天使様(ダークギャザリング)

登録日:2023/07/06 (木) 00:11:21
更新日:2025/04/23 Wed 20:05:21
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産んでぇ……。



概要

『天使様』とは『ダークギャザリング』に登場する霊。

CV:杉村ちか子、島田愛野、三重野帆貴

埼玉県狭山市にある100円で売られていた心理的瑕疵ありのド級事故物件……『受胎告知の家』。
その家に住み着いて?いる悪霊?らしき存在――それが天使様である。
ある事件の際にこの家に突入した女性警察官が何もしていないのに妊娠し、
わずか10日で赤子は異様なまでに成長、そのまま腹を突き破って産まれた結果母子共に絶命してしまったという逸話がある。

見た目はいかにも生まれたてと言った感じの赤ん坊だが、脳髄らしきものが見えている上、赤ん坊なのに歯が生え揃っている。
作中での説明によると、天使様は単純な赤ん坊の霊ではない。
赤ん坊の霊を媒体に怪しげな儀式を施して誕生したのが、この不気味な見た目の天使様になる。
しかしこれは未完成状態での姿に過ぎない。

本編では計3人登場するが、これは儀式で捧げた赤ん坊たちであるため、分霊ではなくそれぞれ別個体。
なのでアニメではそれぞれ声優が違う。

本来はこの天使様が女性に受胎して、肉体を得て出産されることで完全体の天使様に至る。
本編ではヒロインである寶月詠子に処女受胎させたが、寶月夜宵によって摘出され、そのまま過渡期の御霊に食われた。
その後は、夜宵の部屋に安置しておけなくなった『卒業生』を封印しておくための『卒業生ハウス』として利用されることになる。

なお未完成状態の時は『妊娠の呪い』しか霊現象を起こせないが、完成した天使様には『救世』の力を持っているらしい。
ただし、天使様に救世の力があると言い出したのがなり代わり陣営なので、真偽は不明。

儀式

・第一段階

まず女性の人骨を用意する。この時点で一般人には天使様降臨は不可能。
その人骨を祭壇に祀ってお腹の部分のゆりかごを乗せる。

・第二段階

産まれた直後に殺された赤ん坊を用意する
そしてこの赤ん坊の遺体を人骨像のゆりかごに置く事で、赤ん坊の霊が人骨像を養分に成長する。

・第三段階

人骨像の養分だけでは成長できないので、他にも大量の魂が必要となる。
この『受胎告知の家』は龍脈の流れにある家なのでエネルギー自体は自動で手に入るはずだが、それで成長できないとなると、どうやら人の魂を直接喰わないと駄目なようだ。
作中では天使様降臨を試みた親子は、生前は無差別大量殺人、死後は通りすがりの幽霊を取り押さえて天使様に食わせていた。

・第四段階

女性に天使様を受胎させて、出産すれば天使様が完成する。
……らしいが、これまでに二度の受胎ではいずれも第三段階で母胎を食い破って出てきてしまい儀式は失敗。
この段階は作中では描かれなかったので詳細不明。


成り立ち

元々『受胎告知の家』と呼ばれる事になる家には一組の家族が住んでいた。
父と母と娘の三人は仲良く生活で来ていた。
しかしある時、父親と母親はひょんな事から喧嘩してしまい、頭に血が上った父親は妻の体を押してしまう。
バランスを崩した母親はそのまま倒れ頭を打ち、打ちどころが悪かったためそのまま死亡してしまった。

父親の殺意が認められなかったからか、父親は刑務所に入る事もなく元の生活に戻れ……なかった。
世間は父親を人殺しと罵り、毎日のようにバッシングの手紙を父と娘に送りつけて来たのだ。
そんな時『なり代わり』の南光坊たちが親子の元へ現れ、親子に上記の天使様の儀式を伝え、天使様を降臨させれば「救済される」と娘を誑かした。

バッシングに精神を追いつめられていた娘はこの話を受ける。
父と近親相姦をして三人の子供を産んだうえ、生後間もなく殺害してしまう
さらに大量殺人を犯し天使様を育てたうえに、娘は自分で出産しようとしたものの、体が耐えられず腹を喰い破られて死亡してしまった。
それを見た父も、娘の後を追うように心中してしまう。

そして死後も未練がなくならない娘は、天使様降臨のために無関係の霊を犠牲にし始めたのだった。

関連人物

CV:上田麗奈
下の名前は咲希という。生前は赤点だらけの学生だった。天使様の母親。
母の死亡事件では無関係だったが、父親の巻き添えをくらって世間からバッシングをくらい精神が追いつめられてしまう。
それから救われたいあまり、父と近親相姦をするわ生れたばかりの赤ん坊を殺すわ、大量殺人を父に頼むわ、完全に狂ってしまった。
死んだ時点で彼女が求める「世間から責められない環境」を手に入れたのだが、
幽霊は未練があるとそれが解消されるまで行動をしてしまうという性質があるため、
「天使の力で救済」という未練があった彼女は天使降臨のために悪霊となり果ててしまった。

最終的に彼女の霊も天使様に食われ、その天使様は過渡期の御霊に食われたのだが、いずれ夜宵の手で成仏させられるそうなので、その時ついでで娘も救済される事になる。

  • 父親
CV:いとうさとる
咲希の父親であり、天使様の父親兼祖父。
ちょっとした事故で妻を殺してしまったうえ、世間から責められた可哀想な男性。
しかし世間から責められて精神的に追い詰められた娘を「救える唯一の人間」だったのに、
そこまで追い込んだ責任を感じて娘の言われるがままに行動してしまい、
娘と近親相姦して子供を三人作り、娘に言われて合計17人(家族3人+子供3人+無関係の人間11人)殺すなど、被害を増やし続けた。
娘を救うために必要だったことは、彼女を止める事だったと気付いた時には娘は天使様に食われた後だった。

一連の事件に責任を感じて夜宵に消滅させられることを望むが、これまでの責任を取らせるために受胎告知の家改め『卒業生ハウス』の人除けになった。

余談

  • 儀式用の人骨について
作中父親が仏壇で落ち込んでいる描写があるため、妻をちゃんと火葬したと思われる。
しかし人骨像は頭部の傷痕から妻のものと思われるが、同時に火葬したと思えないほど、原型を残していた。
なり代わり連中は火葬後に接触したと思われるため、遺体を残していたとも考えにくい。
作中の説明では人骨像は夜宵が残留思念を幻視したものなので、第一段階で必要な人骨像は遺骨でもいいのかもしれない。

  • アニメ化
ご覧の通り倫理的にヤバい要素しかないため、アニメ化が発表された後も映像化が危惧されていた本エピソードだったが、近親相姦描写も含めて原作に忠実に放送された。
赤子の殺害シーンが音声のみの画面暗転になったことと、声にエフェクトがかなりかかって「産んでぇ…」の台詞が聞き取りづらくなったことくらい。



追記・修正は天使様を孕んでからお願いします。

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最終更新:2025年04月23日 20:05