ダンジョン

登録日:2018/03/17 Sat 00:29:11
更新日:2025/03/31 Mon 05:10:10
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Wiki籠りはアニヲタの迷宮第一層に足を踏み入れた…


ダンジョン……それは男のロマン……

そこには、命の危険が無数にある。
獰猛なモンスター、悪意に満ちた罠、そして複雑すぎる構造による餓死……

それなのになぜ、人はダンジョンに潜るのか?

そこにダンジョンがあるから

それ以外に理由など必要ではないだろう。



【概要】

ダンジョン(dungeon)とは、ファンタジー作品やRPGなどに登場する、迷路のような構造をもった領域のこと。
冒険の舞台として、それらの作品には付き物と言える存在である。

原義は「城の天守塔」から転じて「地下牢」。
現在ヨーロッパではダークツーリズム(負の遺産巡り)として「地下牢」としてのダンジョン巡りも催されている。
(が、「俗に地下牢だと言われているが実は地下収納庫や貯水槽、便所」という例も少なくないらしい)
塔や砦の基礎部分は構造上壁や柱の密度の高い堅牢なつくりとなっており、ミノタウロスの迷宮*1のように色々な秘密を抱えているという伝承が生まれた。


【ダンジョンに向かう理由】

本当に「ダンジョンがあるから」というだけでダンジョンに向かうバカ命知らずはさておいて、大抵は命の危険を上回るリターンが期待できるからダンジョンに潜るのである。
その理由を主に分けると以下のようになるだろうか。

1.ダンジョン内に目的とする人物/アイテムがある
それは大ボスだったり希少なアイテムだったり様々だが、とにかく「そこでしか手に入らない何か」があるというパターン。RPGにおける最定番と言える理由だろう。
最初期RPGの名作『ローグ』も最深部のアイテムを持ち帰ることが卒業試験というこのタイプ。

2.単なる通路
目的地に向かうルートがそのダンジョンしかなかったり、あるいは危険を冒してダンジョンを通らないと間に合わないというパターン。
RPGで出てきた場合、単純に次の目的地への通路でボス敵はいないことも多いが、時に道を塞ぐ固定敵がいたり、横道に入ったところでサブイベントが発生したりする場合も。

3.修行
地上よりも遥かに強力なモンスターが生息するダンジョンは修行の場所にピッタリである。 ただし命の保証はない

4.そこにしか生息しないモンスターがいる
危険な生物であるからこそ、希少な素材や食材となったり、あるいは単に生態データを得ることが目的となったり。

5.その他
不思議のダンジョンシリーズのトルネコのように「商売」のためだったり、あるいは 地上でヤバイことをやってしまいダンジョン内でしか暮らせなくなった などの例もある。


【ダンジョンから出る方法】

目的を達成しただけではダンジョン探索が終わっていない。
町や城などの拠点に戻るまでが冒険。

1.歩いて帰る
来た道をそのまま引き返して帰る。
後述のダンジョンから脱出するアイテムや魔法が無い序盤ではこの手段を選ばざるを得ない。
行きで消耗している事がほとんどなので慎重に戻ろう。
ダンジョンによっては帰り専用ルートがあるのでその場合はアイテムの見落としに注意。
また帰り道にイベントが起きる場合もあり、中にはそこでボス戦がある…なんてものも。
親切なダンジョンだと、ダンジョン内部の一通りの仕掛けを作動させる・扉を開けるなどすれば、入り口から最深部までほぼ一直線になって帰りがラクチンになったりする。

2.アイテム・魔法で脱出
一瞬でダンジョンの前まで戻る便利なもの。
DQのリレミト、FFのテレポ、ポケモンのあなぬけのヒモなど。
特に一方通行のために歩きで戻れない場合は重宝する。
当然ながらMPなどを消費するので最悪1回分は確保しておくこと。
帰りにイベントがある場合は回避防止のために使えなくなることもある。
無邪気なフリをして接近し、脱出アイテムを奪い去っていく悪質なヤツもいる。

3.ワープ装置で脱出
こちらもダンジョンの前まで戻れる。
拠点部屋や節目のフロア、最深部にあることが多いか。
間違って乗ってしまい意図せず脱出してしまった、なんてことにならないように。

4.イベントで脱出
目的を果たすとイベントが始まり今いるダンジョンを脱出するというもの。
拠点に戻ることが多いが、そのまま次のダンジョンが始まってしまう場合もある。
再突入できないダンジョンはこの方法で脱出することが多い。

5.死に戻り
全滅してもイベントの進行状況やアイテムの所持状況が保存される場合はあえて全滅して戻る戦法も考えられる。
死んで移動するので「デスルーラ」などとも呼ばれている。
瞬時に戻れるからTAS含むタイムアタックでは有効な戦術。
こういった作品に慣れてしまい、全滅したらゲームオーバーの作品でやらかすなんてことの無いように。


【ダンジョンに起きる変化】

一部ゲームではダンジョンに変化が起きる。
やりこみプレイヤーにとっては見落とせない要素である。

1.ダンジョンの消滅
ダンジョンそのものが消滅したり、入り口が封印されたりすることで入れなくなる。
ダンジョンの破壊が目的だと起きやすい。

2.モンスターがいなくなる
ダンジョン自体は存続するが、一切敵が出なくなる。
後述の占領された町・村に多い。

3.モンスター・アイテムの変化
作中の時間経過や世界規模の大異変により、出てくるモンスターや宝箱のアイテムが変わる。
物語中複数回訪れるダンジョンに多い。

4.迷宮構造の変化
「地震その他の要因で壁や足場が破壊された」「水が流れ込んだ」などの理由で大きくルートが変わる事例。
前回の探索ではたどり着けなかった場所に新たな発見が待ち受ける。


【構造による大別】

〔天然物系〕

自然の構造により出来上がったタイプのダンジョン。
基本的に罠はないが、場合によっては知能あるモンスターが罠を仕掛けていることも…

●洞窟

最定番。地質によっては鍾乳洞だったり、貴重な鉱物などが手に入ったり、下層に地底湖が広がっていたり…。中には地底世界にまでつながっているというケースも。
ドラゴンなどの狂暴なモンスターや、穴居人だのデミヒューマンだのがねぐらにしている事もある。
主なモンスターは、ゴブリンコウモリ、岩石系モンスターの他、夜行性だったり暗所・閉所に適応した「洞窟○○」な地下生物や、上記の住み着いたもの達など。中には岩盤を掘り進むものもいたりする。

鉱石を掘り尽くした後の廃坑もこれに近いダンジョンだが、過去の遺構(トロッコや通風路など)が残っていて人工物に近い扱いになっている場合もある。

ちなみに「地割れ」は行く手を阻む事もあれば、新たな入り口・新ルートとして機能する事もある。

●森林/ジャングル

いわゆる「迷いの森」、もしくは人の入りを拒む秘境の密林など。
トレントやキノコなど植物系モンスターの宝庫。火を使うのは、ダメ、絶対。大抵のゲームだとゲーム的都合で炎魔法を使っても森林火災にはならない
植物系以外にも毒ヘビなどの爬虫類、巨大昆虫に猛獣などなど生物には事欠かない。時には森の賢者ゴリラがいたり、猿が群れを成していたり、エルフが巡回していたりする。
ボスキャラも巨大キノコなどの植物系、もしくは森の主として君臨する巨大動物など。たまにボス猿やエルフの王が手下を率いて待ち構えている事もある。

●大樹

現実にはまずありえない「単体でダンジョンを構成している巨木」。
内部が巨大な空間になっているパターンと、木自体を登っていくパターンに大別できる。後者は木がデカすぎるのでさながら山登りである。
主なモンスターは森に似て植物系や昆虫系など。但しこちらの場合、木の幹に巣食うタイプの虫がはびこっているケースもある。
有名どころではドラクエ4の世界樹。
ボスキャラは雑魚と同系統の親玉など。但しボスがいなかったり戦闘にならない事も多い。
世界樹の迷宮シリーズでは木そのもの=世界樹が一つの巨大迷宮になっているパターンで、ナンバリング毎に登っていくか潜るかが異なってくる。
階層ごとにガラリとフロアの装いが変わるのも特徴。

●山

高い山。珍しい「上に向かう」タイプのダンジョン。構造自体は開放的だが、転落死の危険が付きまとう危険な側面も…。
主なモンスターは、鳥系や獣類、オーガなどが多い。
ロマサガシリーズではスカーブ山、チカパ山、タフターン山とクローズアップされやすい。
ボスキャラは鳥や、風の化身が多い。

●火山

活火山。死火山では普通の山と変わりない。
現実では足を踏み入れること自体が危険すぎる場所だが、ゲームではモンスターの方がよほど危険である。大抵は中盤以降の登場。FF1のグルグ火山やDQ5の死の火山が有名どころか。
溶岩は進入できない地形扱いだったり、ダメージゾーンだったり。
主なモンスターは、火属性系。他の場所では違和感があり出しにくい系統であるため、それらを存分に出せる貴重な場所。
ボスキャラは火竜など、火の化身が多い。

●雪山

猛吹雪が吹き荒れ、雪に覆われている山。火山と同じく中盤以降に登場することが多い。
主なモンスターは、氷属性系。こちらも他の場所では出しにくい系統であるため一挙に出てくる。FF6のナルシェ炭鉱が有名。
ボスキャラはイエティや氷の魔女など、冷気の化身が多い。

●草原

ダンジョンというには開放的過ぎるが、モンスターや盗賊が生息するならば立派なダンジョンである。
大抵は行商のための道があるのでそこを辿れば大丈夫だが、道を外れると非常に危険。
主なモンスターは野生動物の他、盗賊やはぐれ傭兵などの人間系が多い。大体、バリエーションに富む。
ボスキャラはいないことが多い。

砂漠

草原と同じく、障害物こそないが専用の装備なしに挑むには危険すぎる場所。
歩くだけで日射病になる『MOTHER2』のドコドコ砂漠や、HPが半減した状態から戦闘開始となる『ロマサガ2』のメルー砂漠など、厳しいデメリットを負わされることも。
流砂も付き物で、行く手を阻んだり、移動を強制したり、時には地下へと流し落としたりする。
主なモンスターは、巨大サソリや生きたサボテンなど。
ボスキャラはサソリやアリ地獄の中心に潜む何か。

滅多にないが、「迷いの海域」などを突破するパターン。
海自体がダンジョンになっているという珍しいケース。大抵の場合船で移動することになる。
岩礁や暗礁で移動が制限されたり、潮流や渦潮などがギミック、トラップとなっていることも。
主なモンスターは、魚系など。
ボスキャラは少ないが、「海の怪物」として巨大イカ大ダコ大海蛇など、水の化身の討伐を頼まれる事が多い。

●海底洞窟

こちらは海そのものよりは頻繁に見かける。まずは内部に入る方法を探す必要があるので、登場する時期は遅くなることが多い。
主なモンスターは、やはり魚・海生生物系。
内部が空洞ならまだいいが、水に浸かっている場合はそこでの戦闘もどうするか考えることになる。

●空

海と同じく滅多に見ない。「空域」がダンジョンというのはやはり表現が困難なためか。
空を飛んで移動したり、や雲が足場になってて乗れたりする。
主なモンスターは、鳥系の他、天界に近いとして天使系が出張している事も。というか飛べる奴以外とはエンカウント自体が不可能。

●巨大生物の体内

巨大クジラや巨大な魚、あるいはその他もろもろ。 グロい
基本的にはトラブルで飲み込まれて脱出の方法を探すことになる。FF2のリバイアサン、メガテンIIのザラタン内部、『ヘラクレスの栄光3』のまくろきもの、『MM2R』の奇怪ヶ島など。
主なモンスターは、巨大寄生虫など。
細胞だけで構成されたダンジョンはプレイヤーから欠陥住宅ならぬ「血管住宅」なんて呼ばれることも。

●人間の体内

パーティーが縮小化して対象の体内へ入る。あとは上記と共通している。
サガ2』のカイの体内、『真・女神転生if...』のオーカス体内など、例は少ない。
主なモンスターは、寄生虫や白血球やウイルスなど。


〔建造物/人工物系〕

何かしらの意思により作られたタイプであり、侵入者を拒むために色々と面倒くさい仕掛けが施されていることが多い。
以下のどれにもあり得るが、ダンジョンが水没していると海底洞窟と似た状態になり水棲モンスターの巣窟化する。

●地下迷宮

ダンジョンと言えば何と言ってもコレである。地下に広がる広大な迷宮であり、ウィザードリィ始め様々なRPGに登場するパターン。
通路や玄室が整然と配置され、壁面は崩れない様に石積みや煉瓦などで固められている。
主なモンスターにこれといって傾向はない。
ボスはここを根城とする悪人など。地下迷宮の創設者なら目的のための引きこもり環境を守ろうとし、主がいなくなった迷宮はならず者の巣となる。

●塔

地下迷宮と並ぶド定番。『ドルアーガの塔』が代表的。
目的を果たすためには最上層に向かう……のが普通だが、初期のドラクエはやたらと「一度上がってから降りる」パターンの塔が多かった。上空から落ちても問題ないのはお約束
高さがあるとエレベーターが稼働している場合があり、面倒くささが倍増する。
特に「時計塔」や「風車塔」の場合は内部の歯車を稼働させたりなど、謎解き要素が増える。
一方、五重塔とかの各フロアのボス敵を倒していく系の塔がダンジョンと呼ばれることは少ない。
登場するモンスターは「塔の中」の場合は特に傾向はないが、塔の外周に出る場合は鳥やドラゴンなどの高所ならではの飛べるモンスターが登場しやすい。
ボスキャラはここを根城とする悪人など。塔の屋上で戦うのなら上記の鳥やドラゴンの大型版など。
魔界塔士Sa・Ga』ではこの塔から数々の世界に行ける。
これが天を衝く高さだと「軌道エレベータ」となっていることもある。

●高層ビル

現代~近未来を舞台にした作品では、塔に代わってこちらがよく登場する。
敵のボスが所属する会社などにカチコミをかけたり、機密情報などを手に入れるために侵入したりするパターン。
状況は塔に近いものだが、高層ビルなので必然的にフロア数は多くなり長丁場になる。止まっているエレベーターの再稼働も必要だ。
Xeno以前のメタルマックスシリーズではここに挑むのが様式美。FF7の神羅ビルでも有名。

●城・宮殿

物語の節目に訪れることが多いダンジョン。ラストダンジョンとなるケースも多い。
主なモンスターに特に傾向はないが、強敵が多い。
ボスはその城の主であることが多い。

●神殿

ときたま人間の神殿が乗っ取られたりすることも。
あるいは何かしらの邪神を奉っているような暗黒教団の神殿。
モンスターに特徴はあまりなく、乗っ取ってきた勢力を反映する。
ボスは偽神官や邪神官など。

なお忘れられた神の神殿は、下記の「遺跡」としての側面を併せ持つ事も多い。
もしくは神域として、神の奇跡や神秘、しもべ達が今なお残っている事も。
もっとも、奉られている神が善神とは限らないが…。

●遺跡

古代遺跡。インディジョーンズが挑む場所。大体いにしえの秘宝や知識が眠っている。
モンスターよりはトラップが厄介なことが多い。映画的な都合もあるが。
主なモンスターは、ゴーレムなどの番人系。

●ピラミッド

砂漠のど真ん中にあるだろうダンジョン。DQ3のものが有名か。
遺跡の一種だが、傾向がやや異なりエジプト風味満載。
主なモンスターはミイラ系やゾンビが定番…だが、それより罠の方が印象に残りやすいかも。

廃墟

遺跡に近いものがあるが、比較的最近建造されたものならこちら。
ゴースト系統が多いダンジョン。DQ5のレヌール城あたりが有名。
最初期のアイディアとして、DQ1のドムドーラの街の廃墟も挙げられる。街のアイコンを見て入ってみたら、
人っ子一人いないボロボロにされた町並みに、周囲より明らかに強い敵の出現…
当時のプレイヤーは驚きとともにラダトーム送りを喰らったものである。

遺跡よりは年代が新しいものが多く、何らかのイベントで既存の施設が廃墟となることもある。
破損具合がひどい場合は瓦礫が道を塞ぎ、遠回りしなければならない事も多い。
滅ぼされてから長い年月が経つとモンスターが住み着いたり。
滅ぼした元凶が居座ることも。

●墓地

墓石の並びが複雑怪奇でダンジョンと化している墓地。普通にお参りできない
更に地下墓所になると通路の狭さからくる圧迫感や暗さで心が折れそうになる。
主なモンスターはアンデッド系。DQ1のガライの墓や初代キングスフィールドが代表格。

●館

ホラー系ダンジョンの定番。
本来の主は健在である事も、失われて久しい事もあるが、例え後者の(廃墟の一種とも言える)館であっても、外観や内部は何故かあまり荒廃していない事も多い。
トラップの悪質さはトップクラスで、家具・美術品・廊下の配置など全てで探索者をビビらせにくる。探索者達は正気を保てるだろうか?
初代バイオハザード、FF6のアウザー邸、FC版スウィートホームが典型例。
主なモンスターはやはりアンデッド系。「動く鎧」「人食い絵画」もここに登場することが多い。
ボスは主自身やその成れの果て、あるいは荒廃の元凶となった存在など。

●研究所

ファンタジーよりはホラーでよく出てくる。
主なモンスターは、研究途中の実験体モンスターやアンデッドなど。キメラのようなグロい奴が多い。
ボスは製作した博士、もしくは最高傑作の生命体。

●病院

こちらもホラー系ダンジョンの定番
医療事故などで亡くなった人々の魂が悪霊と化して徘徊していたり、あるいは上記の研究所のような医療の裏で生み出された怪物などが登場したりする。
ゾンビものなら大量の死体とゾンビでもう大変なことになっているだろう。
…………看護師さん系の敵がちょっとエッチで嬉しいこともある。

工場/発電所

高度に発達した機械技術が生み出した、人工ダンジョンの一つの完成形。SF、ハイ・ファンタジー、スチームパンクな世界観に登場しやすい。
ベルトコンベアやリフトなどの移動系ギミックや、パスコード・カードキー等が必要なドアロック、警報装置と連動した侵入者感知用のセンサー類、プレス機や漏電などの危険度の高いトラップなどが数多く配置されており、攻略の面倒臭さは随一。
主なモンスターは、警備兵やロボット、設置型タレット等、他ではなかなか見ない様な傾向になる。工場だと生産物の一部が起動して襲ってくる事も。
ボスは製作した博士、もしくは切り札のハイエンドモデルロボットや、建造物全体を統括するマザーコンピューター等々。

下水道/地下水路

町の生活を支える、人目につかないながらも大切な施設。
華やかな都市の地下で実は……的な設定&ストーリー展開に持ち込みやすい。また、正面からは入れない施設に地下から潜入するといった展開の王道でもある。
内部は暗く、複雑に入り組んでいる上、パイプを通ったり水門の開け閉めで水位を調整したりなど、面倒な仕掛けも多い。
モンスターはネズミや虫など、暗くジメジメした所を好む生物が多い。何を餌にしているのか、ワニ等が潜んでいる事もある。
また、悪党が隠れ家として活用している事もある。
世界一有名なヒゲオヤジの本来の仕事場。そっちではカメやイカも出る。
近年だと、インディーゲームのメトロイドヴァニア『HOLLOW NIGHT』の、
大都市エリア「涙の都」の地下に広がる「王家の水路」エリアが上記の要素をほぼ全部満たす典型例だった。

●移動要塞

上の工場・発電所と並んで人工ダンジョンの極致。巨大な飛空艇や列車など、多数の兵力をその補給能力ごと呑み込んで高速移動する「乗り物(ビークル)」。FFシリーズが得意としていた。
戦力を満載して動き出した敵勢力の大型輸送機械に斬り込むのはストーリー的にも山場となる。
工場系と同じく通行に制限が多い上、警備兵やロボットが集まってくる。
これの極みが空を行軍する空中戦艦/空中要塞で、敵の空中要塞に突入する過程がエピソードを彩ることもある。
ボスは将校クラスかそれ以上の敵指揮官とその取り巻き。イベントを伴う事も多い。
RPGだと拠点などに戻りにくい、アクションゲームだと落ちたら死にやすいなど、動いている乗り物特有のギミックがよくあるので注意。

●幽霊船/漂流船/沈没船

上の「移動要塞」と比べるとローテクかつホラーなシチュエーション。
「かつて船員だったものたち」を乗せ、ぼろぼろになって海の果てを彷徨うガレー船や帆船。
あるいは、かつての華々しい内装が朽ちてしまった豪華客船や、重厚ながらも錆だらけになった貨物船など。
ゴースト系モンスターの巣窟となる上、海のド真ん中のため補給拠点と切り離されて心細い探索になる。
ボスは「かつて船長だった人」の成れの果て。あるいは、フネをそんな風にしてしまった元凶。

●学校

現代劇だと学校に邪悪な魔物が巣食ってしまいダンジョン化するケースもある。
見慣れているはずの学校に凶悪な魔物がはびこる光景は恐怖度が高い。
現役の校舎だけでなく、使われなくなった旧校舎や廃校などがダンジョン化することもあり、この場合はノスタルジックな風情とそれに伴う恐怖が魅力。
例としては真メガテンif...の軽子坂高校校舎や『ペルソナ』の聖エルミン学園???など。ホラー要素に特化した作品なら『コープスパーティー』など。
主なモンスターは、動く人体模型などの学校の怪談系。
何故か屋上で決着をつける。

ファンタジーでも何らかの理由でダンジョン化した学院が出てくることがある。
魔法学校に深刻なトラブルが発生した…といったイベントから派生するのが典型的なパターン。
こうしたダンジョンは「研究所」などに近く、深淵を覗いてしまい発狂した学者や魔法で作られた実験体などが襲ってくる。

●図書館

天井まで届く巨大な本棚を埋め尽くす本の壁が織りなす迷宮は、不気味ながらも幻想的な光景。
FF5の古代図書館や『悪魔城ドラキュラ 月下の夜想曲』の禁書保管庫で、印象に残った人も多いだろうか。
本棚が動いて隠し通路が現れたり、「押してください」と言わんばかりに不自然に出っ張った本などがあったりすることも。
主なモンスターは、動く本などのマジックアイテム系、もしくは本の中に封印された「何か」。

●町/村

普通の町や村でも、モンスターに支配されればダンジョンと化す。
大抵の場合宿屋も使えなくなっているなど拠点としての機能も失っているので、早く解放してあげよう。
FF2のフィン城下町(敵に侵略されて施設が使えず、モンスターエンカウントが起きる)が代表例。
一方で治安が悪いスラム街の場合は最初からダンジョンとなっていることがある。FF6のゾゾあたりが該当。
こちらではモンスターは人型、特にチンピラのようなものが多い。
女性キャラを操作するエロゲーではスラムへの突入を阻まれたりチンピラが何もしなかったりすると落胆するプレイヤーも存在する。
何を期待してるのかって? ナニを期待してるんだよ

●工事・建築現場

ダンジョンそのものというよりは、地形や建物とセットで使われるギミック。
壁に穴が開いていたり、張り出た外部足場を伝っていったり、フォークリフトを乗り物にしたり、クレーンを登って進んだりする。


〔その他〕

●力の源

その世界を蝕んでいる穢れ、呪い、ウィルスといった特殊な力の根源となる場所。つまり災禍の元凶である。
悪しき力の具現化である肉塊、結晶、邪悪な植物などが蔓延しており、地獄や深淵のような混沌とした形相となっている。
汚染されたグロテスクな敵や闇の眷属が這いまわっており、最奥では世界を浸食している邪悪な力の根本、すなわち全ての元凶と決着をつけることになる。

逆に聖なる力の源のダンジョンもある。
黄金と白の建築様式だったり、空中庭園に光が差し込む荘厳な雰囲気であることが多い。とはいえ結局悪しき力のダンジョンのように汚染で崩壊してたりも…
道中には天使や聖獣にゴーレムなど、世界を管理するシステムが敵として立ちふさがり、最後にはと呼ぶべき存在が待ち受けるだろう。

●異次元

常識の通用しないトンデモ空間。ゲームクリア後の裏ダンジョンの定番。
主なモンスターは、今までの総決算となる最強クラスのモンスターであることが多い。
過去に出会ったボスの強化版の定番的職場であり、未回収実績の取り返しの場としても利用される。

不思議なダンジョン

潜る度に構造の変わるまさに不思議なダンジョン。
地上に出ると経験がリセットされてしまうことが多く、「プレイヤー自身が知識を蓄えて強くなる」異色のダンジョンである。
ローグライクゲームに多い……というより根幹。「なぜ毎回違うのか」という事がストーリーの根幹に関係する事もある。

●夢世界/精神世界

誰かの夢や心の中に侵入するパターン。眠り続けている人を起こすのに無理矢理入ることも。
ダンジョンの構造は入り込む対象の記憶を基にして作られているため、異次元空間と同じである。
攻略しながらキャラの掘り下げができるのでストーリー上便利なダンジョン。但し配色やオブジェが目の毒だったりする事があるので注意。
ボスは悪夢の塊的なナニカ。もしくは寝てる人のトラウマ
この手の世界からアイテムを持ち帰りできてしまうのはお約束…かもしれない。

●シブヤエキ

常人には決して抜け出ることのできない魔宮。
縦横無尽複雑怪奇に絡み合う数多の鉄の道に沿って構築された建造物で、それら鉄の道を走り回る鋼の怪物の体内には大勢の人間が詰めこまれているという
他にも、「シンジュクエキ」「ヨコハマエキ」「ウメダエキ」「ナゴヤエキ」などの魔宮の存在が噂されている。
「カイチク」「ホシュウ」「セツゾク」などのサイレントイベントが常時発生する可能性があり、訪れる度にMAPが変化するローグライクでもある。(工事)完了前にエルフの寿命が来てしまうぞ!!
主なモンスターは、都会民的圧迫感を展開してこちらを押しつぶしにくる都会の人間。
田舎者が感じる疎外感も厳しい環境ダメージ・オン・タイムを与えてくる。
他そこかしこに点在するアイテムショップやレストランが所持金を狙っている。
厄介なのはランダムイベント「ニョウイ」と「ベンイ」。発生する確率はそれ程高くないが、一度発生しまうとパラメーター「ガマン」が限界を迎える前にモンスターハウス「ベンジョ」を探しだし、モンスター「ギョウレツ」たちをコツコツ倒して内部の「ベンキ」に辿り着かないと強制ゲームオーバーしてしまう。
幸いにもボスはいない。しいてあげるなら「時間」であろうか。

九龍城

現実に存在した不思議のダンジョン
上に積み上がり横に広がり、リアルタイムで構造変化が続いた定義が非常に困難な存在。
主なモンスターは暴徒化した人間。各属性のトラップも多様に存在したらしい。
詳しくは独立項目を参照のこと。

●全世界

TRPG『迷宮キングダム』にて。
この作品は天空も深海も地上も全てが巨大迷宮化した世界を描いており、プレイヤーはその中で民を率いる支配者「ランドメイカー」として、過酷な迷宮の中で国造りをしていくことになる。




追記・修正はダンジョンを攻略してからお願いします。

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最終更新:2025年03月31日 05:10

*1 なおこの「クノッソスの迷宮(ラビュリントス)」を模した図案は古い貨幣などに用いられているが、この図案は円形の敷地に指紋を思わせる曲がりくねった構造こそしているものの分岐の無い一本道であり、本稿で扱う「ダンジョン」のパブリックイメージのような複数の分岐や行き止まりが設定された「迷路」にはなっていない。