登録日:2022/03/06 Sun 07:16:07
更新日:2025/04/30 Wed 12:23:37
所要時間:約 5 分で読めます
1986年に日本ファルコムから発売された2Dアクションアドベンチャーゲーム。
主人公であるファン・フレディを操作し、攫われたロマンシア王国の王女セリナを救出することを目的としている。
ザナドゥに続くドラゴンスレイヤーシリーズの第三作目。
パソコンテレビX1で発売されてから同年に、PC-98、PC88、MSX、MSX2に移植されており、1987年には
ファミリーコンピュータに移植もされている。
あらすじ
はるか遠い昔、深遠な森の中に「ロマンシア」と「アゾルバ」という小さな二つの王国があった。
そんなある日、ロマンシアのセリナ王女が何者かによってアゾルバに連れ去られてしまう。
さらに疫病の蔓延、怪物の出現など、王国に様々な異変が起こりだす。
そんなロマンシアに、偶然一人の若者が訪れる。その名はファン・フレディ。
彼はある国の王子で、ロマンシア王からセリナ姫探索の要請を受けたのだった。
操作方法(ファミコン版で表記)
←・→:左右に移動。ポーズ中にアイテムを選択する。
↑:ジャンプ、上移動、会話、建物に入る。
ジャンプの頂点で再度入力すると二段ジャンプができるが、タイミングがシビアでかなり難しい。
↓:下移動、床を調べる
Aボタン:選択したアイテムを使用する
Bボタン:剣を振る、長押しで剣を前方に投擲。
スタートボタン:ポーズ、ポーズ中にアイテムの選択。
ステータス
ハートマーク:HP。当然無くなると
ゲームオーバー。最大30であり、敵の攻撃を受けた際や水中、溶岩中を移動する時に減少する。
剣マーク:剣を投げられる回数、最大15。
金貨マーク:所持金、最大30。
杖マーク:MP。最大15。0の状態で魔法アイテムを使うとそのアイテムは壊れる。
盾マーク:盾の耐久値。最大30敵の攻撃を受けるとHPに代わって減少する。
指輪マーク:カルマ。最大30。善行で増加、悪行で減少。
アイテム
使うとHPを30に回復する。また病気を治したり、濁った水を清める事もできる。
序盤は教会で7回まで入手できるのだが……
その内の5個はカルマ上げやアイテム入手などに使うのに必須なので、プレイヤーが使えるのは実質2個だけ。それを知らずに使うと詰む
後半の
ダンジョンでも一応は入手できる。
使うと5回だけ画面上の敵を殲滅する。また、聖なる衣を貰うのにも必要。
入手した始めは呪われているので、呪いを解かないと使えない。
使うと一定時間だけ無敵になる。また、天上界に行くのにも必要。消費MP3。
入手した始めは無敵時間が異様に短く使い物にならない、時間を延ばすのは神通力をかけてもらう事が必要
教会の鐘を鳴らせる。虹のロッドを入手するのに必要。
アゾルバ国に移動する時に、橋を架けてもらう際に必要。ちなみに消耗品なので、アゾルバ国に向かう時に毎回入手する必要がある。
墓場で精霊を解き放って、精霊を入手するのに必要。
天上界から地上に戻るのに必要。ちなみに消耗品なので、天上界から戻るためには毎回入手する必要がある。
持ってないまま、天上界に行くと戻れずに最悪詰む。
画面上に居る、魔物に変えられた人間を解き放てる。消費MP1。
天上界の仙人に清められるまでは効果を発揮しない。
王女の捕らわれている地下牢の壁が通り抜けられるようになる。
入手した始めは呪われており、呪いを解くためには4人の人物に呪いを解いてもらう必要がある。偽物の巻物も他に3つ存在する。
使うと一定時間空中を移動できる。消費MP1。
王女のペンダントの入手に必要。これを特定の人物に渡すと入手できる
フラグが立つ。
アゾルバ国の火口と溶岩城を行き来できるようになるショートカットアイテム。
地下の闇を明るくする。
HPが0になった時に、その場で5回まで復活できる。
ラスボスのヴァイデスにダメージを与えられるようになる。
入手した始めは呪われており、本来の力を発揮するには天上界の大仙人に呪いを解いてもらう事が必要。
魔物
森の中をノミのように跳ね回っている大虫。HP2。
森の中間から出現し、飛び回る大羽虫。HP6。
鍾乳洞を徘徊する二足歩行の大亀。HP3
鍾乳洞を飛び回る、羽の生えた大蛇。HP1
鍾乳洞を抜けた湖の中の大魚。HP1
ロマンシア国の入り口を根城にしている、角の生えた巨大な怪物。HP97。
巨大な雲と雷めいた怪物。稲妻を飛ばして攻撃してくる。
HPは256だが、天上界に行くために天使状態になっているので、攻撃はできず弾を避け続けるしかない。
ロマンシア国からアゾルバ国への途中、大河から飛び跳ねてくる大魚。HP1
ロマンシア国からアゾルバ国への途中、大空から飛び込んでくる大鳥。HP1
モンスターに姿を変えらえたアゾルバ国の住人達。HP1
こいつらは倒すとカルマが1減少する。考え無しに攻撃すると詰む。
フレディに化けたモンスター。
完全無敵でありどんな攻撃も効かない。
アゾルバ城の地下入り口を遮る巨大カタツムリ。HP145。
セリナ姫が囚われた牢屋を守る、単眼の巨大な怪物。HP209。
ラスボス。数珠繋ぎになった胴体の巨大な竜。
呪いを解いたドラゴンスレイヤーのみでしかダメージを与えられない。
頭部と胴体の各部でHPが独立しており、攻撃でHP0にしても即座に倒す事はできず、尻尾から順に1つずつ切り落としていかなければならない。
頭部HP:160。胴体各部:HP96
追記・修正はこのゲームを攻略情報無しで完全クリアできた人にお願いします。
怒らないでくださいね?高難易度だけのゲームって、クソゲーに両足突っ込んでるみたいじゃないですか
問題点
前置きを終えて、本題に入ろう。
知ってる人は知ってるだろうが、このゲームは
セーブ無しで
ほぼノーヒントの状態でクリアを目指さなければならない。
同じくノーヒントでクリアを目指さなければならない
たけしの挑戦状に匹敵する程の難易度を持つマゾゲーであり、詰みポイントがゲーム中の至る所に存在している。
本作は理不尽なまでの難しさでも知られているが、これはプレイヤー間での情報交換がされることを前提としているため。
発売当時はインターネットなど無論なく、主に口コミや雑誌の投稿欄、ゲーム屋に置かれたコミニュケーション用ノートなどが使われた。
詰みポイントの一例
「7回までしか貰えない薬を、ロマンシア国の住人に渡さず自分に使用してしまう。」
「湖の水を抜いた先の水門の奥で下キーを押すと地下に入れるのだが、この地面なんの変哲もない。」
「微妙に高い木二つの真ん中で上キーを押すと、聖水が入手できる噴水地点に入れるのだがノーヒント。」
「墓場の奥で、黄金の鍵を使わないと精霊が出現しないのだがノーヒント。」
「天上界に行くには聖なる衣とカルマ5以上が必要それを満たしていないと即ゲームオーバー。」
「聖水が無いまま、モンスターに変えられたアゾルバ国の住人を攻撃してしまいカルマが0になってしまい、どうしようもなくなる。」
「MP0のまま聖水を使ってしまい、聖水が消滅してどうしようもなくなる。」
「巻物を入手できる所だが、3つも偽物がある」。どれが本物かのヒントは一切無い。
「巻物の呪いをどこで解いてもらうか、もちろんノーヒントである。」
「嫌になるほど広大な地下迷宮、途中には脱出が困難な地獄部屋というマップにワープする罠地点がある。」
「特定地点を進む途中で、カルマが1以上あるとチャダという魔物に変えられてしまう。」
「現在のHPが偶数なら左、奇数なら右の入り口を通ると先に進めるのだがノーヒント」分かるわけねーだろ!
「現在のHPが偶数なら下、奇数なら上の通路を通らないと地獄部屋にワープしてしまうのだがノーヒント」だから分かるわけねーだろ!
「下地点を通ると、通路が瞬時に溶岩で満たされる罠がある。」
「マップが切り替わると脱出不可能な溶岩の中に落とされる場所があり、天馬の羽が使えないと死ぬ。」
「ドラゴンスレイヤーがもらえる所では、二段ジャンプでも高さが足りず、天馬の羽が使えないと脱出不可能になる。」
「ドラゴンスレイヤーは呪いが掛かっていると気付けないと、ラスボスにダメージを与えられない。」
「ラスボス手前の水路は右からショートカットできるように見えるが、そこを進むとHPが1になる罠がある。」
うんざりするぐらい高難易度だがこれはファミコン版であり、元となるPC版から仕様が変更された所もある。
PC版では更に異様な難易度があり、一例を示すと。
「タイマーがあり制限時間付き、無くなるとゲームオーバー。」
「復活アイテムである生命の木の実が存在しない。」
「溶岩地帯ではタイマーの末尾が00になると聖なる衣に火が付き神通力が無くなる。更にもう1回末尾が00になると完全消滅。」
「タイマーの末尾が00~29なら左、30~59なら右に入らないと地獄部屋にワープしてしまうのだがノーヒント。」
「隠し金貨が手に入る地点で、タイマーの末尾が00になった時にしか入れない隠し部屋がある。」
このような有様となったのは、
難しければ難しいほど良いという(全てではないが)当時のPCゲーム状況ゆえであり、
それが悪い意味で極まったのが本作である。
詰みの項目を参照されたいが、シリーズ前作にあたるザナドゥも詰んで詰んで詰みまくるゲームだった。
天下の任天堂ですらも前作から難しくした高難度ゲーの『
スーパーマリオブラザーズ2』を作る。そういう時代だったのだ。
しかしこのゲームは流石に行き過ぎたらしく、メーカーには苦情が殺到。このゲームの翌年発売されたのが、あの名作
『イース』である。そのキャッチコピーは
「今、RPGは優しさの時代へ。」
……このゲームは優秀な反面教師になったらしい。
追記・修正はこのゲームを攻略情報無しで完全クリアできた人にお願いします。
- 追記修正の条件が厳し過ぎて草wwwww -- 名無しさん (2022-03-06 07:36:49)
- 建主も追記できなさそう(こなみ) -- 名無しさん (2022-03-06 07:53:28)
- きれいな こころの ものなど ぶたに なって しまえ!! とかいうパワーワード -- 名無しさん (2022-03-06 08:03:09)
- 某実況者が難しさを表すために名前だしてたのが印象的 -- 名無しさん (2022-03-06 08:40:10)
- たけ挑は複数の雑誌で手順が公開されてたと思うが、こっちはどうなんだろう -- 名無しさん (2022-03-06 08:59:38)
- このゲームの当時の評判はどうだったの? -- 名無しさん (2022-03-06 09:38:04)
- ↑難しいって言っても限度があんだろ!というか難しいじゃなくて理不尽だろこれ!とか散々言われてたような記憶がある。 -- 名無しさん (2022-03-06 12:18:35)
- 「最初の森にいるモンスターを一定数倒さないと先の洞窟に進めない(もちろんヒント無し)」←この程度はジャブですらなく、挨拶レベル -- 名無しさん (2022-03-06 13:56:55)
- いくら難易度高い方が喜ばれた時代だったと言えよくこんなレベルの物を作ろうと思ったな・・・ -- 名無しさん (2022-03-06 16:41:16)
- タイマー(時間制限)があるのに特定秒数を要求するポイントがあるという鬼畜仕様医の異PC版も機種によって -- 名無しさん (2022-03-06 17:04:25)
- ラスボス以外は倒さないのが正解(PC版)というのもなかなかない設定 -- 名無しさん (2022-03-06 17:07:41)
- 消されちゃったけど実況動画だと有識者が居ないと詰んでたな…恐ろしいゲームだよ -- 名無しさん (2022-03-06 17:26:09)
- 今日出来たのかよ! 追記・修正条件が厳しすぎて、未来永劫誰も追記修正も出来ないじゃん…やり過ぎじゃん… -- 名無しさん (2022-03-06 23:45:41)
- 追記修正の条件が変更されたけど、それでも無理難題すぎて草 -- 名無しさん (2022-03-08 11:32:20)
- これ「難しい」とは言わんよな。完全に履き違えてる。 -- 名無しさん (2022-03-08 13:41:05)
- 「難しいゲーム」と「めんどくさいゲーム」は違うよね -- 名無しさん (2022-03-08 13:54:36)
- 地味に当時食玩があったので当時は食玩をねだってた…消しゴム人形目当てで 後にファルコムのゲームと知ったのは20年近く経ってから -- 名無しさん (2022-03-08 14:02:37)
- なんでクリアできる人がいたの…? -- 名無しさん (2022-03-08 17:54:24)
- ちなみに、「ドルアーガの塔」は1984年。本作より2年前。同様に「わかるかバカ!」だが、プレイヤー同士が電話やノートで情報交換して結局クリアされたわけで…人類ってしゅごい。 -- 名無しさん (2022-03-08 18:13:53)
- ゲーム攻略ライターという職業の立役者である山下章すら「全てを解き明かすことはできなかった」と妥協するレベル -- 名無しさん (2022-03-11 09:42:20)
- ↑2 ドルアーガはいろんな人が同じ場所でプレイするアーケードゲームだったことが大きい。無茶な難易度だったからこそプレイヤー同士の仲間意識が生まれた。これはソロゲーだからねぇ…。 -- 名無しさん (2022-03-11 13:15:56)
- ↑4 少ない容量で長時間遊ばせるために手探りで色々試せ!ってのが当たり前の時代だったから、散々今までやってきた謎解きパターンを色々試してクリアされたってだけの話。 音ゲーの最高難易度だけしかないゲームを出されたら、新規は意味不明でも過去作やりこんだ人はクリアできるでしょ? そういう話 -- 名無しさん (2022-03-11 13:24:26)
- やっぱ怖いスねクソゲーは -- 名無しさん (2022-06-09 14:34:45)
- 当時のプレイヤーはめっちゃタフやんけ -- 名無しさん (2022-06-09 20:48:44)
- タフという言葉はレトロゲーマーの為にある -- 名無しさん (2022-07-27 13:06:16)
- うああああああ(PC書き文字)超高難易度ゲームがファルコムから発売されているっ -- 名無しさん (2022-08-31 21:09:52)
- ↑5 おっしゃる通りなんだけど、音ゲーそのものの認知が広まりきった後に極限化したのと、PCRPGの認知が広まっていなかった時代に入り口として与えられたのがコレだったのとは結構話が違うのではないですか? -- 名無しさん (2022-08-31 21:15:30)
- 素人でもおかしいだろとわかることを、プロの制作者が理解せず作ってんだから時代は怖いね -- 名無しさん (2023-03-17 16:45:29)
- ↑2 PCゲーム業界じゃ既にこういった手探りRPGが広まっていたんだ。悔しいだろうが仕方ないんだ。 -- 名無しさん (2023-06-28 22:30:49)
- ↑2 今の素人ならおかしいとわかるだろうけど、当時はマリオですらマリオ2が出る時代だし、マイコンのRPGやってる時点で準マニアだから素人と言っても基本濃い。このゲームは流石に極端としても、STGの高難度化と一緒で本質的にはマニア需要に対する供給なんだ。イースはだから「あ、この方向は行き止まりだぞ」って考えてトレンドを自分で軌道修正したのが偉大なんだよ。 -- 名無しさん (2023-09-01 09:57:55)
- 格ゲーもジェネラルで有名なカイザーナックルとかあったしゲームは突き詰めるととにかく難しくしていけになってしまうのかもしれないな、実際今の時代は難しいけど面白いものも珍しくはないし -- 名無しさん (2023-11-07 01:15:19)
- ↑ 90年代半ばのアーケード2DSTGはそれがかなり危険な方に突き詰められていたんだ。達人王とかグラ3とかね。それに風穴を開けたのが怒首領蜂だけど、そっちもまた突き詰まっていった。 -- 名無しさん (2023-11-29 22:51:20)
- イラストやドット絵がファンシーで可愛いってのがまた凶悪度跳ね上げてる。ザナドゥみたいな渋い雰囲気だったら当時の自分(小2女児)は手を出さなかった -- 名無しさん (2024-02-11 10:19:07)
最終更新:2025年04月30日 12:23