登録日:2023/04/22 Sat 20:10:39
更新日:2026/05/08 Fri 08:46:14
所要時間:約 3 分で読めます
「この世界は不完全すぎる」とは、左藤真通による
漫画作品。略称は「このふか」。
講談社の
漫画アプリ&Web「コミックDAYS」にて、2020年5月30日より連載中。単行本は講談社モーニングKCより刊行されており、既刊17巻(2026年4月時点)。
作者・左藤真通は『アイアンバディ』に続く本誌系列での連載作で、原作担当として『将棋指す獣』『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』なども手掛けている。
2024年7月5日から9月27日まで、毎日放送・TBSテレビ『アニメイズム』B2枠ほかで全13話のテレビアニメが放送された。アニメーション制作は100studio×
studioぱれっと、監督は馬引圭、シリーズ構成・脚本はヤスカワショウゴが担当している。
あらすじ
極秘に組織された調査隊「王の探究者」によって、開拓が進められるファンタジー世界。
この世のあらゆる事象を調べ、世界を旅する探究者は人々から尊敬される憧れの職業であった。
そんな探究者の一員・ハガは、立ち寄った村でドラゴンに襲われていた村娘・ニコラを助け、さらにその村もドラゴンの襲撃から守ることに成功する。
喜びを分かち合う二人だが、それもつかの間、ニコラを含む村の住人は皆、突如体中が燃え上がり焼死してしまう。
死にゆくニコラにハガは言う。「これは負けイベントなんです」と。
どんな条件でも村がちゃんと全滅するかを確かめる、つまりVRMMOゲームであるこの世界「キングス・シーカー・オンライン」をデバッグするのがハガの本当の仕事だったのだ。
ニコラの死を確認したハガは村のデバッグを切り上げ、張ったテントで野営しつつ調査結果をまとめる作業に入る。
そこに、さきほど眼の前で焼死したはずのニコラが現れて……?
ハガ達デバッガーが
ゲームに囚われ、キングス・シーカー・オンラインを出られなくなってから、もうすぐ一年。
概要
……という
あらすじの通り、本作は「
ソードアート・オンライン」や「
ログ・ホライズン」に近い、「仮想世界に閉じ込められる」枠組みの作品である。
「異世界から帰れない」という点では異世界転生ものに近いと言えなくもないが、本作の目玉は
「バグやハメ技、グリッチ等を最大限活用してゲームを攻略する」ところ。
基本は
ファンタジー冒険譚よろしく異世界を旅するものの、その世界……
ゲームはまだ未完成のため、欠陥が多く残っており、その欠陥をいかに突いて問題を解決するか、という謎解き的な要素が強め。
ハガが繰り出すデバッグ手法は
「壁に顔を擦り付ける」「同じ動作を100回繰り返す」「特定のオブジェクトをひたすら開け閉めする」といった、現実のデバッガーが「再現性確認」として行う地味かつ奇怪な作業を忠実に再現しており、それらが時に強敵を打ち破る決め手となる。
また、こういった作品では
モブキャラになりやすいNPCも本筋にガッツリ関わってくる。
逆に、人間のプレイヤーは
敵としての登場がほとんど。
しかもその全員が
チート使い放題のチーターであるため、そいつらの排除方法もまた謎解きの一つである。
そうしてチートを使い尽くした人間がやることをなくして精神的に壊れていく様もわりと克明に描かれているので、そういうのが見たい人にはオススメの漫画である。
なお、ジャンル分類上は「
異世界ファンタジー」「VRMMO」だが、根底には「
ゲーム世界から出られないかもしれない」「
ゲーム内で身動きが取れなくなったプレイヤーは現実世界でどうなっているのか」という不気味な不安があり、コメディタッチで進む話運びの裏側でじわじわと精神を侵蝕してくる
サイコホラー的味わいも本作の魅力。読者からも「真綿で首を絞められるようなジワジワくる怖さ」と評されている。
余談だが、敵キャラ等もオーソドックスなものから外れたキモカワデザインであり、そういう新奇性も見どころ。
作画面でも、人物の不安や狂気を描く際の歪んだ表情・荒い線、デバッグ作業における異様な間や反復描写など、独特の演出が冴えわたっている。
世界観
キングス・シーカー・オンライン
近日公開予定?のフルダイブ型MMORPG。
ゲームのシナリオ的には「大陸フェルナークの辺境にある島・クレボーン島を自由に冒険する」といった感じで、各地に発生するクエストやシナリオを好きなタイミングでこなしていくスタイルの模様。
クレボーン島には5つの小国(ベイル王国・サイ公国など)がひしめき合い、小競り合いが絶えない――という設定が本来のシナリオのようだが、デバッグ段階だからこそなのか、あるいは元々の作りが雑なのか、至る所にバグが存在する。
- クレボーン島を中心に、いくつか離島がある
- 大きく5つのエリアに分けられており、それぞれに管理者たる「メタAI」がいる
- メインシナリオは一応存在する
といった感じ。
王の探究者
王の命の名のもとに、世界を探検する職業。
皇太子や各国の嗣子たちの病、モンスターの異常行動など、世のあらゆる異変の原因を調査する役どころとされており、ゲーム内のNPCからは尊敬の眼差しで見られる。
メタ的に言えば、キングス・シーカー・オンラインにログインしたプレイヤーが割り振られる役割。
「キングス・シーカー・オンライン」はまだ正式リリースされていないため、プレイヤーは全員デバッガーであり、「石版」を使ってデバッグモードになれる。つまりハガも含めて人間のプレイヤーはほぼ全員がチートを使うわけだが、ハガ等チートをあえて使わない、あるいは石版を紛失して使えない者もいる。
デバッガー
ゲームの中でいろいろな動作を試し、その
ゲームが正常にプレイできるかを調査する作業「デバッグ」を行うスタッフのこと。ちなみに実在の職業である。
「ゲームを遊ぶだけでお金がもらえる仕事」と表現して間違いはないのだが、実際には用意されたチェック項目をもとに地味な動作をひたすら続ける根性や小さな違和感からバグを見つけ出す観察眼、指示されたことを指示された通りに遂行する正確さが要求されるため、性格による向き不向きが大きく出やすい職業でもある。
本作においては複数のゲーム会社(株式会社ニシマテック、株式会社アソビング、株式会社エンタメイション、株式会社ナマズなど)からデバッガーが派遣されており、所属企業ごとに方針や雰囲気が大きく異なる。
キングス・シーカー・オンラインにログインしたプレイヤー=デバッガー達は1年近くログアウトできず
ゲームの中に閉じ込められている。当然、そんな異常事態下で漫然とデバッグをしていられるはずもなく、殆どのデバッガーはデバッグの仕事を放棄し、デバッグモードを利用して自由気ままに遊んでいる。
一応擁護しておくと、デバッガー達はもとからクズだったり怠惰だったりするわけではなく、
ゲームの世界から抜け出せないストレスから心を守るためにチートで遊んでいるという側面が強い。
しかしそれにも限界はあり、登場するデバッガーは多かれ少なかれ精神を病んできている状態にある。
ゲーム内で死亡したり身動きが取れなくなったりしたプレイヤーがその後どうなるのかは確かめようがないため、本作では処理落ちによるフリーズや無限ループといった「再起動すれば直る系のエラー」が
死にも勝る脅威として描かれる。
さらに、
ゲーム内で長時間孤立した者がメンタル不調を訴えるケースも頻発している。
石版
プレイヤー達がそれぞれ一つずつ所有するアイテム。
本来はプレイヤー全員が持たされるサポートアイテムだが、本作は正式リリース前なので「調査結果を書いた紙(バグシート)を裏向きにして押し当てることで運営にメールを送れる機能」「デバッグモードを起動し、そこから自由にチートコマンドを使用できる機能」が追加されたデバッガー専用バージョンが配布されている。
現在ほとんどのプレイヤーはこのデバッグモード目的で使用しており、前者の使い方をするのはハガくらいである。
プレイヤー1人につきひとつずつ紐づけられており、他人の物は使用できない。
逆に言えば石版を奪われる・破壊されるとそのプレイヤーはチートを使えなくなるという弱点でもあり、敵対するデバッガー同士の戦いでは石版の確保・破壊が大きな焦点になる。
グリッチ
作中用語としてはほぼ出てこないワードだが、深く関わる要素なので解説する。
単語としては「不具合」などと言った意味だが、ゲームにおけるグリッチとは、バグや仕様の穴を突いて意図的にバグを起こすことで行使する裏技のことを指す。コンピューターのシステムに直に干渉する行為のため、グリッチを使用しない通常の裏技より難易度が高く、またRTAなどの大会ではレギュレーション次第で禁じ手とされることも少なくない。
また、モロに「バグ」「仕様の穴」でもあるため、開発者にとってはまっさきに対策すべき欠陥である。
これらのバグを潰し切り、グリッチが行えないようにしてから製品化するのがゲーム開発における大原則であるため、発見も実行も極めて難しく、CPUやコンピューターの知識に精通していなければ気付くことすら不可能な一種の高等技術である。
上記の通り難易度が高く発見も難しい上にダーティな手段だが、通常の裏技よりもさらに可能性が広く、使いこなせたならば常識外れのアクションが可能となる。
登場人物
主要人物
ハガ/羽賀
CV:
石川界人
本作の主人公。所属は(株)ニシマテック。
無秩序状態に陥ったプレイヤー達の中でほぼ唯一、地道にデバッグを続けている男。
これはデバッグの仕事に誇りを持っている……だけではなく、「仕事に没頭することで正気を保っている」ためであることが示唆されている。
ただ、そのデバッグの様子は「壁に延々と顔を擦り付ける」「宝箱の開け閉めを繰り返す」など奇行としか思えない絵面であることが多く、奇人扱いされることが多い。
他のデバッガーと同じく「石版」を用いてチートを使える立場だが、それを乱用したニシマテックの同僚が
無限ループにハマって生死不明の状態に陥ったことから、デバッグモードの使用を頑なに拒んでいる。
なお、デバッグは使用しないがバグの悪用などのグリッチは躊躇なく使用し、クソ真面目にバグを探しているだけあってデバッガーとの戦いでは幾度もそれが切り札となる。
ガタイのいい体格をしているがこれはキャラクリでごつい見た目を使っているだけで、現実の姿はひょろいもやしっ子みたいなルックス。性格も草食系で主張の弱い
オタク気質。だが、デバッグに掛ける執念は人一倍であり、傍目からは奇行にしか見えないデバッグ作業をわき目も振らずやり続ける姿には呆れられることも多い。
現在は「
ゲームのシナリオを最後まで終えれば出られるのではないか?」という仮説のもとに、シナリオの攻略を進めている。
処理落ちを利用した強制停止(フリーズ)
ゲーム内に大量のオブジェクトや過負荷な処理を発生させ、敵プレイヤーを巻き込む形でフレームレートを極端に低下させ、相手の行動を実質的に封じる手法。
チート使いであっても処理落ちには逆らえないという、システム側のボトルネックを突いた一手。
ハガ自身も巻き込まれるため、自身の方が早く動けるよう状況を整えてから発動するのが定石。
作中ではチート使い放題の敵デバッガー7人をまとめてフリーズさせて勝利した、極めて象徴的な戦法でもある。
テクスチャ突き抜け(壁抜け)
ハガが日頃壁や宝箱に頬擦りしてるアレ。
特定の角度や動作を組み合わせることで、当たり判定の隙間からマップ外やオブジェクトの内部に入り込む現象。
通常は
なぞのばしょ(ポケモン)めいた「戻ってこられない」リスクと隣り合わせの危険な技だが、ハガは事前に検証を重ねたうえで侵入経路を限定的に活用する。
敵の本拠地に直接潜入する際や、敵の攻撃をオブジェクトの裏に回り込んで回避する用途で用いられる。
アイテム複製
特定の動作を一定回数繰り返すことで、本来一つしか存在しないはずのアイテムを増殖させるバグ。
回復アイテムや消費アイテムの確保に重宝するほか、後述のレベル依存武器との組み合わせで凶悪な火力を生み出すことも。
カンスト処理エラーの誘発
ゲームの数値処理上限(カンスト)を超える計算を意図的に発生させ、内部処理をオーバーフローさせて異常な挙動を引き起こすバグ。
代表例がニコラの
レベル未設定を利用したもので、「持ち主のレベル次第で威力が変わる道具」をニコラに装備させると参照値の不在により計算が破綻し、結果として
カンスト級の威力が叩き出される。
正攻法の戦力では太刀打ちできない強敵を打ち倒すための奥の手として登場することが多い。
NPC・クエストロジックの逆手取り
NPCのセリフ判定やクエスト進行フラグの管理が雑な箇所を逆利用し、本来想定されていない手順でクエストを成立させたり、特定のセリフを引き出して情報を得る手法。
派手さはないが、シナリオ攻略を進める上で重要な役割を担う。
ハガが「壁に顔を擦り付ける」「宝箱を開閉し続ける」といった一見奇行にしか見えない検証作業を続けるのも、こうしたフラグ管理のバグを掘り当てるためである。
Tポーズ硬直(モーションバグ)
キャラクターのモーションデータが破綻した際に発生する、両手を水平に広げた直立状態。いわゆる「Tポーズ」。
Unityを使ったことがあるならご存じだろうが、3DモデルはデフォルトでTポーズにをとるようになっている。
すなわちこのバグは「ボーン等の姿勢制御に関わるデータが破損する」「姿勢に関する命令が入力されなくなる」など、動作に関する情報が失われたことを意味する。
読者からは「ゲーム好きにはクスリとくる小ネタ」として高く評価されているシーンの一つ。
ちなみに、Tポーズになったからといって動けなくなるわけではない。(動けなくなることもある)
無敵時間と即死トラップの併用
ニシマテックの同僚・黒崎優は
「無敵状態のまま即死トラップにはまる」ことで、永久ダメージ判定と無敵処理が衝突し、抜け出せない
無限ループに陥ってしまった。
ハガはこの事故を反面教師としつつ、似たような原理を逆用して
敵を意図的に「死なせず動けない」状態に閉じ込める使い方も模索している。
死にも勝る脅威を逆手に取った、本作屈指のえげつない戦術。
描画範囲外への押し出し
ゲーム世界の描画限界・座標限界の外側に対象を弾き飛ばす手法。いわゆる「
なぞのばしょ」がコレ。
押し出された対象は座標処理が破綻し、「事実上の消滅」状態となる。
いくつかパターンがあり、壁抜けでゲームエリアの外側に飛び出すタイプ、ケツワープよろしく加速度を蓄積してジャンプ等の飛距離を無限にし、結果として本来移動不可能な高高度に飛び出すタイプがある。ニシマテックの鈴木が「戻ってこなくなった」のは後者。
自分自身が空の彼方に飛ばされて戻れなくなるリスクのある危険な技なので、ハガは慎重に状況を見極めた上で限定的に用いている。
リスポーン地点の悪用
死亡時の復活地点(リスポーン地点)の判定が雑な箇所を突き、敵の復活位置を罠の中に固定する、あるいは自分のリスポーン地点を任意の場所に上書きするといった応用。
特に死亡前提の戦闘や、味方を救出する際の保険として活用される。
当たり判定のズレ(ヒットボックスバグ)
オブジェクトの見た目と実際の当たり判定がズレている箇所を見つけ出し、本来当たるはずのない攻撃を回避したり、見えない位置から攻撃を加えたりする手法。
モンスターのアタリ判定の穴を突いて、巨大な敵の攻撃をすり抜けながら反撃する場面でも用いられる。
装備モデル未定義バグの悪用
本来用意されていない組み合わせの装備を強引に身に着けさせると、3Dモデルが正しく読み込まれず「?」マークの正八面体になるなど、規格外のアバターに変身してしまうバグ。
キノシタが偶発的に陥った姿が代表例だが、ハガはこの現象を逆手に取り、敵のヒットボックスや認識システムを混乱させる用途でも応用している。
イベントフラグの二重発動・スキップ
本来一度しか発生しないはずのイベントを再起動させたり、未消化のフラグを強制的に立てて先のシナリオに飛んだりする操作。
正攻法では到達できないルートに踏み込むことができ、シナリオ攻略の近道として機能する反面、フラグが行方不明になって戻ってこなくなる等の事態が発生すると進行不能バグに直結する諸刃の剣。
表示限界
本来想定されていない高度・距離・座標の領域に到達すると、
ゲーム側の表示処理が追いつかず描画が破綻する現象。マインクラフトなどでこの挙動が発生する。
(株)ナマズのマツタニが脱出を試みて「表示限界を超える高さの塔」を建てたエピソードで登場。
NPCセリフ判定ループによる情報抽出
NPCに同じ質問を異常な頻度で繰り返したり、特定の手順で会話を打ち切って再開したりすることで、本来は隠されているフラグ専用のセリフを引き出すテクニック。RPGをやったことがある人なら、おそらく誰しも一度はやったことであろう技。
ゲーム世界の真実や、メインシナリオの伏線を入手するための
地味だが極めて有効な情報収集手段としてハガが多用している。
ニコラ
CV:矢野妃菜喜
ベイル王国辺境のルイーザ村で宿屋の下働きをしていた村娘。
ルイーザ村にデバッグの為訪れたハガに憧れ、自分も探究者になるべくハガに弟子入りを志願する。
ゲーム的にはNPC、それも「むらびとその1」的立ち位置のモブキャラで、本来はある襲撃イベントによって村人もろともドラゴンに殺される運命であった。しかし、何らかの理由により蘇生。その際死亡直前の記憶を「探究者に憧れ、村を飛び出して旅に出た」という内容に改ざんされており、その状態でハガの旅に同行することになる。
ハガのことは
探究者として尊敬しており、彼の奇行(=デバッグ作業)も「
探究者として必要な仕事」と捉えてデバッグ作業に勤しむ。やがて彼女も、NPCでありながら一人前(?)のデバッガーへと成長することに……。
元が冒険を想定されていない
モブキャラなので戦闘能力は皆無で、レベルも持たない。だが、レベルが設定されていないが故に「持ち主のレベル次第で威力が変わる道具」を手にするとその道具がバグを起こし、
カンスト同然の超威力を叩き出す。
NPC側のキャラでありながら
ゲーム世界を客観視できる稀有な存在で、後半では物語のキーパーソンとして大きな役割を担うようになる。
テスラ
CV:矢野妃菜喜(ニコラ役兼任)
「メタAI」を自称する謎の存在。
本人の曰くによれば「全部で5人いる
ゲームの管理AIのひとり」とのこと。
ニコラの体を借りて現れ、ハガに「デバッグを放棄して
ゲームの秩序を
荒らしている悪質なデバッガー達を追い出してほしい」と頼み込む。その気になればニコラ以外の姿になることも可能らしい。
以降もたびたびニコラを乗っ取る形で出現するが、やることは「石版を食べて回収する」くらいであんまり役には立たない。
メタAIの中では最も秩序を重んじ、規律を守らせることに強く拘る。
その生真面目な性格のせいで他のメタAIからはウザがられていたらしい。
神(ジン)さん/神林 祐翔
CV:
小野大輔
(株)ニシマテック所属のデバッガーチームのリーダー。
洞察力が鋭く、誰も気づかなかったバグにも即座に気づくなど、デバッガーとしての能力が非常に高い。
ハガにとっての憧れの存在である。
クリアをすればログアウトできるのではないかという推測を立てており、ハガに波子たちの救助が出来ないかを頼んだあと、旅立った。
平 波子
CV:村上奈津実
黒崎 優
CV:熊谷健太郎
鈴木 洋平
CV:
岡本信彦
(株)ニシマテック所属の社員。ハガこと羽賀と共にログインし、デバッグ作業を担当していた。
……が、
ゲームから出られない事で仕事を放棄し、デバッグモードで遊んでいた。
その結果、波子は死亡とリスポーンを延々繰り返す
無限ループに嵌り、黒崎は地形に埋まり、鈴木は空の彼方に飛ばされてしまい……という凄惨な目に遭う。
ハガが地道にデバッグを続ける動機の一つが「彼らをこの状態から救い出すこと」であり、特に波子の救出はハガの旅における大きな目標として立ちはだかる。
(株)アソビング社員とその関係者
キングス・シーカー・オンラインのデバッグに参加している企業の一つ。
いわゆる「陽キャ」のノリが強い体育会系の会社らしく、社員は社長を含めて全員がデバッグを放棄し異世界ライフをエンジョイする方針を取っている。
一方、社員の多くがNPCに拷問をして遊ぶ、アマノが社内で虐められていたことを示唆する描写があるなど、異世界生活の中で負の面も如実に出てしまっている。
まともな社員もいたらしいが、そういった社員はこの方針についていけずに離脱しており、中には行方不明になってる者もいるらしい。
アマノ/天野イソラ
CV:川島零士
ハガと同じくこの世界にログインしたまま出られなくなっているデバッガーの男性。
(株)アソビングから派遣されているようだが、本人曰く「デバッガーのバイト」。
二足歩行する猫のような犬のような
亜人種「フェザー」をアバターに使用している。
彼もまたデバッグ作業を放棄しているが、現在は書斎に引きこもり、趣味の漫画を描いてそれをNPCのルゥに読ませる生活を続けている。
ハガ曰く「仕事に没頭することで正気を保ってる」「僕と同じ」とのこと。
人付き合いを好まず、(株)アソビングのウェイ系のノリに嫌気が差して逃走。アソビングのメンバーの目を誤魔化すため、とある村にNPCのフリをして潜伏しつつ漫画を描く隠遁生活を送っていた。
偏屈で口の悪い皮肉屋だが実際のところは結構な人情家で涙もろい。
NPCや他のプレイヤーに感情移入することも多い。
ハガ達と出会って以降は彼らに半ば強引に巻き込まれる形で旅の仲間となり、しばしば独自の発想で局面を打開するブレーン的な役割も果たす。
ルゥ
CV:
加隈亜衣
サブクエスト「詩を聞かせて」の依頼人にあたるNPC。
劇中の描写を見る限り、クエスト内容は「足が悪く、あまり外出できないルゥに物語を聞かせ、高い評価を貰えればクリア」という内容の模様。
アマノはそれを利用し、漫画を描いては彼女にその原稿を見せ、彼女の反応をモチベに漫画を描き続けていた。
アマノ同様、排他的で人との関わりをあまり好まない性格だが、アマノのことだけは慕っている。
隅田
CV:松田健一郎
酒井
CV:
谷山紀章
(株)アソビングのデバッガー。
デバッグを駆使して物理演算的に無理のある城を構築したり、怪物に乗って街を破壊したり、ヴァンパイアを捕まえて人体実験をしたり、と、我々が思いつくようなチートプレイは大体やっている。
当初はハガもその「遊び」に誘うのだが、そのあまりに不真面目な態度(予期しないバグを誘発する危険性があるため、デバッガーの無闇なチート利用は推奨されない)に憤慨したハガは拒否。敵対関係となる。
酒井は享楽的かつ残忍な気質が強く、隅田はその相棒的に振る舞うが、後述する社長殺害の陰謀にも関与する曲者。
社長
CV:伊藤健太郎
(株)アソビングの社長であり、隅田らデバッガーの取りまとめ役。
曰く「非常事態なのだからデバッグなんかやってる場合じゃない」として、チートプレイをエンジョイする方針を取っており、部下たちの残虐な遊びも容認している。というか、彼本人もチートプレイに興じている。
それでも、現実に帰ることができない現状に不安が蓄積しており、精神が不安定になってるらしく、精神異常を治すポーションを常飲している描写がある。
途中で、方針を切り替えて
ゲームからの脱出手段を探すことを宣言。
……した矢先に、まだまだ享楽に興じていたい酒井らに嵌められ、(ゲーム内で)殺されてしまう。
既婚者らしく、現実世界では、妻と子供がいるらしい。
(株)エンタメイション社員とその関係者
キングス・シーカー・オンラインのデバッグに参加している企業の一つ。
ウェイ系チーターとしての側面の強かった(株)アソビングとは異なり、おとなしい気性の社員が多め。
やはりというかデバッグ作業は放棄している。正確に言うと、どうあがいても出られない事によるメンタル不調を訴える社員を見て、この
ゲームの世界でロールプレイに興じる方針に転換した。
それでもメンタルの不調が改善しない社員には「あること」をしているようで……?
アキラ/加賀見アキラ
CV:
高橋李依
この世界にログインしたまま出られなくなっているデバッガーの女性。
長身のエルフの姿をしたアバターを利用しているが、女性というには不用心な言動から、ハガやアマノはちょっと引いている。
不自然なものは排除しようと考えることが多く、デバッガーとして世界を直すことを優先するハガとは、対立することもある。
「この世界の住人として生きる」と公言し、元の世界に帰ることを諦めているようだが…?
当初は黒い騎士の姿でベイル城に忍び込んでいたところをハガ達と勘違いから戦闘になるが、後に和解し、サイ公国までの道のりを共にすることになる。
アルバ
CV:
松岡禎丞
サイ公国を統括するNPC。テスラと同じく管理AIのひとり。
厳格にデバッグ作業を要求するテスラに比べ、良くも悪くも民思いの面が強く、溝口をはじめとするデバッガーの要望に合わせる形でサイ公国の指導者となっていた。
溝口レン
CV:
杉田智和
デバッガーの男性。アキラの上司であり、アルバの側近。
囚われたデバッガーのリーダー的立場にいる管理職で、エンタメイション陣営における実質的な指導者。
マズゥナ神殿を拠点にメンバーを取りまとめ、世界の自然を乱すアソビングのメンバーを排除するためアキラを派遣していた張本人でもある。
アカネ/宮崎アカネ
CV:
新井里美
デバッガー。アマノと同じく「フェザー」をアバターに使用している。語尾に「にゃ」をつける喋り方をする。
明るい性格だが、ギャンブルには目がない。
キノシタ/木下マユ
CV:古賀葵
アルバイトのデバッガー。元は「リザードマン」のアバターを使用していたが、ある装備を手にした所、「?」のマークが刻まれた正八面体の姿になってしまう。どうやら、装備のモデルが用意されてなかったことによるバグのようである。
ただ、「リザードマン」の姿は上から決められたことであり、本人はあまり気に入ってなかったので、この姿もそこまで気にしていない。
職業はフェンサーであり、剣での素早い連続攻撃を好む。
かなりのゲーマーらしく、様々なゲームをやり込んでおり、その知識でパーティの危機を救うこともある。
モラヴィ集落
ヤマナカ
CV:
前野智昭
モラヴィ集落を訪れたデバッガー。いじめられているゲーデルを不憫に思い、力を与えてシーカーにする。
その後はモラヴィ集落から出ていったらしい。一人で行動しているフリーの立場らしく、詳細は不明。
ゲーデル
CV:
小林ゆう
NPCだが、シーカーを名乗るキャラクター。凄まじい巨体と怪力を誇る。
ただ、これはヤマナカによって与えられた力によるものらしく、元は貧弱であり、戦士の村であるモラヴィ集落では、洗濯などの仕事を押し付けられるなど、のけ者にされていた。
(株)ナマズ
マツタニ
モンスターに攻撃されて飲み込まれたが、なぜかチュートリアルステージに戻るというバグに遭遇し、そこから出られなくなったデバッガー。
メガネを掛けたドワーフの姿をしている。
脱出のために1年以上、様々な方法を模索しており、表示限界を超える高さの塔を作り上げている。
過去にジンと組んでいたことがあるらしい。
その他
伊藤ヒカリ
ジンの助手をしている女性。テスラによると、どうやらプレイヤー(デバッガー)ではないらしい。
イガラシ
一人で探索を続けているデバッガー。ゲームから脱出する手段を知っているという。
太田加奈/カナ
CV:田中ちえ美
劇中に登場するデバッガーの一人。
アニメ
2024年7月5日から9月27日まで、毎日放送・TBSテレビ『アニメイズム』B2枠を中心に全13話で放送された。当初は同年春からの放送予定だったが、2月に延期が発表され、夏クールへとスライドしている。アニメーション制作は新興スタジオの100studioと
studioぱれっとの共同制作。
オープニングテーマは
Liyuu「No Complete」、エンディングテーマはNACHERRY「LOOP」。
最終回はニコラがハガたちと離れ離れになった上に、倒したと思ったボス敵が第二形態となって復活した緊迫した状況で「to be continued?」のテロップが出て幕を閉じるという形となっており、続きは原作で、というメッセージが公式X上でも明確に発信されている。
「#このアニメは不完全すぎる」というハッシュタグ込みの公式コメントは半ば
ネタ扱いされつつも、続編を望む声を広げる役目を果たした。
スタッフ陣には『ジョジョの奇妙な冒険 ストーンオーシャン』のヤスカワショウゴ(シリーズ構成・脚本)、『終末のワルキューレ』の赤堀重雄(キャラクターデザイン)など実績ある面々が揃い、世界観の独特な味を活かした映像化に挑戦している。
余談
原作者・左藤真通の前作『アイアンバディ』は重機メーカーを舞台にしたヒューマンドラマで、本作のキャラクター造形やシビアな労働観にもその影響が色濃い。
また、左藤の原作担当作には弁護士もの『しょせん他人事ですから ~とある弁護士の本音の仕事~』があり、こちらは2025年に
テレビドラマ化もされている。
作者は
Twitter(X)や巻末コメントなどで、自身もゲーマーであることを公言しており、本作におけるバグ・グリッチの描写の精細さもそれが下地になっていると思われる。
追記・修正をお願いします。
- コンソールコマンドがスカイリムでよく見たヤツ -- 名無しさん (2023-04-22 21:53:14)
- dmmにて3巻まで無料で読めたが、これは… -- 名無しさん (2024-04-20 16:40:07)
- ちょっとした操作でフリーズしたりテクスチャの裏に潜り込んで出られなくなるような昔のバグゲーの恐怖をゲーム世界転移で表現するのが上手い -- 名無しさん (2024-07-06 13:16:48)
最終更新:2026年05月08日 08:46