登録日:2023/06/20 Tue 00:13:02
更新日:2025/01/27 Mon 00:12:00
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■概要
寶月夜宵の初期手持ちの一人で、グレイ型の
宇宙人人形に封印された霊。
中にいる本体は
骸骨の頭部を持つ男性の霊。いわゆる平安装束を着ていることから、かつては公家などの高位の人間だった様子。
頭部には傷があり、そこから矢が出てきた事から、恐らく死因は矢。
戦闘力はせいぜいB~Aクラスの悪霊と戦えるかどうかしかないが、夜宵の指示を聞き、ダイレクトアタックせずに人形に帰るという特徴を持つ。
序盤でロリコン神の攻撃により部屋内のパワーバランスが崩れて蠱毒が発生し、手軽に使える手持ちが激減したこともあり、夜宵は宇宙人人形を常備するようになった。
なお、この時の御霊はちょうど夜宵が持ち歩いていたため、邪経文大僧正の餌食にならずに済んだ。
実は記憶と力を失っている。
夜宵とは協力関係であり、夜宵が「戦場を用意する」代わりに、御霊が「夜宵の敵を排除する」という契約である。夜宵の命令を聞くのもこのため。
倒した敵を食らいエネルギーを補給していく事で、力と記憶を取り戻し本来の姿になるという。
作中では京都へ行く前の段階で、パワーアップを果たした。
頭部が骸骨なのは変わらないが、体が筋肉質の偉丈夫になっている。
また霊としての格は卒業生ほどではないにもかかわらず、既に圧迫感は卒業生に匹敵するほどになっている。
戦闘力も呪いを行使できるほどになっており、S級並みのAダムの霊を倒せるほどになった。
しかし、これでも復活の途中である。
まだまだ成長する姿から、『過渡期の御霊』と名付けられた。
解放のための言霊は「崩して」。
■能力
幽霊でありながら呪いではなく、何故か肉体による物理攻撃が主体で戦っていた。
これは前述の通り弱体化しているため、呪いを発動できなかったからである。
パワーアップしてからは、普通に呪いによる攻撃も可能になっただけでなく基礎スペックも著しく上昇。
拳を勢いよく繰り出すことで、その拳圧でビームの如く直線状にあるモノを全て破壊する真似もできるようになった。霊視能力がない人が見ると、突然地割れが起きたように見える。
これが彼の霊現象。
頭部の傷跡から矢を出現させ、それを相手に当てるとその矢を中心に平安京の地図のような模様が大地に展開される。
すると生前彼が見て来たと思われる飢餓等で苦しんだ人々の情念が矢の上に出現し、尋常ならざる超質量の重圧を敵に背負わせることにより対象を押し潰す。
この情念は時間経過と共に増えて行くため、重力も増していく。
すさまじい威力だが重力が生じるのは模様の範囲だけであり、範囲外に出ていれば味方も巻き込まない。
また、上記の霊現象を取り戻して以降は通常の攻撃にも重力を応用できるようになり、対象にかざした手を握ることで拘束・圧殺する、拳打や手刀に乗せることで攻撃を強化するといった戦法を見せている。
■平将門疑惑
ここまで記載したように、過渡期の御霊は幽霊になる以前の事がよく分かっていなかった。
しかし作中、日本三大怨霊の一人『平将門』ではないか?と思うような描写・
伏線が存在する。
将門の霊の描写は一切なかったが、何故か将門塚に反応する宇宙人人形だけは描かれた。
夜宵は「将門の霊は弱体化している」と言っているため、過渡期の御霊がビビっているという訳ではないだろう。
また「中学の頃、螢多朗が将門塚の近くに訪れた際に霊障らしき頭痛を訴えていた」と詠子が回想しており、夜宵の言う「弱体化」には疑問が残る。
これは首だけになった将門が言ったとされる「もう一戦しよう」という言葉が由来であろう。
敵との戦いで首(額に矢が刺さっている。平将門も額に矢を受け亡くなっている。)だけになったのだが、
回復しようと思えばすぐ出来たのに(実際、バトル終了時即回復した)、首だけの状態で呪いを発動した。
……等々、過渡期の御霊=平将門を示唆する描写が多々あるのだ。
まぁ、これらがミスリードで将門とは無関係の単なる平氏の武士の可能性もあるが。
■活躍
初期の頃は、脳幹霊戦での取り巻きの露払いや、旧旧Fトンネルでの身代わりなどが主な役割だった。
その後、3体の
天使様や
旧I水門の霊の分霊を立て続けに捕食することでパワーアップ。
『学校の怪談』にて先生の霊を食らった事で進化を果たし、『過渡期の御霊』の諱を与えられた。
京都心霊スポット巡り第1の刺客『Aダムの霊』を相手に初めて言霊により解放され、ついに本格的に戦闘を繰り広げる。
拳圧だけでは分が悪く、霊現象に蝕まれて一時は首だけになってしまうも、ここで前述の重力操作を発現。
一気に形勢逆転し、そのままAダムの霊を打破。彼女の捕縛を成功させた。
御霊自身は『弑逆桔梗』発動のためにAダムに安置される。
『弑逆桔梗』発動後は、解放されたAダムにて十二神将『騰蛇』を相手取る。
霊的エネルギーが乱れていて調子が出せなかった所を火炙りにされるも、重量操作と拳圧により圧倒するとそのまま回復。
その後、他の卒業生と共に回収され京都御所に運び込まれると、
太歳星君の分霊との総力戦に投入される。
重力操作による拘束で活躍するも、夜宵の想定をはるかに超えるほどその実力は高く、他の卒業生が一気に瞬殺されていき、ついに最後の1体となってしまう。
なおも立ち向かう御霊だったが、大技『螺旋星雲』を受けて地に伏してしまう。
夜宵もその余波により深手を負うという絶望的な状況の中、夜宵の姿から苦しみ斃れていく人々の光景を想起した御霊は、再び立ち上がろうとする。
一方の夜宵も、痛みに耐えて強靭な意志で身体を動かせていれば母を助けられたかもしれないと回想していた……。
夜宵は力を振り絞り宇宙人人形と鏡を取り出すと、『占事略决・外典』終章──循環術『生旺死衰』を発動する。
■記憶
時は平安時代。
彼は下総国の国司の息子であり、朝廷の過剰な徴税や国司の狼藉の放置により民が苦しめられている常陸国の有様を憂いていた。
ある日、民衆に分け与えるために朝廷の蔵から米を奪い、追捕令が出されていた藤原玄明が彼の元に駆け込んでくる。
当然引き渡しを命じられるも無視して匿ったため、常陸国の国司を敵に回し合戦が勃発。
これを落とし明確に朝敵となった彼は、部下達から「一国落として謀反と見做されたなら何か国でも同じ」と関東を統一し新たな天皇に即位する事を進言される。
勝手に天皇を名乗ったところで誰が認めるのかと難色を示すも、そこに巫女が現れる。皇祖神たる八幡大菩薩から「新たな天皇を立てよ」と神託を賜った、その人物こそが其方であると…。
あまりの手回しの良さに芝居が過ぎると疑心を隠せなかったが、政の歪みにより数多の不幸が齎されている事もまた事実。
朝廷から謀反者の烙印を押されようと為さねばならぬ事があると、彼はついに決断する。
全ては国を変え、民を救うために。
■真の姿
過渡期の御霊の真なる姿……その名は『新皇』。
解放の言霊も「統べて」に変化。
はっきりと髭面の男性の顔になり、甲冑を身に纏い刀を構え黒馬に騎乗するという、武将の姿へと変貌を遂げた。
夜宵との出会いも将門塚で、最初は首だけの霊だったが夜宵は即座に正体の確信に至った事が語られ、前述の平将門説が確定する形となった。
降霊した瞬間にほんの一瞬ながら日本中でマグニチュード7の震動が観測され、月が瞬きをしたかのように歪むという、夜宵の手持ちの中でも別格のエネルギーを放つ。
太歳星君曰く「彼が死んだことで生まれてくるはずだった失われてしまった無数の運命が束ねれている」との事で、「お前、大物じゃないか」と大絶賛された。
■能力
覚醒前と同様に重力を操るが、その力は比べ物にならず太歳星君を相性の有利もあるとはいえ圧倒するほど。ただし、夜宵曰く戦うために本来の許容量を超えて力を蓄えていた可能性があるらしく、通常時でもそこまでの力が出せるかは不明である。
・重力の刃(仮)
御霊時に使用した陣と同様に人々の祈りが込められた刀。しかし、その祈りの重さは比較にならず、ただそこに在るだけで空間を歪め、神の力をも正面から文字通り捩じ伏せる程の重力を纏う。
・重力の矢(仮)
こちらも御霊時に使用した陣を生み出した矢と本質的に同一のもの。しかし、こちらはさらに前述の失われてしまった無数の運命を束ねて生み出されており、弓によって撃ち放たれる。その速度は太歳星君の予言視を超えるほどであり、その重力はブラックホールが如く陰陽術も視肉の回復効果も封殺し飲み込む威力で、相対性理論によって観測者から停止して見えるほど。
■活躍
出現すると即座に戦闘に入り、歓喜する太歳星君が放った『螺旋星雲』を刀の重力で掻き消すと、そのまま胴体を一刀両断。残った身体も極限まで圧縮して地に墜とし、今度こそ太歳星君の分霊の打倒に成功したが、干渉してきた太歳星君本体によって分霊が回復してしまう。
しかし、戦闘者として余計な横やりを嫌う分霊は本体の干渉をはねのけ、勝利を譲歩する代わりに新皇との全力の死合を要求。それに応えると、分霊は最後の大技『極超新星爆発』を繰り出す。
その瞬間、新皇は思い出す。死後民たちが自身の負傷や略奪の被害よりも、自分の治世が失われたことを嘆いていたことを。それを見、朽ちてはならぬ、もうひと戦せんと誓ったことを。
新皇は頭部の傷から重力の矢を生み、過去の運命を撃ち崩すがごとく撃ち返す。
その威力によって分霊を大技ごと飲み込み封殺するが、本体が再度干渉。分霊を救出し自身の領域にかくまおうとするが、新皇は本体の左腕を引きちぎる形で分霊を取り返し、とどめの拳打を頭部に見舞う。これによって分霊との戦闘は決着、新皇も蓄えていた許容量以上と思われる力を吐き出して倒れこんだ。
追記・修正は進化してからお願いします。
- さすがに将門公をネタにするのはヤバイと思うが。きちんとお祓いやお参りすれば大丈夫なんだろうか… -- 名無しさん (2023-06-21 22:37:45)
- 大丈夫じゃない?こいつ出て随分経つけど、作者さんはご存命だし。 -- 名無しさん (2023-06-22 23:11:40)
- まぁ明らかに別格で敬意ある扱いしてるから大丈夫じゃないかと -- 名無しさん (2023-06-25 04:46:06)
- 重力操作できるならブラックホール作れるのか? -- 名無しさん (2023-07-18 14:30:48)
- 全国心霊スポットの回読み返してたら、源頼朝が逃げ込んだ場所なんてのがあった。ある意味因縁の土地か? -- 名無しさん (2023-08-20 12:16:20)
- 将門は頼朝とは直接関係ない。同じ桓武平氏の系譜とはいっても清盛の属する伊勢平氏の祖を蹴散らしてて一族ってわけでもないし。 -- 名無しさん (2023-10-15 04:26:53)
- そうか。平氏・源氏の有名人同士という美味しい組み合わせだから何かしら生まれそうだと思ったんだが。 -- 名無しさん (2023-10-16 20:10:54)
- 夜宵は将軍塚で「(将門の霊は)時間の経過に耐えられなかった」って言って「足早に立ち去ってる」一方で、中学の時に蛍太郎は近くで霊障らしき頭痛を感じてるの、やっぱ「なんかある」よな…… -- 名無しさん (2023-10-25 22:14:38)
- 命令も聞くし、強さも十分。扱いやすさなど総合的に見れば上から2、3番目くらいに優秀そう。 -- 名無しさん (2023-11-01 20:23:43)
- この御方が登場した時テンション爆上がりした -- 名無しさん (2023-11-26 11:39:53)
- 神様につけたはずの傷が人形に・・・? -- 名無しさん (2024-02-05 11:01:33)
- 神様の力を流す用のやつだと思うよ。晴明が削った力は器に入れなきゃダメみたいなこと言ってたし -- 名無しさん (2024-03-20 17:59:54)
- ネタといってもちゃんとお祓いやらすれば大丈夫なことはメガテンで実証されてるでしょ -- 名無しさん (2024-05-26 03:32:46)
- まぁ、やっぱりその人だっだよね… -- 名無しさん (2024-08-05 17:47:54)
- 今月ので将門であることがほぼ確定。作者、関係者もちゃんとお参りに行った上でのお話だとのこと -- 名無しさん (2024-08-07 12:49:20)
- 近い内、項目名が変わるのだろうか? -- 名無しさん (2024-08-10 23:04:42)
- バフ盛り盛りとはいえ高位の神格の分霊にストレート勝ちしたうえ本体にも大ダメージ与えたのはスカッとした -- 名無しさん (2024-09-07 10:46:52)
- 単行本も発売したので項目名を「過渡期の御霊/新皇」に変更したいと思います。反対がなければ一週間後に行います。 -- 名無しさん (2024-09-14 21:26:09)
- 一週間経過し反対がなかったので「過渡期の御霊」→「過渡期の御霊/新皇」に項目名を変更しました -- 名無しさん (2024-09-21 20:01:58)
- 乙でした。 -- 名無しさん (2024-09-21 20:31:33)
- 項目名も変わったし内容も後々追記されるのかな -- 名無しさん (2024-10-19 01:44:11)
- 今後どうなるのか楽しみな御方。あの時の姿はもう原則的になれないとしても、式神戦の時よりは強くなってるだろうし -- 名無しさん (2024-11-15 18:30:20)
- ↑将門公って怨霊としての側面が有名ではあるけれど、同時に祀る神社や関連するお寺も複数存在するから、神格を持っているともいえる御方なのよね。そりゃ太歳星君から見ても大物扱いなのも納得ではあるし、京都編の最終決戦って文字通りの神々の戦いだったわけで…ほんとによくあの程度の被害で済んだもんだ。…ところで、残りの2柱もなかなかにすさまじいお歴々な訳だが、ポケモンでいうところの伝説枠になるのだろうか? -- 名無しさん (2024-12-26 12:37:23)
- ↑全国心霊スポットの回見直したけど、夜宵はその2体に関してなにも言及してなんだよね。あれだけ詳しいのに知らないとも思えないし。 流石に手を出さないつもりなのか、あるいは0期生みたく伏せてるだけなのか。(大人の事情で出せないのかもだけど) -- 名無しさん (2024-12-28 11:04:45)
最終更新:2025年01月27日 00:12