ハーストイーグル

登録日:2021/10/5 Wed 22:36:40
更新日:2023/09/03 Sun 09:28:41
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『ハーストイーグル』(別名ハルパゴルニズワシ)とは、かつてニュージーランドの南島に生息していた巨大ワシである。1500年頃に絶滅した絶滅種。生態や行動はオウギワシに酷似していた。

モア類を主食としており、ごく稀にジャイアントモアすらも獲物にしていたとされている。

●目次

概要

史上最大の猛禽類の一つであり、猛禽類の例に漏れず雌のほうが大型化しその翼長は3メートルになり、小柄な雄でも最大翼長なら2.5メートルもあった。体重も飛行出来る猛禽類では最大級の一つで雌では最大16キログラムで雄でも10キログラムほどもあった。

生態はオウギワシに似ているが、実はヒメクマタカの近縁種で180万年前にニュージーランドに渡って来た小型の先祖の子孫が時を経て巨大化したのが本種である。飛行は強靭な両脚を用いて跳躍するように飛び上がってから飛行していたとされている。

実はジャイアントモア同様にマオリ族にとっては貴重な食料の一つでありマオリ族の貝塚からモア類と共に化石が発見されている。

生態

トラの爪ほどのサイズがある巨大な鉤爪と時速80キロメートルほどになったとされる飛行速度により上空から獲物を奇襲して襲うという現在のオウギワシと同様の狩りを行っていた。モア類とキーウィカカポペンギンなどの鳥類を主食とし他にも棲息していたコウモリや魚類なども副菜として捕食していた。

さらには自身の何十倍もの体重差があるジャイアントモアの雌の成鳥すらも獲物にしていたとされている。これは実際にジャイアントモアの化石にハーストイーグルの捕食の痕跡があり、実際に雌の成鳥のジャイアントモアと洞窟で戦い共に転落死して相討ちになった証拠となる化石も発見されているからである。が、これは稀な事で普段は主に死骸を捕食していたという説が主流である。
ただし、雌より小型な雄のジャイアントモアや弱体化や沼に嵌った雌の個体なら捕食可能とされ、またジャイアントモアの幼鳥を主食にしていたのもまた事実である。

絶滅への経緯

ハーストイーグルはモア類を主食とし悠々自適な生活を送っていたが、ニュージーランドにマオリ族が入植して来ると事態は一変する。なんとマオリ族もモアを主食とするようになり乱獲を始めたのである。

瞬く間の50年ほどでモアは絶滅。食料に困ったハーストイーグルは何と今度はマオリ族の人間を獲物とするようになったのである。

しかし対空攻撃が可能なマオリ族をそう何度も捕食することは出来ず、モア類の代わりにならなかった上に時にはマオリ族の反撃で殺されハーストイーグル自身も食料にされるようになりモアの後を追うように絶滅して行った。

生存説

著名な探検家チャールズ・ダグラスは自身の冒険記に1870年代にニュージーランドのランズボロー川の溪谷で2羽の巨大な猛禽類に遭遇しこれを射殺、そして食べたと自身の冒険記に記している。これが事実ならこの2羽は地球最後のハーストイーグルの夫婦であった可能性もある。

これは別の絶滅種アイルズハリアーというチュウヒだったという反論もあるが、アイルズハリアーも有史以前の絶滅種である為これはこれで凄い事である。

ジャイアントモアを含むモア類も1800年代まで目撃情報や痕跡があった事からハーストイーグルもそれらを食料にして1800年代まで生存していた可能性もある。しかし2000年代でも目撃報告があるジャイアントモアと違いハーストイーグルの目撃報告は皆無である。既存のワシを見間違えてハーストイーグルだと誤認した例はあるらしいが。

アメリカで目撃されているサンダーバード\ビッグバードはハーストイーグルが何らかの方法でアメリカに辿り着いたものかもしれない。

追記修正は地球最後の2羽を何の考えも無しに食べてからお願いします

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最終更新:2023年09月03日 09:28