アンデッドアンラック

登録日:2020/07/12 (日) 02:23:00
更新日:2020/08/12 Wed 02:39:45
所要時間:約 18 分で読めます






不死(アンデッド)”アンディ “不運(アンラック)”出雲風子

この物語はこの二人が 最高の死を見つけるお話



「アンデッドアンラック」とは週刊少年ジャンプ2020年8号から連載されている漫画である。
作者は戸塚慶文。
公式での略称は「アンデラ」

概要

不死身の青年アンディと、触れた者に不運を与える風子が出会い、二人で数々の困難を乗り越えていくピカレスクなヒーローもの。

基本は熱い能力バトル及び風子とアンディの関係性の変化を描くなどのバトルものとラブコメもの王道を抑えつつ、
  • 少年漫画的にギリギリに思われる過激なスプラッター要素
  • 随所に散りばめられた緻密な伏線
  • 読みやすさを維持したまま展開される圧倒的な情報開示量
  • 異様に多い主人公の股間隠し
などから話題を集め、設定考察好きなジャンプ読者から高い支持を得た。
2020年6月現在では3回目のセンターカラーを獲得。新連載ながら単行本発売日の前倒し、単行本1〜2の重版達成、度々のページ増量が行われるなど新連載としては破格とも言える待遇を受け、高い人気を獲得している。
誰が呼んだか「週刊少年ジャンプ版SCP Foundation」と呼ばれることもある。

その一方で画風が古臭い点がネタにされるが、同時にそれが独特の味になっていると比較的好評。


あらすじ

愛した両親を抱きしめて両親含む数百人を飛行機事故で殺してしまった過去を持つ風子。
そのトラウマから10年間ずっと他者と関りを持たない生活をするようになり、推し漫画が完結した日に遂に自殺を決意。
そのまま電車に轢かれて死のうとしたところ大胆不敵な野蛮人アンディと出会い、風子の運命は大きく変わることとなる。

用語

  • 組織(ユニオン)
正式名称「対未確認現象統制組織ユニオン」
アンデラ世界に理を押し付け続ける「創造主()」を殺し、神の押し付ける理から解放されるために組織された秘密結社。
主力は円卓に座す否定者で構成されているが、否定者で無いものも円卓メンバー達の配下のエージェントとして所属している。
主に否定者やUMA、古代遺物(アーティファクト)の監視・確保・抹殺、そして黙示録が課した課題の達成が主任務。
実力主義な組織で、任務達成などの貢献によって円卓の階級は上がっていく。
なお、円卓に座れる人間は黙示録によって決められており、勝手に増やすことはできない。

  • UMA(ユーマ)
今作の敵キャラと言うべき怪物。
世界法則である(ルール)の化身であり、世界に自分が司る概念をもたらしてきた超常存在。
彼らの討伐や捕獲が組織の目的の1つとなる。
UMAが存在しない事象は世界にとっても存在しないことになっており、作中でUMA銀河が追加されるまでは宇宙という概念自体が存在しなかった*1

  • 否定者
何らかの概念を否定する能力を持った異能者たち。
超常的な異能の使い手だが、黙示録により改変された世界法則の変化を認識できない欠点を持つ。
また付与された異能が本人の人生にプラスに働くとも限らない。
否定者が死ぬと死んだ否定者の持っていた否定能力が他の人間に移る性質を持つ。
「UN」を接頭辞として含む単語が能力名となっており、否定者自身も能力に応じた名前になっている。


  • 否定能力
否定者達が持つ様々な概念を否定する異能。
大きく分けて自分のみにしか能力の対象にできない「自己対象」と、自分以外のモノに能力を与える「他対象」の2種類がある。
否定者同士の戦いでは相手が何を否定してくるのかを探るのが肝。

  • 古代遺物(アーティファクト)
世界各地にある特異なアイテム。
組織が保有する巨大UFOもこの分類に入っており、超常的な力を発揮したり明らかなオーバーテクノロジーな機能を持つ場合もある。

  • 課題(クエスト)
組織の円卓メンバーに黙示録が課して来る任務の総称。参加人数の上限が決められている。
3ヶ月に1回の周期で発生し、課題が期限内に全て達成されないと「失敗」扱い。
(ペナルティ)」と称して黙示録が新たな理を与えるUMAを召喚し世界法則そのものを歴史、神話を含めて根本から改変する。
罰と名のつくように罰により発生した世界改変が人類存亡の危機すら招きかねない事態を引き起こす場合もあり、その対処も組織の任務となる。

課題に成功した場合は黙示録から報酬となるUMAや否定者、古代遺物の所在地が期限付きで表示されたり、世界法則を書き換える形で改変される。
なお課題によって発生する改変は否定者に限っては影響を受けないらしく、言語の英語統一が起きた際にシェンはムイに中国語が通じない事を確認して改変を確かめていた。
規模が大きいルールの追加が発生した時、何らかの装置を使ってユニオン内の非能力者との認識のすり合わせによってどういうか異変が起きたかを把握している。
ちなみに、元々言語の分断は罰の一つであり、報酬によって罰が相殺されるケースもあるようである。


これまでに99種の罰が与えられ世界の改変が引き起こされており、100個目の罰が与えられると最後の罰「ラグナロク」が発生するという。


登場人物

主人公達

  • アンディ
年齢不詳な本作の主人公。
白髪に筋骨隆々な肉体を持つワイルドな青年で、額には謎のカードが突き刺さっている。
不死の肉体を持ち、己の死を望み世界を流離ってきたが、自身に死を齎しうる風子を相棒とした。
「自身が死ぬために風子を自分に惚れさせセックスする事」が目的だが、実際の性格はワイルドで豪快ながらも紳士的なナイスガイ。
ジーナとの戦いに勝利した後は風子と共に組織に属することになる。
最初は武器は無かったが1話目の刺客から「不壊」と刻まれた日本刀をパクって以降メイン武器とし、刀を体に直接刺す形で納刀している。

  • 出雲風子
本作のヒロイン。
18歳ながら抜群のスタイルを持つ美少女。
心優しく、同時にアンディとの旅の中で度胸と肝っ玉も据わった良い女。
能力は規格外だが、身体能力は低い。
自身の能力のせいで人生に悲観し絶望していたが、アンディとの出逢いにより前向きとなり一緒にアンディの旅に付き合うことになった。
組織所属後は「組織の改革」を目標にアンディとと共に戦いに身を投じるようになる。

  • クローゼス
組織所属後に出会った服のUMA。
意思を持った服そのもので、普段は不定形のスライムのような怪物。
人間に取り憑きその者が着たいあらゆる服に変化できるが、クローゼスが変化した服に魅了されると身体の支配権を奪われて操られてしまう。
支配していた人間が行動不能になると新たな身体を求めて近くの人間に移動する。
当初脱走するもアンディとの遭遇により無理矢理服従させられ、アンディの服になってしまい、マスコットみたいな扱いになってしまった。
尚、アンディが怪我を負う=着ているクローゼス自身もダメージを負う、なので彼も大概不幸に巻き込まれているのである。そして不死ではないがアンディ並に再生力がかなり高い。
風子曰く「クロちゃん」。好物は毛糸玉。
目標はアンディを魅了してアンディの肉体を乗っ取ること。

  • ヴィクトル
戦勝の神(ヴィクトール)の異名を持つアンディの中に眠る存在。
普段は額のカードにより封印されている。
蘇ると髪の毛は黒く変色し、表情や性格も冷徹なものへと変貌してしまう。
能力はアンディと同種だが、ヴィクトルの場合復元再生の先を任意で選べるという決定的な違いを持つ。
その為射出した指先すら復活の基点となりうる。
また脳に施された身体能力のリミッターを完全解放しているため超人的身体能力と怪力も併せ持っており、1人で円卓メンバー全員と渡り合うほどの戦闘力を誇る。

組織

  • ジュイス
円卓第1席。
円卓の頂点に君臨する円卓メンバーのトップ。
軍服風の出で立ちに目元まで覆うヘルメットを被った女性。
「地球と罪のない人々の守護」を自分の正義と掲げる高潔な性格だが、状況によっては非情な決断も迷いなく下すことができる女傑。

  • シェン
円卓第2席。
年齢不詳の青年で、中国出身で筋肉質な体格を持つ拳法家。
明るい言動と爽やかながらも胡散臭い笑み、度々片目を瞑る行為が特徴。
「天下無双」を夢に掲げて強い敵との戦いを好む戦闘狂で、普段は飄々とした態度の自由人を気取っていたがアンディと風子の破天荒な立ち振る舞いに頭を悩ませる事もしばしば。
否定能力だけでなく身体能力もずば抜けており、中国拳法や古代遺物「如意金箍」を駆使して戦う武闘派。
ムイという中国人の少女を直属の配下に持つ。

  • ビリー
円卓第3席。
スーツ姿で上着を羽織りサングラスをかけた緩い雰囲気と態度が目立つ天然気味な青年。
卓越した銃の使い手。盲目。

名前の由来及び能力は「UNBLIEVABLE」ではないかと言われている。

  • フィル
円卓第4席。
中性的な整った顔立ちの美少年だが、四肢は古代遺物の義手義足で構成されている。
現状特にセリフがなく、詳しい点は不明。

名前の由来及び能力は「UNFEELING」ではないかと言われている。

  • タチアナ
円卓第5席。
巨大な球体型ロボットに乗っている否定者。性別は女性。
仲間思いな性格であり、アンディの加入直後は、慕っていたジーナを殺した彼に対し息荒く激昂し攻撃を仕掛けていた。
また、ジュイスの仲裁によりビリーを攻撃するよう仕向けられた際にも激しく動揺している。
その後も、アンディに対してケンカを仕掛けていたが、風子の説得もあり、アンディを仲間として認めていった。
また、上記の出来事から風子と親交を深め、現在では風子を「初めて出来た女の子の友達」として大切に思っている。

  • 一心
円卓第6席。
日本の戦国甲冑と兜を身につけた大男。
寡黙な性格なのかあまり喋らない。
アンディが持っている「不壊」に似た模様を刻まれた薙刀を所有しており、
「不壊」と何かしらの関係があるのではないかと思われる。

名前の由来及び能力は「一心不乱」ではないかと言われているが、彼こそが「不壊」であるという説も。

  • トップ
円卓第7席。
髪を逆立てた褐色肌の少年で、両頬と鼻に絆創膏のようなものを付け、長袖ジャージのような服を着ている。
超高速移動能力の持ち主。組織の中では感情豊かで比較的常識的な感性を持っている。

能力に「止まらない」事が関連していると思われ、そこから名前の由来及び能力は「UNSTOPPABLE」ではないかと言われている。

  • ニコ=フォーゲイル
円卓第8席。
赤いバンダナを付け、目に深いクマを刻んだ技術者で、組織に囚われていた頃のアンディの研究にも携わっている円卓の知恵袋。
組織のメンバーが身に付ける翻訳機能行きネクタイも彼の発明品である。
小さな浮遊する黒い球体と頭をケーブルで接続し、様々な知識を得たり黒い球体を攻撃に用いたりする。

名前の由来及び能力は「UNFORGET」ではないかと言われている。

  • ボイド
ロボットスーツを着た元ボクシングヘビー級チャンピオン。
自身の否定能力で人生を狂わされ絶望し、酒に溺れていたところを組織に勧誘され所属。
円卓のメンバーになっていたがアンディの前に破れ死亡した。
能力をフルに発揮できる組織の環境下で性格が粗暴になっており、そのためあまり人望はなかった模様。

  • ジーナ
巨大なベレー帽を被る女子高生風の外見の美少女。
自称「永遠の16歳」だが実年齢66歳
老いを嫌って不変を好み、自身の能力でアンチエイジングを行なっているが、感情が荒ぶると化粧の仮面に(物理的に)ヒビが入る。
50年前アンディを捕らえた張本人でアンディに熱烈に惚れてアンディを「デッドちん」と呼んで慕っている。
善良な気質と明るい性格もあって組織内での人望も厚かった様子。

  • ムーブ
顔面がサイコロになったUMAと思わしき異形の怪物。
組織に協力しており、空間を割ることで他者を転移させる能力を持つ。


否定者狩り

  • リップ
「組織」と対立する否定者集団の頭目。メスを武器とする。
右目を眼帯で覆った短髪のイケメン。
組織と違い、神ではなく「世界に対して復讐すること」を目的に掲げて暗躍し、仲間になりそうな否定者を探しては使えないと判断すれば抹殺する「否定者狩り」と呼ばれる行為を繰り広げている。
否定能力とは別に超人的な跳躍力を持っているが、これは彼の持つ古代遺物に由来するものと思われる。

  • ラトラ
スタイル抜群のショートカットな美女。
リップと行動を共にしている。リップに好意がある様子。
断言した発言と真逆の事象が発生する能力を持つ。
また、アンディの攻撃も自身の否定能力で回避している。

  • ファン
中国出身の否定者。
全身を服で着込んでいるため素顔がわからない怪人。格闘系能力の腕利きであるらしい。
中国語以外では反応しない偏屈な人物。

  • クリード
タンクトップを着た大柄な男。
マシンガン等の現代兵器を多用する。
マシンガンの弾や手榴弾を消費せずに使用できる否定能力を持つ。

  • カイン
リップに従う巨大なシャチのような生物。
体内に他者を飲み込むことで輸送ができるが、胃液臭くなるのが難点。

その他の否定者

  • チカラ
アンディたちが潜入した闇オークションに出品予定だった否定者。日本人の高校生。
今までは否定能力を隠して生活してきたが、言語統一により共通言語が英語になったことで否定者であることがあぶり出され、拉致されてしまう。

  • 不可視の否定者
「不可視」の否定能力を持つ否定者。本人の名前は不明。
アンディたちが組織に加入した直後に課された課題1つ「不可視の捕獲」の対象者であったが、リップたちによって拘束され、アンディたちは課題をクリアすることができなかった。

UMA

  • バーン
黙示録の課題で捕獲対象となったUMA。
司る概念は不明だが「炎」や「燃焼」と推察される。
課題提起時のイメージビジュアルは岩のような体表と燃え盛る炎が特徴的な人型の怪物。
捕獲後は身体の一部が炎を纏った剣に加工されジュイスの武器になった。

  • ランゲージ
黙示録の課題で討伐対象となったUMA。
司る概念は不明だが「言葉」や「言語」と推察される。
課題提起時のイメージビジュアルは無地のカルタ。
風子が倒れた舞台裏でニコによって討伐され、報酬として全世界の言語が英語のみに統一されるよう世界が改変された。
世界規模での意思疎通が容易くなった一方で、バラバラな言語により生まれていた国独自の言語文化は失われており、おまけに否定者はその恩恵に預かれない。
結果として隠れ潜んでいた否定者が一般社会から炙り出される二次被害が発生した。

  • スポイル
黙示録の課題で捕獲対象となった「腐敗」を司るUMA。
単眼の顔を持った丸い肉塊の核を持ち、核を中心に肉体形成するタイプのUMA。
領域内の生物に無差別にカウンターを刻み、カウントがゼロになった生物をゾンビ化させる能力を持つ。
ゾンビ化させられた生物はもう二度と元に戻らないが、カウントは心が折れず(腐らず)前を向くことで回復可能。
「フェーズ2」となった場合は、自身の胴体を中心とした一定範囲内に入った生物をカウントを無視して問答無用で腐敗させることが可能になるだけでなく、指先から触れたあらゆる物質を分解し塵に変えるレーザーを放つ。
アメリカの地方都市ロンギングに具現化すると、其処の住人達にゾンビ化を引き起こした。

  • 銀河(ギャラクシー)
「銀河」の概念を司るUMA。
本編で具現化した初の罰であり、アンデラ世界における99番目の罰。
見た目は星々が身体に煌く黒い巨人で、召喚と同時に宇宙空間へ飛び出し、世界を改変して太陽系を含めた銀河系と数多の星々を生み出した。
銀河の具現化に伴い星空や星に関連する神話、曜日などの文化の概念も生まれたが、副産物として地球を侵略に来るエイリアンという概念も発生。
実際にエイリアンの軍勢が地球に攻め込んでくる事態になってしまった。


その他

  • 黙示録(アポカリプス)
組織が保有する世界で最初に発見された古代遺物。
見た目は凶悪な双眸と、鋭利な牙が生え揃った口を持った自我のある本。
円卓の席が全て埋まることで活動を開始し、課題を提示する性質を持つ。
自我があるため質疑応答も可能だが基本的に口が悪い。

課題の出題及び結果発表を行う審判的存在だが、円卓の席が揃わないままだと開くことはなく、そのまま期限が過ぎてしまうと問答無用で失敗と見做して罰を与えてくる。
このためもし円卓メンバーが死亡して1人でも欠員が出た場合、新たな後任を探し出して勧誘するのが組織の急務となる。

  • 安野雲
風子愛読の少女漫画「君に伝われ」の作者。
全101巻というとんでもない長寿連載を描き切った漫画家、と言われればそれまでのキャラだがこの「全101巻」という数字がラグナロクが101回目の罰であることと何らかの繋がりを感じさせる事、名前が安野雲(あんのうん)UNKNOWNと読める事などから、読者の間では「今後の展開に大きく関わる人物なのでは?」などと様々な考察がなされている。



余談

作者の戸塚氏は単行本初めてだったこともあり単行本のおまけページの勝手が分からず、「単行本のおまけページにどんなものを書けばいいのか」を公式Twitterでフォロワーから募集する珍事があった。


追記修正よろしくお願いします。

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最終更新:2020年08月12日 02:39