おしいれのぼうけん(絵本)

登録日:2024/7/24(水) 20:09
更新日:2025/01/24 Fri 19:58:02
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さくらようちえんには こわいものが ふたつあります。

ひとつめは おしいれで

もうひとつは ねずみばあさんです。

おしいれのぼうけん(絵本)とは、ふるたたるひ(古田足日)・たばたせいいち(田畑精一)著による絵本である。1974年・1980年に童心社より出版され、現在は200万部を超える大ベストセラーとなっている。
内容が子供にとっては結構怖めのため、トラウマになっている人も多い。

あらすじ

さくら幼稚園に通うあきらとさとし。2人はある日おもちゃをめぐり喧嘩をし、みずのせんせいに罰として押し入れの中に入れられてしまう。そこで2人は仲直りをし、お互いおもちゃで遊んでいたが、そこに「ねずみばあさん」が現れ、あきらが囲まれてしまう。ギリギリのところでさとしはあきらの手を引っ張り、大冒険が始まる…

登場人物

  • あきら
主人公。ミニカーをめぐってさとしと喧嘩し、押し入れの下段に罰として閉じ込められてしまう。
序盤にねずみばあさんに捕まりそうになるがさとしの助けもありなんとか危機を逃れる。
最初は「もうだめだよ」と気弱だったものの、終盤には勇気を振り絞りねずみばあさんに立ち向かうなど根は勇敢。
  • さとし
もう1人の主人公。あきらと同様押し入れの上段に閉じ込められる。
序盤にあきらを助け、共に大冒険へと行く。ねずみばあさんに詰められた時は気弱になっていた。
  • ねずみばあさん
本作の主なトラウマ要因。
幼稚園で恐れられている存在。先生が行う人形劇の登場キャラの1人…のはずが2人のことを現実で狙う悪役に。
見た目は年老いた魔女のよう。地底に住んでおり、ネズミを操る能力を持つ。何百匹ものネズミと共に2人を追いかける。
街灯の火をネズミにするなどの術を使える他、2人の先回りをしたり、こっそり後をつけピンチになったら捕まえるなど中々頭も切れる様子。
ちなみに2人を捕まえたあと、「お前たちが謝ったら許してやる」と言うなど実は優しい…?あきら「謝るもんか!」
  • みずのせんせい
幼稚園の先生。ねずみばあさんの人形劇を時々する。注意しても騒いだり暴れたりする子供がいると問答無用で押し入れに閉じ込める。

何故本作は多くの人のトラウマなのか?

そもそもこの絵本、集団行動をコンセプトとした「ぼくたちこどもだ」というシリーズの一環として書かれ、作者が保育園を取材して回って完成した。
そこで「押し入れに子供を罰として入れたこと」や「人形劇でねずみばあさんを使い、子供たちが怖がったこと」を聞き、それを絵本に取り入れたという。

…要するにこの本、子供たちのリアルなトラウマがリミックスしており、更に子供の視点から展開の変化が描かれているから怖いのだ。

本の中の具体例としては、
  • 先生に叱られる
  • 罰として押し入れという暗闇+閉所に閉じ込められる
  • 都市伝説的存在(ねずみばあさん)に遭遇し、追いかけられる

子供の頃に叱られたことは誰にでもあり、その後罰として押し入れに閉じ込められた経験があるという人も少なくはないだろう。
また怖い本を読み、「口裂け女とか八尺様とかトンカラトンとかに追いかけられたら…」と想像し、夜眠れなくなってしまった経験がある人も多い。

つまり保育園での取材により、子供が共感しやすいことや子供から見た視点が多く生まれたことで「もし自分が…」と想像することが容易くなる。その結果、子供にとってはかなり怖い本となったということ。

余談

  • この本の対象年齢は3歳からなのだが、絵本にしてはかなり分厚い*1。そのため、絵本から児童書へと移る5~7歳が主な対象だろう。
  • この本の最後では、2人が「押し入れ」と「ねずみばあさん」、2つの恐怖を克服し、「たのしいもの」にするのだが…読み終わった子供にとっては道中のねずみばあさんの印象が強く、「こわいもの」のまま。いわゆる「みんなのトラウマ」本となっている。



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ひとつは 追記、

もう ひとつは 修正です。

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最終更新:2025年01月24日 19:58

*1 80ページ。普通の絵本は長くても30ページほど。