アンデッドアンラック

登録日:2020/07/12 Sun 02:24:20
更新日:2025/04/14 Mon 19:18:56
所要時間:約 33 分で読めます





不死(アンデッド)”アンディ “不運(アンラック)”出雲風子

この物語はこの二人が 最高の死を見つけるお話


「アンデッドアンラック」とは週刊少年ジャンプ2020年8号から2025年9号まで連載されていた漫画である。
ジャンプ2019年9号に読み切り「アンデッド+アンラック」が掲載され、それから約一年後に連載がスタートした。
作者は戸塚慶文。
公式での略称は「アンデラ」

単行本はコミック全27巻+小説全3巻。


概要

不死身の青年アンディと、触れた者に不運を与える風子が出会い、二人で数々の困難を乗り越えていくピカレスクなヒーローもの。

基本は熱い能力バトル及び風子とアンディの関係性の変化を描くなどのバトルものとラブコメもの王道を押さえつつ、
  • 少年漫画的にギリギリと思われる過激なスプラッター要素
  • 随所に散りばめられた緻密な伏線
  • 読みやすさを維持したまま展開される圧倒的な情報開示量
  • 異様に多い主人公の股間隠し
などのインパクトから話題を集め、設定考察好きなジャンプ読者から高い支持を得た。
連載一周年を突破する前からセンターカラーを複数回獲得。そして新連載ながら単行本発売日の前倒し、単行本1〜2の重版達成、度々のページ増量が行われるなど新連載としては破格とも言える待遇を受け、高い人気を獲得している。
誰が呼んだか「週刊少年ジャンプ版SCP Foundation」と呼ばれることもある。

その一方で画風が古臭い点がネタにされるが、同時にそれが独特の味になっていると比較的好評。

2020年8月、次にくるマンガ大賞2020のコミックス部門第1位を受賞した。

2022年8月29日にはアニメ化が決定、2023年10月よりMBSのスーパーアニメイズム枠にて放送開始。
アニメ制作はTV版「ジョジョの奇妙な冒険」、「はたらく細胞」などで有名なdavid productionが手がける。


あらすじ

愛した両親を抱きしめて両親含む数百人を飛行機事故で殺してしまった過去を持つ風子。
そのトラウマから10年間ずっと他者と関りを持たない生活をするようになり、推し漫画が完結した日に遂に自殺を決意。
そのまま電車に轢かれて死のうとしたところ大胆不敵な野蛮人アンディと出会い、風子の運命は大きく変わることとなる。


用語

  • 否定者
何らかの概念を否定する能力を持った異能者たち。
漢字名であれば「」を、英語名であれば「UN」を接頭辞として含む単語が能力名となっており、否定者自身も能力に応じた名前になっている。
超常的な異能の使い手だが、黙示録により改変された世界法則の変化を認識できない欠点を持つ。
このため否定者は世界改変に対応できず、事情を知らない場合自然と社会から爪弾きにされていく。
場合によっては裏社会の人間に捕らわれ、闇オークションの商品扱いされるパターンすらある。
否定者が死ぬと死んだ否定者の持っていた否定能力が他の人間に移る性質を持つ。


  • 否定能力
否定者達が持つ様々な概念を否定する異能。
先述した通り、否定者が死亡するとその者が持っていた否定能力は別の人間に移る。
大きな分類として、
  • 自分自身にのみ影響する「自己対象」
  • 自分以外のモノに影響する「他対象」
  • 常時或いは条件を満たすと本人の意志に関わらず能力が発動してしまう「強制発動型」
  • 能力のON/OFFを意図して操れる「任意発動型」
それぞれ掛け合わせて4種類に分類される(もっとも能力の大半が強制発動型なのだが)。
しかし付与された異能の多くは本人の人生にプラスに働くことはなく、中には普通の人間社会での普通の生活を諦めなければならないようなものもある。
否定者同士の戦いでは相手が何を否定してくるのかを探るのが肝。
否定能力は否定者の解釈次第でその性能を拡張出来る。
そのため前任の否定者と後任の否定者で能力が別物レベルで異なる事例もある。
解説によると、否定能力のデメリットを本人の解釈以外で無理矢理踏み倒した者は、総じてむなしい最期が待つとされている。
だがそんなことはある意味で些事。
最大の問題は、神の手により対象にとって最悪の悲劇が起こるタイミングを狙って、悲劇を生むのに最も適した能力が意図的に与えられる点にある。
具体的には能力が付与された瞬間に無意識に発動した否定能力のせいで肉親や大切な仲間、無関係な人々の命を奪ってしまったり、自分の大切な夢を捨てることになってしまうなど。中にはその両方を満たしてしまった否定者も存在する。
このため否定者の悉くが悲しみや絶望に満ちた過去を背負う羽目になり、それが原因で別人のようになってしまうケースも少なくない。



  • UMA(ユーマ)
本作の敵キャラ。
神によって生み出された世界法則である(ルール)の化身であり、世界に自分が司る概念をもたらしてきた超常存在。
現象(フェノメノン)系」概念(コンセプト)系」の分類があることが語られている。
生物のように外部から栄養となりうるものを取り込むなどして急速に成長する特性を持ち、段階を追ってその力は強大になっていく。

UMAが存在しない事象は世界にとっても存在しないことになっており、UMAが生み出された段階で世界改変が発生。「最初から○○の概念があった世界」へと全世界の歴史・認識が塗り替わっていく。
作中でUMA銀河(ギャラクシー)が追加されるまでは「宇宙」や「星」という概念自体が存在しなかった*2
彼らは皆神から与えられた「己が理で人類共を苦しめろ」という命令に従い人類を脅かす…が、単なる敵という訳でもなく、仮に討伐した場合その世界から討伐したUMAが司っていた概念が世界から消滅。連鎖的に世界に悪影響が発生する。*3
ある程度の格差や力関係も存在し、概念(コンセプト)系UMAは「神のお気に入り」という理由から現象(フェノメン)系UMAを見下しているため仲が悪い。
彼らの討伐や捕獲が組織の目的の1つとなる。

一部のUMA(ルール)と否定者は対応・相関関係にあり*4、UMA達は否定者を「〇〇(対応するルール)の器*5」とも呼ぶ。
だが完全な対応関係にあるのは稀で全てのUMAと否定者がセットな訳ではなく、また総数はUMAの方が多い。


  • 古代遺物(アーティファクト)
世界各地にある特異なアイテム群。
組織が保有する巨大UFOもこの分類に入っており、超常的な力を発揮したり明らかなオーバーテクノロジーな機能を持つ場合もある。
触れることで「以前のループ前の世界」を垣間見ることができる。ただし流れ込む映像はバラバラな上、多量に流れ込むと脳に負荷がかかり最悪発狂する。


  • 最上級古代遺物(スペリオルアーティファクト)
人の手による神殺しのため生み出された3つの古代遺物。通称「三種の心器(じんぎ)
唯一神に有効打を与えることができるため、神の討伐には必須のアイテム……なのだが、ドロップ条件が悉く悪意に満ちているのがネック。


課題(クエスト)

組織の円卓メンバーに黙示録が課して来る任務の総称。参加人数の上限が決められている。
3ヶ月に1回の周期で発生し、課題が期限内に全て達成されないと「失敗」扱い。
課題に成功した場合は黙示録から報酬となるUMAの追加や、否定者・古代遺物の所在地が期限付きで表示されたり、世界法則を書き換える形で理が改変される。
だが失敗した場合は(ペナルティ)と称して黙示録が新たな理を与えるUMAを召喚し、世界法則そのものを全世界の歴史・神話を含めて根本から改変する。
罰と名のつくように罰により発生した世界改変が人類存亡の危機すら招きかねない事態を引き起こす場合もあり、その対処も組織の任務となる。
一方で報酬として「霊」の理のように扱い方次第では有用となる場合もあることから、101回目の風子はこれを大きな問題として見做さないという方針を採っている。

課題によって発生する改変は否定者に限っては影響を受けないらしく、言語の英語統一が起きた際にシェンはムイに中国語が通じない事を確認して改変を確かめていた。
規模が大きいルールの追加が発生した時、何らかの装置を使ってユニオン内の非能力者との認識のすり合わせによってどういうか異変が起きたかを把握している。
ちなみに、元々言語の分断は罰の一つであり、報酬によって罰が相殺されるケースもあるようである。

またクエストの達成が不可能と判断した場合は「パス」することが可能で、その場合も失敗扱いとなるほか「パス」した場合は円卓外の時間が1年経過する
仲間を喪ったり、クエスト対象UMAによる悪影響を回避できる一方、問答無用で罰が発生し、報酬を得ることもできない、
見方にもよるが、ハイリスクローリターンの面が強い選択肢である。
+ だが… ※No.133以降のネタバレ注意
101回目のループで課題に臨む風子はこれを逆利用し、
  • 仲間の記憶や経験を呼び戻すための重要アーティファクト『リメンバー』が報酬に出るまでのリセマラ
  • ニコやジーナ達70年代の否定者と、ビリーやリップ達00年代の否定者とで生じる出現までの大きなラグを埋める
  • 30年のラグをカットすることでそれまでの少数戦力でクエストに挑む事による脱落者発生の防止
の3つの課題を解決する大胆な作戦を決行。アポカリプスを唖然とさせた。
これによりニコ・ジーナ・イチコは若い姿のまま00年代に合流する事になった。

100回目のループではアンディ達の加入時点でこれまでに99種の罰が与えられ世界の改変が引き起こされており、100個目の罰が与えられると最後の罰「ラグナロク」が発生する。


  • ループ
「ラグナロク」によって地球が崩壊すると起きる現象。地球が一旦粉砕されると破片が集まって再生し、再び以前のような地球に再生する。
人間は繰り返し同じような人物像で産まれるが、細部で違いが生じることもあるため完璧に同じなわけではない*7
古代遺物「アーク」を使用した否定者1人だけは記憶を引き継いで次のループに到達できるほか、その他の人間の記憶は引き継がれない。
アーク使用者以外でこのループに対応できるのは不死のみ。
ざっくり言えばバッドエンド後の周回プレイ。
おまけにループに入るためにはラグナロク時の耐久戦を乗り越えなければならず、周回を繰り返し重ねないとドロップしない古代遺物もある嫌がらせ仕様。


  • ポイント
アンデッドアンラック世界における隠し要素。
課題成功やUMAの討伐・捕獲を行うことで加算され、任意で譲渡も可能。ただしポイントの得点の数や存在は普通では知覚できない。
ループを行うための規定値に達すればその者はループを行うことができる。
元々は否定者同士を争い合わせるための要素。


組織

  • UNION(ユニオン)
正式名称「対未確認現象統制組織ユニオン」
アンデラ世界に理を押し付け続ける「創造主()」を殺し、神の押し付ける理から解放されるために組織された秘密結社。
エンブレムはUNを組み合わせたもの。
主力は円卓に座す否定者で構成されているが、否定者で無いものも円卓メンバー達の配下のエージェントとして所属している。
主に否定者やUMA、古代遺物(アーティファクト)の監視・確保・抹殺、そして黙示録が課した課題の達成が主任務。
実力主義な組織で、任務達成などの貢献によって円卓の階級は上がっていく。
なお、円卓に座れる人数は黙示録(アポカリプス)によって決められており、勝手に増やすことはできない。


  • UNDER(アンダー)
「組織」と対立する否定者集団。当初は「否定者狩り」と呼ばれていた。
否定者が一般人達よりも低い立ち位置にいる事に反旗を翻し、否定者こそが世界の頂点に君臨すべきと考える過激派集団。
エンブレムはを逆さにしたもの(もしくはアンダーライン付きの下矢印)。
戦力を集めることに対して極めて貪欲なのが最大の特徴。
有望な否定者をスカウトしたり、敢えて否定者を殺害する事で自分達に都合のいい人間に否定能力を移し替えることを画策。
時には他者が持つ古代遺物(アーティファクト)の強奪も行う。


登場人物

主人公達

CV:中村悠一
年齢不詳な本作の主人公。
白髪に筋骨隆々な肉体を持つワイルドな青年で、額には謎のカードが突き刺さっている。
不死の肉体を持ち、己の死を望み世界を流離ってきたが、自身に死を齎しうる風子を相棒とした。
「自身が死ぬために風子を自分に惚れさせセッ○スする事」が目的だが、実際の性格はワイルドで豪快ながらも紳士的なナイスガイ。
ジーナとの戦いに勝利した後は風子と共にユニオンに属することになる。
詳細は個別項目を参照。


  • 出雲風子(いずもふうこ)
CV:佳原萌枝
本作のヒロイン。18歳。巨乳。たぬき顔。
心優しく、同時にアンディとの旅の中で度胸と肝っ玉も据わった良い女。
自身の能力のせいで人生を悲観して自殺を試みようとしていたが、アンディとの出逢いにより前向きとなり一緒にアンディの旅に付き合うことになった。
ユニオン所属後は「組織の改革」を目標にアンディとと共に戦いに身を投じるようになる。



  • クローゼス
組織所属後に出会った服のUMA。
当初脱走するもアンディとの遭遇により無理矢理服従させられ、アンディの服になってしまい、マスコットみたいな扱いになってしまった。
詳細はアンディの個別項目を参照。


  • ヴィクトル
戦勝の神(ヴィクトール)の異名を持つアンディの中に眠る存在。
普段は額のカードにより封印されているが、これを引き抜くとヴィクトルの人格が現れる。
蘇ると髪の毛は黒く変色し、表情や性格も冷徹なものへと変貌してしまう。
詳細はアンディの個別項目を参照。


組織

  • ジュイス=ダルク
CV:伊瀬茉莉也
円卓第1席。
円卓の頂点に君臨する円卓メンバーのトップ。
軍服風の出で立ちに目元まで覆うヘルメットを被った美女。
「地球と罪のない人々の守護」を自分の正義と掲げる高潔な性格だが、状況によっては非情な決断も迷いなく下すことができる女傑。
「フィエルボワ」と名付けられたサーベルを武器とする。





  • シェン=シアン
CV:花江夏樹
円卓第2席。
年齢不詳の青年で、中国出身で筋肉質な体格を持つ拳法家。
明るい言動と爽やかながらも胡散臭い笑み、度々片目を瞑る行為が特徴。
「天下無双」を夢に掲げて強い敵との戦いを好む戦闘狂(バトルマニア)で、普段は飄々とした態度の自由人を気取っていたがアンディと風子の破天荒な立ち振る舞いに頭を悩ませる事もしばしば。
否定能力だけでなく身体能力もずば抜けており、中国拳法や古代遺物「如意金箍」を駆使して戦う武闘派。
ムイという中国人の子供を直属の配下に持つ。

アニメでは字数の都合でXのトレンドに乗れず毎回むせび泣くこととなった*10





  • ビリー=アルフレッド
CV:小山力也
円卓第3席。
スーツ姿で上着を羽織りサングラスをかけた緩い雰囲気と態度が目立つ天然気味な青年。
卓越した銃の使い手。盲目だが銃声だけで何の銃かわかるらしい。



  • フィル=ホーキンス
円卓第4席。
中性的な整った顔立ちの美少年だが、四肢は古代遺物の義手義足で構成されている。
長らく特にセリフがなく、おまけに常に無表情な謎多き存在。
本来は心優しい少年だが、否定能力のために喋る事も出来なくなっている。




  • タチアナ
CV:釘宮理恵
円卓第5席。
巨大な球体型ロボットに乗っている否定者。性別は女性。
仲間思いな性格であり、アンディの加入直後は、慕っていたジーナを殺した彼に対し息荒く激昂し攻撃を仕掛けていた。
また、ジュイスの仲裁によりビリーを攻撃するよう仕向けられた際にも激しく動揺している。
その後も、アンディに対してケンカを仕掛けていたが、風子の説得もあり、アンディを仲間として認めていった。
また、上記の出来事から風子と親交を深め、現在では風子を「初めて出来た女の子の友達」として大切に思っている。



  • 山岡一心(やまおかいっしん)
円卓第6席。
日本の戦国甲冑と兜を身につけ、骸骨のような顔をした大柄な人物。
寡黙な性格なのかあまり喋らない。また鎧を脱ぐことを異様に嫌う。
3巻の武器解説コーナーで筆談したところによると、一人称は「某」で語尾に「候」をつける等、武士のような言葉遣いをする。
実は恐ろしく臆病な性格で、鎧を脱がないのもこれが理由。また戦闘技術も素人。




  • トップ=ブル=スパークス
CV:岡本信彦
円卓第7席。
髪を逆立てた褐色肌の少年で、両頬と鼻に絆創膏のようなものを付け、長袖ジャージのような服を着ている。
組織の中では感情豊かで比較的常識的な感性を持っている。




  • ニコ=フォーゲイル
CV:遊佐浩二
円卓第8席。
赤いバンダナを付け、目に深いクマを刻んだ技術者で、組織に囚われていた頃のアンディの研究にも携わっている円卓の知恵袋。
組織のメンバーが身に付ける翻訳機能行きネクタイも彼の発明品である。
小さな浮遊する黒い球体と頭をケーブルで接続し、様々な知識を得たり黒い球体を攻撃に用いたりする。




  • ボイド=ボルクス
CV:乃村健次
ロボットスーツを着た元ボクシングヘビー級チャンピオン。
自身の否定能力で人生を狂わされ絶望し、酒に溺れていたところを組織に勧誘され所属。
円卓のメンバーになっていたがアンディの前に破れ死亡した。
能力をフルに発揮できる組織の環境下で性格が粗暴になっており、そのためあまり人望はなかった模様。
死亡して尚円卓メンバーのほとんどから特に悲しまれる事が無かった程。




  • ジーナ=チェンバー
CV:悠木碧
巨大なベレー帽を被る女子高生風の外見の美少女。
自称「永遠の16歳」だが実年齢66歳
老いを嫌って不変を好み、自身の能力でアンチエイジングを行なっているが、感情が荒ぶると化粧の仮面に(物理的に)ヒビが入る。
ロリババアかと思ったらガチのババアだった。
50年前アンディを捕らえた張本人でアンディに熱烈に惚れてアンディを「デッドちん」と呼んで慕っている。ん!!がっごいいん!!しゅきいい!!
善良な気質と明るい性格もあってタチアナからはおば様、トップからもばっちゃんと呼ばれ組織内での人望も厚かった様子。




  • 重野力(しげのちから)
CV:村瀬歩
アンディたちが潜入した闇オークションに出品予定だった否定者。日本人の高校生。
今までは否定能力を隠して生活してきたが、言語統一により共通言語が英語になったことで否定者であることがあぶり出され、マフィアに拉致されてしまう。
アンディ達に助けられた後は円卓第11席として組織に加入した。




  • イチコ=ネムリ
かつて組織に在籍していた科学者で、ニコの妻だった女性。
前髪を伸ばしてメカクレにしているが、これは不眠による隈を気にしてのもの。衣服を着崩すなどズボラな人物である。
否定能力によって娘であるミコを出産した後に若くして亡くなる。
それこそがニコが否定能力に目覚めた切っ掛けでもあり、彼にとっては神に魂を売るに値するほどの最愛の人物。




  • ムーブ
CV:山本祥太
顔面が十面ダイスのような形状のUMA。体表には双六のようなマス目がある。
ユニオンに協力しており、空間を割ることで他者を転移させる能力を持つ。
100周目ではあまり出番がなかったため心象不明であったが、本性は観客気質の気分屋にして愉快犯。
「命を1つしか持たない否定者達の最善最速のぶつかり合い」を見物するためにユニオンに協力しており、命懸けで否定者達が課題に挑む姿をポップコーンとコーラを貪りながら映画感覚で眺めて楽しむUMAらしい悪辣な性格。
反面己の趣向を台無しにする不死の存在を「ツマラン」と毛嫌いしており、アポカリプスにも無断で勝手に課題に介入して勝手に仕切り直し(ノーコンテスト)にすることも辞さない。
それ故に課題を神聖なものとして重んじるアポカリプスとは犬猿の仲。


UNDER

  • ボス
UNDERを束ねるボス。構成員もその姿を見たことはないらしい。
+ 正体
その正体は円卓第3席のビリー
円卓会議中に突如正体を現し、捕らえたUMEバーンを操って円卓を強奪した。

とぼけた雰囲気をしていたのは仮の姿で、本性は冷酷な人物。
「神を殺す」という目的は組織と同じだが、そのためには一切手段を選ばない。
かつてタチアナを助けたのも能力目当てに過ぎず、組織の否定者達に対する仲間意識は欠片もない。







  • リップ=トリスタン
CV:梶裕貴
UNDERの1人。メスを武器とする。
右目を眼帯で覆った短い金髪のイケメン。
組織と違い、神ではなく「世界に対して復讐すること」を目的に掲げて暗躍し、仲間になりそうな否定者を探しては使えないと判断すれば抹殺する「否定者狩り」と呼ばれる行為を繰り広げている。
否定能力とは別に超人的な跳躍力を持っているが、これは彼の持つ古代遺物に由来するものと思われる。




  • ラトラ=ミラー
CV:長谷川育美
スタイル抜群なショートカットの美女。かつては優秀な占い師であった。
リップと行動を共にしており、妹の恋人でありながら腐れ縁のような関係。
敵に対して過剰に情けをかける事はしないものの、一時的にアンダーに来た風子に優しく接したり
バニーには懐かれているなど面倒見のいい人物である。




  • ファン=クーロン
CV:森川智之
中国出身の否定者。
全身を服で着込んでいるため素顔がわからない怪人。格闘系能力の腕利きであるらしい。
中国語以外では反応しない偏屈な人物。古代遺物の収集を目的としている。

その正体はシェンの師匠。孤児であった彼に功夫を仕込んだ。
当時は老人の姿だったが、現在はシェンと同年代くらいの若者の姿となっており、アーティファクトの効果によって若返ったとのこと。

シェンをも凌ぐほどの戦闘狂(バトルジャンキー)で、シェンを育てたのも自身が天下無双だと実感するための踏み台にするためであった。
アンディやシェンを圧倒する格闘能力の他、棒やヌンチャクなど武器の扱いにも秀でている。




  • クリード=デッカード
CV:安元洋貴
タンクトップを着た大柄な男。国盗りを目的としている。
自動拳銃や手榴弾、携行型ガトリングガン等の現代兵器を多用する。
闇オークション会場でタチアナと交戦した際に左腕を潰されており、以降は義手を着けている。
この義手は普段は普通の腕だがカバーを外すと小型ガトリングガンが出てくるというギミックが仕込まれている。




  • バックス
CV:木野日菜
ウサギのような着ぐるみ「ピキリエンタポーレス」を着た年端もいかぬ幼女。「~のら」と喋る。
バックスという呼び名は可愛くないということで気に入ってないようで、自分をバニーと呼ぶ。
掴んだものを着ぐるみに取り込み、丸いボールのように固める能力を持つ。
自身も着ぐるみから出られないようだが、リップやラトラとともに過ごす内に受け入れるようになった。
リップは彼女が何故アンダーに所属しているかは分からないらしいが、彼ら自身が理由なのかもしれない。



  • ショーン・ダッツ
18歳の少年で元はブラジルのギャングの一員。
否定能力を悪用し強盗殺人を働いていたが、リップに拉致された後、強制的にUNDERに加入させられた。
アンディたちが組織に加入した直後に課された課題の1つ「不可視の捕獲」の対象者であったが、この経緯からアンディたちは課題をクリアすることができなかった。

バタフライナイフを得物としており、(オータム)との戦いの中で風子に不可視の凶刃で襲い掛かる。
しかし、本来はここで風子が殺されてしまうと知っていた安野の助言によって放たれたアンディの新技「死閃(デッドライン)」によって阻止され、そのまま真っ二つに切り裂かれ死亡した。作中世界としては重大な場面だったが、漫画としては完全に出オチ。



  • テラー
口元を隠した容姿が特徴の青年で、元通信兵。
UNDERのボスが傭兵だったころの仲間であり、最初にUNDERに加入したメンバー。
肉声を発さず(発せず?)、頭部に直結したスピーカーを介して声を発する。




  • 来栖貞子(くるすさだこ)
可愛らしい容姿の少女。否定者になる前は"くるる"という芸名で活動していたアイドルの卵だった。
しかし後述する否定能力のせいでアイドルの道を諦めざるを得なくなってしまい、その怒りを神に向けている。




  • 番場円陣(ばんばえんじん)
番長のような風貌*17をした青年。古風な口調で喋る。
左目に大きな傷痕がある。
常に煙草を咥えているが何故か火を付けることができない。
なおボスの意向によりUNDERの構成員は(事情が特殊らしいバニー以外)成人で構成されているため
彼も学生ではないということになる。




  • 友才
編笠を被り和服を着た老婆。
女性だが月光流という剣術を一人継承していた。
かつて日本を訪れたアンディに剣術を教えたタツジンであり、彼にとっては師匠兼元カn…的存在。
しかし不死である事による来るべき別れを意識していたアンディには遠回しに想いを断られてしまう。



  • カイン
UNDERが従える巨大なシャチのようなUMA。
体内に他者を飲み込むことで輸送ができるが、胃液臭くなるのが難点。
後に「カインドネス」という名前であることが判明した。


UMA

  • バーン
2020年8月の課題(クエスト)で捕獲対象となったUMA。
司る概念は不明だが「炎」や「燃焼」と推察される。
課題提起時のイメージビジュアルは岩のような体表と燃え盛る炎が特徴的な人型の怪物。
人語は喋らないものの明確な知性はあり、「創造主である神に逢いたい」という子供っぽい夢を持つ。
捕獲後は身体の一部が炎を纏った剣に加工されジュイスの武器になった。
その後、UNDERのボスに付き従いユニオンの本拠地から脱走した。

  • スポイル
「腐敗」を司るUMA。
単眼の顔を持った丸い肉塊の核を持ち、核を中心に肉体形成するタイプのUMA。
領域内の生物に無差別にカウンターを刻み、カウントがゼロになった生物をゾンビ化させる能力を持つ。
ゾンビ化させられた生物はもう二度と元に戻らないが、カウントは心が折れず(腐らず)前を向くことで回復可能。
「フェーズ2」となった場合は、自身の胴体を中心とした一定範囲内に入った生物をカウントを無視して問答無用で腐敗させることが可能になるだけでなく、指先から触れたあらゆる物質を分解し塵に変えるレーザーを放つ。
2020年8月の課題(クエスト)で捕獲対象となりアメリカの地方都市ロンギングに具現化すると、其処の住人達にゾンビ化を引き起こした。
101回目のループでも否定者との戦いに意気込んでいたが、クエストを「パス」されたためにスルーされTwitterイラストで切なげな表情を浮かべていた

  • 銀河(ギャラクシー)
「銀河」の概念を司るUMA。
本編で具現化した初の罰であり、アンデラ世界における99番目の(ペナルティ)
見た目は星々が身体に煌く黒い巨人で、召喚と同時に宇宙空間へ飛び出し、世界を改変して太陽系を含めた銀河系と数多の星々を生み出した。
銀河の具現化に伴い星空や星に関連する神話、曜日などの文化の概念も生まれたが、副産物として地球を侵略に来るエイリアンという概念も発生。
実際にエイリアンの軍勢が地球に攻め込んでくる事態になってしまった。
101回目のループでは新たな『絶対理』に選ばれており、結果として曜日の概念や星空がクエスト開始前から見えていた。

  • (ゴースト)
「霊」の概念を司るUMA。
オータムの捕獲報酬で追加された。ぼろ布をかぶった幽霊の姿をしたUMA。追加により霊魂の概念が世界に追加され、心霊スポットなどの文化が生じたり世界における「死の定義」が変化するなどの現象が発生した。
死んだ人間から出た魂を食べる。実態がないため触れず、不動の能力でも止めることはできなかった。
101回目のループではペナルティで追加されており、これによりイチコが幽体離脱で不眠の制限に対処し休息を取れるようになっている。

  • 重力(グラビティ)
「重力」の概念を司るUMA。
ルインを追って来たアンディとルーシーの前に「マグマ」と「スライス」とともに現れた。
黒い球体の形をしており、重力を操作する。

  • 公転(レボリューション)
ループの最後に待ち受ける最終課題「ラグナロク」の発生要因となる「公転」の概念を司るUMA。
発生した場合、地球は螺旋状の公転軌道を描きながら太陽目がけて接近。最後は太陽に激突し物理的に星が粉砕されてしまう。
また太陽に近づくにつれ灼熱の太陽光による異常気象も発生するため、それだけでも甚大な被害が起こる。

  • サースト
「渇き」の概念を司るUMA。漢字表記は不明。
乾いたミイラの怪物で、UMAの蔓延る森に侵入したアンディに襲い掛かるがあっさりとアンディにぶった切られて討伐。結果世界から渇きという概念が喪失し喉の渇きといった症状に苛まれることはなくなった。

  • インセクト
「虫」の概念を司るUMA。漢字表記不明。
ムカデをベースに色々な虫が混ざったキメラみたいな巨大な怪物。
サーストの次にアンディに襲い掛かるがあっさりとアンディによって討伐。昆虫の概念が消滅した結果地形の変動が起こってしまい、地面が沼地になるなどの悪影響が生じた。

  • ヒート
「熱」の概念を司るUMA。
焼死体のような姿の巨人であり、全身から高熱を発したり触れたものに高熱を送って発火させる能力を持つ。
ジーナの悲劇を生んだ元凶であり、101回目のループでもソ連イルクーツクに出現したが、風子の至近距離で受けた凶弾により引き起こされた隕石墜落の不運によって消滅した。

  • カラー
101回目のループで出現した、「色」の概念を司るUMA。
カラーパレットを模した帽子のような頭部とそこから伸びる筆のようなおさげ、カラフルな外套が特徴。
色にちなんだ言動が特徴で、UMAらしく性格は悪辣。
色そのものを操ることができるらしく、埼玉全域の信号機の色を支配下に置けことが示唆された他、頭部から放つ絵の具を武器とする。
そして外見を人間の姿に変える、絵の具が触れた物体を溶かしたりと非常に多芸。

  • ゴールド
101回目のループで出現した、「金」の概念を司るUMA。兄弟がいるようで「プラチナ」のUMAが仲間にいる。
マントの付いた甲冑を纏った巨人の姿をしており、巨大な鉞が武器。
手から金の延べ棒や金貨、財宝を自由に具現化・生成してソレを見た人間を洗脳すると思わしき能力を持つ。
新たなループでジュイスの代わりとして産まれたジュリアを襲撃。ジュイスを探し出そうとした。


季節(シーズン)

2020年12月1日、100個目の罰がかかった課題(クエスト)で討伐・捕獲対象となった、四季の概念を司るUMA達。
四大UMAとも呼称され、スポイル曰く「神のお気に入り」。

  • (スプリング)
「春」の概念を司るUMA。
和装の鬼のような姿をしており、自身が咲かせた桜に触れた人間を桜の木に変える力を持つ。
なんなら触れなくてもその領域の内部に入ったら30分経過で桜にされる。
五七五調で喋り、UMAながら古代遺物も使いこなすなど知性が高い。
現在は東京に鎮座し、都民を桜に変えながら酒を吞んだくれている。

  • (サマー)
「夏」の概念を司るUMA。
花火玉のような姿をした小型のUMAであり、台湾に潜伏していた。
四季UMAの中でも最大の火力を有すると同時に虫のようなジュニアを生み出す能力を持ち、ジュニアたちは火薬やガソリンを摂取することで大きくなる性質がある。
本体は弱体寸前だっが、UNDERのファンの介入により龍のような巨大な姿のフェーズ2に変貌した。
フェーズ2の特性としては腹部にある大きな鱗全てがコアであり、腹部のコア全てを同時に破壊しないと討伐できない反則的な能力を持つ。
99回のループでは一度も倒すことが出来なかった強敵。

  • (オータム)
「秋」の概念を司るUMA。このUMAのみ討伐ではなく捕獲が課題となっている。
巨大な昆虫の姿をしており、自身の爪を人間に突き刺すことで、その人間を本に変えることができる。
本にはその人間の人生が書かれており、読み終えた本を喰らい蜘蛛のようなジュニアを生み出す。
他人の面白い人生を読むことに飢えており、カナダにてテリトリーを広げている。

  • (ウインター)
「冬」の概念を司るUMA。
巨大なクリスタルの姿をした無機質なUMAであり、トルコのアララト山に鎮座している。
実は(サマー)が討伐され、かつ(ウインター)が生き残っていると、四季のバランスが崩壊し地球全土が瞬く間に氷河期と化すという最悪のギミックが仕込まれていたが、劇中ではそのギミックが明かされて数頁後にはバーンによってあっさり粉砕され討伐された。


絶対理(マスタールール)上位十理

ループする度に世界に刻まれる「世界から消える事のない理」である『絶対理(マスタールール)』の中でも、最初期に登録された10体のUMA。
彼等はUMAの中でも最強と称される。
全員人と変わらないような肉体を持ち、普段は太陽の中にある異空間「マスタールーム」に存在し、課題で選ばれることで初めて黒い円卓の席を外れて地球への攻撃が可能となる。
なお神の意図によって否定者側にも有利に働くよう理の特性が機能しており、
  • 魂:時間や距離を含めた「物理」を越えて他者に情報を伝える
  • 死:「魂」を利用するための起点(トリガー)
  • 変化:魂から得た情報を受け取り成長を引き起こす
という隠しルールが存在。否定者側が完全な無理ゲーにならないような調整が施されている。

  • (ソウル)
「魂」の概念を司るUMA。第1席。
世界で最初に追加されたUMAであり、彼以降に産まれたUMA達は彼の理を己の能力と合わせて利用することで強大な権威を操る。
風貌は飄々とした朗らかな雰囲気の美青年で、マスタールームに飛び込んだ風子と相対する。

一人称は「ボク」。
風子の無鉄砲ぶりを気に入っており、一度はその無謀さに圧をかけるもあくまで本人の趣向によるものである。
一方で否定者のこと自体は舐め腐っており、自分たちを封じるアンディのことは警戒しつつもUMAらしく不快に感じている様子。
また彼の談によればサンではなくルナによって創造されたという。

原初のUMAらしく実力も上位十理中最強。
魂の描写と同じエフェクトをした光の刃を具現化させて戦うことができる他、大出力の破壊光線魂道(ソウルロード)を扱う。

  • (デス)
「死」の概念を司るUMA。第2席。
糸目のシスター服の女性。どこかおどおどとしており天然っぽい性格に見える。
だがよく見るとベールの形状が何やら不気味な上に、チェンジやラックには血なまぐさいと認識されており底知れない。

  • 変化(チェンジ)
「変化」の概念を司るUMA。第3席。
DNAの螺旋構造を模したツートンカラーの長髪が特徴的な女性のUMA。ボディコン+ジュリ扇と全体的にバブリーなファッションをしている。
全体的に短気で荒っぽい言動を取る好戦的なUMA。更年期のことを「The change」と言う事もあるため更年期おばさんとか言われている
自身の肉体や手で翳した物体の形状を自由に変化させる能力を持つ。

  • (ラック)
「運」の概念を司るUMA。第4席。
車輪のような光輪を頭の上に浮かべる幼い少年のような姿のUMA。
正式な名称は不明で、第2席から愛称で呼ばれたこと以外は分からない。
車輪型のヘイローは「運命の輪」の車輪と類似する。

  • 正義(ジャスティス)
第5席。セリフがない上に全身甲冑姿で素顔すら判然としていない。

  • 戦争(ウォー)
第6席。チェンジ曰く「ブサイク」。
葉巻をくわえた軍人姿の大男だが、まるで焼死体のように顔面が焼けて白骨化している異様な風貌。
粗暴な物言いでシックの醜態を一笑に付している。
殺戮兵器共(ジェノサイドウェポンズ)と呼ぶ戦車やガトリング砲を具現化させて攻撃することができる。
他にも戦闘機の姿をしたUMAを使役することができる。

  • 時間(タイム)
第7席。他のメンバーからは「じーさん」と呼ばれる。
紳士姿の老人で懐中時計を見つめており、自身を「老いぼれ」と評するなど言動は穏やか。
フェーズ3になると若者の姿となる。
指パッチンと同時に、対象の身体と魂にタイムラグを生じさせ動きや再生を遅らせる時差(タイムディフェンス)を扱う。

  • 言語(ランゲージ)
「言語」の概念を司るUMA。第8席。
課題提起時のイメージビジュアルは無地のカルタ*18だが、実際はバベルの塔のような冠を被った幼なげな眼鏡っ娘。

一人称は「ラン」。
常に本を読んでいる読書家で、一見純真そうに見えるがUMAらしく本性は邪悪。

言語を司るだけあって人間から言語を奪い会話を封じる「言語吸収」を扱うことができる。
本人の言によればフェーズ2の状態でも全人類から言語を剥奪することで文明を滅ぼすことも可能だという。
他にも、手に持った本から矢印を飛ばして相手を刺し貫く技も持つ。

2020年8月の課題(クエスト)で討伐対象となった際は、風子が倒れた舞台裏でニコによって討伐され、報酬として全世界の言語が英語のみに統一されるよう世界が改変された。
世界規模での意思疎通が容易くなった一方で、バラバラな言語により生まれていた国独自の言語文化は失われており、おまけに否定者はその恩恵に預かれない。
結果として隠れ潜んでいた否定者が一般社会から炙り出される二次被害が発生した。

101回目のループではビーストと共に討伐対象として出現。
前ループでニコに敗れたことをとことん根に持っており、46億年の間に渡ってニコへのリベンジに燃えていた彼女は自ら出向いて強襲し、
ニコ、イチコと途中で召喚されたファンと、あらゆる言語を用いてしりとりしながら選んだ言葉を具現化して戦う「全言語死理取り」で交戦した。
振る舞いは到底褒められたものではないが勝負に拘っていたことに偽りはなく、最期は潔く敗北を認め縁結びのUMAとなり消滅している。


  • (ビースト)
「獣」の概念を司るUMA。第9席。
フェーズ2の姿は蛇のような目、ギザギザの牙、狼のような毛皮を被った黒髪で黒い肌の青年。
フェーズ3では無数の古代生物の部位を不壊の鎧に宿らせた異形の鎧を纏った姿に変貌する。
この姿は作者によれば「アンブレイカブルアノマロカリスカブトガニケツァルコアトルスフォーム」という名称だとか。

一人称は「オレ」。
弱肉強食を重要視して人類を餌扱いしており、人との共存の可能性を頭ごなしに否定し人類を苦しめることに喜悦を感じる残虐で粗暴な性格。ただし自然破壊には思うところがある様子。
人同士だけしかいない世界での諍いに飽きた神の意により、「人類を苦しめる別個の敵」を求めて獣の概念が追加されたという。

俊敏かつ強靭な身体能力に加えて、動物の血肉を一口でも喰らえばその動物の特性や能力を得て肉体に反映させられる能力の持ち主。動物の特性を得た際は被り物のデザインや形状も対応した動物を模したものへと変化していく。
他にも喰らった魂から経験値・記憶を奪うことで否定能力すら容易く使いこなすことができる。
また魂の鎖を刺した人間以外のあらゆる動物を支配下に置き、手駒とすることも可能。ビーストの言動を鑑みると、動物系UMAがペナルティで追加されればされるほど操れる動物の数と種類が増えていく模様。

101回目のループにおいて討伐対象となった結果、なし崩し的に攻略メンバーとして選ばれた風子、一心、トップと交戦した。
只管人間を舐め腐り、密かに狙っていた不壊の能力を得たことで完全に慢心していたが攻略メンバーが魂の存在を知覚したことで形勢が逆転。
より練度と精度を増した一心の不壊の前に自身の不壊が撃ち負けてしまい、最後はトップの超加速を得た蹴りの一撃を受けて敗北。
マスタールール組最初の脱落者となった。

  • 病気(シック)
「病気」の概念を司るUMA。第10席。
フェーズ2の姿は黒髪で長身の青年であり、胸には「Ⅹ」の文字が刻まれている。

一人称は「ボク」。
人類を見下しながらも人類が産んだ『音楽』に関しては気に入っており、病に苦しむ人間の声や姿を「音楽」と称して好む悪趣味なサディスト。ちなみにクラシック愛好家。
病の理から派生した医療の概念も嘲笑しており、命を無価値と断じた上で医療を生み出して病気に抗おうとする人類の発展そのものを馬鹿にしている。

指揮者気取りで病を広げることを好み、強力な再生能力に加えて音符状の棘を突き刺すことで相手を病気に罹患させる能力を持つ。
とはいえマスタールール上位勢の中では最弱に属しており、加えてガンメタ性能を持つアンディを前にして完敗。
ムーブの横槍を受け帰還させられた際は他の9人に盛大に嘲笑された。なお敗北時リップに身体を縦に切断されているため、現在は無理矢理体の右半身左半身をくっつけた不格好な人型を維持している。


神の陣営

通称(クソヤロー)
組織とUNDERの共通討伐対象にして、この世界を創り出した創造主
UMAや古代遺物を生み出して数多の理で人類を苦しめ、その者にとって最悪のタイミングで否定能力を与えている全ての元凶たる超常存在。
黙示録によれば課題をクリアすることで報酬が貰えるのも、全ては神が人類を弄ぶための一環。
報酬といいつつデメリットがあったり、クエストに従ってUMAを討伐した結果世界のバランスが崩れるよう仕組まれているのも、全て狙ってのこと。


一部読者からのあだ名は「クソGM」
その外道ぶり・愉快犯ぶりが徹底的に描かれた結果、いつしかアンデッドアンラック界隈では『神』は侮辱語扱いというお約束ができあがった。
例: 「アンデラの作者は神!」⇐「ひでぇ罵倒だ」


  • 黙示録(アポカリプス)
CV:杉田智和
組織が保有する世界で最初に発見された古代遺物。
見た目は凶悪な双眸と、鋭利な牙が生え揃った口を持った自我のある本。
課題の出題及び結果(リサルト)の発表を行う審判的存在で、円卓の席が全て埋まることで活動を開始。否定者に課題を提示する性質を持つ。
だが円卓の席が揃わないままだと開くことはなく、そのまま期限が過ぎてしまうと問答無用で失敗と見做して(ペナルティ)を与えてくる。
このため仮に円卓メンバーが死亡するなどして1人でも欠員が出た場合、新たな後任を探し出して勧誘するのが組織の急務となる。

自我があるため質疑応答も可能だが基本的に口が悪く言動は完全にガラの悪いチンピラ。
審判ではあるが人類の味方でもなんでもないので、課題攻略の結果人類存亡の危機になる事態を把握しておきながら意図的にその情報を喋らず、絶望する否定者達を嘲笑い野次を飛ばす悪意の塊。
「報酬をもらえるだけありがたいと思え」とは本人の談。
一方でループで自分の役目が終わったと判断すれば、例え否定者の手で殺されるような羽目になっても臆さないなど度胸はある。
しかし傲岸不遜な性格が災いしてか、想定外の行動を取られたり余裕の態度を突きつけられると逆に自分が余裕を失くしてしまう。


  • ルイン
神に選ばれた否定者を自称する謎の青年。
神を崇拝し、組織・UNDERのどちらにも属することなく、神の思惑を実現するために独自に活動している。
非常に不遜で冷淡な性格をしており、常に下衆な笑みを浮かべながら他の否定者を見下すような言動を繰り返している。
(ブラッド)」と「(シャドウ)」という二体のUMAを引き連れており、基本的に三位一体となって行動する。


  • シール
課題に関係なく多くのUMAを殺戮したアンディへの天罰「調整(レギュレーション)」として、神によって生み出されたUMA。
見た目は全身が包帯のような帯で巻かれたミイラのような人型。
自らを「UMAの王」と豪語する不遜な性格で、自分以外のUMAに対しても冷酷で高圧的に接する。
対象を伸縮自在の包帯で包むことで己の体内に封印。封印したUMAの能力を操ることができる能力を持つ。


その他

  • 安野雲(あんのうん)
CV:内山夕実
風子愛読の少女漫画「君に伝われ」の作者。
全101巻というとんでもない長寿連載を描き切った漫画家……というだけの人物のはずだが、
この「全101巻」という数字がラグナロクが101回目の罰であることと何らかの繋がりを感じさせる事、名前が安野雲(あんのうん)UNKNOWNと読める事などから、読者の間では「今後の展開に大きく関わる人物なのでは?」などと様々な考察がなされている。



  • ルーシー
アンディと出会ったまだ幼き否定者。いつも鼻水を垂らしている。
UMAの襲撃を受けて壊滅したとある町の生き残りで、行方不明になった母を探していた。
なお、外見や言動が中性的で作中でもほぼ触れられてないためわかりにくいが、女の子である。



  • 不均衡(UNBALANCE)の否定者
UNDERのボスに能力をコピーされた否定者その1。
本人は本編で登場しておらず、建築家であること以外の情報は無い。



  • 不定(UNDEFINITION)の否定者
UNDERのボスに能力をコピーされた否定者その2。
不均衡の否定者以上に情報が無く、どんな人物か不明のまま。



  • 除津建二(よけづけんじ)
ボイドの前任の不可避の否定者。
日本の埼玉県在住の御年98歳のご老人。




余談

  • 作者の戸塚氏は単行本初めてだったこともあり単行本のおまけページの勝手が分からず、「単行本のおまけページにどんなものを書けばいいのか」を公式Twitterでフォロワーから募集する珍事があった。
    そして現在、単行本のおまけページには登場人物のプロフィールや、公式Twitterに投稿されたイラストなどが載っている。


  • 2021年16号のジャンプ本誌のミニコーナー「ジャンプSBS」*20によると、本作の最初のタイトル案は「アンラッキーガール アンド アンデッドガイ」だったとのこと。長え


追記・修正は否定者の方によろしくお願いします。

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  • 悲しい過去
最終更新:2025年04月14日 19:18

*1 スポイルの能力でゾンビ化した人間などが代表例

*2 それまでも夜でありながら星が描かれない不自然な空など伏線は張られていた

*3 例:UMA「インセクト」を討伐する→世界から昆虫の概念が消滅し、余波で一部の地面が沼地と化すなど地形の変動が起こる。

*4 例:バーン←→不燃、ムーブ←→不動など。

*5 例:アンディ→「死の器」など。自分の持つルールに対応する場合は「私の器」といった呼び方もする。

*6 不死は今までリベリオンであれほどの力を使えはしなかったと神が発言しているので、以前のループでも組織は入手自体はしていることがわかる。

*7 悲劇を経験してないため性格が異なる、悲劇の発生日時が異なる、そもそも人物の生年月日が異なる等

*8 不死者にはダメージが無意味なので捕獲道具が現れる不運が、UMAに対してそのUMAの核が盗られるという不運が、等

*9 両グループに関わらないルーシー、ルインも含んでいる

*10 トレンドは三文字以下の単語は拾われない。ボイドやムイは「ボイドさん」「ムイちゃん」と敬称つきで呼ばれるためこの制限を突破している。公式もこれを受けてか、アニメ7話・8話の推奨ハッシュタグに「シェンさま」が載っていた。

*11 以降に登場したジュイスら他のメンバーはこの法則に基づいて命名するようになった

*12 その他、古代遺物ディスクを見て風子がUFOと認識する、ニコが若い頃にUMAブラックホールが追加される、等前回ループの宇宙の概念に関しては考察の余地がある。

*13 足が折れたら機動力を活かせないため、折れてもいい腕の方を意図的に使わないようにしているのだと思われる

*14 前回のループでは中学1年生の時(2015年ごろ)に否定能力に目覚め、2020年時点で高校生3年生であるのに対し、101回目のループでは1999年時点で否定能力に目覚めていない高校3年生。

*15 前回のループではクリードによる敵意むき出し不減ガトリング攻撃の最中に否定能力が発現。

*16 燃焼自体は円陣の不燃で止めていたが、不燃では熱は否定出来ない

*17 いわゆる蛮カラ。学生帽は天井部分がなく、残ったツバ部分も大きく避けている。

*18 アニメでは各国を意識した絵と、頭文字の代わりに国名の3字略称が記されている

*19 その時には理が書き換えられており日本語が存在せず、世界の全ての言葉は英語に変換されている。しかし生原稿は日本語のままだったので古代遺物で描かれた証拠になった。

*20 掲載作品の担当編集者によって作品の知らない事が暴露されるコーナー。巻末の目次ページにある。