イースI

登録日:2009/06/28(日) 13:40:08
更新日:2024/03/13 Wed 11:59:43
所要時間:約 5 分で読めます







“今、RPGは優しさの時代へ。”




概要

イースIは、日本ファルコムのアクションRPG「イース」シリーズの第一作である。サブタイトル『Ancient Ys Vanished Omen』(失われし古代王国 序章)
ファルコムの看板作品であるイースシリーズの第一作であり、当時としては画期的でとっつきやすいゲーム性とシナリオが受けて大ヒットし、PCゲームにおけるARPGの代表作として人気を博した。
最初はNECのパソコン「PC-88」向けにリリースされて大ヒットし、後に様々な機種へと移植、リメイク(焼き増し)されている。
キャッチコピーは「今、RPGは優しさの時代へ。」と謳っているが、ゲーム性は程よい歯ごたえがあり 「優しいけど易しくない」 という公式コメントにある通りヌルゲーではない。

ちなみにこのシリーズには 「主人公アドルが遺した100余冊におよぶ冒険日誌を翻訳・小説化したもの」 という基本設定があり、その小説のタイトルとして「アドル・クリスティンの冒険」という題名も設定されている。
イースI、IIはともに冒険日誌の1冊目「失われし古代王国」という設定になっている。そのため、続編であるIIでIの伏線が回収されるという形を取ってるため、IはIIとセットで遊ぶ前提のシナリオとなっている。

誕生の背景

当時、RPGといえば非常に難易度が高いものがほとんどであり、複雑な操作、文字によるコマンド入力、難解な謎解き、極端なアクション性が当たり前のように盛り込まれていた。特に本作の前にファルコムから発売された『ロマンシア』は「セーブ不可」「一度でもフラグ立てを誤るとクリア不可」というマゾゲーの代名詞のような代物であった。
そんな『ロマンシア』の反省を受けてイースでは不条理な謎解きを減らし、読みやすいシナリオで、レベル上げは簡単に、さくさくシナリオが進んでいくように設定された。更に操作も移動、決定、メニューの三つの操作だけでゲームが進めるようになっており、操作面も極力簡略化された。
本作は今では当たり前になった「ゲームバランス」という概念を考慮した最初期の作品と言ってもいいかもしれない。

ゲームシステム

攻撃方法は敵に体当たり(DS版除く)を行うことで自動的に攻撃してくれる。 当時人気だった「T&Eソフト」のARPG「ハイドライド」からアタックディフェンス切り替えが無くなったものと思っていただければいいだろう。
正面から当たるとダメージを受け、敵の側面や後ろからの攻撃は与えるダメージが大きい。そのため、ノーダメージで攻撃を行うには後や側面を狙う必要がある。
しかし、ある方法を使えば正面からでもノーダメージで敵を攻撃することができる。それこそが半分ずれて体当たりする、有名な「 半キャラずらし 」である。
なお、ダメージはフィールド上でなら立ち止まっていると自然と回復する親切設計。一応回復アイテムもあり。
8bitパソコンの時代のゲームとしては画期的なシステムだった。
ただし、レベルが上がると 同じ敵に対して獲得する経験値が減少するので雑魚狩りして経験値を荒稼ぎすることはできない仕様になっている。 また、普通に遊んでいるとゲーム中盤で最大レベル(10)に達するため、後半はプレイヤーの腕が試される。

あらすじ


一人の若者が浜辺に打ち上げられていた。彼の名は アドル・クリスティン。
プロマロックの港で 「呪われた国エステリア」 の噂を聞いた彼は、嵐の結界と言われるほど毎回嵐が起きるエステリアを目指して船を漕ぎ出した。
その途中、やはり嵐に遭ってエステリアの浜辺に漂着した。その後野犬四匹と戦い、瀕死になる。エステリアの町の一つ、バルバドの自警団に救われた彼は、エステリアを襲った悪魔の話を聞く。

イースの歴史が再び蘇ろうとしている。


キーアイテム


かつてイースを繁栄させた物質で、イースを消滅させた物質でもある。
そして今はエステリアを再び繁栄させ、再び災厄が訪れようとしている。
この銀は他の呼び名があるそうで、ある敵を倒すのには銀で出来た武器が必須だそうな。

  • 銀のハーモニカ
レアが大切にしているハーモニカ。過去に何かがあったようだ。

  • マスクオブアイズ
サルモンの神殿にあった謎の仮面。かつてセルセタの方から来たものらしい。

  • イースの書
神官の子孫に代々受け継がれてきたイースの伝説に書かれている本。現在当時の文を読めるものはほとんどいない。
全六冊で、そろえた際には何かが起こるとも言われている。


冒険の舞台

舞台となるエステリア王国には様々なダンジョンや危険な場所が存在する。

  • サルモンの神殿
はるか昔から存在するといわれる神殿。入ると大きさのわりに非常に狭い。
何かしかけがあるようだ。また、神殿の一部はなぜか消滅してしまっている。

  • ラスティン廃坑
かつてここでは銀が採掘されていた。しかし、あるときここから魔物が現れた。
そしてラスティンの村は消滅した。最深部には何か石像が二つおかれていたようで、さらにその奥には部屋があったようだ。

  • バギュ=バデット
山をぽっくり削られたようなクレーター。レアはこれを見るといやなことを思い出すようだ。
まるでここには何かがあったようだ。DS版ではここに巨大な魔物が住み着いていたようだ。

  • ダームの塔
全25階建て。はるか昔、何者かによって立てられた塔。
中には魔物がうじゃうじゃいる。途中から不自然に横に突き出ているラドの塔から双子月を眺めると絶景(Falcom談)

  • ロダの木
エステリアに2本存在する兄弟の大樹。ここには魔物は寄り付かないようだ。
弟の木の下には先人が使っていたあるものが眠っている。

登場人物


後に名を残す若き冒険家。燃えるような赤毛と、澄んだ黒い瞳をした少年で当時は17歳。
情熱と誠実さを兼ね備えている。エレシア大陸の西端、エウロペ地方の北東にある名もない小さな山村に生まれた。
エステリアでの冒険は、生まれた村からアドルが16歳で旅立ち、その一年と半年後に体験した初めての本格的な冒険。

  • フィーナ
サルモンの神殿で監禁されていた記憶喪失の少女。
自分の名前以外は何も覚えていない。

  • レア
ハーモニカを奏でる吟遊詩人の少女。いつのころからかミネアの街角に姿を見せるようになった。
彼女のことを詳しく知るものはいない。ハーモニカには昔からの特別な思い入れがある。

  • サラ
ミネアの町の占い師。イースの歴史を伝える神官トバの子孫。
予言にある「魔」の再来に備え、伝説の勇者を待ち望んでいる。

  • ゴーバン
人々からは盗賊の首領として恐れられているが「弱きものからは奪わず」を信条としている。
荒くれ者や坑夫くずれたちからも慕われ、裏の情報にも通じている。
ダームの塔入り口にアジトを持つ。実は彼は神官トバの子孫である。

  • ドギ
フェルガナ地方出身の風来坊でゴーバンの子分。通称「壁壊しのドギ」と呼ばれ、鍛え上げられた拳で壁を破壊するのが得意。
宝物を奪うためにダームの塔へ侵入したが、もう長い間戻ってこない。後のシリーズでアドルの相棒として、彼と共に様々な場所を冒険する事となる。

  • ルタ・ジェンマ
ゼピック村に住む吟遊詩人。魔物が出現するようになってから夢遊病に悩まされている。
知恵をつかさどる神官ジェンマの子孫。
リメイク版(イース・エターナル)以降のバージョンなら、進め方によってはダームの塔に入る前に知り合う。

  • ジェバ
ゼピック村に住む老婆。サラの叔母。
力を司る神官トバの子孫。

  • ラーバ
ダームの塔で出会う老人。
サルモンの神殿を建造した賢者サルモンの子孫。

  • ダルク・ファクト
心を司る神官ファクトの子孫。地底に封じられていた「魔」を解き放ち、魔法の力で世界を支配しようとした。
OVA版、およびリメイク版(イース・エターナル)以降のバージョンでは下記の設定がある。

"神官の教えを守った両親は銀の採掘に反対し、暴徒と化した人々に命を奪われた。その日以来、彼の姿を見たものはいない。"

PCエンジン版では自分の弱点をやたら気合の入った口調でしゃべる。ファミコン版とX68000版ではある重大なネタバレをかますが、これは実はPC88版でもソースコード上に存在する台詞である。

作品によっては善良の教師になってたり、肉屋の親父のようなおっさんになってたり、20歳弱と若返ってたり可愛い妹がいたりする。

  • スラフ
バルバドの青年。人一倍の責任感があり若者たちを集めて自警団を組織している。
アドルが海に打ち上げられていたのを救出。元々は説明書のストーリーに登場する人物だったが本編には出ていない。
OVA版イースIで登場し、リメイク版(イース・エターナル)以降バルバドの港がゲームに登場するようになった。

イースIクロニクル

本作は様々な機種に移植、リメイクがされているが、その中でも初心者にお勧めのリメイク版が''「イースI クロニクル」''である。
グラフィック面、音楽面が強化され、斜め移動やアイテムのショートカット機能なども搭載され、より遊びやすくなっている。
プラットフォームはPSP、iOS、Android、Windowsで、残念ながら2022年現在のコンソール機(PS4、switch、ONE)には移植されていないので、遊ぶには少しハードルが高い。
一応Steam版も用意されているが、なぜか英語のみで日本語なし。 理由はファルコムが別のサービスと独占契約を結んでいるらしく、DMMとDLsiteでは日本語版が配信されている。
発売から35周年の2022年現在でもSteamでは日本語配信されていない残念な状況が続いている。

余談


開発初期は敵が魔物ではなく逃げたした家畜で、金銭は倒した家畜を売り払うことで得るという設定だった。

廃坑の最下層にある二つの台座の部屋は、イースIIのラストで訪れる、ある部屋と同じ場所である。

ファミコン版はマップやイベント、BGMが大きく変更されており、ダルク・ファクトの影武者が登場したりする。

冒頭に述べたとおり基本設定が「これは本です」といった形になっており、ゲーム内容は6冊の本を集めるもの。
さらに、オリジナル版のパソコンソフトは革張りの本を模したデザインの箱でマニュアルはハードカバー上製本となっており、とにかく「書物」にこだわったゲームであった。

音楽はほとんどが古代祐三氏の作曲で、彼の作ったFM音源ドライバ、センスが非常によく、彼によってほかのゲーム製作者へよい影響を与えた。
2022年現在でも、ゲーム音楽の中ではイースのBGMは根強い人気を持つ。




あざやかな朝焼けのはえる朝、突然、あいつの追撃が止まった。
なぜだかわからないが、これは喜ぶべき事だ。
アニヲタwikiから災いが消えたのだから。

再びあいつが現れた時のために、アニヲタwikiを集結した力を、ここに追記しておく。

6冊の本を手にした者に力が与えられ、その者こそ、平和を導く指導者となるのだ。






追記・修正は半キャラずらしでお願いします。

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最終更新:2024年03月13日 11:59