川井みき(聲の形)

登録日:2021/09/12 Sun 11:09:40
更新日:2025/03/15 Sat 01:11:36
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川井みきは漫画『聲の形』の登場人物。



【概要】

将也の小学生時代のクラスメイトの女子。メガネをかけた優等生風の少女で植野と仲が良い。
硝子が転校してくる事を将也達に最初に伝えたのは彼女。
高校時代では真柴に好意を寄せており、髪型を変えて眼鏡をコンタクトに変えてアプローチしている。

【来歴】


小学生偏

石田や植野らと同じ学級のクラスメイトで、学級委員長。
西宮が転校してきた最初期は、彼女の一つ前の座席であったこともあり、彼女の左斜め後ろの席である植野と協力して西宮のための様々なサポートを行っていた。
しかし、それがやがて――。

高校生偏

石田永束真柴らと同じ学級のクラスメイトで、学級委員長。真柴に好意を寄せている。高校が別々になっているが、植野とは交遊が続いている。
石田から佐原についての情報を問われた際に学校を教えたり、植野からの頼みで石田と植野を引き合わせる役をするなどして、少しずつ石田と西宮達の関係の中に関わっていく。

真柴に合わせて最終的には杭瀬大学に進学した。

おさげ三つ編みに眼鏡→ストレートヘアとコンタクト→再びおさげ三つ編みに眼鏡と容姿が大きく変化している。
中盤のイメチェン自体は真柴へのアピールのためで、終盤に遠回しなアピールが必要なくなりおさげ三つ編みへ逆戻りした。

【人物】

石田視点では利己的で共感性が欠如しており、表向きはいじめを否定しつつも、クラスメイトの植野と共に西宮へのいじめを楽しんでるように見えている。 
しかしそれらは実は石田の主観と誤認である所が大きく、実際には西宮を悪く言ったり危害を加えた描写は一度も存在していない。
寧ろ西宮の介護を積極的にやり、友好的に接していた。

実際にはいじめを良くないと思ってはいても恐怖心から助ける事が出来ない子というのが真相だった。

主観や偏見を排除して客観的事実だけを並べれば、川井が西宮の悪口を言ったり危害を加えた事は一切なく、西宮へのいじめにも注意したり担任の先生に伝えたりと、いじめの抑止に動いており、実際にはかなり善人側の人間といえよう。

原作者は公式ファンブックで「ひそかに自分の可愛さに自信を持っている女の子。植野とはちょっとタイプが違うが、彼女もまた自分が正しいと思ったことを素直に実行するキャラクターで、それらの行動をわざとらしいと思った読者の方も多いみたいですか、あれは全部素の行動で、本人としてはとりたてて自分を演出している自覚はありません」と語っている。
名前の由来は嫌いな人の名前をフルネームで呼ぶ姉の口ぶりがおかしくて、それと同じように名字と名前をひとつながりで呼びやすいものを考え、「かわい」となったのは偶然に近いという。

アニメの舞台挨拶で声優が川井のキャラを掴みかねてる時にはアニメ版の監督から「聖母のような存在なんだよ、川井は」、原作者から「本当にいい子なんです」とアドバイスを受けていたのが明かされている*1*2

後述の件が原因で嫌に見えやすいキャラで、実際にアニメ版の監督のインタビューで「悪意はないように見えるが、その行動によって周囲を振り回していく、川井のようなタイプはなんかは嫌に見えやすい」というインタビュアーの問いが出ており、それに対して、監督は「シスターになろうっていうシスターじゃなくて生まれながらのシスター」と解答しており、例えとして「彼女は生まれながらのシスターで、シスターの足が見えてちゃダメとか知らないからシスターの裾がはだけて足が見えても気にしないんですよ。でも、シスターになろうとしている人は「シスターは髪の毛や足なんか見せてはいけない」とか考えるが、彼女にはそういうのがない。つまり、彼女にウソも何もない、彼女の正義がちゃんとそこにある。」と答えている。
つまる所障がい者に優しくする行動人を傷つける行動も川井は善意も悪意もなく自然体にやってる事であるらしい。

この対談において、石田の小学生時代を演じた松岡茉優は監督のこの発言に対して、「暴走機関車だから私も好きなキャラクターではなかった。でも、生まれながらのシスターだから仕方ない」とも述べているなど演者からも賛否両論なキャラであった*3


【石田視点と客観的事実】

聲の形は石田視点で物語が進む為、どうしても彼女の行動全てに他意があり裏があるように見えてしまうので読者からの評価もかなり低い*4
しかし、ファンブックによって実は川井は自己演出をしたり嘘をつくような子ではなく、作中で流れる涙も全ては本物であるという衝撃の事実が発覚する。

川井に対しては、演出にとって印象のミスリードをしている描写は複数見られる。

映画版だと石田視点での合唱コンクールでは川井が口パクして西宮の失敗を誘発し、助ける事で良い子の自分を演出したように見えてる点。
これは原作者曰く、川井は自己演出したり嘘をつく子ではなく、西宮が純粋にミスをしたのを川井がフォローして音程役を自ら買って出たという本来は心優しい女の子の気遣いの場面だった。
実際、スローでよく注意してみると西宮は川井だけを見ていたのではなく左側の女の子にも注目しており、その女子も実は歌う前に口を開いているのが確認出来る。
この動作は歌う前に人間が無意識にする生理的な仕草であり、川井は他意なく普通に歌っただけだが、視覚情報に頼る聴覚障害者の西宮はそれを勘違いして歌うタイミングを間違えた…というのが事の真相である。

原作における映画製作時に石田視点で西宮を仲間外れにしようとしたように見える場面が存在するが、それもファンブックにて石田の認識と周りの認識に齟齬が生じたからで仲間外れにしようという意図は一切無かったと原作者によって明かされている。
事実、石田がちゃんと伝えて齟齬が解消されてからは普通に軌道修正されている。
また、川井は過去に西宮が合唱で失敗したさいに石田がキレて黒板に酷い落書きをし、いじめを激化させた所を見ているので、二の舞にしたくないという気持ちもあった。
なのでこの場面は一見すると「テンプレ的差別主義者な川井と差別を辞めるよう求める石田」に見えるが実際には「失敗した障碍者にキレた張本人がいるので消極的な川井と、失敗した西宮に危害を加えた過去を完全に忘れている石田」という場面だったりする。

学級裁判で泣いて石田を陥れたような印象が強いのも、評価を落とす要因になっている。
しかし、これについても事実は異なり、本当に濡れ衣を着れされたことに対して普通に傷つき泣いていただけである。
石田がその時言ってた「植野と川井も西宮の悪口を言っていた」については、植野はともかく川井は本当に事実として悪口を言っていないのが真相であった。
実際に指摘された際は、図星だった植野は「はぁ?」と声を上げ怒りの表情を浮かべているのと対照的に事実無根の川井は青ざめているコマが差し込まれているが、コマの間に植野の「はぁ?」というセリフを置くことで川井も植野と同じように怒りを表明しているかのようなミスリードがなされている。
クラスの空気に呑まれていた石田等から見れば責任逃れの誤魔化しと映るにせよ、
「自分は何度も辞めるよう言ったが石田くんは聞かなかった」との主張の通り、川井は石田を注意したり先生に報告したりしている描写は確かにあった。

小学校時代において、当初は西宮の世話をする為に授業が遅れたり合唱が台無しになったりしてた事でクラス全体として西宮を煙たがる空気があったのは確かで、川井もほくそ笑んでいるかのようにも見える描写はある。
だが、川井からすれば、「次は自分がいじめられるかもと思い怖かった」から強い態度に出られなかっただけのこと。
恐怖で引き攣ってどうすれば良いかわからなかった、というのが実情のようであり、実際原作では西宮いじめの場面では常に困り眉か冷や汗をかいているし、彼女なりにフォローしてた場面も存在している。

読者からはいじめを悪いと思うならもっと強く言える筈だから、軽く言うに留めている彼女はいじめを解決する気がなかったという意見も出る。
現実の虐め問題においても、同様の解釈をする経験者は少なくない。
しかし、麻痺したように障碍者の女子に暴力的になって流血沙汰を起こしている石田や自分に同調しなかった佐原を見せしめ的にいじめた植野に川井が恐怖してしまうのは無理からぬことであろう。

自分の罪を棚上げして梯子を外して石田を捨てて逃げた。という風に見え易い状況ではあれど、川井は実際には恐怖から消極的に同調してしまった、力及ばすいじめを止められ無かったという立場であり、その自覚もある。
彼女自身もそのことを認めているからこそ「自分がいじめられるんじゃないかと怯えてた」「同調させられていた」という台詞が出るのであって、しかし石田や植野といった恐怖を与えて同調を強制した加害者張本人たちが「お前だって一緒になっていじめてただろ」と言うのは話が違うので反発していた。一方で、純粋な被害者である佐原に「どっちも怖かった」と指摘された際は反論しなかった。

しかも割りとフォローしている。
例えば植野が「西宮さんって日本語喋れるの~?」と意地悪を言った時は川井は苦笑いを浮かべながらもアダ名の話題に上手いこと変換していたり、植野の愚痴に「分かる~」と言ってる場面も実は上のコマで植野と二人っきりの時はフォローして怒りを静めようとしていた(流石に人数が増えると無理だった)
確かに目立った善行とも確実ないじめ抑止とは言えないが、彼女なりにどうにかしようと動いていたのは事実である。

ただ、植野や石田は佐原や西宮をいじめた行為が罪であるという自覚はあってもいじめ行為自体が周囲に恐怖を与え、同調を強制してる好意という自覚が無かった為に「川井は積極的に止めなかった」=「川井もいじめを楽しんでいた」という歪んだ認識となっていた為に読者にもそのような印象を与えてしまっていた。

高校時に教室で石田の過去を暴露した事でも悪印象を持たれているが、川井は石田の過去を話すつもりは本当に無かったので遊園地の時には石田の悪行を言わずにボヤかして過去を説明したり、石田に「俺の昔のこと言ってる?」と聞かれた時も「?何のこと……?」と本気でピンと来ていなかった。
また、石田から言い触らし疑惑をかけられた事で確かに怒りはしたものの、石田に声を小さくするよう求められた際にはムッとしつつもちゃんと小声で配慮はしていた。

しかし、石田は過去の西宮へのいじめを「西宮をからかった」と言った事で川井が「ちゃんと反省してるの?手話をマスターしたからって罪を償ったって事にはならないんだよ」と叱った所、石田に大声を出されたので「石田くんは(西宮をいじめていた頃から)変わってない」と思い恐怖、またその状態で真柴に何かあったのかと聞かれたため、そのまま周囲に助けを求めて喋ってしまった。

このような衝突が起きた原因の1つとして石田は佐原や植野には西宮と和解の経緯や過去の事について話をしてたが、実は川井には一切何の説明もしてないし過去の話も一切しようとしなかったというのがあげられる。
川井も現実として石田と西宮が仲良くしている以上は今更過去の事を掘り返さない方がよいと考えて触れなかった為に、お互いが過去の出来事をどう思っているのか分かっていなかった。
その為、川井が気遣って石田の悪行を言わずに「西宮さんとの関わりは新鮮な体験だった」とボヤかして過去を説明してたのを石田は「いい思い出みたいに話しやがって」と過去を何とも思ってないと感じて内心で悪態をつき、川井の方も石田が西宮に深い罪悪感があるからこそ「西宮をからかってた」と言ってしまったのを川井は「石田くんは反省してない」と受け取ってしまうというすれ違いが起こっていた。

川井が「自分は何度も辞めるよう言ったが石田くんは聞かなかった。次は自分がいじめられるかもと思い怖かった」という発言も石田視点(及び一部の読者)には責任逃れの誤魔化しにしか見えていないが、実はこれもキチンとした事実である。
読み返すと川井が石田を注意したり先生に報告したりしている描写は確かにあり、石田は気にも止めていなかった。

そして石田は「川井も悪口を言っていた」と思って川井をずっと共犯として扱っていたものの、作中で川井が西宮の悪口を言った場面は一度も存在せず、5巻38話で石田が「川井さんだって悪口言ってただろ!!」と言った際に川井が「記憶を捏造しないでちゃんと真実を見て」と返され、石田が記憶を思い返した結果実は石田は川井が西宮の悪口を言っている場面を見たという具体的な記憶が存在していなかったことが明かになった。

恐らくは実際に西宮のいじめに加担していた植野と、よく傍にいた川井とでイメージと記憶が混合したのと、植野の愚痴に付き合って相槌で「分かる」とたった一度だけ言ってるのを聞いた時に拡大解釈し過ぎたのが原因と思われる。
しかも悪口に同意したように見える場面ですら、実際には川井なりに西宮をフォローしようと努力していた場面だったりする。

尚、キチンと注意出来なかった事は川井も認めており、しかしそれはいじめを楽しんでた訳ではなく聴覚障害者の女子に異常な執着を燃やして酷い暴力をふるい流血沙汰まで起こしている当時の石田が本気で恐ろしく、いじめをよくないと思いはすれど、暴力の矛先が自分に向かうのを恐れて強く言えなかった為である。

実際、高校で石田が川井に話しかけた際も石田視点では川井の顔にバツマークが付けられているので分かりづらいが、実は川井は石田に対し怯えた表情を向けていた描写もちゃんとされている。

そういう事情があれど、過去の暴露は感情的に行なった衝動的な行動ではある。
しかし、本人も後で「陥れるつもりじゃなかった」と石田にそのことを謝罪しており、少なくとも真柴には「今は反省している」ということまでフォローを入れている。石田が飛び出す前は石田は反省してないんじゃないかと疑っていたので、現在の西宮との交流を思い返したからかちゃんと反省はしているのだと考え直したことがわかる。

明確な描写があるわけではないが、クラスメイトが集まっていた状況でわざわざ真柴だけを連れ出して個別にフォローを入れる必要性、過去にいじめを行っていて変わっていないと暴露された石田が後で概ね受け入れられていること、永束にあまり信用がなく後に石田のフォローを入れてもあまり信じられていなかったという事実を鑑みるに、この時にクラスメイトにも同様の説明はしていると思われる。

ただし、先述の通り、彼女もまた問題点を抱えていない訳ではない。

まずは、やはり臆病なところが挙げられるだろう。
これは川井の課題として明確に提示されており、真柴へ好意を抱いていても直接伝えることができず、褒められた髪型にしたり、映画作りを通して接近しようとするなど遠回しなアピールに留まっていた。

そしてイジメの抑止もキチンと出来ているとは言えず、同調して笑っている場面があるのも問題と言えるだろう。
しかし、悪口で不登校に追い込んだクラスの女子の中心的人物や、いつも3人でつるんでいる障碍者の女子に容赦なく暴力をふるう男子を女子小学生一人でどうにか出来る訳がないのでそこも仕方がない部分はあると言える。

また千羽鶴の作成を提案した時に悪口を書かれている描写から「川井はクラス中から嫌われている」と思い込む読者もいるがそれは誤りで、実際には教室では友人らに囲まれ、泣いた時には肩に手を当てて慰めてくれる人すらいる。
折り鶴は千羽集まらなかったが、そもそも短期間かつ少人数で集めようとする無理なプランであったこと、にも関わらず周囲との関わりを拒絶しがちだった石田のためにその半分近くの鶴を折ってもらえていることから、むしろそれなりの人望を持ち合わせていることが伺える。
石田がちゃんと周りの声を聞くようにした時に大方が石田を受け入れてくれている中で「よく学校来れるなぁ」と言う人間もいたのと同じことで、集団の中には川井のような人間を煙たがって陰口を叩くような人間もいるというだけである。

また、石田は「川井は真柴のオマケで自分に友好的な態度を取ってるだけで、内心嫌っている」と思っている節があるが、川井は交流してる内に石田をちゃんと良き友人と思い好感度がかなり高かった。
実際に石田に皆の前で濡れ衣を2回も着せられて泣かされたり、そのせいで一部のクラスメイトに「石田が飛び降りたのは川井のせいでは?」とあらぬ噂をかけられたりと結構な被害を受けてるものの「石田くんは反省してるし罰も受けてるから許してあげるべきかもしれない…」と考えたり、千羽鶴の作成や見舞いにも積極的に行っている。見舞いをダシにして真柴を誘うどころか、色々考えていたとは言え病院に向かう途中にいつの間にか一緒に歩いていた真柴に気づかず「いたの?」と言うくらいである。

そもそも真柴が石田と仲良くしたがっていると石田に伝えたのも彼女である。
これは石田と真柴が友達になる前からそういうことを話す仲であることを意味しており、元々真柴も川井が髪型を変えた時には自分から話しかけに行くくらいの仲である。むしろ真柴が石田に近づくために川井を利用しており、川井が真柴に近づくために石田を利用したという事実はない。

石田も当初は川井の真意が分からず拒絶していたが、退院後に川井が石田の為に不恰好でも千羽鶴を作成した事には感謝して喜び、川井へのバツマークを外して素直に友情と善意を受け取れるようになり、その後はよき友人としての関係を築くようになった。

総じて、悪し様に言われがちな川井というキャラクターは、多少暴走しがちではあるが普通の良い子に過ぎない。

また、作中における彼女のメタ的な立場も留意する必要はあるだろう。
「石田くんは反省してるし罰も受けてるから許してあげるべきかもしれない…」
という表現が「上から目線で何様だ」と批判されがちでもある。
だが、石田や西宮は読者にとって特別なヒロインと特別な主人公ではあるが小学生当時の川井にとって西宮は転校してきた障碍者の他人であり石田は植野が思いを寄せてる乱暴な男子でしか無いのだ。
西宮は聴覚障害があるので人としての常識と良識で優しくもするし世話もするし、いじめられれば注意もするし先生にも報告する。
しかし、当時の川井にとって西宮は親友でもなければ特別な存在でもない為に流石に身代わりでいじめられたり立ち向かう程ではないのである。 
石田に対してもいじめには参加はしないものの、流石に自身に濡れ衣を着せてきた男を庇う事はしない。

逆に西宮や石田をキチンと友人として認識した高校生の頃には、石田が西宮へのいじめを「からかっていた」と表現した際に「本当に反省してるの?」と叱ったり、入院した石田の為に千羽鶴を作成したり見舞いも積極的に行い、石田の病室で立て籠って西宮を排除しようとしてる植野に対しても西宮の為にキチンと怒っている。
要するに、保身に走っているのではなく、他人への対応友人への対応が違うだけのこと。

そして西宮への励ましを通して自分と向かい合うことで、臆病な自分から脱却して前に進めるようになった。
その姿は真柴に褒められた姿ではなく眼鏡に三つ編みという本来の自分の見た目に戻し、真柴に堂々と好意を伝えられるようになったというはっきりとした形で描かれている。
その結果真柴から指輪を貰うまでに至っており、成人式の場では右手の薬指に着用している。

ファンブックによると真柴は当初、一部の読者と同じく「川井には裏があり、本当は悪い奴」という考えがあり、本性を暴く為に近づいたらしい。
しかし、西宮を慰める姿をみて「川井さんってこんな優しい事が出来るのか」と驚愕し、色々と問答した結果、川井の行動に少なくとも悪意や裏はないナチュラルボーンであると気付き、自分の思いやりの無さを恥じて考えを改めたらしい。

また、原作者曰く真柴は川井とはまだ付き合ってるという認識をもっておらず、なあなあの関係を楽しんでるとのことだが、周囲に自分達が恋人だと思われる事を容認しており川井が付き合ってる認識を持っている事に対しても否定しないという、かなり面倒臭い好意の示し方をしている。

捻くれている真柴に付き合ってくれるのは川井くらいなので相性自体は良いらしく本人たちは楽しそうにやってるのでこれはこれで1つの愛の形と言える。



川井がここまでヘイトを稼いだのは人間的未熟や至らない点が原因というよりもシンプルに石田にとって都合が悪い存在だからと言えよう。
川井自身は正論でまともな事を言ってる事が割と多いのだが、主人公である石田にとってそれが都合が悪い為に、主人公に感情移入する読者にとっても悪印象を抱かれる原因となり、各々の立場や過去の行いを考えればまともな言動の場面すらも悪いように解釈される。
(ただ、石田に都合の悪い場面・誤解を生むような発言は大ゴマで強調されたり石田のリアクションが大きかったり、一方でそれを考慮に入れれば誤解であるとわかるような発言や描写はさらっと流されていたり石田にケチをつけられたりといった描かれ方を見るに、恐らく作者も川井をあえて誤解を受けるように狙って描いていた節がある)

この様に、川井みきは認知が歪めばどれだけ客観的事実が目の前にあっても真実が見えなくなることの代表的な例であり、立場や関係者との距離感が違えば、見え方が一変する。人間関係の難しさを体現したキャラクターといえるだろう。




私はずっと追記・修正しようって言ってたのに!

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最終更新:2025年03月15日 01:11

*1 https://www.animatetimes.com/news/details.php?id=1474210472

*2 https://ameblo.jp/meg-han/entry-12201428697.html

*3 https://news.mynavi.jp/article/20160921-koe/2

*4 2025年現在でも、X(旧ツイッター)で彼女を叩く声が根強く上がり続けていることからもそれが窺える。