サクヤモン

登録日:2022/08/04 Thu 17:26:22
更新日:2025/04/01 Tue 07:38:02
所要時間:約 10 分で読めます





神獣系デジモンを使役する神意の代行者


『サクヤモン』とは、『デジタルモンスター』に登場するキャラクター。


【基本データ】

世代 究極体
タイプ 神人型
属性 データ種
必殺技 金剛界曼陀羅(こんごうかいまんだら)
金剛錫杖(こんごうしゃくじょう)』を地に打ち付けて邪気を払う浄化結界を張る技。
得意技 飯綱(いずな)
腰に携えた管狐で敵を攻撃する技。
飯綱とは管狐の別名で、飯綱権現の修験者の呼び名である。

【概要】

神の意志を代行する巫女の役割を持ったデジモン。
(デジモンに性別はないが、)非常に女性的なシルエットをしており金色の狐面と、二房に結わえられた銀髪を備える。

陰陽道の技を駆使して戦い、神獣系のデジモンを使役する能力を持つ。
腰のベルトには常に4本の筒を携え、中にはそれぞれ管狐(くだぎつね)を潜ませている。
クダモンとの関係は不明。)
これらの管狐を使役し、攻撃や情報の収集など、あらゆることに利用することができる。
なお、この4匹の管狐はそれぞれ「」「」「」「」の属性を持っている。

初登場はアニメ『デジモンテイマーズ』だが、実は4月に発売された『ディーアーク VERSION1』の時点で、他2体共々、速攻でネタバレされていた経緯を持つ。
もっとも、アニメの方でもOPの時点でシルエット状態とはいえ存在が仄めかされていたのだが。

元ネタは日本神話に登場する「木花咲耶姫(このはなさくやひめ)」と思われる。

また、『サクヤモン:巫女モード』と呼ばれる形態になることもできる。
これはサクヤモンが神事の奉仕をおこない神の意志を聞くときの姿で、狐面と銀髪、豊満な肢体はそのままに紅白の巫女服を纏い(デジモンらしい腰の2本のベルトがまたグッド)、錫杖の代わりに大幣を持つ、オタク大歓喜な姿をしている。
デジモン界の“神”がどのような存在かは不明だが、仮にあの無能冷蔵庫(イグドラシル)なら、非常に許しがたい。
なお、この形態で戦うことは少ないが、通常に比べ邪気を払う力が強くなっていると言われている。
巫女形態の初登場は『デジタルモンスターカードゲーム ブースター13 ~覇空の鎧鎗騎~』


【派生種】

◆サクヤモン(X抗体)

世代 究極体
タイプ 神人型
属性 データ種
必殺技 此ノ花戦姫万象(このはなせんきばんしょう)
周囲のあらゆるオブジェクトを無数の式神に換え、花嵐で敵を包んで消滅させる技。
宇迦之御魂(うかのみたま)
四大元素を司る管狐を合体させることで一体の巨大な狐神を召喚する技。
なお、“宇迦之御魂神”は伏見稲荷大社の主祭神であり、稲荷神*1として広く信仰されている神である。
金剛界曼陀羅(こんごうかいまんだら)
通常種と同じ。
X抗体を得ることで、降霊術や陰陽術を始めとする、デジタルワールドの東方に伝わる、あらゆる秘術を極めたスペシャリストとなった。
デジタルワールドの自然と調和することで、草木や岩などの様々なオブジェクトデータを花や狐の形をした式神に変換し使役することが出来る。
管狐や式神による索敵・諜報活動に長けており、手に入れた情報を活用することで闇に紛れて敵を討つ暗闇の番人である。

ちなみに露出度がだいぶ上がっていてハイレグレオタードみたいになっているのだが、これに関しては一部のファンから賛否があったり。


◆クズハモン

世代 究極体
タイプ 神人型
属性 データ種
必殺技 胎蔵界曼荼羅(たいぞうかいまんだら)
錫杖を地に打ち付けて邪気を払う浄化結界を張る技。
得意技 裏飯綱(うらいずな)
腰に携えた管狐で敵を攻撃する技。
狐系デジモンが長く生き、変化して人型の姿なったと言われる神人型のデジモン。
初登場は、以下のヨウコモン、ドウモン共々『ディーアーク VERSION2』。

神道、陰陽道、修験道などの古代魔法に精通している。
一般的に狐系デジモンはこのクズハモンへとなるが、一部の高レベルのものがサクヤモンに進化するとのこと。
また、サクヤモン同様、腰の筒に管狐を持ち、攻撃や情報の収集などに使役するが、その数は1匹である。
要は公式下位互換である

元ネタは安倍晴明の母親とされることもある妖狐『葛の葉』。

また、サクヤモンと同じく巫女モードが存在する。
「存在しない」って言われてたのに…
元々は渡辺けんじ氏が同人誌に寄稿した非公式イラストであったが、アプリ『デジモンコレクターズ』で実装、公式化した。
大幣を持っていたサクヤモン:巫女モードに対して、独鈷杵を持つ姿で描かれることが多い。
金剛杵は仏具なのにええんか……?
どうでもいいが、バイタルブレスで登場した際のドット絵が、釘バットを持ってるようにしか見えない。

【関連種】

◆タオモン

世代 完全体
タイプ 魔人型
属性 データ種
必殺技 梵筆閃(ぼんひつせん)
巨大な筆で呪文を唱えながら梵字(「ウーン」の字)を空中に描き敵に飛ばす技。
なぜか、公式で『※「梵・筆・閃」の掛け声と共に梵字を描きます。』と注記がされている。
得意技 狐封札(こふうさつ)
霊符を敵の体に巻きつけて爆発させる技。
サクヤモン同様、陰陽道に精通し、あらゆる技を駆使して戦う陰陽師デジモン。
その姿も陰陽師らしく、烏帽子と狩衣を纏った人型の妖狐である。
肩にエヴァのウェポンラック着けてる陰陽師はいないって?

非常に寡黙で多くを語ることはなく闇に潜み闇に生きる存在である。
特に呪術の能力が高く、霊符や呪文の攻撃を得意とする他、暗器の達人という側面もあり、袖の下に様々な武器を隠し持つ。
※イラストでは分銅付きの鎖やベアクローのようなものを出しているものもある。
また、霊符を式神に変えて使役することもできる。
アニメでは結界を展開する描写も多く、テイマーズの保護から空中での足場など、便利な活躍をしていた。

名前の由来は道教・道術の『(タオ)』と思われる。

なお、ワクチン種へ進化した銀色のタオモンも存在する。


◆ドウモン

世代 完全体
タイプ 魔人型
属性 データ種
必殺技 鬼門遁甲(きもんとんこう)
巨大な筆で呪文を唱えながら空中に結界を描く。
決して抜け出ることのできない永遠の迷路に敵を封じ込める技。
得意技 呪禁札(じゅごんさつ)
霊符を敵の体に巻きつけて爆発させる技。
タオモン同様、陰陽道に精通し、霊符や呪文の攻撃を得意とするデジモン。
ただし、呪殺や暗殺を得意とし、その点ではタオモンとは対照的である。
だが、属性はデータ種で、ウイルス種ではない。

名前の由来は『道』を日本語で音読みした「ドウ」と思われる。


◆キュウビモン

世代 成熟期
タイプ 妖獣型
属性 データ種
必殺技 狐炎龍(こえんりゅう)
尻尾から燃え盛る青炎の龍を出現させ敵を焼き尽くす技。
得意技 鬼火玉(おにびだま)
9本の尾から鬼火を出現させ意のままに操る技。
なお、現実世界で鬼火と狐火は混同されることが多く、狐火は尻尾を打ち付けて起こすと言われている。
九本の尻尾を生やした巨大な狐の姿をした妖獣型デジモン。
また、首には鈴の付いた大きな注連縄(しめなわ)を巻いている。
破滅と崩壊をもたらす妖獣と恐れられているが、古の時代では平和の世に現れる使者として崇められていたという。
レナモンの中でも特に能力が高く、多くの経験を積んだものがキュウビモンに進化できると言われている。
攻撃力そのものは強くないが、強大な精神力を持っており“術系”の技を得意としている。
また、青く燃え盛る四肢で天をも駆けるとも言われている。

なお、ワクチン種へ進化した銀色の(ry


◆ヨウコモン

世代 成熟期
タイプ 妖獣型
属性 データ種
必殺技 邪炎龍(じゃえんりゅう)
尻尾から燃え盛る赤炎の龍を出現させ敵を焼き尽くす 邪王炎殺黒龍波
得意技 焔玉(ほむらだま)
灼熱の火の玉を出現させ意のままに操る技。
青い色をしたキュウビモン。
だが、キュウビモンとは違い、破滅と崩壊をもたらす妖獣と恐れられ続けている。
やっぱり属性はデータ種で、(ry


◆レナモン

世代 成長体
タイプ 獣人型
属性 データ種
必殺技 狐葉楔(こようせつ)
鋭利な木葉を生成し敵に打ち出す技。
太極旋(たいきょくせん)
(X抗体のみ)旋回する陰陽の斬撃を放ち敵を斬り裂く技。
得意技 狐変虚(こへんきょ)
相手の姿をコピーして自身のテクスチャを貼り替える変化の術。
狐葉楔(こちょうげん)
(X抗体のみ)自分だけではなく周囲の景色のテクスチャを張り替え敵を幻惑の世界に誘う技。
金色の狐の姿をした獣人型デジモン。
人間との関係がストレートに現れるデジモンで、幼年期の頃の育て方によっては、特に知能が高いレナモンに進化できると言われている。
常に冷静沈着で、あらゆる状況下でもその冷静さを失わず、パワーよりは、スピードを利用した多彩な術で敵を翻弄する。

X抗体を得ると、溢れ出る妖気をオーラとして身に纏うようになる。
2本に増えた大きな尾と全身に浮き出た赤い紋様が、その高まった力の象徴である。
成長期ながら妖術の道に精通する気高き陰陽師。


◆ポコモン

世代 幼年期Ⅱ
タイプ レッサー型
属性 なし
必殺技 殺生石(せっしょうせき)
石に変化して毒のガスを噴出する技。
レレモンが進化した幼年期デジモン。
間違えやすいが、腹巻を巻いてるのはコモン
夜行性なだけでなく、夜でも月夜の晩にしか行動しないことから、その存在は幻に近いと言われている。
常に人目に付かないように行動し、見た目に反してスピードも速いので、ポコモンを捕えることは難しい。
そのため、一部のテイマーの中ではポコモンを育てることが一種のステータスになっているとか。
ただ、大好物の油揚げを出されると思わず姿を現してしまうという。


◆レレモン

世代 幼年期Ⅰ
タイプ スライム
属性 なし
必殺技 変身
体のサイズに近いものなら、何にでも変化して身を守る。
ただし、いつも尻尾だけは隠せない。
月夜の晩にしか生まれないと言われる神秘的な幼年期デジモン。
特に満月の晩に生まれたレレモンは満月の魔力を受け、他のデジモンよりも能力が高く不思議な術が使えるデジモンに成長すると言われている。
夜行性で、めったに人の前には姿を現さない恥ずかしがりやな性格。


【関連作品でのサクヤモン】

アニメ『デジモンテイマーズ

CV:今井由香
言わずとしれた初登場作品にして、留姫のパートナーデジモンであるレナモンの究極体。
同作に登場する究極体進化シーンの中でも、特に気合の入った進化シーンは色々な意味で必見。
最終決戦において、ジャスティモンに力を分け与えたことで装備が解除され、全身タイツみたいになった姿も別の意味で必見。
詳細はこちらの項目にて。


アニメ『デジモンクロスウォーズ ~悪のデスジェネラルと七つの王国~』(第2期)

第7話(通算第37話)『弟よ、なぜ!? 敵ジェネラル・ユウの悪夢』にドウモンが登場。
ツワーモンの配下としての登場だったが、メルヴァモンワイドハイビジョンソードの一撃で倒された。
結界を張ってネネに幻を見せたり、クロスハートから味方の姿を隠したりと術自体は厄介ではあったが…。


アニメ『デジモンゴーストゲーム

第6話『呪ワレタ歌』にヨウコモンが登場。
CVは千葉進歩で、氏はゲーム『デジモンセイバーズアナザーミッション』でレナモンを演じた経験がある。

デジモンの公式設定から窺い知れる危険な面が描写されやすい本作の作風+公式で「破滅と崩壊をもたらす妖獣」とまで言われている彼だが、
社に参拝する老婆を気にかけたり、昼寝を優先させたりと、意外とユルい性格をしていた。


第38話『陰陽師』では、メインエネミーとしてドウモン(CV:緑川光)が登場。
鎌倉の人々を緑の式神に捕まえさせて霊符に閉じ込める他、姉妹校の舞台にヘルプに来ていた宙を術で拉致する。
その目的は宙を依り代として北条氏の「若君」を復活させ、捉えた人々を式神に変え軍勢を作り、北条の復権(新幕府の成立)を図ることであった。

だが、エスピモンの助力を得たガンマモンによって、「若君」憑依の要である札を破壊されてしまう。
その後も抵抗を試み、「鬼門遁甲」で攻撃を狙うも、カノーヴァイスモンの攻撃によってそれも阻止される。
同時に、自身も地面に叩き付けられ気絶する。

なお、気絶から覚めたドウモンが語ったところによると、ドウモン自身も北条氏の怨霊に憑り付かれていたとのこと。
陰陽道の修業のために人間世界に来たらしいが、術の親和性が良かったのが災いしてか、意識ごと怨霊に乗っ取られていたらしい。
つまり、それ自体はホログラムゴースト(デジモン)とは無関係な、ガチの“怪異”だったわけである・・・。
ドウモン自身は害意も敵意も無く、ただ修業に明け暮れるだけの無害なデジモンであった。

余談だが、陰陽師といえば京都の印象が強いが、敢えて鎌倉を選んだのは大河ドラマ鎌倉がフィーチャーされていたから・・・であろうか?
また、週刊少年ジャンプにて「若君」を主役に据えた漫画が連載中であることも関係はある……のかも知れない。

第56話「穢レ」ではクズハモンが登場。
巫女モードも披露してくれた。
これによって、ヨウコモン~クズハモンまでの色違い系が一作品内で全て登場したことになる。


ゲーム『デジモンサヴァイブ』

地下水道にて姿を見せる謎めいたデジモンとしてレナモンが登場。
オープニングではミユキのパートナーとして動いているようだったが、
この時もハルとミユキを守るように戦っていた。

+ その真意とは……?(エンディングまでのネタバレ注意)
本編で登場するハルの正体。
レナモンの姿で登場した時の様子や、オープニングのハルと性格が違う事から薄々感づいていた人も多いと思われる。
霧の手によって「主」に魂の半分を取り込まれたミユキがハルを現実世界に逃した後、魂が抜けたような状態になっていたミユキの半身を守り続けていた。
幻術に長けており、ミユキが反応してくれるために彼女の精神の安定のため長い間自分を殺してでもハルに変身し彼を演じ続けていた。

ミユキによって逃された後、防衛本能で記憶を失っていたハル=教授をミユキを見捨てたとして嫌悪している。
人間達にも否定的でタクマ達の協力も突っぱね続け一人でミユキを救うべく行動していた。ハルを演じていた時に素っ気ない態度だったのもこのため。
やがてミユキを想うあまり「ミユキを救う代わりに子供達を生贄に差し出す」という条件で「主」に協力を申し出る程までに暴走してしまう。

その後は新たに出現した図書館に誘い込み、トラウマに起因した幻術を見せることで精神を攻撃。
これを切り抜けるとタオモンに進化して襲いかかり、撃破すると「主に協力して悲しむのはミユキ自身」と諭され己の過ちを悟った。
その後、襲いかかってきた「主」の眷属に対しサクヤモンに進化して応戦。以降は正式にタクマ達と和解して仲間になる。
仲間になって以降も慣れてしまったためハルの姿でい続けていた。

なお道義ルート・裏ルートだと無事に生還するのだが、調和ルート・激情ルートだとレナモンの見せた幻術が
ある人物の死により精神的に極限状態に陥っていた仲間の精神を更に追い詰めてしまい失踪させてしまう。
それはさらなる暴走へと繋がってしまう事に……。(なお調和・激情でそれぞれ死んだ人物と失踪した仲間は別の人物となる)
レナモンもこの事は激しく後悔していたが、結果的にこの2ルートではミユキは死亡してしまい彼女も消滅してしまうという一種の報いを受けるような結末を迎えてしまった。

なお、上記テイマーズの個体に寄せた演技をしている。
今作はアニメデジモンを意識した演出が多いためその一貫であろう。*2


追記・修正は神道、陰陽道、修験道を修めてからお願いします。

この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • デジモン
  • デジタルモンスター
  • 究極体
  • 管狐
  • 巫女
  • 陰陽師
  • キツネ
  • デジモンテイマーズ
  • デジモンゴーストゲーム
  • デジモンクロスウォーズ
  • 九尾の狐
  • サクヤモン
  • レナモン
  • データ種
  • 神人型
  • 緑川光
  • 進化シーン=変身ヒロイン
  • ボディスーツ
  • 全身タイツ
最終更新:2025年04月01日 07:38

*1 所謂、「お稲荷さん」

*2 テイマーズでレナモンを演じていた今井氏は声優業を引退している