アヤタラモン

登録日:2023/03/25 (土) 12:21:12
更新日:2024/05/03 Fri 13:01:28
所要時間:約 3 分で読めます




「アヤタラモン」とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

レベル 完全体
種族 植物型
タイプ ワクチン種
必殺技 アサルトハチェット
万能鉈で切り裂く。
タイドアップアビー
後頭部のツタを伸ばして攻撃する。
ショットガンモス
頭の毒草を発射する。

【概要】

「バイタルブレス」のDimカード『Hermit in the Jungle(ハーミット イン ザ ジャングル)』にて初登場。
非常に珍しいワクチン種の植物型デジモンであり、これ以前にはジャガモンとヤキイモンしかいなかった。
元々植物型デジモンはデータ種がかなり多く、ワクチン種のデジモンを増やすというコンセプトのもと開発された経緯を持つ。

無数の蔦でできた身体を持つ、マヤ文明あたりに出てきそうな仮面と民族衣裳を着用したデジモン。
大木さえも切り裂いてしまう切れ味を持つ曲がりくねった万能鉈と、左腕にパラサウモンのものと思われるデジモンの頭蓋骨をシールド代わりに武装している。
普段はアヤタラモン同士で群れを作り、ジャングルの奥深くに細やかな文明を築いている。
基本的に無口であまり喋らないが、短気で気性が荒い性格。
だが同時に狩人としての誇りを持つ純粋な心の持ち主であり、群れで狩りを行う際にはハンドサインでコンタクトを取り、優れた連携で獲物を仕留めるとされる。
わかりやすく例えるならこれ

名前の由来はフィンランドに伝わる悪魔「アヤッタラ」だと思われる。森の女精霊で、ドラゴンの姿に変身したり、蛇を育てるなどして人々に病をもたらすとされた。
だが上記の通りアヤタラモンの容姿は民族衣裳、それも上半身裸で男性寄りである。
デジモンにはよくある設定改変……と思いきや……

【関連作品でのアヤタラモン】

アニメ「デジモンゴーストゲーム


「諦めなければ…必ずうまくいく…!」

CV:本田貴子
第24話「歪ンダ愛」に登場。
同話のゲストにして宙の知人である小鳥遊(たかなし)優人(ゆうと)が営む花屋の客の身に起きた、「身体の一部が大量の蔦になる」という怪奇現象の犯人。
声優からわかる通り、女性的な人格の個体
つまり外見に反して、性別設定は元ネタのままだったのである。あと特級呪霊は関係ない。

人間の世界へやってきて、優人が幼い頃から使っている旧式ロボット「GW-1」に潜んでいたアヤタラモンは、心優しい彼と接していくうちに優人に対して恋心を抱くようになる。
そして優人の「諦めなければ必ずうまくいく」という言葉に強く心を打たれた彼女は人知れず実体化。
恋という感情を何時までも味わいたい、そして人間とデジモンという種族の壁を乗り越えるために「人間をアヤタラモンに変える」実験を行っていたというのが、一連の騒動の真相であった。

「私はあの瞬間、恋というものを理解したの。こんな素敵な気分は初めてだった。この素敵な気分のままずっといたい。その為には優人…“私と同じになって”」

このアヤタラモンは研究に使っていたであろう施設に転がる無数のカメラアイに優人の姿を記録していたり、被験者として襲撃した人間が優人と会話していた時間を正確に把握していたりで優人に対して異常な執着心と強い独占欲を見せていた*1
そして、既に3人の人間をアヤタラモンに変貌させることに成功していた彼女は、優人にその薬を縫った毒針を刺そうと迫る。

しかしそこへ宙たちが駆けつけ戦闘を開始。
完全体ということもあり一度は優位に立つも、ベテルガンマモンとジンバーアンゴラモンの同時攻撃を捌くために手数を封じられ、背後からテスラジェリーモンの『ボルスプライト』を受けて敗北。
それでも優人のデジモン化を諦めず立ち上がるが、彼から「僕は君のようにはなれない」と拒絶込みの説得をされてしまう*2
するとアヤタラモンは、自分に別の毒針を刺した。実は彼女、サブプランとして「デジモンを人間に変える」研究もしていたのだ。

「いらない…これもいらない…人間にはこんなものないもの…」

仮面を初め、様々なものが削ぎ落ちていくアヤタラモン。
しかしその姿はやがて、植物が枯れ果て朽ちようとしているかのような状態となり、研究の失敗と人間になれないことを悟った彼女は悲しみの涙を流しながら消滅する。
サブタイトルの通り歪んだものではあったが、最期まで恋心に従ったその姿はあまりにも儚く哀しいものであった。

ちなみに、アヤタラモンが死亡しても蔦の生えた人間は元には戻らず、マミーモンが毒針を解析して作った解毒剤を使う必要があった。
本編では清司郎がアヤタラモンの実験の被害にあっていたため、このエピソードはデジモンのジェリーモンが人間の清司郎に解毒剤を投与しようとする場面で終わるという、アヤタラモンにとって最大級の皮肉で幕を閉じた。


【余談】

アニメ『ゴーストゲーム』の世界観では、少なくとも人間の死後の世界や魂が存在し、デジモンや人間に干渉可能と判明している。
また、デジモンにもデジタマへの転生だけでなく、死後の世界が存在することも判明している。
そのため、アヤタラモンと優人が何らかの形で再会できる余地もあるのかもしれない

「女性人格のデジモンが人間に恋愛感情、もしくはそれに近い感情を抱いた」ことがアニメで露骨に描かれたのはアヤタラモンが初だが、ゲームの方では過去に何度か描かれている。
具体的には以下の通り。

「デジモンストーリー ロストエボリューション」
気弱な性格のヴァンデモンが、レディーデビモンの猛烈なアタックに困っているというイベントが発生。相変わらずアニメとゲームでキャラが違いすぎるヴァンデモンさん。
主人公が向かうとヴァンデモンの態度に業を煮やしたレディーデビモンとの戦闘になるのだが、勝利するとレディーデビモンは今度は主人公に惚れてしまう。
レディーデビモンは主人公を追いかけ拠点までやって来るが、その後の動向は不明。
余談だが、ロストエボリューションでは主人公の性別を選択可能なため、女主人公でもこうなる。

とまあ、ロストエボリューションではまだギャグ調だったのだが…。

デジモンストーリー サイバースルゥース
引きこもり中学生の「ナオヤ」の母親から、息子のチャット相手であるHN『アテナ』の身元を調べてほしいというイベントが発生。
その正体はなんとミネルヴァモンであり、正体を表して主人公との戦闘になるが、彼女は別に悪事を働いていたわけではなく、チャットサイトに住み着いていたところ、学校生活が嫌になったナオヤと交流するようになり、彼の悩みを真摯に聞いてあげていただけだった。
曰く、ナオヤは照れ屋だが、誠実で優しい人物であり、過去に自分のいいところを褒めてもらったことが嬉しかったという。
本編では主人公がナオヤのふりをして『アテナ』=ミネルヴァモンとの接触を謀るのだが、本物のナオヤかどうか確かめるために「私のこと…好き?」とダイレクトな質問をしたり、戦闘に発展したのも主人公がナオヤのアカウントを乗っ取ったと判断し排除しようとしたため。
更に事情を知るとナオヤの母親に対して「一度優しく接して話を聞いてあげて」と主人公に伝言を頼む…と、ナオヤへの愛情は本物であった。

別のイベントでは、イケメンに恋をして携帯に取り付き、彼に振り向いてもらうために謎の花の写真を増やすという迷惑行為を行うリリモンが登場。
彼に女友達がいると知ると嫉妬心をむき出しにし、女の気配を感じたら通話を切ってやるとまで言い切るような個体だが、主人公に倒されるともう迷惑は掛けないと約束しておりアヤタラモンよりはまだマシである。
男は携帯がデジモンに感染していたと知って最初は驚いていたが、無害になったと知るとリリモンを放置することにした。
実はこの男、同性愛者であり、リリモンがどれだけ焼きもちを焼こうともまったく問題無いとのこと。そういう問題か?

裏側である「ハッカーズメモリー」の方では主人公のケイスケが助けたトゲモンが後にリリモンに進化。
このリリモンはベルゼブモンレナモンと同じくサブイベントの助っ人として呼ぶことができるのだが、イベントクリア後の会話でケイスケに強い好意を抱いていることを匂わせている。



追記・修正は恋心を知ってからお願いします。

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最終更新:2024年05月03日 13:01

*1 一応、優人の両親には手を出さないと決めており一線を引いている面もあったが。

*2 ただし優人は「アヤタラモンが自分を好きになってくれた」ことは好意的に受け入れていた。何だこの聖人。