアンラック』に登場する人物である。
概要
本来の 不明の否定者。
母子家庭育ちであり、少年時代の彼は母親に自分が描いた漫画を読んでもらうことが夢だった。
あるときGペンの形をした古代遺物「Gライナー」を道端で拾い、過去と未来の情報を得る。
それと同時にまったくの偶然に(あるいは意図的に)否定者にもなってしまう。
これによって九能明は「全てを知っている」が「誰にも知らせられない」というジレンマを抱えることになる。
絶望的な孤独にあって九能明を支えていたのは、我が子に生きていて欲しいと願う母親のため、
さらに知識の中のアンディと風子たち否定者の戦い抜く姿に勇気付けられたためであった。
彼らが神に敗北するルートの分岐点となる、風子が暗殺される運命を阻止するべく、
自分の描く漫画とアーティファクトを活用して神に一矢報いることを決意する。
安野雲とは、もともと九能明が漫画を投稿するために作ったペンネームであり、
そこから「九能明」との関連性を伏せれば否定能力の影響を受けずに他者に関与できる理の抜け穴が偶発的に発覚。
漫画家の「安野雲」として自作の漫画を世間に発表できるのも、
アーティファクトで実体化した「安野雲」がアンディたちと対面できるのもこの抜け穴によるもの。
厳密に言えば「九能明」と「安野雲」は同一人物ではないということになる。
代表作
君に伝われ
初投稿の読み切りが大賞を受賞し即連載化、101巻にも及ぶSF長編少女漫画の金字塔となった。
101巻という巻数から、20年前に漫画家デビューしてから最終話まで休載もなく描き抜いていること、
また本編の時間軸での九能明は中年にさしかかっていることがうかがい知れる。
作品に込めたメッセージをユニオンの円卓メンバーに気付かせるために突拍子もない展開を次々投入する一方で、
全てを伝えすぎると彼らの成長の機会を奪ってしまうので特定の情報を省かねばならないなど、
相反するハンデを背負いながら描写のコントロールに心を砕いていた様子。
なお、初めて描いた読み切り漫画が即連載を勝ち取るほどの評価を得たのは、
アーティファクトから得た知識によって下駄を履かされたものではなく九能明自身の実力に他ならない。
読者しか知りえないことだが、彼の漫画家としての素養は本物である。
否定能力
分類:自己対象強制発動型
アーティファクト「Gライナー」に触れると同時に選ばれた九能明の否定能力。
対象の否定者はいかなる言動、行動、外的変化を起こそうとも他者に知覚されない。
人間に対しては触れることもできず体そのものが透過してしまい、
他者の所有物を拝借しても「いつの間にかなくなった」「最近減りが早い」と認識される程度。
上述の通り九能明の否定能力は常時強制発動であるが、
もう一人の自分として実体化させた安野雲は任意でオンオフを使い分けることが可能という相違点がある。
「デメリットを除外した形で能力を複製できる」というのも抜け穴の一つなのかもしれない。
装備
Gライナー
見た目は漫画家が使うGペンそのままのアーティファクト。
描いたものを実体化させることができる。
この能力を限界まで引き出すことでもう一人の自分として振る舞える「安野雲」を実体化した。
またアーティファクトには「直接触れると何らかの情報が脳内に流れ込んでくる」という特性があるが、
Gライナーによって得られる情報は「
今の周回で起こるすべての出来事」であった。
それにより今回の周回では風子とアンディを失うことによって神に敗北すると言うことも知ってしまうが、自身が不明の否定者になってしまったので伝えることができなかった。
魂の口径
魂を抜き取り、物体に込めることができるアーティファクト。安野雲の胸に埋め込まれている。
最も重要な分岐点はオータム戦のさなかにあると判断した九能明は、
そこから逆算してピンポイントに必要となるソウルキャリバーを自力で探し出した。
Gライナーとオータムの特性、そしてソウルキャリバーのコンボによって
風子はアンディの人生に入り込み疑似的に追体験することとなる。
過去を乗り越え、帰還したアンディと風子を待ち受けるのは、敗北の運命をもたらす不可視の刺客――。
余談
2021年2月にweb上で行われた人気投票で、安野雲は3位に入るほどの人気ぶりを見せた。
じゃあ九能明は?と思うかもしれないがそもそも投票対象に記載されていない。
投票サイトには当初「総勢52キャラ」と書かれたうえで51キャラしか投票対象がいなかったため
九能明の存在を示唆しているかのように思われたが、当日中に「総勢51キャラ」に表記も訂正された。
……が、5月の順位発表後にまたこっそり「総勢52キャラ」に戻っている。
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