デジモンゴーストゲーム

登録日:2022/09/20 Tue 15:31:23
更新日:2024/03/21 Thu 23:01:08
所要時間:約 11 分で読めます






ホログラムをはじめとする、新テクノロジー。

ほんの少し先の未来、頻発する怪奇現象。

それは、人間達にこう呼ばれ始めた。


『ホログラム・ゴースト』と…




『デジモンゴーストゲーム』とは、2021年10月3日から2023年3月26日まで放送されたTVアニメ。



【概要】

デジモンアニメシリーズの一作品。
ファンからの略称は『ゴスゲ』。全67話。

デジモンアドベンチャー:』(以下前作)の後番組として放送された作品であり、久しぶりに2年以上同じ枠で放送が続いたデジモンアニメ作品となった。
シリーズの新作としては『デジモンクロスウォーズ』以来である。
スピンオフ作品的な立ち位置である『デジモンユニバース アプリモンスターズ』を除いた場合。フジテレビ系列放送作品としては『デジモンセイバーズ』以来となる。)
スタッフの大半が前作から続投となっているが、キャラクターデザイン原案に漫画デジモンアドベンチャー Vテイマー01』でおなじみやぶのてんや氏を迎え入れており、*1
作画スタッフに長らくアニメシリーズに携わっていた角銅博之氏が久しぶりに参加する事となった。
また、声優陣も過去にアニメ・ゲーム両方のデジモンシリーズに参加した経験がある事が多い。

全体的に『ゲゲゲの鬼太郎(第6シリーズ)』のような暗く怪奇性・ホラー描写の目立つ作風となっており、ストーリー展開も前作同様コロナ禍を考慮してか、一話完結形式が多く*2
デジモンテイマーズ』『デジモンセイバーズ』序盤や『デジモンクロスウォーズ 時を駆ける少年ハンターたち』『アプモン』で見られた人間界で騒動を起こすデジモンたちと戦う話がメインとなっている。
過去作品でいうなら『デジモンストーリー サイバースルゥース』が世界観含めた雰囲気が近い。

また、登場デジモンは成長期~完全体までの選出がメインとなり、幼年期や究極体の出番は極端に少ない。
と思ったら、クライマックスの雰囲気でもないのにミレニアモンなどのラスボスクラスが登場し始めた。何この魔境。
それに合わせてなのか前作と比較しても進化は遅めで、特に究極体は5クール目である第56話になってようやく登場となっている。
ネタバレになる為詳細は伏せるが、ラスボスも完全体である。

本作の敵デジモンはもっぱら、デジタルワールドにはいなかった人間という存在に接触した結果、人間の生み出す感情に惹かれて様々な問題行動を起こしている、という形。
しかも、人間の命というものに対する理解が極めて薄いため、その命を奪うことに何の躊躇もない。
本人に悪意はなくともやってることは悪行と大差ない場合や逆に人間の怨霊に乗っ取られて騒動を起こした場合もある。
主人公の三人はそれぞれの事情でトラブルに巻き込まれやすい立場にあり、ホログラム・ゴーストに出くわすのはその過程の延長で基本的に偶然。
そのため、大体関わる頃には結構被害が出ており、何ならすでに死者すら出ていたりする
また、事件発覚時点でそれなりに3人の誰かがピンチに陥ることで、全員揃って戦闘に突入できないケースも少なくない。
特にアンゴラモンが割を食うことが多め

デジモンから人間へのダメージもかなりえぐく、従来なら攻撃の余波で吹っ飛ばされて「キャア~~!」程度だったものが心身にダメージを負って「嫌ああぁぁぁ―――!!とかいうレベルとなっている。
シャンブルモン回で何かに目覚めちゃった人は後で集合

一方で、敵デジモンたちに黒幕と呼べる存在が現在でも見られておらず、またデジモンを極力倒さず説得したり追い払ったり、逃げられてしまったりするという展開が非常に多く、デジモンによる被害もこれまでと比べて特に甚大であることも多い。
そのため
「デジモンを倒さないことに違和感を感じる」
「敵味方両方共にまとまった組織が欲しい」
という意見も見られている。
まぁ、デジモンアニメじゃ賛否はよくある事だ


東映アニメーションの社内ネットワークへの不正アクセスの影響で2022年3月20日から4月17日まで新作の放送がストップし、再開の間まで一部エピソードの再放送が行われた。まさにホログラム・ゴーストの仕業


【登場人物】

天ノ河 宙(あまのかわ ひろ)

CV:田村睦心
主人公。私立葉櫻学院に通う中学1年生の少年。13歳。
しっかり者の性格で頼み事を断らない性格。
好奇心も旺盛であり、ガンマモンとの出会いがきっかけでデジモンたちと関わっていく事となる。
「頼みごとを断らない」という気質は例えデジモンによって意識喪失状態だろうと継続するほど根深い。
それもあって、他2人も含めて色々頼まれごとをされやすく、その先で騒動に巻き込まれたりする。
実は一人キャンプが趣味。

大門大以来となる、ゴーグルも着けず名前に「タ」の字も入っていない主人公となる。*3
また、声優である田村女史は『デジモンアドベンチャー tri.』『デジモンアドベンチャー LAST EVOLUTION 絆』において泉光子郎を演じており、本作で初の新規キャラとしての登板となった。

月夜野 瑠璃(つきよの るり)

CV:小林ゆう
ヒロイン
宙や清司郎とは別の女子校に通う女子中学生。
人気急上昇中のアカウント「りるるん」を運営するなど、明るくて友達も多い社交的な性格。
動画のネタのため、オカルト話などがあると自ら突っ込んでいくことが多く、その結果巻き込まれることが多い。
被害によってはヒロインがしちゃいけないようなことになったりする場合もある。
趣味はピアノ演奏。

アクの強いキャラを演じることが多く、本人のキャラも強烈な画伯には珍しい正統派美少女ヒロインである

東御手洗 清司郎(ひがしみたらい きよしろう)

CV:石田彰
私立葉櫻学院の男子寮の寮長を務める14歳の少年。
アメリカの大学院を飛び級で卒業した天才児。
一見キザな性格だが、大量のお守りを装備しているなど臆病でかなりのヘタレ。
ジェリーモンを「~様」付けで呼ぶ。
しかし、寮長としての責任感・矜持は強く、怯えながらも何だかんだで本気で逃げ出すことはない。
また、何らかのきっかけで吹っ切れる(通称:限凸)と人格が切り替わったかのように勇敢なリーダーと化す。
高度なIT技術で方々から情報を集めており、不可思議な事件がそのアンテナに引っかかると巻き込まれる。

声優である石田氏は過去シリーズにおいてウィザーモンの声を担当していた。

天ノ河 北斗(あまのかわ ほくと)

CV:高橋広樹
宙の父親。AI関係の開発者。
半年前にデジヴァイスとDIMカードを残して行方不明になっていたが、デジタルワールドにいることが判明。
ガンマモンを「弟」とだけ説明して宙に預けるなど、わりといい加減な性格。

声優の高橋氏は『デジモンテイマーズ』でインプモンを演じた。

野村(のむら) コタロウ

CV:阪口大助
私立葉櫻学院の一年生で宙の友人。よくデジモンの被害に遭う。
女好きな性格。

声優の阪口氏は『デジモンアドベンチャー02』のドラマCDでプクモンを演じた。

宇田川(うだがわ) アオイ

CV:関根有咲

柏木(かしわぎ) ミカ

CV:田口奏弥
瑠璃の友人達。よく瑠璃と一緒にいろんなところに出かけている。
アオイは快活、ミカはおっとりした性格。
アンゴラモンの存在になんとなく気づいてはいるが、「瑠璃から明かすまでは深くは聞かない」というスタンスをとっている。

◆ゴーストナビゲーター

担当:竹中直人
本作のナレーション。出番は主に本編開始時と次回予告
恐らくゴースト繋がりの登板であろう。
もうチャンネル違うんだけどな


【登場デジモン】

ガンマモン

CV:沢城みゆき
宙のパートナーデジモン。
小さな白い角竜の姿をしている。要はいつもの成長期デジモン
宙の父曰く「弟」であり、実際に兄弟分のような関係を持っている。
好物はチョコで、ガンマモンはチョコの事を「最強」と呼んでいる。
他のパートナーデジモンと異なり、成熟期の進化体が複数存在するなど謎が多い。
なお、ガンマモンは姿をデジタル化して隠すことなく宙にくっついて行動しており、周囲の人間には「自我のある特殊なホログラム」と紹介されている。

声優である沢城女史はデジモンゲームシリーズにおいて御神楽ミレイの声を長く務めており、本作で満を持してアニメシリーズへの登板となった。
神楽由麻?アナザーミッションはあくまでアニメの外伝「ゲーム」という事で…*4

アンゴラモン

CV:中井和哉
瑠璃のパートナーデジモン。
心優しい性格のウサギに似た姿。大柄な体格だがこれでも成長期。
聴覚に優れていて、瑠璃のピアノを聴くことが好き。デジモンの事情にも詳しい。
毎話の締めに既存の格言やことわざをもじったオリジナル格言を呟く。

声優である中井氏は『デジモンセイバーズ』においてガオモンの声を担当していた。

ジェリーモン

CV:嶋村侑
清司郎のパートナーデジモン。
クラゲのような姿をした少女型デジモン。某イカタコゲームの影響受けてそう
イタズラ好きな性格で、実際に初登場となる第5話では清司郎の部屋のパソコンでイタズラを行っていたが、
そのために発生したトラブルを上手く解決した事で清司郎を「ダーリン」と呼ぶようになった。
語尾に「~さ」と付けるのが口癖。
勝手な言動でトラブルを引き起こすが、基本的に謝らない。

何気に珍しい男性テイマーと女性型デジモンのコンビでもある。

◆ブラックテイルモン Uver.

本作で初登場したブラックテイルモンの亜種。
人間界とデジタルワールドをつなぐゲートを開くことが出来る。
宙は(いつの間にか)彼(?)を通じて、北斗と手紙のやり取りを行えるようになっていた。
恰好といい名前の「Uver.」といい、元ネタは某宅食サービスであると思われる。

◆クロックモン

CV:岩田光央
宙とガンマモンが初めて戦ったデジモン。人間達の時間を奪っていた。
一度敗れた後宙達にリベンジを目論むが再び敗北、消滅しそうになったところを助けられ和解した。
その後は人間界にやってきたデジモンとの交流や、人間に害をなすデジモンへの対処を行っている。

マミーモン

CV:菅生隆之
デジタルワールドの医者。
人間世界に来た折、博物館で展示されていたミイラを人間の治療法と勘違いし、疲れた人間を「治療」して回っていた。
だが、宙とベテルガンマモンに敗れ自分の勘違いを教えられる。
以後は人間の病院に住み着いて人間の治療法を学んでおり、たまに宙達がデジモンの被害を受けた際に治療を行う。

◆ボコモン

CV:沼田祐介
デジタルワールドで有名なデジモン学者。
現在は宙達の住む町の図書館に住み着き人間界の知識を得ている。
だが、第13話にて……

◆バクモン

CV:折笠愛
ボコモンの助手。語尾に「~っす」とつけて喋る。

◆エスピモン

CV:小林由美子
さすらいのデジモン。
北斗と知り合いらしく、宙のことも聞いていて探している。
…のだが、北斗の「宙が自分と瓜二つ」という説明から宙が「北斗そっくりのコピー」だと勘違いしている(ジェリーモン曰く“デジモンらしい勘違い”)。
そのため、自分が「アマノカワヒロ」だという宙の主張を信じず、宙のことを「偽宙」と呼んでいる。
本物の宙が他にいると思い込んだまま、宙の部屋に居候しつつ「本物のアマノカワヒロ」を探している。

中の人は『アドベンチャー:』で泉光子郎を演じていた。過去と未来の光子郎が一つに…

リュウダモン

CV:菊池正美
初めは、ギュウキモンの犠牲者として、小さなギュウキモンの姿と化しての登場。
優しい心の持ち主で、凶暴なギュウキモンに変化してもなお元の姿に戻りたいと願い、北斗の言葉を頼って宙のもとにやってきた。
そして宙とガンマモンの呼びかけによってリュウダモンに戻ることに成功した。
その後も、ガンマモンとは仲良くしており、清司郎の部屋でアイドルの振り付けを完コピしてたりした。

その後、シャンブルモンにさらわれたガンマモンを今度は自分が助けたいと思う心からギンリュウモンに進化する。

CVの菊池氏はアドベンチャー・02の城戸丈を始め、アプモンを除く全作に登場するデジモンアニメシリーズお馴染みの声優。

エアドラモン

CV:置鮎龍太郎
乗り物。


【用語】

デジヴァイス

腕時計型のデヴァイス。
パートナーデジモンの技の発動には必須で、本体横にはDimカードを指すコネクタが存在する。
…ぶっちゃけまんまバイタルブレス
何気に既存の玩具がそのままの形でアニメシリーズで使われるのは初となる。
ワンタッチで周囲を疑似デジタルワールド化させ、デジモン及びデジヴァイス所持者以外を隔離することができる。
この特性を利用してデジモンに襲われている人間たちを避難させる事もしばしば見られている。ただし、デジモンの侵食を受けている場合は一緒に転移してしまう。
従来のデジヴァイス通りパートナーデジモンを進化させることも可能。途中から完全体への超進化も可能になったが、超進化には時間制限がありそれを過ぎると成熟期に戻ってしまう。
第51話にてガンマモンの叫びに同調するかのようにデジヴァイスVVへと進化し、完全体へのワープ進化及び究極体への進化が出来るようになった。
現実においてもバイタルブレスBEが新発売されたので要はそれの販促とも言える

◆ホログラム・ゴースト

本作におけるデジモンたちが巻き起こす怪現象の総称。


【主題歌】

OPテーマ

  • 「FACTION」

EDテーマ

  • 「ペダル」(1~12話)
  • 「だって今日まで恋煩い」(13~21話)
  • 「ひかりあうものたち」(22~31話)
  • 「モンスターディスコ」(32話~44話)
  • 「STRAWBERRY」(45話~57話)
  • 「Take Me Maybe」(58話~67話)


追記・修正は、君のそばにいる…


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  • 稀に鬱展開あり

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最終更新:2024年03月21日 23:01

*1 やぶの氏はエンディングのイラストも担当している。

*2 後述のようにコロナとは別の案件でだが結果として前作同様に一時休止の憂き目に遭っており方針としては間違ってはいなかった事となる。

*3 ただし、男性声優が務めた主人公は(『tri.』『ラスエボ』での成長した太一を除くと)未だ大が唯一である。

*4 デジモンウェブ公式Twitterでも声優を意識してか、由麻・ミレイ・ガンマモンらが描かれたイラストが投稿された。