エイハブ(Limbus Company)

登録日:2024/02/16 (金) 23:08:01
更新日:2025/04/18 Fri 19:44:16
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私の船に乗れ。そして湖底の果てまで行くんだ。

エイハブ(에이해브, Ahab) とは、Limbus companyに登場する人物。
メインストーリー5章の重要人物であるため、ネタバレ注意。

概要

かつてイシュメールの所属していた、ピークォド号の船長。
そして彼女がLimbus companyに所属することになった理由でもある因縁の相手。

老齢な女性だが、背丈は高く、プロムンあるある
緑の軍服のような恰好をしている。
背丈ほどある長い銛を背負い、銛にはオレンジのガス灯がともっている。
また、特徴的なのは歩くたびに金属音を鳴らす、左足につけられた銛の義足。

人物

U社大湖に出没する怪物、蒼白な鯨を狩ることに人生のすべてを捧げている。
鯨に対し尋常でないほどの憎悪と執着を持っており、鯨を狩るために訳ありの船員たちを従えていた。

人格としては、自己中心的でありながら、傲慢。
「蒼白な鯨を狩る」そのためなら他人はどうなってもいいと考えており、それ以外には関心も責任も持たない。

にもかかわらず、元ネタ同様、独特な比喩を使った発言に合わせて他人を扇動したり、鼓舞するカリスマ溢れる一面もある。
過酷な大湖でも、その演説で船員たちの心を掴んできた。

とかく人心掌握に長け、「どうすればこいつは自分の思う通りに動くのか?」という問いに常に最適解を出す。

そのためなら、手段は選ばない。
相手の最も求めるものと恐れるものを瞬時に見抜き、それを対価に扇動する。
ある時は罪悪感を、またある時は過去の後悔を、果てには自分の命さえも利用し、他人を動かしてきた。
全ては蒼白な鯨を殺す、という目的のために。

ダンテはその様をこう評している。
人々の心を荒しまわって隙を作り、その隙間をゆっくりとこじ開けながら入ってく。
一度スキを突かれて染み渡った考えは、心が弱くなる時に広がってく。
そうして決定的な瞬間に爆発させる。

関係人物

U社の港でピークォド号の掲示板の募集を見ているところで出会う。
その自立した姿に憧れを抱いた時期もあったが、その狂気に気づき、決戦のとき以来自分のすべての責任をエイハブに押し付けていた。

  • クィークェグ
大柄で筋肉質の女性。
エイハブの懐刀にしてピークォド号の誇る銛打ち。

「中指」の構成員だが脱退を望んでおり、執拗な追跡からの逃亡の果てにピークォド号の乗船員となった。
また過去から逃れるために逃亡中は色々試してみたらしく、その経過で脳に障害を負っているようで、喋り方がたどたどしい。
それでも元幹部なだけあり、船員の中でも実力は跳びぬけている。

  • スターバック
ピークォド号の一等航海士で、エイハブの右腕。
エイハブに対して真っ向から意見をぶつけられる、対等に近い人物。
…だとイシュメールに思われていたが、結局は彼もエイハブに依存しきっている。

本作とは関係ないが、元ネタとなった『白鯨』の同名キャラクターはチェーン店「スターバックス」の名前の由来として有名。

  • ピップ
ピークォド号の船員である気弱な少年。
同僚のスタッブが「人魚」に変化した事で恐怖に飲まれ、あっという間にエイハブの狂気に染まり、罪悪感からエイハブを盲目的に信じるようになった。
原作からして哀れなニグ●とか言われてるんだから救いがない













白鯨との決戦の時、大破するピークォド号と共に彼女自身も大湖の藻屑に消えたように見えたが、
イシュメールは心のどこかで生きていることを確信していた。

そして...


※以下は5章ネタバレを多数含みます。
















しぶとくも白鯨の体内で生存。
生き残りの船員たちと「ピークォドタウン」を作り生活していた。
そのすさまじい執念と精神力で白鯨の浸食に耐え続けていた。
囚人たちという白化しない戦力を手に入れ、白鯨と決着をつけるため、心臓部へ向かう。



心臓前の集結地点

心臓を目の前にして、語り始める。
白化を防ぐため、その頭を掻き出して、ダンテを犠牲にし、黄金の枝を寄越せと。
鯨についてよく知る自分に任せれば、囚人も船員もみんな生きて帰れると。

一見、筋の通った話だが、しかし、管理人としてそれは許可できない。
エイハブは結局、囚人たちの責任を取ろうとしないことを指摘し、
そしてなにより、「自分」はそんなことで死にたくない。
「犠牲」は死を包装する耳障りのいい言葉でしかない。と論破する。

イシュメールも船員たちはお前に洗脳されただけ、エイハブこそ、他人を塗りつぶす「鯨」だと
ダンテの評と近しいことを言い放つ。

すると、冷静さを捨て持論を語りだす。

それがどうした?
知らん。いや興味もない。

彼らは鯨を捕まえるという目標だけを持つべきだったのさ!
薄っぺらかったから食われ、惰弱だから振り回されたのさ。

結局、この世で大事なのは私、自分自身だから!
大事なのは私があれを悪と宣布したことであり、
それが私の法であり、価値観であり、宗教であり、信念である!

私が死ねば世界も死ぬ。
それなら私の生き方と存在方法こそ世界そのものだ!私が決めたのさ!
誰も他人の人生の責任を取っちゃくれないし、生きてもくれない!!!

だから私は決して折れない。
揺らぐことなく、私の信じるものを伝えることができるんだ。

私は絶対に疑うことのない世界の善と悪を決め、お前たちへと刻んだのさ!
強く生きていけるように!!!


それなら私にとってお前が悪だ。
私のすべての憎悪、私のすべての目的、私のすべての失敗、

私のすべての過去、そしてすべての喪失を!
そのすべてをお前が作ったんだ!エイハブ!


いいぞ!かかってきな!
お前と私の世界を衝突させてみようじゃないか!
誰の悪が、どれほど強いのか!対決だ!!!



鯨の心臓

遂にボスとして立ちはだかるエイハブ。
ピークォド号の精鋭、クィークェグとスターバックを連れての勝負となる。
ストーリーでは直前のセーブポイントでこちらの精神力がリセットされているのに対し、エイハブたちの精神は基本的に+15~+45で安定しているためマッチ勝利が難しい。

【パッシブ】
  • 「抑制された白化」-生存している仲間の数だけ攻撃レベル増加。
  • 「ピークォド号の船長」-毎ターン精神力を15回復。-45になってもパニックにならず、0に初期化。
  • 「曇った命令」-混乱すると味方の精神力が0に初期化。
  • 「冷酷な決断」-フェーズ2になれば体力全回復。前のターンの命令パッシブは無効化。

フェーズ1:

クィークェグをタンク、スターバックと自分自身をアタッカーとして、連携攻撃を行う。

基本の攻撃スキルと防御スキルは以下。
◎馬鹿め! 回避 3+8 自分の精神力を5回復[回避成功時]相手の精神力を5減少
1人なったり、クィークェグが混乱して連携が崩れ、不利になると使用。

◎老練の銛捌き 貫通 3+3 [的中時]出血2を付与
[的中時]出血2を付与
一度、銛を突き刺したのち、再び銛を振り上げて、より踏み込んで突き刺す二回攻撃。
エイハブの基本攻撃であり...囚人たちでいうスキル1といったところだろうか。

ステップ1:命令準備

エイハブは以下の命令を下し、次のターンから囚人絶対1人殺すウーマンになる。

私の周りに立て! 防御 15+5 [戦闘開始時]クィークェグに次のターンにて援護防御命令を下す。
この援護防御命令、一体どんな効果かと思えば、この命令が下されると、次のターンからクィークェグは以下のバフを得る。
エイハブを攻撃するターゲットが自分のスロットに移動する。
この効果を持つキャラクターのスロット加重値が無限に増える。
まさかの無限のスロット加重値である。
よって何人で攻撃しようとも、全ての攻撃スキルがクィークェグに向うようになる。

最後まで追跡しろ! 貫通 4+8 [戦闘開始時]スターバックに次のターンにて援護攻撃命令を下す。[使用時]次のターンに獲物の印1を付与
もう片方の命令はスターバックへの攻撃指示。
援護攻撃命令がある限り、スターバックはエイハブと同じ相手を攻撃し、反撃スキルを攻撃スキルとして使用する。
さらにしれっと付与されている獲物の印はこれがある限りダメージ+50%upになっており、貫通耐性持ちだろうが余裕で貫く。
この連携攻撃で1人を確実に削ってくるのがかなり強力。

それと最初のターンだけこの命令もする。
◎私の指示に服従しろ! 回避 3+10 自分ともう1人の精神力を10回復


ステップ2:総攻撃

ここから攻撃スキルが増える。
息を吐き出せ! 貫通 5+4 [使用時]次のターンに獲物の印1を付与[マッチ勝利時]呼吸4を得る。 [的中時]味方2人に呼吸4を付与。エイハブのみなら呼吸回数が2増加。
なし

銛で切り裂いたのち、踏み込んで銛を突き刺す攻撃。
このスキルに限ったことではないが、攻撃の勢いで義足からは火花が上がり、白色の残像が見える。

◎火が如き銛 貫通 3+3 相手のデバフ1つにつき、最終威力+1、出血1につきダメージ5%up [的中時]出血3を付与
[的中時]出血3を付与
[的中時]出血の分、火傷を付与
銛を振り下ろしてから、ポールダンスのように回転し足の銛で切り裂く。
最後に振り下ろした銛で切り伏せる。

2回の命令を下すか、船員がやられればフェーズ移行。

フェーズ2:

基本の連携は変わらない...が攻撃の激しさが増し、以下の攻撃スキルが追加される。
◎最後の恐怖を飛ばしてやろう! 貫通 4+4 味方の精神力を10減らして、自分の精神力を10回復 [的中時]次ターン味方1人に麻痺を1付与
[的中時]火傷回数が1増加[的中時]次ターン味方1人に麻痺を1付与
[的中時]火傷回数が1増加[的中時]次ターン味方1人に麻痺を1付与
味方に麻痺を付与するのはデバフに思えるが、同ターンに使う減算コインスキルのため。
モーションとしては老練な銛捌き+息を吐き出せ!
二回突き刺してからとどめに銛を投げつける。


死の焼き入れ 貫通 6+10 味方1名に「逆らえぬ命令」を下す。[マッチ敗北]味方1人の混乱区間が20前進 [的中時]脆弱2を付与
「逆らえぬ命令」
スキル使用時、体力が現体力の10%減少。
スキルの最終威力+1
的中時にエイハブの精神力を8回復。自分とエイハブに呼吸2を付与
銛を振り下ろして切りつける、重い一撃。

仲間がいなくなれば、スロット数が5に固定され、命令スキルを除く、これまで使ってきたスキルを使用する。

仲間が残っていても、エイハブを倒せば戦闘終了。

一方攻撃で、確実にこちらの戦力を削ってくる難敵。
貫通耐性の人格や、早々に相手の頭数を減らすことを意識したい。










注意!


5章の重大なネタバレを扱っています!





















お前はチャンスをやることもできた!船員たちへ!
少なくとも自分がどこに立っているか、わかるように...。



船員たちのチャンスを私が奪った?違うな。
彼らは私が残した後を見ながら、自分の方向を私に合わせたのさ!

そうしなきゃ耐えられないから。限りなく弱いから!
不確実な人生の中で、誰よりも確実なものを持っている私が道を作ってやったんだ!



















分からないのか?
こいつらはもはや「エイハブ」だ。

私の憎悪を自分の憎悪とみなし、
私の仇を自分の仇とみなし、
いかなるものにも逆らえぬ、私の銛!

エイハブ/開花E.G.O::ガスハープーン


左腕が巨大なハープーンランチャーへと変化し、
ガスタンクにはオレンジのガスが宿る。
3つのカートリッジには生き残った船員たちの顔面が浮かび上がり、
それぞれが水色、黄緑、紫に光っている。

その恐るべき自我で、他人を巻き込みE.G.Oを発現させた姿。*1


エイハブ自身のパッシブ、スキルは以下の通り。

  • 「エイハブ」-精神力が-45でなければ精神力を15回復。パニック状態を解除し、精神力が0に初期化される。次のターン攻撃威力増加、防御威力増加2を得る。

  • 「崇高の対価」-フェーズが移行するたび、攻撃レベルと防御レベルが増加。必殺スキルにて敗北すると、精神力が減少。

刺し殺す 貫通 2+4 [的中時]攻撃レベル減少6を付与
[的中時]出血回数が3増加

掛かって来い! 貫通 3+4 [的中時]出血3を付与,出血回数が3増加
[的中時]出血3を付与[的中時]出血回数が3増加

混濁した奇跡 貫通 3+3 [使用時]次のターンに「獲物の印」を付与 [的中時]出血3を付与[的中時]ダメージ量減少2を付与
[的中時]出血回数が3増加
[表面的中時]蒼白な騒音1を付与[的中時]出血5を付与

以前のスキルと比べると、どれも呼吸を得る効果がなくなり、出血に重きが置かれている。
また、相変わらず「獲物の印」で数値以上の火力も出してくる。
なお、自分のスキルを使うときはオレンジのガスの軌跡が見える。

ここから3つのフェーズでの戦闘が始まる。
それぞれ独自のカウンターを持ち、それが0になれば、混乱。
そのカウンターを消費して、強力なスキルを使用する。

これを3回繰り返すことになる。

フェーズ1/ピッブの自我



スタッブが死んだからあんたはこうなったの...?

スタッブは死んでません!イシュメールさん!

ピップはそう言っただろう!
こいつは自らの罪悪感から逃げるために心を潰して私に捧げたのさ!

折れた心で逃げてきたやつらのため、私は最善を尽くし罪悪感を消し去ってやった!

しかし、お前は何もしなかった!
いっそお前がピップの代わりにオールを漕げば良かったんじゃないのか?

お前のせいだな!イシュメール!


銛が変形し、代わりに巨大な棍棒が装着される。
ガスタンクでピップの自我を燃やし、燃料にしながら。

【パッシブ】
  • 「ピップの罪と潔白」-「ピップの自我」を20得る。「ピップの自我」1につき精神力を3回復。値が0なら次のターンに混乱。

【スキル】
ピップ、お前の番だ。偉大になる瞬間だよ!


罪悪感の重さ
罪悪属性:怠惰
攻撃タイプ:打撃
マッチ威力 スキル威力 コイン威力 コイン個数 対象エネミー
8~10(14) 8 2 1 3-7枠
  • 最大体力が最も低い対象3名を攻撃
[戦闘開始時]ピップの自我5につき基本威力+2,攻撃加重値+1
[使用時]ピップの自我が3減少

[的中時]蒼白な騒音1を付与
[的中時]混乱区間を30前進
[表面的中時]対象の精神力を10減少




フェーズ2/スターバックの自我


スターバック、でもあんたは...船で唯一エイハブとぶつかれる人だった。どうして...?

愚かな、愚かだな...イシュメール

スターバックは一番初めに膝をついたやつだ。
一等航海士は結局、船長の元に就くしかないという...。
ああだこうだいっても、船長は自分たちを目的地に辿り着かせてくれるだろうという安逸な考えに自ら目を覆ったヤツ!

こいつが正しい行先を見つめていることを知っているなら、
どうしてお前はあのとき、折れないように助けなかったんだ!

お前のせいだな!イシュメール!

スターバックの自我が挿入され、今度は楔型の刃に変形される。

【パッシブ】
  • 「スターバックの恐れ」-スターバックの自我を20得る。獲物の印を持つ対象とのマッチ敗北時、マッチにて破壊されたコインの数だけスターバックの自我が減少する。スターバックの自我5につき保護1を得る。スターバックの自我が0なら次のターンに混乱する。
【スキル】
一等航海士スターバック、自由が鼻の先だ!

木霊する嘆息
罪悪属性:暴食
攻撃タイプ:貫通
マッチ威力 スキル威力 コイン威力 コイン個数 対象エネミー
3~13 3 2 5 1枠
  • 対象の出血1につきダメージ量+5%
  • 対象に獲物の印が無いならコイン威力+1
[マッチ敗北]精神力が5減少

[的中時]出血1を付与
[的中時]ランダムな敵3名に精神力ダメージ3を付与(全コインに適用)
パッシブの保護により、この必殺スキルをマッチ破壊しないとなかなかダメージが通らない。
コイン5枚の超火力。
うっかり被弾するとナーフ前は4桁の火力を叩き出した。


フェーズ3/クィークェグの自我


クィークェグ、私...あんたまで断ち切りたくない...。

全部お前のせいだイシュメール!
お前が、こいつの深く埋もれた心を無理矢理掘り返そうとしたからこうなったのさ!
これもお前のせいだな、イシュメール!

しっかりと見るんだ、人魚にならないようずっと耐えてきた決心が崩れ、白く死にゆく姿を!


最後に残ったクィークェグの自我が挿入され、腕は再び銛に変わる。
しかし、自分が背負っていたものではなく、クィークェグの持っていた銛と近い形状になる。

【パッシブ】
  • 「クィークェグの懺悔」-クィークェグの自我30を得る。バリアが残っているならクィークェグの自我を5回復する。バリアが無いならクィークェグの自我が10減少する。ターン終了時、クィークェグの自我が0なら次のターンに混乱する。


クィークェグ、我が最高の銛使いよ、目の前の縄を断ち切れ!

脱色された懺悔
罪悪属性:嫉妬
攻撃タイプ:貫通
マッチ威力 スキル威力 コイン威力 コイン個数 対象エネミー
10~15 10 5 1 1枠

[マッチ勝利時]防御レベル増加6を得る
[マッチ敗北]精神力が5減少
Ⅰ[的中時]蒼白な騒音1を付与
 [的中時]対象を混乱させる

この形態の厄介な点は3回まで再使用される反撃。
このせいで、貫通弱点の人格は思うように攻撃できず、バリアがある限り精神力も削られる。
体力も精神力も削られ、追い詰めるほどに火力も上がっていく。
安定して削れる火力や貫通耐性のタンクがいれば楽だが...



最後にもう一度、銛を構え、発射する。


私は湖を駆る...この都市を駆る...私はこれの心臓を握り締め、悪の根を断ち切ろう...!

しかし、他人の銛で貫ける物は無かった。
銛はイシュメールにはじき返され、自分を貫いたのち、イシュメールの足元に落ちた。


決着

最後に残った船員すら遂に死んだか。一人残らず?
そうか! これでお前は私と同じになったな。イシュメール。

私たち二人とも、誰かを殺したとしても その先にあるものを手にさえすれば、その行いは当然だって思うのさ!
それさえ殺せば、それ以上望むものはないってね!



そうだ、私の心臓を潰し・・・私の頭に穴を開けろ、イシュメール・・・!



エイハブは永遠に、エイハブだ・・・!

しかし、常に前だけを見る必要はない。
自分の望むものだけに耳を傾け、前に進むために隣にあったものを見つめ直し、自分だけの航海術を見つけた彼女の選択は....

鯨の心臓を打ち抜くことだった。
よく見ろ。
今もお前が私に似てるか。

末路

自分が仕留めるはずだった鯨を失ったエイハブは永遠に戻ってこない船員たちに、絶叫しながら呼びかける。

私を刺すべきだった! その銛は私へと向くべきだった!
どうして! お前が! どうしてお前が!

蒼白な鯨を探さねば! 皆目をかっ開け! 叫べ!

銛使い!銛を強く結べ!操舵手は船を回せ!
1等航海士は帆を張れ!オールを漕げ!!
この世全ての悪を噴き出すあの蒼白な鯨がいる場所へ…。



我が航海士たちよ! 出港を・・・!出港を…!!

しかし、その叫びは空虚に散ってゆく。



私はエイハブだ。私は・・・!

エイハブの没落とともに航海は終わったのだ。

最後、鯨から脱出するときには喚きながら放置される。
イシュメールの彷徨った証として、イシュメールの「鯨」として見下されながら。


しかし……?
+ 私を…私を殺すべきだったな…。
白鯨の死骸の上を呆けていたところを
ヘルマン理事に「全ての世界の、蒼白な鯨を殺せるように。」と勧誘を受け、N社の愉快な仲間たちに加わることとなる。
残虐な女傑はいずれまた立ち上がるだろう、ガスの炎を灯した銛を持ち、目に映る鯨を狩り、全てを「イシュメールのせい」にすべく。



余談

  • 元ネタはイシュメール同様「白鯨」の船長エイハブ。
    銛の義足、クジラへの執着、ふかしたパイプと外見もそうだが、加熱させた銛や眠らない様子や「私の後には白き跡だけが残る...」や「エイハブというおぞましい網」とかなりニッチな台詞や所作からも引用が見て取れる。

  • ガスハープーンだが、単純にガス銛という武器であるとともに、ガスライティング(ウソの情報を信じ込ませて個人に自分を責めさせる行為、あるいはそれに伴う嫌がらせ、人格否定)との掛詞である可能性が高い。ガスライティング行為はLimbusの注意喚起メッセージの中にも書かれている。

  • ~なのはお前のせいだな!イシュメール!も国内外問わずミーム化した。
    もっとも自己責任論をしているエイハブの性格的に本気で言っているのではなく、ガスランディングの一種と思われるが...

  • 帽子に8のマークがあり、エイト協会の協会証を発行できることから(噓だった可能性も十分あるが)元、あるいは現エイト協会の課長ないしは関係者だと思われる。


  • 彼女との決戦時に流れるBGMはプロムン作品おなじみのMiliによる『Compass』。
    凶暴で狂気に満ちた船長との戦いでありながらも、その曲はソナー音を思わせるような静かで幻想的なイントロから始まる内容。
    しかし、フェーズが進んでいく毎にMomocashew氏の歌声がより強くなり、歌詞も残酷さを伴い始める。
    そしてラストのイシュメールの「決意」と「選択」にて、歌声は叫ぶようなものへ変わるという、まさしく5章のラストを飾るに相応しい曲となっている。


追記、修正は自分だけの羅針盤を見つけた方にお願いします。
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最終更新:2025年04月18日 19:44

*1 もっとも「彼女」と対話した様子が一切ないため、不完全なE.G.Oの可能性は高い。フィリップの第一形態や撤退時のシャオのような