ディアボロ(天空の扉)

登録日:2023/07/16 Tue 13:30:18
更新日:2024/07/11 Thu 16:23:33
所要時間:約 10 分で読めます


我が名はディアボロ かつての魔王だ


ディアボロとは天空の扉に登場するキャラクターである。
物語開始前に人間界に進行して6つの国を焼き払った恐怖の魔王であり、3年前に勇者レイによって倒されたはずの人物。
しかし、物語開始直後には町を焼き払う勇者レイから魔族の娘レイシャと共に小動物の姿で逃げ回っていたところ、主人公であるルーシュ達に拾われ、それ以降旅の仲間となっている。
真の姿は如何にもな魔王然としていて、他に似たような風貌の持ち主もいないが本人の弁によると獣魔族の亜種である。

<経歴>

地球の2割を占める魔界は魔素と呼ばれる独特な物質が大気に含まれており、そこでしか魔族は生活できないとされていた。
しかし、物語開始50年前にとある事故により人魔の国境付近で三日間を過ごした魔族が普通に人間界に行くことが出来たことから魔素の薄い国境付近で体を慣らすことで魔族も人間界に行けることが可能だと判明。
人間側も同じように薄いとはいえ魔素がにじみ出ている国境付近で体を慣らすことで魔界側に足を運ぶことが可能。

これによりこれまで断絶状態だった人魔は国交を得て友好関係となった。
当時既に魔王だったディアボロは「家の鍵を閉めるように国の扉もしっかりと管理しろ」と命じたのだが民主主義でもあった魔界では大多数の意見に負けて人間側も魔界側も国境に対する警戒はかなり緩んでしまい、警備する軍隊すら置かれないという危険な状態になった。

結果として人魔問わず詐欺師や強姦魔、殺し屋などの犯罪者が当たり前のように行き来して互いに相手の文化に疎い事を利用して悪事を大量に働いた結果国を挙げての大歓迎ムードだった両国の関係は悪化。
ディアボロの下に「邪悪な人間どもに鉄槌を下せ、王としての責務を果たせ」という声が集中。
何とか押さえ込もうとしたのだが抑えきれず、彼は自らの国を守るために人間界へと侵攻を開始。
結果として本作において主人公達以外ほとんど人間が登場しないレベルで人間側は手痛い犠牲を払うことになった。
そして人間側も勇者レイを召喚し、数々の試練を超えさせてはついに魔王ディアボロを撃破したのである。

しかし、どういう経緯をたどったのかは不明だがディアボロは生きていた。戦争が終わった世界にゴブリンによく似た小動物の姿となって従者であるレイシャと共に各地を転々としていた。
そんな矢先にルーシュ達と出会ったのである。

<人物>

常にキセルを口にしては煙を吐く渋い人物。魔王ということもあってか大小様々な知識に精通しており、作中では新しい情報や知識などは基本的に彼の口から解説される。
小動物のような外見からは考えられないくらいにどっしりと余裕綽々に構えているが故に分かる人物にはすぐにただの小動物ではないと悟られてしまう。

現在の姿ではほとんど戦力を持っていないが、齢100を超える元魔王と言う事もあり常に1手2手以上先を見据えた戦略眼や戦術、腹芸など様々な技術や知識を持っているために油断ならない。旅の仲間達にとっては彼の知識や作戦などは無くてはならないものであり、かつて無数の死者を生み出した元魔王とは言え徐々に信頼関係が築かれていく。そして彼自身もまた仲間達への篤い信頼を募らせる。

幼い頃から知識欲の塊であったためか世界中のあらゆる知識を得てついに王家の禁じられた書物庫に足を踏み入れてしまい、どんな願いでも叶えることの出来る天空の扉についての情報も得てしまう。
これまで得た知識や本人の性格から「とても魅力的だが存在するはずのない絵空事。しかし、気にならないはずがない」という感想を得る。そして勇者レイの目的が天空の扉を開けるために必要な世界の人口の減少だと知ると少しずつだが天空の扉が実在するのでは無いかと確証を得ていく。
さらにはかつて天空の扉を開いたことで「神」になった空っぽの男との出会いからついにその確信を得る。

100才を超える高齢者だからか子供にはどこか甘く、それ以外にも敵対しない者に対しては甘く優しい。特にルーシュ達の生れたばかりの子供に対しては激甘であり、されるがままの玩具にされても「目に入れても痛くない」と言うなど完全に孫が可愛くて仕方ないおじいちゃんである。
しかし、一度敵対した者に対してはどこまでも非情。ただし戦力的に脅威にならないと判断した場合には殺さずしかし生かさずの処遇を申しつけることもしばしば。

勇者レイとの戦いが終わった後はまるで己の死期を悟り、余命の限りを若者の成長を見守ろうとするような安らかな表情を撮ることが多くなった。しかし……


<能力>

本来獣魔族というのは肉体強化以外の魔法を不得手としており、その身一つであらゆる戦場を突破する種族なのだが、彼の場合は亜種と言う事もあってか無数の魔法を使用できる。
現在の小動物の姿では使える魔法はほとんど無いのだがそれでも他人の肉体を借りれば途端にあらゆる戦場を無双出来るチートとなる。

彼本来のスペックで言うならば脚力よりも尾の力の方が優れている以外に特筆すべき点が無く、作中最弱の生物であるゴブリンにさえ
真っ向から負けてしまうほど弱い。

まとめると、「本来なら種族的に脳筋であるはずなのだが様々な魔法を使えるだけで無くあらゆる知識に優れるためについには魔界側の王である魔王となったのだが現在では他人の力を借りなければ最弱モンスターにさえ勝てない」状態である。
ちなみにどうして今の姿になったのかは明かされておらず、他に出来る者もいないため魔王としての特性か禁じられた書物庫から得た禁術によるものだと思われる。
(と言うより劇中では魔王としての姿を真の姿と称しているが勇者レイに討たれる寸前に額に付いた宝石から今の姿が一瞬だけ見える描写があるため、魔王としての姿こそが後から得られた仮の姿である可能性もある。)


<活躍>

前述通りレイシャと共に勇者レイから逃走しているところをルーシュ達に助けられて拾われる。
それ以降、ルーシュは勇者レイにさらわれた姉を救うために、レイシャは勇者レイに洗脳された二人の姉を助けるために旅を開始。
ルーシュが得たマクロドライブによる砲撃という新たな技の指導をしつつ、マギアには自身の魔法をすべて継承させてそれぞれの指導を行う。
基本的にディアボロが作戦指示を出すことが多いのだがスタンピードが合流してからは対人では彼の方が一歩長けていることから彼に譲ることもある。

中盤にそれぞれが分かれて行動することになってしまった時はマギアと共に行動し、盗賊などの襲撃時には彼女の肉体を借りて撃退している。そうして戦闘経験を積ませることで彼女を一人前の戦士にしようとしたが彼女の本質が普通の13才の女の子であることは見抜けず、何度か誤算を打ち、あわやという事態にまで陥ることもあった。

勇者レイとの戦いの終盤ではかつてとは立場が逆転していながらも相変わらず勇者故の理不尽な奇跡の数々を前に冷静さを欠くことも多かったが最終的には勝利に導くなど最後まで知将として最前線に立ち続けた。

勇者レイとの戦いが終わった後はルーシュ達の子供達と安らかな生活を送っていたのだが……



永遠の時を……精神がすり切れるまで……好きなだけこの知識欲を満たせる……決して知り得ないはずのことを知れる……!!!
頼むから止めてくれるな……これは儂の夢なんだ

<魔王から神へ>

天空の扉の真実を知った一行。
それは「この世のすべてを自由自在に知り、実行できる存在……すなわち神となれる。しかし、既に本来この世に存在しなかった魔法という後付けのバグのせいでこの世界は寿命を迎えつつあるがためにどんな願いを叶えたとしてもこの世界は滅んでしまう事」だった。
たとえ神となっても出来ることは世界の寿命が来たら出来る限り時間をリセットすること。しかしそうしても魔法が存在し使用されることでどんどん世界の寿命は削れていき、やがては確実な滅亡が約束されてしまっている。
即ちある意味どんな願いを叶えても意味が無いと言う事。
しかし誰かが神となって世界をリセットすることで寿命を先延ばしにしなくてはならない。
かつての神だった空っぽの男は既に絶望により何をやっても無意味だと諦めているため宛てにならない。
敗戦の責任を負う形で勇者レイとキャロスが新たな神となることが決まり、世界リセットまでの安らかな時間を過ごすことが話し合いで決まった。

しかしそれから半年以上過ぎたある夜。魔力が十分に回復したことでやっと本来の姿に戻ることが出来たディアボロ。
ルーシュ達に軽く挨拶をしてから天空の扉へと移動。勇者レイやゴブリンエンペラーを時空ごと封印し、ルーシュやスタンの説得も聞かず自らが神となって天空の扉を開きその先にある神の座へと進んでいった。

生来からの異常なまでの知識欲を満たすためというのも、本当に世界をリセットし続けることでしか滅亡を避けられないかを試すというのも事実だが実際には空っぽの男が信用できないというのが神となった本音だった。
と言うのも空っぽの男が神となってやったことは「人間としての欲望……性欲や金、贅沢などを満たすこと」であり、地球滅亡に関してはたまたま知っただけのことでそれだけで絶望して諦めてしまっていたからだ。

斯くして神となったディアボロは主観時間9億年を費やしてあらゆる知識を得た。
惑星規模のコンピュータを作り出してどのタイミングで魔法を世界からなくせばどういう影響が出るのかを詳しく調査。
さらに世界を原始からやり直したとしてどんな可能性による分岐が生じるのかを銀河レベルの超巨大なコンピュータを用いて計算。
その結果、魔法と言うのが本来この世界には存在せず後から何者かによって無理矢理付けられたバグである事、そしてそんなことが出来る以上この世界と言うものが別の超常的存在によって生み出された仮想の世界だという事、世界から緩やかに魔法と言うものを消してからバグをすべて削除することで世界の滅亡を防ぐことが出来ると言う事を突き止める。
それ自体は5万年ほどで解明できていたのだが残り8億年以上は自分本位の多種多様な実験を繰り返していた。空っぽの男が指摘しなければ完全に忘れたまま時を過ごすところだった

元の世界に戻ってきたディアボロは流石にややボケていたが瞬時に世界のバグを修正するための魔法を発動。
これにより世界滅亡と言うバッドエンドは回避できたと思われたのだが……。

<余談>

同じ作者の魔王であるジロウ・スズキとはおまけ漫画で何度か対面している。
どちらも実力は確かだが飽くまでも政治家としての魔王になった人物である。
作中では基本的に命令口調が多いディアボロだがジロウに対しては敬語で会話していた。




追記・修正は銀河のすべてをシナプスに接続して自分の思うがままに太陽系規模の演算を用いてお願いします。


この項目が面白かったなら……\ポチッと/

+ タグ編集
  • タグ:
  • KAKERU
  • 天空の扉
  • 魔王
  • ディアボロ
  • おじいちゃん
  • チート
  • 知将
  • 知識
  • 好奇心
最終更新:2024年07月11日 16:23